二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- CLAYMORE 運命の道筋
- 日時: 2012/08/14 21:07
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: ???)
  
- プロローグ 
 「いつの世も戦士とは、多くのものを背負っている 」
 そう、その男は静かにゆっくりと語った……
 一体、どれ程の修羅場を潜り抜けてきたのか、
 どれ程の屍の山を乗り越えてきたのか。
 彼の纏う気迫と眼差しには、
 それは、本当の地獄と悲しみを知る者だけが持つ……
 凄みというものが有った。
 とうに過ぎ去った時間の中で、
 焼き付いて離れず逆光する記憶と痛みは、
 とてつもなく深く、悲しく、忌まわしく
 そして、懐かしい思い出でもあった。
 全てを失った男は大剣を取った。
 それが例え、血で血を洗う呪われたものあったとしても、
 醜態を晒してでも、そうしたかったのだ。
 己が生き長らえるが為に……
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- Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.39 )
- 日時: 2012/11/03 16:35
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: DWz/vbtf)
  
- ExtractScnen 紳士の回想 
 運命とは、川に浮く木の葉のようなもの。
 故に今日と同じ明日があると、
 一体、誰が保証出来るのだろうか……
 時間は巡る。
 まるで、木の葉が激流に流されるかの如く ーーー
 それは、まさしく白昼夢に思えた。
 音や気配は感じなかった……
 にもかかわらず。
 我らが、その戦士を視認した時には既に手遅れ。
 そう、我々は始めから
 奴の手の平で踊らされていたにすぎなかったのだから………
 ち、畜生…忌々しい奴ら……だ!!
 「仕事を達成いたしました。
 報酬金は後ほど、そちらにお伺い致します
 怪しい黒服の方にお渡しください 」
 ー 一体、何が起こったんだ? ー
 ー ああ、あのクレイモアとかいうだろう? ー
 ー 突然、妖魔が互いに…… ー
 (……一般の方々からすれば、
 自分達も妖魔と同じなのでしょうかね……? )
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 「なる程、全戦士で最も妖気読みに長けた
 お前だからこそ、成せる技というわけか……? 」
 目元以外の顔を覆い隠した爪先から頭まで黒ずくめの者がとう。
 「はい。
 名前の方は生憎、覚えておりませんが。
 確か、酷似する技を使う並みの戦士が居ませんでしたか…? 」
 「……ネルソンの事か? 」
 「多分、その方だと思います……
 あれは、単純に一瞬のみ。
 相手の虚をつく事で妖力を同調させる技。
 しかし、厳密に言えば…“似て非なるもの”
 自分の妖力も含めて、
 極めて絶妙且つ繊細なる制御と集中力を無くしては、
 精度はかなり落ちるでしょう…… 」
 “流石に精神介入は不可能ですがね”と。
 溜め息まじりに中指で、ずれた眼鏡を元の位置へ戻す。
 「……それを簡単に言うな。
 この際はっきり言うが、
 お前が言う理屈は、数百メートル先にある。
 数本の針に正確に糸を通せと言うようなものだ……
 それが出来るのは現時点で、お前一人だけだ 」
 「そうなんですか? 」
 続く?
- Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.40 )
- 日時: 2012/11/03 22:01
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: AhExT7bF)
  
- ExtractScene 紳士の回想2 
 ゲオルギウスSIDE
 自分は…僕は九つより前の事は殆ど覚えていない。
 覚えている記憶の方は酷く曖昧で、
 父母が自分を呼ぶ声や屈託のない弟妹の笑顔。
 故郷らしき水路が多い街の風景。
 そして、みんなの墓の前で佇む自分。
 それが、僕の最も古い記憶……
 気が付けば防御型の訓練生で、
 模擬ではあるけれど、大剣を握り締めながら、
 ひたすら剣技を磨き、知識を吸収し、日々を生きていた。
 別に、疑問に思ってはいません。
 過去を殆ど思い出せないという事は、
 それも程、僕にとって辛く悲しい記憶か……
 あるいは、忌まわしい記憶なのかもしれない。
 それに、組織に集められた者の全員が何らかの理由で家族を亡くした孤児という事……
 無理に思い出すよりも、
 ただ、目の前にある現実を受け入れる方が楽でしたから……
 「そうなんですか? 」
 「当たり前だ。
 お前は頭は切れるが、そう言う常識を知らん…… 」
 はあ、そんな技なのですか……?
 僕にとってみれば、少し難しいと言うだけですが……ね?
 「お前の能力は、言わば天恵だ。
 視力が弱いが故に与えられた才能といえよう……
 だが、全員が素質に恵まれているのではない事を忘れるな 」
 「御意…… 」
 続く?
- Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.41 )
- 日時: 2012/11/04 00:29
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: AhExT7bF)
  
- Scene12 戦いの後で 
 「して、どうだったんだ…イースレイ? 」
 「さっきと同じだよ。
 強いて言えば、ラーズを超える才能……。
 ……まるで凪を思わせる静かさをもちつつ。
 且つ流麗に必要な箇所にのみ妖力を集積して使用する技術。
 そして、それによる
 極めて迅速で驚異的な再生能力といったところだ 」
 眼前で異常とも言える速さで、
 眼球の完全再生と斬り傷を治癒させたうえ。
 半分程度ではあるが、右腕も再生させたのは
 防御型の戦士では、彼が初めてであった。
 それこそが、ナンバー7に昇格した何よりの証なのかもしれない。
 「……限界は超えなかったのか? 」
 「ああ。
 本人は必要性が全く無かったからと言っていたが……? 」
 「なる程 」と黒服は傾くと。
 声を押し殺しながら怪しい笑みを浮かべた。
 (狐め……。
 どうやら、力を計るだけではなかったようだな )
 続く
- Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.42 )
- 日時: 2012/11/04 18:34
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: ???)
  
- 幕間 漆黒の思惑 
 なる程、なる程……
 確かに、妖魔相手に妖力解放の必要は無いな……。
 「つまり、再生させる部位のみに妖力解放か……。
 不慣れとは言え、驚異的だな…… 」
 「…………。
 まあ、我々上位ナンバーに比べると荒削りだ……
 諸刃の刃か武器になりえるかは、奴次第だ…… 」
 それを戦闘に生かせるか、殺してしまうか。
 あるいは、制御に失敗し……。
 つまり、イースレイはそう言いたいのだろう。
 「…………ふむ。
 イースレイ、次の指令だ。
 大人しくついて来い…… 」
 続く
- Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.43 )
- 日時: 2012/11/04 23:36
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: ???)
  
- Scene13 敗者の逃走 
 底が知れない強さを目の当たりし、
 成す術もなく敗れたウィルフレド。
 彼はまず、眼球ごと失った左目を再生させ。
 同時に最後に受けた斬傷を……
 しかし、右腕だけは完全に回復しきれなかった為。
 そのまま、逃走したのだった ーー
 (ここまで来れば追っては来れないだろう。
 しかし……
 何故、組織はたかが力を測るのみだけに、ナンバー1を使った? )
 どうも、ふに落ちない。
 組織に目をつけられる事は、何一つ思い当たらない。
 ただ、力を測るだけならばすぐ上の、
 ナンバー6 ラーズで良いはずであると考えているうちに。
 いつの間にやら日が暮れていて、吹雪もピタリと止んでいた。
 「夜…か…… 」
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 それから一刻のち。
 雪や風を凌ぐだけの洞窟にウィルフレドはいた ーーー
 「手酷い傷だな…ウィルフレド? 」
 「あぁ…予想以上の化け物だった。
 正直、どうあがいても…
 イースレイに勝てるどころか、攻撃を防ぎぐ事さえ叶わなかった 」
 「そうだな……。
 それにしても、もう…腕を完全に再生させたのか? 」
 ありえない。とレオナルが言う。
 (僅か半日で、それをやってのけるか。
 しかし、覚醒している訳でもなさそうだが……? )
 「……仕事に差し支えないくらいにはな 」
 続く
 後書き
 何話かが、とても短くてすみません。
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