二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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暗黒騎士呀鎧伝 業
日時: 2012/05/15 19:33
名前: 千本桜 (ID: StvfWq.v)

黒き闇に落ちた心 

その心に輝きはなかったのか

その心に希望はなかったのか

それを知りたい者は行くがよい

暗く  深い  闇の中へと


                    暗黒騎士呀鎧伝 

  

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Re: 暗黒騎士呀鎧伝 業 ( No.29 )
日時: 2012/08/29 22:51
名前: 千本桜 (ID: PLUY1qyp)

「別に…あんたこそなんでここで寝てたのよ」

「お前には関係ない」

ムッカー!!なによこいつ自分から聞いといてこっちの質問には全く答え
るきないじゃないのよ!!

そして私のことを無視すると影宮は保健室をあとにしようとする。

「あっ!ちょっと待って!あの美術館の…」

扉の取っ手を掴みかけた影宮の手が止まった。そしてゆっくりこっちを向くと私の前まで歩いてきた。

「どういうことだ?」

「…あの日のこと夢だって思ってたけど、やっぱりあれって現実な
の?あの化け物と黒い鎧で戦ってたのって…あなたなの?」

しばらくの沈黙、影宮はパイプ椅子に座るとなにか決めたのか私の目を
見て話し始めた。

「本当のことをしりたいか?だが必ずしもお前にとって良いことじゃ
ないかもしれないぞ?」

口調からして脅しではなく本当のことだろう。けど私は真実が知りたい


「…かまわない。話して」

「いいだろう。ならまず俺が話すことは誰にも言うな。そしてそれを
誰かに話したら…お前を殺す」

ゾクッ…

私の背中に寒気が走った。それほどまでに冷たい目だった。本気の殺意

「大丈夫絶対に話さない。」











Re: 暗黒騎士呀鎧伝 業 ( No.30 )
日時: 2012/09/24 23:17
名前: 千本桜 (ID: EoQr4tcT)

「いいだろう。昔の話だ…光あるところ闇ありし、古より人々は闇を恐れた。それがあの化け物、ホラーと呼ばれる生き物だ。ホラーは魔界からオブジェを通して出現し人を襲う。」


「…そんなのがこの世にいるなんて、でもそんなのがいっぱいいるんな
ら今頃あちこちで人を襲ってるんじゃないの?」


「ホラーは基本暗い場所や夜にしか行動できない。だから日の出ている
時間は害はない。…話を戻そう。ホラーが出現して以来人も対抗する 
めに魔戒法師が現れた。最初のうちはホラーと戦えていたがやがて法師
の力だけではホラーに太刀打ち出来なくなってしまった」


「なんで?」


「ホラーは魔界の力で生まれてくる。魔界の力は無尽蔵だ。当然人
間の力だけで勝てるわけもなくどんどん法師の力は衰退していった
。だが闇を切り裂く希望の光が現れたそれが魔戒騎士、魔戒騎士は
ホラーと同じように魔界の力を具現化し戦うことができた。今では
魔戒法師がサポートし魔戒騎士が主な戦闘をしている。簡単に説明す
ればこれが今までの歴史だ」


「随分と危ないことしてるのねあんたは…」


私の日常から遠くかけ離れた非日常、けどそれが私の前で起こった。
もしかしたら私はもう元の安全な生活に戻れないのではないか?そんな
予感がした。














Re: 暗黒騎士呀鎧伝 業 ( No.31 )
日時: 2012/10/07 16:33
名前: 千本桜 (ID: CFE7lDA5)

「お前には関係ない話だが魔戒騎士には掟がある。ホラーの返り血を浴びたものは魔戒騎士が斬らねばならない」


「えっ…それって」


「そうお前のことだ…が、お前を斬ったところで俺にはなんの得もない」


「けどなんで斬られなきゃならないの?」


「その臭いにつられてホラーが集まってくるからだ。そして返り血を浴
びたものはホラーにとって最高の餌になる。だからお前にはこれを渡
しておく」


そう言うと影宮は指先に紫の炎を灯すとその中から指輪をだし、指を振
ると指輪は私の人差し指にすっぽりとはまった。


「なによこれ!?」


「指輪だ」


「そんなの見れば分かるわよ!なんのための指輪かってきいてるの!
ていうか外れないし!」


「お前の居場所を教えてくれる指輪だ。俺の意志でしか外せないから
安心しろ」


「なにを安心しろって言うのよ!このバカ!」


「話しは終わりだとっとと消えろ」


「軽く無視ですか!?あんたってどんな神経してんのよ!親の顔が見
てみたいわ!」


「親は殺された。魔戒騎士にな…」


「…え?」


さっきまでの怒りが一気に失せていく。なんで魔戒騎士なのに同じ魔戒
騎士に親を殺されたの?


「話しは終わりといたっだろう。もういけ」


「…わかったわよ」


話しを聞きたかったけどこれ以上は話さないみたいな雰囲気を出してい
たため私は椅子から立ち上がると入口へと向かった。


「え〜と影宮…君」


「優斗でいい」


「…分かった。じゃあね優斗」


返事はなかったが私は保健室をあとにすると自分の教室へと向かった。
けどなぜだろう。優斗のことをもっと知りたいと思ったのは?その時
はまだこの感情がなんなのか私には分からなかった。













Re: 暗黒騎士呀鎧伝 業 ( No.32 )
日時: 2012/10/25 23:33
名前: 千本桜 (ID: ZdfJmAM/)

一日はあっという間に過ぎていった。優斗のことも考えていたせいもあっ
たが、これから自分はどうなるのだろうか?あんな化け物達に襲われる
日々が続くのだろうか?それは耐え難い恐怖だ。

優斗にはまだ色々聞きたいことがあったのに結局教室にすら来なかった。
かといって誰も優斗のことを気にするものはおらずまるでそこにいないと
いった存在になっているみたい。

「御坂ちゃん!一緒に帰ろ!」

「うおっ!?だからあんたはいきなり大声で話しかけてくるなっての!」

満面の笑顔で飛びついてきた彼女を私はなかば強引に引き剥がそうとした

がまるで岩にへばりつくタコのように離れない。

「まあいいわ。ねえそれよりなんで皆今日優斗のこと誰も気にしなかっ
たの?」

「えっ?なんでって…なんでだろう?」

…あいつなにか皆にしたのかな?

「ムッフッフ、それより御坂ちゃんがもう影宮くんのことを下の名前
で呼ぶなんて…これはもうかなりの進展があったのかな?」

「なっ!?違うわよ!あいつがそう呼べっていったから呼んでるだけ
で別にそんなんじゃ…」

「照れない照れない。帰ったら今日は赤飯だね!」

「他人の食卓を勝手に決めるな!ってこら待てぇ!」

教室を出ていった彼女を私は全速力で追いかけた。けど彼女の明るさの
おかげで私の暗い気持ちはどこかに吹き飛んでいった。






「いったか…」

二人が校舎から出たのを確認すると俺は屋上へと向かった。既に人払い
は済ませておいたからこの学校にはいま俺しかいない。

しかし…あいつを信用させるために少し話過ぎたか?あいつの動向はし
ばらくの間警戒しとかなければな。

「あいつから目を離すなよメシア…」

屋上へとつくとあらかじめ用意していた陣の中央へと進み、魔戒剣抜く
と地面に突き立てた。刺した瞬間俺のまわりが黒い光に包まれ校舎全体
を光がおおった。

「どうだメシア?」

"これだけではまだ足りぬ。これではあれを完成させることはできぬぞ"

「ちっ…」

あれからホラーの数も質も上げて狩ってきたが、まだ足りないのか。

俺は魔戒剣を抜くと鞘に戻した。それと同時にまわりを覆っていた光も
消えていった。

"優斗よホラーの気配がする。あの女の近くにいる"

「安全圏を離れた途端にこれか…」

この学校にはまだホラーが寄り付かないように結界を張っているが、こ
の学校を出るとこうもあっさりホラーの標的にされるとはな…

「ホラーはどこにいる?」

"あの女の隣だ"

「なに!?」

俺は屋上のフェンスを踏み台にすると宙を飛び、薄暗い空の下あいつの
もとへと向かった。

Re: 暗黒騎士呀鎧伝 業 ( No.33 )
日時: 2012/11/01 00:02
名前: 千本桜 (ID: k/szMEX8)

「どこに行ったんだろう瑛子のやつ…」

本屋で立ち読みしてて、待っててって言ったあと全然戻ってこない。

もう先に帰ったのかな?…先に帰ろう。

「すこし歩いとこうかな…」

私は店をでると少し勇み足で自分の家へと向かった。あたりはすっかり
暗くなっていてポツポツと明かりが点いている街灯が少し不気味だった。

「なんかほんとに不気味ね…」

"ホラーは暗い場所や夜にしか行動しない"

不意にあいつの言葉が頭をよぎる。今更ながらすっかり忠告を忘れていた


トン…

「きゃああああああああああああ!!?」

「うわっ!いきなり大声出さないでよ!」

「あ…瑛子、もうびっくりさせないでよ」

「そんなに驚いてどうしたのよ。いいから早く帰るよ」

そう言うと瑛子は私の手を引っ張って歩き出した。

「!!」

私は思わず瑛子の手を払った。なぜか一瞬あの化け物の顔が浮かんだか
らだ。

「どうしたの御坂?一緒に帰ろ?」

あのひまわりみたいな笑顔が今は貼り付けられた仮面のように冷たい微
笑だった。それに瑛子は私のことを呼び捨てにしない。いつも愛想よく
私のことはちゃん付けで呼んでいた。

「あんた…」

「みーさーかちゃーん!やっと見つけたあ!なんで先にかえ…」

後ろを振り返るとそこには瑛子がもうひとりいた。けど今度は毎日見る
あのひまわりのような笑顔の瑛子がいた。けどその顔は一瞬で氷凍いた


「あれ?わ…私がもうひとり?」

考えるよりも先に私の体は動いて瑛子の手を握ると一目散に逃げた。

「逃げるよ瑛子!!早く!!」

「ねえ!なんなのあれ!なにかのドッキリ!」

「いいから!今は説明してる暇がないの!」

後ろからこの世のものとは思えない笑い声が聞こえてくる。恐い。早く
どこかに隠れないと、しばらく逃げていると誰も使っていないような廃
ビルが目に写ってきた。

「瑛子あそこにいくよ!」

「う…うん」

中に入ると物陰に隠れ、誰も来てないか入口を恐る恐る振り返ってみる
。そして誰も来てないことを確認するとホッと胸をなで下ろした。


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