二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- ぬらりひょんの孫-もしもあの時-
- 日時: 2010/10/29 00:19
- 名前: 向日葵 ◆5tAuYEuj7w (ID: 5bBsNqZt)
こんにちわっ&はじめましてっ
3年ぶりに舞い戻って来た向日葵と申します
あ、名前は変えてありますが。
まずはクリック、ありがとうございます、ハイ←
まあ、題名通り、ここはぬら孫の夢小説です。。
まあ、特にルールとかはないんですけど、これだけは守ってほしいってーのが3つほど。
・まずは荒らしはやめてください。
ここ、荒らされるが為に作ったわけじゃないですし
・更新が亀の歩みよりも遅いのでご承知ください。
まあ、来年受験ですからね。。
・駄文です&原作沿いではありません
まんまです。
これを守ってくださる方だけドーゾ☆
いらっしゃってくださったお客様.・*
戒魔様
紅葉様
凛様
海条みや 様
目次
序幕…>>2
第一幕
1−1>>7
1−2>>11
1−3>>14
第二幕
1−1>>20
1−2>>21
1−3>>23
1−4>>24
1−5>>25
1−6>>26
第三幕
1−1>>28
1−2>>29
1−3>>32
1−4>>36
1−5>>39
1−6>>40
第四幕
1−1>>42
1−2>>43
1−3>>44
1−4>>47
1−5>>49
報告.・*
>>41
訪問インタビュー
橘 風花編>>31
納豆小僧の悪夢>>33
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- Re: ぬらりひょんの孫-永遠ノ唄- ( No.40 )
- 日時: 2010/10/11 23:23
- 名前: 向日葵 ◆5tAuYEuj7w (ID: 5bBsNqZt)
1−6.・*
数学の時間。
風花は、頭の毛が乏しいが優しく面白い話をしてくれる数学の教師 山城 睦 の話をそっちのけで、ただ机に突っ伏してひたすら、半端ない痛さの頭痛に耐えていた。
頭に流れ来る「コウ」だった断片的な記憶。
清明とのおしゃべり。
羽衣狐に教えてもらった力の使い方。
鬼童丸の剣の稽古。
しょうけらから延々と聞かされた聖母の素晴らしさ。
生き肝を思い、うっとりとしている羽衣狐との会話。
城下町でのぬらりひょんとの出会い。
珱姫が連れてこられた時。
宮子姫、貞姫の最期。
町で、幼い奴良鯉伴が珱姫と買い物をしているところ。
かか様とよく似た人を見つけ、駆け寄ったが違っていたこと。
奴良組総大将が変わったこと。
首無の噂。
一人孤独に、人に化けて暮らしてきた日々。
鯉伴に子供ができたらしいこと。
羽衣狐が新しく転生して自分に会いに来たこと。
鯉伴の死。
リクオ様がガゴゼを討った、と町をウロついていた怪力の巨漢が言っていたこと。
そこで記憶は入れ替わりその先は「風花」のものだった。
なぜ、そこで記憶がぷっつりと切れているのかは分からないし、自分が橘 風花と分かり、住む所が新しくなっていたのかも分からない。
何があったのかは取り敢えず分からず仕舞いだったが、風花は治ってきた頭痛にホッとしながら頭を上げるとそこには「風花」の友達の茜とミリヤがいた。
「梅ちゃん、お妙ちゃ——」
思わず、「コウ」の中の唯一の友と呼べる人物たちの名前を言ってしまい、恥ずかしくて風花は俯いた。
——私は、「コウ」なのか「風花」なのか。
「あ、やっと気付いた!! 1時間目の休み時間から話しかけてるのにちっとも起きなくて怖かったよー」
茜はうわーん、と風花に抱きつく。
「そーそー。どしたの? あんたがシカトなんて珍しい…。今日は空から槍が降ってくるんじゃないかと思ったよ?」
ミリヤは風花の前の空いている席に、ドカッと重い腰を下ろして笑った。
「今……何時間目?」
「ん? ご飯だよ?」
「早く食べねーとあたし飢え死んじゃうから用意しよーぜッ」
2人は風花の様子がおかしいのに気付きつつ、暗い雰囲気にならないよう明るく振る舞った。
風花は、ただただ頷いて、弁当を持って、屋上に向かう2人の後に続いた。
- Re: ぬらりひょんの孫-永遠ノ唄- ( No.41 )
- 日時: 2010/10/12 23:47
- 名前: 向日葵 ◆5tAuYEuj7w (ID: 5bBsNqZt)
こんばんわー
明日を限りに更新を一旦中止したいと思います。。
テスト一週間前なんで、テストが終わった時点で、また更新したいと思いますー
- Re: ぬらりひょんの孫-永遠ノ唄- ( No.42 )
- 日時: 2010/10/13 00:21
- 名前: 向日葵 ◆5tAuYEuj7w (ID: 5bBsNqZt)
第四幕
1−1.・*
風花は自宅の前に立っていた。
否、自宅だった所の前に立っていた。
「………。」
目の前にはたくさんの消防車が止まっている。
風花の隣の家は全焼、風花の家は半分焼けていた。
——いやいやいや。
「見間違い……」
じゃない。目をいっくらこすっても家が元通りにならない。
風花はふとこの間のニュースを思い出した。
『浮世絵町で原因不明の火事多発』
と、その時、群衆の中から膨れ上がる妖気を感じ、目を凝らした。
が妖気は凝らした刹那、霧散してしまった。
風花は仕方なく、学校に向かって歩き出した。
風花の持論。
1「春の屋上程天国に近い場所はない。」
2「夏の夜、アイスを食べながら星を見上げるのは楽しい」
3「秋の窓際程涼しいものはない。」
4「冬の教室で一番前になるとストーブ当たって3学期はバラ色。」
今当てはまるのは1だ。
アスファルトが黄昏色に染まる中、風花はコンビニで買い込んだおにぎりをもっしゃもっしゃと食べていた。
服はどこから手に入れたのかピンクのパーカーに短パン姿で、惜しげもなくその白く細い足を曝している。
なぜ、彼女が金にも困らず、家が焼けてもこんなに余裕綽々としているのかは、彼女の妖怪としての能力にある。
彼女の能力、それは2つある。
1つはリクオから逃げる際に使った「異空間移動」だ。何もなく、ひたすら真っ白で無機質な陸地だけが続くそこは、風花のいる世界より時の流れが早い。
この世界の1週間が、その世界での2週間なのだ。
もう1つは「記憶操作」。
これはコウが最もよく使う能力だ。と言っても、使用用途は「授業に遅刻した」という事柄を忘れさせるために使ったり、「提出物を出した」と記憶を改ざんしたり、という事にしか使わない。
風花はぼんやりと家探ししないとなあ、と考えると、異空間へと飛んだ。
- Re: ぬらりひょんの孫-永遠ノ唄- ( No.43 )
- 日時: 2010/10/13 00:30
- 名前: 向日葵 ◆5tAuYEuj7w (ID: 5bBsNqZt)
1−2.・*
リクオは今、ぼんやりとこたつの近くでお茶を飲みながらテレビを見ている。隣にはリクオの祖父、ぬらりひょんが居て、宇佐美さんの「まっずいアメ」を食べていた。
かかっているのはニュースで、動物園のレッサーパンダが逃げ出した諸々をアナウンサーが伝えている。
『今日の夕方頃、——で火事がありました。——で現在、橘 風花さんが行方不明の事です』
「ぶっ!?」
リクオはそれを聞いて目を点にして吹き出した。
「どうしたんじゃ、リクオや。いきなり吹きおって。」
すぐさま妖怪たちが雑巾を持って床を拭き、ぬらりひょんは後ずさる。
リクオは食いつく様にテレビの液晶画面を見つめていたが、立ち上がって襖を開けて、走り出した。
妖怪たちはその様子を見て、ポカンと口を開いて呆けていたが、その内の一匹がぬらりひょんに聞く。
「どうしたんですかね、リクオ様。」
「野暮な事を聞くでない。」
すると、皆一様に「ああ、成程」と呟いて床拭きに戻った。
- Re: ぬらりひょんの孫-永遠ノ唄- ( No.44 )
- 日時: 2010/10/15 00:40
- 名前: 向日葵 ◆5tAuYEuj7w (ID: 5bBsNqZt)
1−3.・*
苦しかった。
息も勿論苦しいが何より心が絞めつけられた。
はじめは普通に、美人なクラスメートとして見ていただけだった。
いつから、この想いに変わったのか、そんなことは見当もつかないが、兎に角苦しくてたまらなかった。
どこにいるのだろうか。
無事を確かめたい。
無事でいて欲しい。
他に、何もいらない。
ただ、…ただ無事でいてほしい。
リクオはそんな想いで走っていたが、アパ●ンショップの前で突っ立っている、特徴あるアイボリーの髪をツインテールにしている少女を見つけ、その名を叫んだ。
「……閉まってる。」
風花は落胆していた。その声音はまるで地獄から響いている様な暗さで、腕は力なくぶらりと下がり、目はどこか虚ろだ。
——今日はやっぱり学校で眠るしか……でも夜の学校は妖怪がうようよいるし……。
そんな事を風花が考えた刹那、人通りのほぼ無いそこに、聞き覚えのある声が響いた。
「橘さんっ!!」
華奢な肩が大きく震えて、風花は驚き顔で振り向いた。
「奴良くん……? 何でここにい」
「何でここにじゃないよ!!」
リクオは安堵半分、怒り半分で風花の声を遮った。
——自分がどれ程心配したか。
「…ニュースで、橘さん家が映ってたんだ……それで、行方不明って言って」
「アリガト。でも大丈夫だから。」
今度は風花が遮る番だった。
顔は嬉しさ半分、自嘲半分の笑顔をリクオに向けた。
初めて向けた笑顔が、そんな笑顔だった。
だがそれも束の間、冷酷な瞳でリクオを見つめる。
「同情はやめて。」
——やめて。
「同情なんか、要らない。」
——これ以上、私に優しくしないで。
「私は一人で生きていく。」
——今まで揺るがなかった想いが、
「アリガト。来てくれて。嬉しかったよ。」
——揺らいでしまうから。
風花ははにかんだ。
——また裏切られるのは、嫌なの。
そのあどけなさが残った顔で、ぎこちなくも、彼女なりに精一杯の笑顔を浮かべた。
——嘆くのは、疲れたの。
そして異空間へと飛んだ。
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