二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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TOWRM 光り輝く少女の物語
日時: 2011/02/27 11:12
名前: 黒鳩 ◆k3Y7e.TYRs (ID: Y8BZzrzX)






どうもはじめまして。クリックして下さった方、ありがとうございます。作者の黒鳩です。

本作は、ナムコが発売しているテイルズオブザワールドというゲームに、オリジナルを追加して作成した小説です。

読まれる前に、下のご注意をお読みください。

まず、この小説はゲームの2を参考にして作ってあります。3もやりましたが、ストーリー的に2のほうがボクは好みだったので、そちらを採用しています。

次に、ゲーム内での専門用語はやってなくても分かるように解説を取り入れてやります。説明が足りねえ!と言う方は感想とかでいってください。返信致します。

キャラについてですが、基本は2のキャラが多いです。ですが、3に登場したキャラも一部登場します。ついでに設定もオリジナルです。(原作を壊さないで程度に)

何か追加でテイルズキャラを出せ!と言う方はお書きください。出せたら出します。

初心者ゆえに、感想とかめちゃめちゃ嬉しいです。酷評とかはお手柔らかに…。

最後に、更新が遅くなることが多いですが、途中で投げ出すつもりは現在ありません(多分ですけど……)


と長くなりましたが、それでもよろしければ読んで下さると嬉しいです。

それでは。









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Re: TOWRM 光り輝く少女の物語 ( No.27 )
日時: 2011/03/15 11:13
名前: 黒鳩 ◆k3Y7e.TYRs (ID: hxVh9B54)




ややや。コメントありがとうございます。黒鳩です。

とても構成が面白そうで、両方楽しみです。

ついでですが、今回事故って更新がしばらくできません。

直り次第書き進めますので、これからよろしくお願いします。

Re: TOWRM 光り輝く少女の物語 ( No.28 )
日時: 2011/04/15 11:47
名前: 黒鳩 ◆k3Y7e.TYRs (ID: Y8BZzrzX)





16話 懐かしい夢





心地よいまどろみ。

体がふわふわする。

これは、夢だ。

とても懐かしい、そして優しかった頃の記憶。

グレイシアが封印していた、大切な記憶。

とある一場面に、場面は切り替わる。






「はじめまして!わたし、カノンノ。貴女の名前は?」

「……」

名前?そんなものはない。生まれたばかりの自分に何を聞いているのだろう、彼女は?

「あれ?言葉が通じてないの?」

雪を模した髪飾り、穢れた雪を思わせる灰色のワンピース。ピンクの髪と緑の瞳が印象的。

「……名前。名前は。あたしの、名前?」

「そう。貴女の名前」

「ない」

「無い!?」

「……」

名前。あたしの名前。分からない、じゃなくてない。

存在しない。

「んー…」

カノンノは考える。

「それじゃ、グレイシアは?」

「?」

「名前だよ。名無しじゃ困るでしょ?だから、仮の名前。グレイシアって…まあこの世界の名前だけど」

「グレイシア?」

「そう」

カノンノは微笑む。

「……ん。分かった」

グレイシアもつられて微笑んだ。


場面が入れ替わる。







「だぁぁ!何してんのカノンノ!それはにんにく!生姜じゃないわよ!」

「え?違うの?」

「違うわよ!何してるの!」

ふたりはどこかの厨房で料理をしていた。

「あれ?」

「あれ?、じゃないでしょ!ああ、焦げてる焦げてる!」

「わぁぁぁ!!」

何だかんだで、ふたりは幸せそうに笑っていた。


また、切り替わる。





「グレイシアって仕事覚えるの早いね。すごいなぁ」

「それは…カノンノの教え方があたしと相性がいいの」

「そういってもらえると嬉しいな」

「現に、あんただって仕事の要領はあたしよりいいじゃない」

「一応、先輩だからね」

あははっ、と笑う。

グレイシアもクスクス笑った。


場面の入れ替わり。







「でも!そうしなくちゃこの世界は!」

「……カノンノ。あんたは、もうあたしの敵よ。あたしは、敵に掛ける情けは持ち合わせてないの」

「グレイシア!」

カノンノの悲痛な声を、グレイシアは無表情に返す。

「レディアントを所持するディセンダーの強さは…あんたが一番知ってるでしょ?あんただって、異世界の——」

「っ!」

カノンノの姿が消えた。

「!?」

グレイシアの反応が僅かに遅れ、体が後ろに吹っ飛んだ。

「グレイシア。わたしは、あの世界を捨てたんだよ。でも、この世界は守りたいの。だから、この世界を守るために、貴女と戦う」

木々を打ち抜いて倒れるグレイシアに、カノンノは告げる。

「貴女がこの世界のディセンダーでも構わない。この世界は、滅ぼさせない!」

「……甘いわ」

砂埃の舞い上がる中、グレイシアは立ち上がる。

「ディセンダーの判断は絶対よ。あたしは、世界樹の化身なんだから」

「だったら、貴女を排除するだけだよ」

カノンノの手には天使の翼のような大剣。

それを両手に構える。

「上等よ。あんたには、沢山の借りがあるけど、全部。この場で。仇で返すわ」

グレイシアも、左手に黒い鈴を持つ刀を握る。

「じゃあ、わたしたちは、敵同士だね」

「最初からそのつもりよ。あたしは、言葉より力を選んだんだから」

「説得には、もう応じてくれないの?」

「愚問ね」

「そっか…」

カノンノが泣いていた。

「まさか、こんな形でさよならするなんて…」

「……」

両者とも、武器を構える。

「…あたしだって」

苦しそうに泣くカノンノに聞こえない程の小声で。

グレイシアも呟いた。

「カノンノと、……にいたかった」





辛い記憶だ。

これ以降、あの少女の姿を彼女は見ていない。

死んでいるのか、生きているのか。

どちらにしても。

もう一度会えば、また。

また互いを殺しあうまで。

戦ってしまうだろう。



永遠に、もう。

相容れぬ存在なのだから。







Re: TOWRM 光り輝く少女の物語 ( No.29 )
日時: 2011/04/15 15:06
名前: 黒鳩 ◆k3Y7e.TYRs (ID: Y8BZzrzX)







17話 何時もの朝





「———」

何か、呼ばれた気がした。

「おい…ア!……シア!」

「……ん?」

むくりと、頭を起き上げた。

かすむ視界に、クーの姿を見つける。

「……何?クー、どうかした?」

「いや、朝のあいさつでその反応はどうよ…」

「朝?」

ゆっくりと体を起き上げる。

どうやら、机に突っ伏して眠ってしまったようだ。

「……あたし、何で机で寝てんの?」

「昨晩、明け方まで鉱山に篭って鉱石を採掘していましたから、そのせいで机で休んでいるうちに、シア様はお休みになられたのですよ」

ぱたぱたと、ヤタもやってきた。

「……あ、そうだった」

気が向いて、依頼をこなしていたら何時の間にか時間を忘れていたのだった。

グレイシアがアドリビトムに入って早1ヶ月。

相変わらず気まぐれに依頼をこなし、気まぐれに無断外出をする。

一番の規律違反者と化していた。

「あ〜…そういえば報告、してないわ」

「おい」

そして自室を与えられ、クーとヤタもまた一緒にいる。

「めんどくさいわ…」

「まあいいんじゃね?依頼品は適当にホールにほっぽっておいたし。誰か気付くだろ」

「そうね」

グレイシアはぼさぼさになった髪を、櫛で梳かし始める。

「そういえば、さっき魘されてたけど、大丈夫か?」

「懐かしい夢を見た。それだけ」

「そうか」

付き合いの長いクーには、察したらしい。

それ以上の追求はなかった。

「シア様。本日ですが、予定が入ってます」

「あったかしら?」

「はぁ…。忘れないで下さい。今日は、料理当番ですよ」

「めんどい」

「そうすれば、シア様の食事も無くなります」

「はいはい…」

ヤタに言われた料理当番は、交代制であり、今回の当番はグレイシアである。

「今回は誰と組むの?やめてよ、リフィルとはもう組みたくないから」

今彼女の話した女性は、教師でありながら、料理の腕は危険物製造工場である。

ちなみに食べた人間は、一部例外を除くほとんどが医務室送りになった。

グレイシアはその少ない例外である。

「あの時のあれのせいで、他の連中には変な誤解されるし」

この一件でグレイシアにまで、劇物製造のレッテルを貼られてしまった。

実際は、彼女もそこそこ美味しい料理は作れる。

創作料理は除くが。

ヤタも苦笑いしながら言う。

「安心してください。今回は、フレン様と、ユーリ様ですから」

「………」

露骨に嫌そうな顔をした。

「シア様」

「分かってるわ。はぁ…どうも、フレンは苦手なのよね…」

ヤタの咎める声に、グレイシアは言い返す。

フレンは、とある国の騎士団団長。

堅苦しい上に、規律を守らないグレイシアにいつも注意してくる。

俗に言う『いい奴』である。

しかしグレイシアにとってはただのお節介であり、口うるさいただの堅物だ。

規律を全力で無視するグレイシアが全面的に悪いのだが。

「あぁ〜。フレンな〜。シアにとってはお節介の馬鹿ってとこか?」

クーが意地悪そうに笑う。

「そうね。しかも甘ちゃんで、中途半端。別に、あいつは気に入らないわけじゃないの。ただ、苦手なだけ」

「だろうぁ。ユーリは結構付き合いやすいよな」

「あいつに比べたらね」

「シア様。時間がありません。早くしないと遅れますよ」

「今何時?」

「お昼前です」

「……えらく長いお休みだったようね」

「ほらほら急がないとフレンに何か言われるぜ〜」

適当に支度をし、自室を出た。

「クー、あんた楽しんでるわね」

「気のせいじゃねえか?」

やっぱり足元にクー、頭にヤタが乗っている。

「後で覚えてなさい。現実的にお返ししてあげるわ」

「え、何のこと?」

「ヤタ、あんたは証人ね」

「了解しました」

「てめ、何してんだボケカラス!」

「やかましいですよ馬鹿猫」

「んだとこらぁ!」


食堂につくまで、クーとヤタの口げんかは続くのであった。







Re: TOWRM 光り輝く少女の物語 ( No.30 )
日時: 2011/04/15 15:42
名前: 黒鳩 ◆k3Y7e.TYRs (ID: Y8BZzrzX)







18話 テイルズオブクッキング 1





「遅くなってごめんなさい」

「お、やっときたか」

巨大な厨房に入ると、私服のユーリが野菜を刻んでいるところだった。

「寝坊とはあんまりいただけないな、グレイシア」

「ごめんなさい。遅くまで仕事してたから」

「珍しいな。気が向いたのか?」

「そんなとこ」

ユーリとの雑談に花を咲かせる。

しかし、妨害するものが。

「二人とも、私語は慎んでくれるか」

「へいへい」

「……」

フレンである。

「グレイシア。前にも言ったけど」

「はいはい」

注意を半ば強引に切り上げ、さっさと持ち場に着く。

「あたしの仕事は?」

「んじゃ、その辺の魚さばいてくれ」

「…了解」

それから、大量の生魚を一人でさばいた。

「…終わった」

「早いな」

「…まあね」

ユーリの手にはじゃがいもが。

「……ユーリ。おかずにコロッケでも作るの?」

「ああ、これか?」

ユーリがにやりと笑う。

「なあ、グレイシア。取引しないか?」

「いいわよ。全部飲むわ」

「お、話が早くて助かる」

ユーリとグレイシアの取引。

グレイシアはユーリの作るコロッケが好きだ。

曰く、じゃがいもの風味を殺さずに、カラッと上げる時間も絶妙。余計な油分をしっかり落とすので、軽い。しかししっかりと上がっているので、美味しさも逃げない。

と長々続くが結局、すごく美味しいのである。

対するユーリも、甘党でグレイシアの作るデザート類が好みのようだ。

グレイシアの場合、相手の注文に応じて味が変わるため、ユーリの甘すぎずしっとりとした上品な甘味、といった細かい好みにしっかり答えたのである。

それ以来、ふたりは時々こうして取引と称してお互いに料理を作りあう。

アドリビトムの中では、グレイシアにとってはユーリは、仲のいい部類だろう。

「…ねえ、何この匂い」

「ん?」

そのときだった。

厨房に、痛みに近い刺激臭が漂ったのは。

「おいフレン!お前何してんだ!」

「ん?どうかしたかいユーリ」

当のフレンはケロッとしているが、彼の手元のボールから何だかヤバそうな匂いがする。

「どうかしたじゃねえだろ!お前レシピの通りに作ってたんじゃないのか!?」

ユーリの慌てぶりで、グレイシアは思い出した。

確かフレンは、レシピ通りに作れば、とても美味しいのだが、味覚がおかいのか、味見をするととんでもないものを入れたりする、と。

「うん?味にアクセントを加えたくてね。これを入れたんだ」

彼の見せたのは。

「……フレン。それ、唐辛子の濃縮エキスだけど」

「うん。それを入れたらちょうどいい味になったんだ。グレイシアも味見してみるかい?」

「……じゃあちょっとだけ」

近づいて、ボールを覗き込む。

「……」

言葉を失った。

赤黒い何だが粘性の液体がたっぷり入っていた。

指で掬うと、指がひりひりする。

「……」

無心で、ほんのすこし、舐めてみた。


「!?」


口の中が、爆発したような痛みに襲われる。

グレイシアは悲鳴すら上げずに黙って厨房を飛び出した。



その後、彼女が厨房に戻ってきたときには、顔が真っ赤になっていたらしかった。


Re: TOWRM 光り輝く少女の物語 ( No.31 )
日時: 2011/04/15 16:31
名前: 黒鳩 ◆k3Y7e.TYRs (ID: Y8BZzrzX)






19話 テイルズオブクッキング 2





「………」

みんなのお昼もユーリの活躍でぶじに乗り切り、午後。

グレイシアはあの後アンジュに呼び出され、依頼品はしっかり納品しなさいと怒られた。

「…」

未だに口の中が痛い。

どうやらフレンはあの中に他にも入れたらしい。

ユーリが呆れてもう何も言わないと言っていた。

そしてグレイシアはまた厨房に立っている。

今度は個人的に、自分のためとクーたちのおやつを作るためにきたのだ。

「何にしようかしら…」

今は彼女以外、広い厨房には人がまばらだ。

彼女は小型のオーブンの前で、クッキーの生地を伸ばしながら考える。

普通のクッキーは飽きたし、逆の発想でいこう。

という訳で、此処に分けた生地に生姜だの、ニンニクだのをすり潰した物を混ぜ込む。

それだけでは飽き足らず、今度はレモンの果汁をそのまま生地に加え、こねる。

「……」

まだまだ足りない。

そう考えた彼女は、何を血迷ったかタバスコに手を伸ばす。

言っておくが、グレイシアは自分とクーたちが食べるため、作っている。

実験台も自分やクーたち。

だからメチャメチャなことも平然とする。

一通り、生地が出来上がる。

色もカラフル。

赤、黄色、緑、青、黒。その他。

赤はタバスコ、黄色はレモン果汁、緑は緑野菜。

青と黒は、あまった材料を適当にぶち込み、着色料で色付けした。

その他、ニンニク、生姜、ヨモギ、魚の切り身、胡椒、などなど。

最早やりたい放題である。

量も食べるにはいささか量が多いような気が…。

「…あ、そういえば」

更に量は増える。

今度も懲りずに、生地に結晶砂糖、黒糖、甘味砂糖などを、本当に適当に放り込む。

彼女の創作料理は、はっきりいって他人が食べるのは禁忌である。

「よし」

それら、毒物を次々オーブンに入れていく。

何故か、クッキーというものは、焼けばいい匂いがするものだ。

グレイシアも少し嬉しそうに焼き上がるのを眺めていた。

が、一部刺激臭がしているに、それは完全無視。

焼きあがった。

少し冷まして、グレイシアは持ってきたバスケットにクッキーを入れていく。

「…流石に今回のはヤバい…?」

今頃気付いても、毒物は焼きあがっている。

「まあいいや」

その台詞は、この後、後悔することになる。












「…アリア?何してるの?」

グレイシアが部屋に戻ると、部屋の前でアリアが立っていた。

「あ、お姉ちゃん」

「…どうかした?」

この一ヶ月で、アリアに対するグレイシアの態度も、だいぶ軟化した。

今では、すっかり優しくなっていることに、本人は気付かない。

「ん、暇だから、剣の手合わせ、お願いしたくて」

「……あたしは、これからゆっくりしたかったんだけど」

「そっかー…」

アリアが落胆した。

「明日でよければ、いいけど」

「んー…。うん、ありがとね」

「早めに来ないといないかもしれないから」

「頑張る」

アリアはそこで、クーとヤタがいないことに気がついた。

「ああ、あの子達なら、みんなと遊んでるわ」

「みんな?」

「コレット、ティア、エステル、クロエ、後…プレセアだったかしら」

グレイシアが説明すると、これは先程の復讐である。

にくきゅうを触らせてあげる、と言ったらまずプレセアが逃げ出そうとするクーを捕獲した。

その話を聞いていたのか、ぞろぞろと他の女子たちも触りに来たのである。

当然、クーは逃げ出そうとするが、それをヤタが阻止。

今までも何回か触られそうになっていたが、今回は無理だった。

哀れなクーは全身を撫で回される運命になった。

「あはははは!」

アリアが愉快そうに笑い出した。

「面白い?」

「だって、クーが、さっきね。『シアの裏切り者ぉぉぉぉぉ!!!』って叫んでたの、聞こえたんだ」

「あらそう。助けなくていいから」

「うん、分かった」

二人は、そのまましばらく雑談をしていた。
















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