ダーク・ファンタジー小説

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疾風の神威
日時: 2022/01/13 23:46
名前: 野良 (ID: JGdWnGzk)

虚無きょむ”。
突如として現れた、謎の生物。人を襲い、喰らい、その多くは他の生物にも化ける。なぜ、どこから現れたのか、誰にもわからない。
神威団かむいだん”は、“虚無”たちを殲滅するために結成された。神威団は全団員が、“虚無”を倒すための武器を所持している、政府公認の組織だ。
これは彼らが命を懸けて戦った、歴史の1ページである。


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こんにちは、野良です。初めての作品となります。
あらすじの通り、主人公たちが“虚無”を倒し、その謎を解き明かしていく、という物語です。
慣れない投稿で荒削りなところもありますが、よろしくお願いします。

主人公のプロフィールです↓


夜明刹那よあけせつな(17)
水瀬みなせ高校の2年生。皐月さつき隊の隊員。武器は黒い大鎌“黒咲くろさき”。妹が虚無にとり殺され、虚無を抹殺するために神威団に入団。妹を救えなかった責任から、自分を縛り付けてしまうことが少なからずある。誰に対しても敬語。にこにことほほえみを浮かべていることが多い。基本穏やかな性格だが、敵対者には容赦しない。


疾風の神威 ( No.4 )
日時: 2021/11/27 16:42
名前: 野良 (ID: JGdWnGzk)

___ここは市立水瀬高校。私たちはここの二年生だ。もちろん、学校周辺にも虚無は出る。そこで、政府は、小、中、高、大、全ての学校に、虚無に対しての防衛機能をつけることを命じた。水瀬高校は、周辺に虚無が出現すると、防御用のシャッターが窓や入り口に降りるようになっていたり、体育や部活動など、外での活動を行うために、グラウンドやサッカーコートなどに避難所を設置している。 
「ふわぁ~…眠い…」
佐助が席に着くや、鞄を枕に眠り始める。それを杏が教科書で叩いて起こす。夜中の任務のあとは、いつもこうだ。私は鞄を横にかけると、窓の外を眺めた。
(…今日は何も起こらなければ良いですが…)
そうならないことは、知っている。


「…つまり、この数の2乗を…」
ただいま三時限目。朝起こされたばかりなのに、佐助は隣で眠っている。杏はもう起こす気はないようだ。私はそれを横目に、黒板へ視線を戻した。
その時。
<正門付近より、虚無の出現を確認。シャッターを降ろします___>
放送が入り、生徒たちがざわつき始める。シャッターがあるとはいえ、やはり不安になるのだろう。
「ちょ、みんな、落ち着きなさい!大丈夫だから!」
先生が落ち着かせようとするが、みんな聞いている余裕はないようだ。席を立とうとすると、
<___刹那、佐助、杏。聞こえるか?>
耳元につけている通信機から、団長の声が聞こえた。佐助は慌てて起きる。私たちはその声に耳を傾け、「はい」と返事をした。
<そうか。水瀬高の近くに虚無が出たことは、もう知っているな?>
「ええ。既に情報は入っています」
<なら話は早い。今すぐ出動してくれ。柚月には既に指示を出した。…この場は、皐月隊の出番だ!>
「了解」
通信機が切れる。
「…つっても、どこから外に出りゃあ良いんだよ?」
「それは、なあ、刹那」
「ええ。佐助、放送が入ってから、そう時間は経っていませんよ」
「…え!? おいおい、嘘だろ…」
「私はそんなくだらない嘘はつきませんよ」
私たちは、シャッターの降り始める窓から飛び降りた。


「…おぃシそゥ、ィそ、おォ…」
「…あゥ、ェあ、?」
正門へ着くと、黒い化物の姿が二十体ほど確認できた。
「…お前ら、来たか!」
「先輩!」
既に団服姿になっている先輩が、私たちのもとへやってきた。
「俺は先に片付けてくる。お前らも早く来いよ!」
そう言い残すと、先輩は薙刀を構えて走っていった。
私はその後ろ姿を見て、前を向く。
「…目標を確認。これより、戦闘を開始します」
服装を制服から団服に切り替え、それぞれ武器を出す。青いマフラーが、風でなびく。
「…頼みます。“黒咲”」
手元に現れる黒い大鎌に、私はそう呟いた。

疾風の神威 ( No.5 )
日時: 2021/11/28 20:46
名前: 野良 (ID: JGdWnGzk)

「ェ、だ、レぇえ?」
「邪魔です」
目の前に現れる虚無を、ただひたすら切りつけていく。この調子だと、そう時間はかからないだろう。
「ぃイたいィィぃ」
腹部を切りつけた虚無が、そううめきながらこちらへ走ってくる。私は構えを取ると、大鎌を振り___
「ぅわっ…!?」
突然、体が後ろへ倒れ、私は背中を打った。
「っ…、!!」
「つ、っ…づカまェ、たあぁ」
前から、後ろから、虚無が迫ってくる。私は急いで起き上がった。マフラーの先端が、黒いもやに包まれている。おそらくマフラーを引っ張って、私を転ばせたのだろう。
大鎌を振るい、前方の虚無を切り倒す。だが、後ろの虚無を倒すには、間に合わない___
___ザシュッ
「…イタイ、いたィ、ィぃ、た…」
虚無が倒れる。
「刹那、大丈夫か!」
太刀を携えた杏が、私を心配そうに見ていた。
「き、杏…! ええ、大丈夫です。助かりました」
「それは良かった! さぁ、残りも早く片付けよう」
「はい」

疾風の神威 ( No.6 )
日時: 2021/12/09 15:53
名前: 野良 (ID: JGdWnGzk)

___バンバン!! バン!!
銃声が鳴り響く。佐助は弾丸を込めると、再び前方を見た。まだ虚無は残っている。
(早く仕留めねぇと…!)
「何シてルノぉおおぉ?」
ハッとして振り返ると、虚無がゆらゆらと体を揺らしながら近づいてきていた。冷静に銃を構え、標準を合わせる。
「…消えろ…!」
バン!!
力強い音をたてて、銃が発砲される。弾は虚無の首の付け根に命中し、虚無の頭は体を離れていった。
「よっしゃあ!! センパイ、今の見ました!? 完璧っスよね!」
「あーはいはい。凄かったから集中しろ」
「へーい」
「ったく…。…さて、と」
___薙刀を手に、前を見る。目があった虚無が、にた、と笑った。
「ねェ、遊ボぉぉ」
「あぁいいぞ。遊んでやるよ」
虚無がその大きな右腕を振り下ろす。柚月は跳び、薙刀を構え___その刃を突き刺す。
鮮血が飛ぶ。
「あ”ァあ…!! ィだい、いだィィ…!!」
虚無は腕を振り回す。柚月は刃を抜くと、また跳んだ。そして___首に刃をかける。
ザシュッ
赤い血を飛ばしながら、虚無は倒れる。柚月は地面に着地すると、頬についた血を拭う。
「はーっ…。もっとかわいい声とか出せないのかねぇ、こいつらは」
「センパーイ! 今の見てましたー!?」
「あー、見てた見てたー。凄かったなー」

疾風の神威 ( No.7 )
日時: 2022/01/01 00:30
名前: 野良 (ID: JGdWnGzk)

_二十分後。
「よっし、全員無事か?」
柚月先輩は周りを見回した。周囲には、虚無の姿も、気配もない。それを確認すると、先輩は通信機を起動し、団長へ報告を始めた。
「…団長、俺です。任務報告します。怪我人、死者共に無し。任務完了しました」
<そうか。無事に任務を果たしてくれたこと、感謝するよ。それじゃあ、それぞれ授業等に戻ってくれ>
「はい」
_ピッ
通信が切れる。私は団服から制服に切り替え、武器を仕舞った。
「…はあ~…」
佐助がため息をつく。
「なんだ、ため息をついて」
「だってよー…。この後は授業に戻るんだろ? …そんなのより、任務やってる方がよっぽど楽しいんだけどなぁ」
「まったく、あなたは…。自分が学習面で、どれだけ崖っぷちにいると思ってるんですか?」
「うっ…」
「まあまあ。ほら、お前ら、喋ってないで、授業に戻るぞ」
疲れたような顔をする佐助をたしなめながら、私たちは授業へと戻った。




Re: 疾風の神威 ( No.8 )
日時: 2022/01/14 00:16
名前: 野良 (ID: JGdWnGzk)

「お前ら、今日もすごかったな!」
「本当! あんなのと戦えるなんて!」

教室に戻るなり、クラスメートたちが口々にそう言う。佐助は得意そうな顔をし、杏は少し照れているようだ。

「神威団ってすげぇよな。みんな虚無と戦えるんだろ? それに、武器だってなんなく使いこなすって聞いたぞ」
「おう。俺も入りたての頃は、銃の扱い教わったんだぜ」
「すっごーい! 碓氷君と夜明さんも使えるの?」
「まあな」
「もちろんです」

みんなが私たちを取り囲む。虚無がいなくなった後は、ほぼ毎回こうだ。みんな、安心しきったような顔をしている。私はふっと笑みをこぼし、マフラーを軽く撫でた。


_お昼の時間になり、私はお弁当を持って、食堂に向かっていた。歩いていると、後ろから走ってくる足音がした。振り返ろうとすると、背中に強い衝撃を受けた。

「う"っ!?」
「先輩、こんにちは!」

背中を押さえて振り返ると、青いロングヘアーの女子生徒が、弁当箱を抱えて立っていた。
彼女は夏目なつめ燐音りんね。私の後輩であり、そして、神威団の団員だ。

「これからお昼ですか?」
「えぇ。食堂で食べようかと」
「私もなんです。一緒に行きましょ!」
「わっ、とと…。そう急がないでくださいよ」

燐音さんは私の手を引っ張る。つまずきながらも、私も食堂へと向かうのだった__。


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