二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- CLAYMORE 運命の道筋
- 日時: 2012/08/14 21:07
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: ???)
  
- プロローグ 
 「いつの世も戦士とは、多くのものを背負っている 」
 そう、その男は静かにゆっくりと語った……
 一体、どれ程の修羅場を潜り抜けてきたのか、
 どれ程の屍の山を乗り越えてきたのか。
 彼の纏う気迫と眼差しには、
 それは、本当の地獄と悲しみを知る者だけが持つ……
 凄みというものが有った。
 とうに過ぎ去った時間の中で、
 焼き付いて離れず逆光する記憶と痛みは、
 とてつもなく深く、悲しく、忌まわしく
 そして、懐かしい思い出でもあった。
 全てを失った男は大剣を取った。
 それが例え、血で血を洗う呪われたものあったとしても、
 醜態を晒してでも、そうしたかったのだ。
 己が生き長らえるが為に……
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- Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.14 )
- 日時: 2012/08/29 03:41
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: tA56XhER)
  
- 幕間 赤銅の戦人 
 昔、私がまだ若かった25の頃……
 勉学の為に聖都ラボナへ赴いた事があった。
 その際、私を護衛したのが
 平凡な顔立ちだったが、赤銅のような赤髪と深い碧眼印象的な少年の傭兵だった。
 「お前が、私を護衛する者か? 」
 「あぁ。 俺の名はエドワード……
 あんたの親父さんに頼まれて護衛をさせてもらう 」
 「私はニコラス……。
 随分と粗暴な態度だけど、礼儀の一つも知らないのかい? 」
 「失敬……。
 ……うちはな、親父の代まで流民だったんだ。
 学が無い事は許してくれないか? 」
 流民……
 飢饉や流行り病や領主の圧政に耐えかねた者なのか、
 あるいは、民族の文化で元々そういう一族なのかは訊けなかった。
 何しろ、一般人にとっての流民の評判は思わしく無く、
 差別や迫害の対象にしているのが現実。
 彼も恐らく、その犠牲者だったのだろうと思ったからだ。
 「そうなのか……。
 すまない悪い事を訊いたな 」
 「いいよ、昔の事だ…… 」
 実に素っ気ない返答だった。
 曰わく。
 エドの家系は物事に無頓着な人物が多く、
 皆、赤髪と深い海の碧眼をしているのだという。
 因みに酒にやたら強いのも特徴らしい。
 旅の途中。
 頑固で厳しい父親を持つ者同士という事で、
 それなりの友人になった。
 それから、十年の時を経て。
 覚えたてだという、ミミズがはったような下手な文字で、
 “結婚して長男が生まれた”という
 簡潔で素っ気ない手紙を送ってきた時、
 思わず笑みがこぼれた。
 (いかにも、あいつらしい手紙だ )
 後にも、簡潔で素っ気ない手紙を何度が送ってきた。
 そして、五男のウィルフレドが息子の中で一番。
 戦いと剣の素質がある、と書かれていた手紙を最後に。
 エドの住む村が盗賊によって壊滅し、
 家族全員、死んだと風の便りで訊いた。
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 あれから十余年。
 目の前の、クレイモアと呼ばれ始めた半人半妖の戦士を。
 無頓着そうに淡々と話す様子や言葉の素っ気なさ。
 そして、酒に強い家系と自称するところをどうしても、エドと重ねてしまう。
 顔立ち、髪と瞳の色は全く異なっているというのに……
 はて、何故だろう?
 「はあ、佐様ですか……? 」
 「まあ、滅多に口にしない嗜好品だ。
 有り難くいただくぞ…… 」
 最初はご機嫌とりのはずが、
 何故か、エドと晩酌しているような錯覚がする。
 何故だろう??
 その日。
 その戦士に一晩休むよう進めたが、
 戦士は家人に迷惑をかけるだろうと、断られた。
 私が、その代わりに名前をと訪ねると。
 「何故、訊く?
 どうせ、忘れらるるというのに……? 」
 「……亡くなった親友に性格が、似ているからです 」
 「そうか…… 」
- Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.17 )
- 日時: 2012/08/30 01:00
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: tA56XhER)
  
- 「そうか…… 」 
 Scene8 血族の烙印
 (大方、そいつと俺を重ねているのだろうが……。
 それだけで普通、名を訊くものなのか? )
 真剣なおもざしで自分の名を尋ねてくる依頼人。
 それに対してウィルフレドは、
 (いずれ、忘れらるるとわかりきっている)名乗るべきか否か、と
 暫く口をとざしたまま下を傾き、ゆっくりと椅子から立ち上がり。
 側に置いてあった大剣を掴み、そのまま背に戻す。
 「悪いが、次の仕事が入っているのでな…… 」
 「え? し、しかし、まだ…… 」
 狼狽するニコラス市長をよそに、
 いつもの「報酬金は、後から来る手はずの黒服男に渡すと良い 」と短く告げると、
 そのまま後ろを振り向き、扉のドアノブを捻り、引く。
 「……名か。
 いいだろう、酒の礼だ
 特別に教えてやる…………。
 …………ウィルフレドだ……… 」
 そう、簡潔に名を明かしてウィルフレドが出て行った後。
 ニコラス市長は、その告げられた名に酷く驚いて目をむく。
 (ウィルフレド………!?
 エドのせがれの一人と同じ名前だ。
 だが、あいつの家系は皆、赤毛碧眼と訊いた。
 しかも、件の奇襲で一家全滅しているはず。
 !? もしやクレイモアの、あの噂は本当だという事なのか?
 もし、仮にそうだとしたら…… )
 続く
 後書き
 本人は預かり知らない過去編……
 これもまた、運命なのでしょうか?
 それとも、偶然だったのか?
 それは、読者のあなたがご想像くださいませ。
- Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.18 )
- 日時: 2012/08/31 02:51
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: tA56XhER)
  
- 幕間 白銀の傍観者 
 “始まりの町ピエタ”を挟む険しい山の一つに漆黒と頂点が、
 ホワイトアウトで白く染まった地上を眺めている。
 「シャガル。 あれが、ダフが言っていた。
 暴風のチャーリーに代わって、
 ナンバー7に引き上げられた“悲壮の”ウィルフレドか……? 」
 シャガルと呼ばれる顎髭を生やした黒服は小さく頷く。
 「そうだ…イースレイ……
 最初、印と共に奴へ与えたナンバーは24。
 訓練生の時点では、とくに目立つものは無かったが……
 その後、実戦で研鑚を積み潜在能力を開花させた戦士だ 」
 「へぇ……。
 (町から感じる妖気は4つ。
 その内、3つは妖魔 もう1つは奴か……。
 ! もう、決着がついたのか )」
 「どうした イースレイ? 」
 「たった今、奴の任務が完了したようだ。
 もう少し遅いと思ってたんだけどな…… 」
 面白い。とイースレイは微かに笑みを浮かべる。
 「…………イースレイ。
 お前の見立てでは、奴をどう思う? 」
 「……防御型にしては強い戦士。
 これがもし、攻撃型だったならば早期に目覚めた鬼才。
 だが、いずれにしても“アレ”を超える事は。
 まず、あり得無いだろうな 」
 「“アレ”とは? まあ、良い……。
 これで、チャーリーとヨハンの奴も納得するだろうしな。
 クククっ……… 」
 (コイツ、格好だけでなく腹も黒いな……。
 確か、あの高慢ちき男。
 トマーゾを粛清したメンバーの1人が奴だったな……。
 つまり、あの時点で奴はトマーゾを確実に仕留められる力はあったという事か…… )
 続く
- Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.19 )
- 日時: 2012/08/31 18:12
- 名前: 珈琲猿 (ID: jF5f2bDU)
- こんちわ。 
 お引越しなさったんですか。
 原作沿いの歴史にすると、前のはだめだったんですか?
 だけど、この板はより複雑にシリアスに
 人間が書かれててこれは、これでとてもいいwww
 毎晩。 更新されるのを楽しみにしてます!!!!(煩い
 ダフ!!
 頭いいから嫌いってwww
 もしかしたら、イケメンも嫌いとかwwww
 あと、ついにイースレイも登場!!
 アレって誰ですかいっ!?
- Re: CLAYMORE 運命の道筋 ( No.20 )
- 日時: 2012/09/01 01:48
- 名前: カササギ ◆QNO.naEbTg (ID: tA56XhER)
  
- 珈琲猿さんへコメント返し 
 はい。
 資料探しでウィキ等で調べているうちに、
 すでに販売していない号に、
 コミックに収録されないらしい番外編が存在していたという事実が判明いたしました。
 結果として、
 イースレイ、リカルド、ダフ、クロノスは初代上位ナンバーという事になります。
 その為、やむを得ないと判断して此方に移ってまいりました。
 ……多分、そうなのかもしれません。
 “アレ”は今のところ秘密です。
 ある程度、話しが進めたのちに登場させる予定です。
 応援ありがとう御座います。
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