二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- TOWRM 光り輝く少女の物語
- 日時: 2011/02/27 11:12
- 名前: 黒鳩 ◆k3Y7e.TYRs (ID: Y8BZzrzX)
どうもはじめまして。クリックして下さった方、ありがとうございます。作者の黒鳩です。
本作は、ナムコが発売しているテイルズオブザワールドというゲームに、オリジナルを追加して作成した小説です。
読まれる前に、下のご注意をお読みください。
まず、この小説はゲームの2を参考にして作ってあります。3もやりましたが、ストーリー的に2のほうがボクは好みだったので、そちらを採用しています。
次に、ゲーム内での専門用語はやってなくても分かるように解説を取り入れてやります。説明が足りねえ!と言う方は感想とかでいってください。返信致します。
キャラについてですが、基本は2のキャラが多いです。ですが、3に登場したキャラも一部登場します。ついでに設定もオリジナルです。(原作を壊さないで程度に)
何か追加でテイルズキャラを出せ!と言う方はお書きください。出せたら出します。
初心者ゆえに、感想とかめちゃめちゃ嬉しいです。酷評とかはお手柔らかに…。
最後に、更新が遅くなることが多いですが、途中で投げ出すつもりは現在ありません(多分ですけど……)
と長くなりましたが、それでもよろしければ読んで下さると嬉しいです。
それでは。
- Re: TOWRM 光り輝く少女の物語 ( No.12 )
- 日時: 2011/03/02 16:44
- 名前: 黒鳩 ◆k3Y7e.TYRs (ID: Y8BZzrzX)
どうも、のーむ様。
感想ありがとうございます!
やや、気にいってもらったら幸いです。
のーむ様のテイルズの小説、ぜひ拝見したいです!
書き始めたら読ませていただきます!
- Re: TOWRM 光り輝く少女の物語 ( No.13 )
- 日時: 2011/03/05 13:16
- 名前: 黒鳩 ◆k3Y7e.TYRs (ID: Y8BZzrzX)
7話 規格外の化け物
「わたしは準備できたよ」
「……そう」
甲板に出た二人は、お互いに武器を構えた。
周りにはアリアの知り合いと思われる少年や少女たちが心配そうにアリアを見ている。
そんな様子をみて、グレイシアは早くもやる気を失っていた。
馬鹿らしくなったのだ。
(……クー。一応模擬戦って形だけどさ)
(何だ?)
声を出さずに、己たちの中でクーと会話する。
(……すごく気に入らないから殺していい?)
(アホ!この世界の救世主殺してどうする!)
(だってさ……。何で人間とあそこまで仲良く出来るの?)
(知るか)
さっきなど、大丈夫かと少年二人に声をかけられたとき、「大丈夫だよルカ」だとか、「エミル、心配するならマルタにしたら?」などと律儀に答えていた。
「……勝敗は相手の戦意喪失、または降参。気絶もこれに入る。これでいい?」
「いいよ」
ちなみに敬語はうざったいのでやめろと言ったらすんなりやめた。
「……あ、後この船から落ちても負け、殺されても負け」
「へ?」
思い出したようにいうと、アリアは呆気に取られた。
「……ただの模擬戦だと思わないことね。あたしはあんたを殺す気で行く。死んだら自己責任」
「ちょ、ちょっと!そんなの認められる訳ないでしょ!!」
外野からやはり文句が飛んできた。
そうだそうだと更に続く。
「……ディセンダーってのはね、生半可なことじゃ死なないわ。簡単に死んだら世界樹は困るでしょ?殺す気で行かないと模擬戦にすらならないの。何も知らない見物人は黙ってて」
その一言で外野は黙った。
これはディセンダーにしか分からないことだから。
「じゃあ、わたしもグレイシアさんを殺す気で行く」
「……どうぞ?あんたにその強さがあるならね」
「っ」
そういうとアリアは悔しそうな顔をする。
彼女の装備をグレイシアは観察、考察する。
(しかし珍しい装備ね…。左手に装備方の楯、そして片手半剣)
アリアの装備は、左手に楯をつけている。
持っているのではなく、どうやら腕に細工をしてくっつけているのだろう。
結果、左手は動かせ、武器を持つことが出来るわけだ。
そして片手半剣。
バスタードソードと呼ばれるこの剣は、片手でも両手でも扱えるよう設計された特殊な剣だ。
片手でリーチを長くするか、両手で威力を上げるか臨機応変に対応できる。
しかしそれゆえに扱いが難しい剣。
それをアリアは右手で持っている。
「それじゃ、行くよ!」
そう言った途端、アリアは真正面からグレイシアに駆け出す。
(シア。正面)
(……)
バカ正直に真正面から突っ込んでくるとは思わなかった。
ある意味型破りなやり方であろう。
冷静にクーの支援を聞き、その場に棒立ちに待つ。
「はぁ!」
アリアは走りで勢いのついた剣を、大きく振りかぶり。
真正面から振り下ろす。
「……」
ひらり、と。
体を右にずらし簡単に避ける。
「えい!」
しかしアリアの行動が早かった。
勢いを途中で完全に殺し、剣を避けた方向に横にぶん回す。
「…」
左手に持ったクーでそれを軽く受け止める。
ガキィィン!と金属どうしがぶつかる音が響く。
「こんのっ!」
アリアは片手から両手持ちに変更。
結果、ぎりぎりとグレイシアの方が押され始める。
「……」
無表情でその光景を見た。
(シア、魔法でも使うか?)
うちの会話でクーと作戦を素早く決める。
(船をぶっ壊してもいいの?)
(よかねーよ!どんな高火力の魔法使う気かお前は!)
(エクスプロード)
グレイシアが提案したのは炎系最強クラスの魔法。
発動すれば大爆発し、周りに大穴を開けるほどの高火力。
(馬鹿か!何考えてんだシア!)
(じゃあ、適当な剣技でいい)
「……クー、いくわよ」
「え!?」
アリアが驚く。
剣が。
クーの刀身が変わる。
刀身に、怪しく揺らめくオーラのような物を纏う。
グレイシアも押されていた剣を、押し返し始める。
「……せめての情けよ。一撃で、落としてあげるわ。ディセンダー」
力任せにアリアの剣を弾く。
「わぁ!」
間抜けな声と共に後ろに吹っ飛ばれる。
ギリギリの場所で体勢を立て直す。
しかし、グレイシアは無慈悲にもそこに追撃する。
「魔神剣——」
それはただの魔神剣ではない。
魔神剣は、本来剣撃を衝撃にして放つ遠距離攻撃だ。
しかし、グレイシアのそれは剣撃とは思えない。
天に掲げる黒い刀身に纏う半月形の『何か』。
それを振り下ろす。
「——黒風(くろかぜ)」
半月形のそれは、爆音と共にアリアを簡単に飲み込んだ。
- Re: TOWRM 光り輝く少女の物語 ( No.14 )
- 日時: 2011/03/05 13:18
- 名前: 黒鳩 ◆k3Y7e.TYRs (ID: Y8BZzrzX)
8話 認める?
「魔神剣双牙!」
アリアの剣から二つの衝撃波が飛び出す。
「……」
それを当たる前にクーで衝撃波をなぎ払う。
簡単に掻き消える。
「はぁ…はぁ…」
アリアの荒い呼吸音が聞こえる。
一方、グレイシアは汗一つかいていない。
平然としている。
魔神剣黒風を食らったアリア。
咄嗟に楯で防いだようだったが、防ぎきれず。
外野のいる場所まで吹っ飛ばれた。
意識は保っていたが、それだけで立っているのが精一杯のようだった。
(…でも、大したもんね)
グレイシアは本気で感心していた。
黒風は一番グレイシアの得意な剣技。
至近距離でしか使えない代わりに破壊力は高い。
まさかそれを食らって立っているとは思わなかった。
(……相手もディセンダーだもの。当然よね)
こうして無駄な抵抗にも思えるアリアの攻勢を適当に無効化しつつ今に至る。
「すごいね……グレイシアさん…。わたし、結構自分じゃ強いって思ってたんだけど…」
息も絶え絶えの状態でアリアが言う。
「……傲慢ね。あんた程度を強いって言うなら、あたしは規格外の化け物よ。認めなさい、あんたは弱い」
グレイシアは無表情で告げる。
「そう……だね。わたし、天狗になってた……」
「……………なら降参する?もう実力差ははっきりしたわ」
先程からアリアの攻撃は一撃もグレイシアに届いていない。
剣を合わせようとすれば避けられ。
そこに拳を叩き込まれる。
魔法を使おうとすれば接近されて剣で防がれる。
「まだ…だよ。わたしは……負けてない」
「そう」
あくまで戦う意思を見せるアリア。
なら、仕方ないと。
グレイシアは言う。
「……次でお仕舞いにしてあげるわ。避けようが防ごうがご自由に」
「……」
剣を、天に掲げる。
「…さっきと同じ威力と思わないことね。今度は強めに行くから。最悪、船を破壊しても別にいいわ」
「ちょっと!何する気!?」
アンジュの止める声も無視する。
また、刀身が揺らめく。
炎を纏うかの様に、黒いオーラが刀身を包む。
半月の形をしたそれを纏ったまま、アリアに近づく。
無慈悲に、殺す気だとアリアは感じた。
「まだ、死にたくない……」
アリアも立ち上がる。
体勢を立て直し、両手で剣を中段に構える。
「わたしには、やりたいことがあるから…」
剣に、グレイシアと違い、美しい色の炎を灯す。
炎本来の色。赤ではなく、オレンジ。
「船、壊しちゃったらチャットに謝らないと」
小さく、呟く。
「……」
グレイシアには何を言っているか聞こえない。
しかし、何かを決心したのは分かった。
「グレイシアさん。わたし、今の最大の技、ぶつける」
「そう」
「だから、避けないで」
普段なら呆れて無視するような提案だったが。
アリアの何か決心する様子をみると、大技を放つつもりらしい。
「別にいいわよ。どうせ、無意味だもの」
「やってみないと、分かんないよ。最初から決まってるものなんて、ないんだから」
アリアの顔は本気だ。
本気で、そう思っているらしい。
(流石は記憶のないディセンダー。恐れを知らないのは武器であり、致命的な弱点なのに気付いてない)
(だな。どうする?避けるか?)
(当たってもいいわ。効かないもの)
グレイシアにはアリアに勝てる自信があった。
それが慢心になっていることに気付かないまま。
アリアの剣の炎が緋色に変化する。
クーの刀身のオーラが大きくなる。
少し離れた場所に歩みを止める。
「………おいでディセンダー。あんたの希望ごと、その技を消してあげる!」
完全に悪役の台詞を吐きながら、グレイシアは自分の勝利に笑う。
「届け——!」
ただ、その一言に全ての込めるアリア。
「魔神剣——」
「魔王——」
二人の声が風に消える。
「——黒風!!」
「——炎撃波!」
二人の技が甲板でぶつかった。
- Re: TOWRM 光り輝く少女の物語 ( No.15 )
- 日時: 2011/03/05 14:19
- 名前: 黒鳩 ◆k3Y7e.TYRs (ID: Y8BZzrzX)
9話 ありえない強さ
「はぁ…はぁ…」
技同士のぶつかった影響で、煙がその場を覆う。
アリアは何とか剣を杖代わりにして立っていた。
「……やばい…かも」
視界が歪んでいる。
力を出しすぎた。
ただでさえ上手く力を制御できてない、そんな状況で。
こんな大技を放てばその反動は自分の体に来るのは当然。
「……」
でも、当たった感触はあった。
自分の剣が炎を纏って斬り上げるとき、あの黒い魔人剣を打ち消した。
だから、本人にも少しぐらいダメージが——
「…………たいしたもんね、流石ディセンダー」
アリアの希望は、いとも簡単に砕かれた。
煙が晴れる。
そこには、傷どころか服にすらダメージのないグレイシアが立っていた。
「……本気じゃないとはいえ。黒風を打ち消した力、それは認めてあげるわ」
少し感心した顔でアリアを見るグレイシア。
「……アハハ」
あまりの強さに、アリアは笑った。
勝てるわけがない。
これが、本当の世界の救世主の力。
それを痛いほど痛感されられた。
「………変な奴」
力なく笑っているアリアは哀れみの視線で見られていることに気付く。
「ごめんなさい、降参」
アリアは左手を上げた。
「……そう」
グレイシアも武器を下げる。
緊張が解けた瞬間、杖にしていた剣が手から離れる。
「わっ」
そのまま地面に崩れる——
「ほら」
その前にグレイシアに抱きかかえられる。
「ほえっ!?」
「…………あたしの黒風を二回も耐えて立ってる方が異常よまったく」
ぶつぶつ言いながらみんなの場所に連れて行ってくれた。
「アリア、大丈夫!?」
そこでカノンノが駆け寄ってきた。
「わぁ!」
カノンノの前に座るように置かれた。
「…参考程度に見せとくわ。あたしの力の一端」
グレイシアはアリアをおき、船の淵のほうに歩いていく。
(……クー、もうしばらく我慢して)
(へいへい)
船の外にあるのは広大な海原。
「……ここならまあ手加減いらないわね」
「シア様!何する気ですか!?」
ヤタが近くまで飛んできた。
「まあ。見てて」
そして、クーに言う。
「…準備は?」
「大丈夫だぜー」
剣を上に構える。
剣が変化する。
先程とは違い刀身に、黒い風が集まり始める。
「黒風と違ってね。この技は一帯を全部吹っ飛ばすくらい威力があるから滅多に使わないんだけど」
皆に聞こえるように大声で説明する。
その間もびょうびょうという暴風のような音が剣なら鳴っている。
ばたばたと空色の髪が風に巻き込まれ踊る。
右手で帽子を押えながら続ける。
「危ないからあんまり近づかないで。絶対死ぬから」
「おいシア!いつまで風集めてんだよ!もう十分だ!これ以上溜めたら海ごと吹っ飛ぶぞ!」
「……はいはい」
クーの怒鳴り声で、風を集めるのをやめる。
剣を上に構えたまま。刀身の周りに、ぐるぐると竜巻のように黒い風が回っている。
「……それじゃ、あっちのほうでいいかしら?」
「知るか!」
「……クー、後で三味線にするわよ?」
「何でだよ!?」
「……文句言うな」
「すんません」
コントのような会話をしながら、その言葉を紡ぐ。
「嘆け、笑え、狂え、泣け——」
これがグレイシアの最強剣技の一つ。
世界を壊す全てを滅するために、世界樹に仇なす者を滅するための剣。
「魔人剣——」
魔人剣の名を持つが、魔人剣以上を持つがゆえ。
グレイシアは本当の意味で、魔神と呼ぶ力。
「——滅風(ほろびかぜ)!!」
黒い風を纏うクーを、横に振るった。
- Re: TOWRM 光り輝く少女の物語 ( No.16 )
- 日時: 2011/03/05 16:05
- 名前: 黒鳩 ◆k3Y7e.TYRs (ID: Y8BZzrzX)
10話 アドリビトム?
「……嘘、でしょ?」
アリアは愕然としていた。
彼女、グレイシアが見せるといった力の一端。
魔人剣——滅風
あんな破壊力のもつ剣技を、いやあれはもう『技』じゃない。
兵器だ。
あんなものを個人で使えるなんて、冗談の範疇だ。
ありえない。
それが素直な感想。
遙か彼方の遠方。
そこに滅風が当たったと思われる場所が。
遠方にも関わらず、肉眼で確認できるほどの水柱を打ち上げた。
それによって起きた波が、バンエルディア号にぶつかった。
船体が軽くゆれる。
「……ふぅ」
グレイシアは溜め息をつき、刀を適当に放り投げた。
「てめっ!変な場所に捨てんな!」
地面に当たる前に猫の姿に戻った。
「……うっさいわね。マジで三味線にするわよ」
「あんだとてめえ!」
「……ヤタ。武器に変化して」
「御意」
「ちょっと!マジで皮嗅ぎ取るんですか!?」
「……本気よ?」
「すいませんから三味線だけは勘弁して」
「……最初からそうすればいいの」
クーを抱き上げ、頭をなでる。
「……ちっ。シアには勝てねえな…んとにさ」
「そうね」
優しそうな笑顔でクーをなで続ける。
ヤタも帽子を避けて器用に頭に止まる。
「…で、これであたしの用事はおしまい。他に相手してほしい人はまた明日にでも」
唖然としている外野を他所に。
グレイシアはまた、光を集め、それを放る。
そして、それは輪になる。
「え!?グレイシアどこいくの!?」
「………ここ以外の場所。ここはうるさくてうざったい。あたしはあたしの好きにさせてもらうから」
その輪の効果を知っているアンジュは止める。
一応とはいえ、このギルド。
アドリビトムに所属している以上、勝手な行動は許さない、と。
「……へえ」
と軽く言っただけで、何とも思ってないらしい。
「だから?」
と聞き返す。
「……関係ないし」
とぷいっとそっぽを向いた。
「…よいしょ」
痛む体を起こし、立ち上がる。
「アリア、大丈夫?」
「うん、平気だよ」
カノンノに笑顔で返事をして、グレイシアに問おうとする。
が。
「そんじゃ」
その輪をくぐり、グレイシアはいなくなる。
「わ!待って!」
アリアは慌てて走り出す。
その輪が消えてしまう前にと。
「アリア!」
アンジュの声が聞こえる。
しかしアリアにはどうしても聞きたいことがあった。
だがら走った。
そして、消える前に。
その輪の中に飛び込んだ。
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