二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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暗黒騎士呀鎧伝 業
日時: 2012/05/15 19:33
名前: 千本桜 (ID: StvfWq.v)

黒き闇に落ちた心 

その心に輝きはなかったのか

その心に希望はなかったのか

それを知りたい者は行くがよい

暗く  深い  闇の中へと


                    暗黒騎士呀鎧伝 

  

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Re: 暗黒騎士呀鎧伝 業 ( No.9 )
日時: 2012/05/19 23:46
名前: 千本桜 (ID: iSRuTdKo)

〜放課後〜

一日はあっという間だった。私は瑛子と二人で誰もいない教室
で今日のことを話していた。

「いや〜影宮君すごかったねえ御坂ちゃん」

「いやあれは凄すぎの範疇を超えてるでしょ。なんなのあいつ」

勉強は先生以上、ていうか逆に先生の方が指摘されてたし、体育
の野球じゃ野球部のエースの球を楽々ホームランするし、今度は
はらいせに当てにきたボールを素手で掴んで周りの度肝を抜いた
りetc…

「あきらめなさい御坂ちゃん、あの人は無理だよ」

「いや誰もあいつのことなんか気にしないし、ていうかなによあい
つ!私があいさつしたら睨み付けてそっぽ向いたのよ!!ああもう
!!思い出しただけでむかつく!!」

「なにか嫌われるようなことでもしたの?あっ嫌われるといえば今
日あの雪さんを軽くふったよね影宮君」

「ああ、あれにもびっくりしたわ」

学校一の美少女木村 雪さん私たちと同級生なのにモデルをやって
て有名なモデル雑誌の表紙を飾っているくらいの美人だけど、その
木村さんの告白をあいつは一瞥したあと「目障りだ…」の一言で一刀
両断したのだ。

「あんなに美人なのになんで断ったのかな?」

「さあ、好きな人でもいるんじゃないの?」

「なるほど、けどいても御坂ちゃんじゃないと思うよ」

「わかってるわ!」

笑う私と瑛子、時計を見るとそろそろ5時を回ろうとしていた。さ
すがにこれ以上いたら暗くなってしまう。

「帰ろうか瑛子」

「そうだね」

帰ろうと鞄を取りドアを開けるとそこにはあいつ…となぜか十人
ほどの男子生徒が背後からあいつを睨み付けていた。

「なんだお前らまだ残ってたのか…とっとと帰れ」

「ちょっ!なによその言い方そんなの私たちがどこにいようとな
にをしようが関係ないでしょ!!」

私の怒鳴り声をシカトしてあいつは後ろをちらりと見ると今度は
瑛子のほうをみる。

「お前ならわかるだろう。はやく帰れ」

「…そうね。早く帰ったほうがいいみたいだね御坂ちゃん」

「まて」

けど遅かったみたいで取り巻きのリーダーらしい男子が前に出ると
瑛子の肩を掴んだ。

「見られたからにはお前らにもきてもらうぜ、先公にでもちくられた
ら面倒だからな」

「ちょっとあんた瑛子から離れなさいよ!」

私は思いっきり男子を突き飛ばすと瑛子を自分の後ろに回す。逆上
した男子は私に殴りかかろうとしたがその拳をあいつが受け止めた。






Re: 暗黒騎士呀鎧伝 業 ( No.10 )
日時: 2012/05/20 00:53
名前: 千本桜 (ID: iSRuTdKo)

「とっといくぞ、俺は暇じゃないんだ」

手を放されると男子達は私たちを囲むと一緒についてくるように促す。
仕方なく私と瑛子は従うこととなった。

昇降口をでると私たちは体育館裏に連れてこられた。そこにはあいつに
ふられた木村さんが待ってましたと言わんばかりに待ちかまえていた。

「えらく来るのが遅かったじゃないの」

「すみません。ちょっとこいつらに時間取られてたんで、けどあいつは
ちゃんと連れてきました。この女子二人はどうしますか?」

「あなたたちに任せるわ。まずはその男を痛めつけなさい。この私に恥
をかかせた奴は誰だろうと許せないわ」

男子たちはニヤリと笑うとあいつを円の形で囲み、一人は逃げられない
ように私たちを捕まえている状況となった。

「ちょっと木村さんなんでこんなことするの!」

「御坂さんかしら?いったでしょ。私に恥をかかせたこいつは許さない
。こいつにはその報いをうけてもらうわ」

「醜いな…」

あいつの一言で木村さんの顔が引き攣る。

「なんですって…私は美しいわ!トップクラスのね!その私を醜い…」

「うるさい」

今度は木村さんの表情が恐怖に歪む。私たちもその冷たい声に背筋が
震えるほどだった。

「姿形がどれだけ綺麗だろうと貴様の心はどす黒い醜悪の固まりだ。
それに比べたらこの後ろの二人の方が貴様より遙かにましだ」

「こ…この!なにやってるのあなたたち!!さっさとやりなさい!」

木村さんの鶴の一声で男子が一斉にあいつに襲いかかる。けどあいつ
に近づいた男子がなんの前触れもなく後ろに吹き飛んだ。驚愕する木
村さんと男子達、けどそれは私たちも同じだった。あいつはなんにも
していなかった。

「な…なんだ今の?」

「なにしたんだこいつ?」

完全に戦意をそがれている男子達の隙を突き私は抑えている男子の手
をふりほどき瑛子の手を掴んで全速力で逃げた。

校門まで着いたけど私たちを追ってくる人は誰もいなかった。

「瑛子はここで待ってて、私あいつのところにいくから」

「ちょっと御坂ちゃんだめだよ!せっかく逃げられたのにいったらまた
捕まるよ!」

「それなら瑛子は先生呼んできてそれならいいでしょ!?」

少ししぶる瑛子だったけどコクリと頷くと職員室までかけだした。戻った私も助太刀しようと近くに落ちてた棒きれを拾っていったけど勝負は
すでについていた。

「うそ…」

あれからまだ5分も経ってないのにあいつ以外の男子は全員倒れて
いた。そしてあいつの姿はどこにもなく残っていたのは怯えている
木村さんと呆然とこの場を見ている私だけだった…




Re: 暗黒騎士呀鎧伝 業 ( No.11 )
日時: 2012/05/21 23:47
名前: 千本桜 (ID: QCkuis7p)

〜翌日〜

あの一件の噂はすぐに全校生徒に広まった。けどあいつは何事もなかっ
たかのように今日も登校している。まるで昨日のことがなかったみたい
に…

「ねえ御坂ちゃん。いい加減機嫌直しなよ。あいつじゃなくて影宮君っ
て呼んであげれば?」

「だから心を読むなっての、分かってるけどあいつに謝るなんてしゃく
じゃない。私はなんっにも悪くないのに」

「でもこの空気はちょっと居心地が悪いというか…みんなの反応がねえ」

まわりはあいつを見てヒソヒソ話の最中、けどその空気を思いっきりぶ
ち壊して入ってきた生徒がいた。

「え?木村さん?」

驚いたことにやってきたのは昨日の事件を引き起こした張本人その人だ
った。木村さんはツカツカとあいつのそばまで歩いていくとあいつの前
でぴたりと止まった。けど様子がおかしい。なぜか恥ずかしそうにもじもじしている。

そしてあいつは相変わらず目を合わせようとしない。

「あ…あの昨日はすいませんでした。私あんなこと言っちゃって…もう
二度あんなことしないので、えと…その…すみませんでした!」

昨日と打って変わった態度に私と瑛子は呆然となっていた。あいつはよ
うやく顔を木村さんの方に向けると別に気にしてないといった感じで手
を振る。その仕草がまた腹立つ…

けど木村さんは気にした様子もなく満面の笑みでありがとうございます
と返すと懐からなにかの紙を取り出しあいつに差しだした。

「これおわびです。よっかたらもらってください!それでは!!」

机に置くと木村さんはそのまま電光石火のごとく教室を抜け出していっ
た。てかはやっ!!

あいつはチラリと置かれている紙を見ると興味をそそられたのか、それ
を手に取った。よく見るとなにかのチケットのようだ。

「あっいいな。それって今人気の出てる絵画の展のチケットだ」

瑛子も惹かれて目を輝かせながら食い入るようにチケットを眺める。

あいつはしばらく考えたあとチケットの一枚を瑛子に渡した。驚く瑛子
だったけどすぐにその表情が笑顔になる。なんか見てて面白い。







Re: 暗黒騎士呀鎧伝 業 ( No.12 )
日時: 2012/05/22 00:31
名前: 千本桜 (ID: QCkuis7p)

「いいのもらっても?」

「チケットは一枚あればいい。」

「ありがとう!影宮君っていい人だね!私は相宮 瑛子これからよろし
ね影宮君!!」

「これあの女にも…」

なっ!?あの女ですって!!…ん?私にも?

「いいの?あの子絵に全く興味ないよ。それと同じくらい絵心もないけ
ど」

「二人でいけばいいだろう。俺はこのチケットはすでに持ってる。それ
にこういうものでも見せておけばあいつも少しはおとなしくなるだろう」

どっちとも好き放題言って!私だって絵は好きだよ!…マンガだけど…

ぶつぶつ文句を言っている私を気にもしないで瑛子はそれじゃありがた
くと言うとあいつに手を振って私のところに戻ってきた。

「はい!御坂ちゃんの!あとでお礼いっときなよ?」

「他に言うことないんかいあんたは…でももらっとく。ありがと」

後で木村さんにもお礼言っとかなきゃね。あいつにも後で…なんかし
ゃくだけど…でも絵かあ、いくの初めてだな。

瑛子と話して明日の土曜日に行くことになった。でもあいつにお礼言わ
きゃよかった。あの皮肉っぷりはどうにかならないの!?

そして…私がこの時行かなければあんなことにはならなかったのに…

Re: 暗黒騎士呀鎧伝 業 ( No.13 )
日時: 2012/05/26 23:58
名前: 千本桜 (ID: GL72A68Z)

〜土曜日  岬市美術館  四志雄絵画展〜


前の天気が嘘みたいに晴れ渡ってる…うん!文句なし!!

「絵画の展覧会に天気もなにもないと思うけどな、御坂ちゃん」

「うおっ!?あんたいつのまに!?てかっ心を読むなっての!」

「まあまあ小さいことは気にしないで、さあいきましょう!」

いてもたってもいられないというように駆けだしていく瑛子…ちょっと
おいてかないでよ!

その後を追って私も美術館の中に入っていく。けど入って絵を見た瞬間
私は呆気にとられた。いや恐怖したのかもしれない。人の絵だったけど
なぜか絵に見えなかった。まるで本物の人が…

「お気に召しましたかお嬢さん?」

いきなり声をかけられ後ろを振り返ると少しヤツレ気味の男性が私に
微笑みかけていた。

「え…あ、はい…とても…」

「そう、それはよかった。ところで君、モデルなどに興味はありますか?」

「はい?」

いきなりの質問に疑問を浮かべる私、けど男の人は気にした様子もなく
話を続ける。

「もし気が向けばこの展覧会のあとに…これは私の名刺です。では…」







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