二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 暗黒騎士呀鎧伝 業
- 日時: 2012/05/15 19:33
- 名前: 千本桜 (ID: StvfWq.v)
黒き闇に落ちた心
その心に輝きはなかったのか
その心に希望はなかったのか
それを知りたい者は行くがよい
暗く 深い 闇の中へと
暗黒騎士呀鎧伝
- Re: 暗黒騎士呀鎧伝 業 ( No.4 )
- 日時: 2012/05/19 20:54
- 名前: 千本桜 (ID: iSRuTdKo)
〜数日後〜
あの後俺たちはすぐ病院に搬送された。恵は特に外傷はなかったが俺と
母さんは重傷だった。すぐに手術をおこない俺は無事にすんだが…
母さんは手遅れだった。運んだ時には意識がなかったらしく、最善を尽くしたが数時間後に息を引き取ったらしい。
そして俺の目の前に母さんの姿があった。安置室で白布を被せられ静かに眠っている。しがみついて泣きじゃくる恵、けどあんな海の中に母さんをおいていくことが出来なかった。
悲しかった。けど逆に憤りを感じていた。自分の不甲斐なさに、そして
なにより俺たちをこんな目にあわせた奴が憎かった。母さんの命を奪った奴が…
ふと気づくと母さんの手が何かを握っていた。
恵をそっと後ろに下げ俺は母さんの手を広げてみた。
「ペンダント?」
銀の鎖に装飾、真ん中には紫の宝石がはめ込まれていた。
「こんなのいつの間に…」
"我の声が聞こえるか”
俺は思わずペンダントを床に投げ捨てた。
「お兄ちゃん?」
「なあ恵…今の声聞こえたか?」
"その者には聞こえぬ。少し二人で話をしよう"
投げ捨てたペンダントが光り輝く。眩しい閃光が部屋を包み込んだ。
目を開けるとそこは奇妙な場所だった。
一面が白い世界で黒い文字だろうか?黒い筋のようなものが上に何本も昇っていた。
「ここは?」
"ここは我が世界、魔界と人界の狭間、そしてそなたの心の中でもある"
後ろを振り返るとそこには人が立っていた。…いや人の姿をしていたが人じゃなかった。手が何本もある人間なんているわけがない。
「なんだお前は」
"我が名はメシア、ホラーの始祖、魔界の理を統べる者だ"
「メシア?ホラー?魔界?頭いかれてるのか?いい医者紹介するからとっとと消えろ」
"ほう、ならばそなたは自分の母親を殺した者を知りたくないと言うのだな?"
- Re: 暗黒騎士呀鎧伝 業 ( No.5 )
- 日時: 2012/05/15 19:50
- 名前: 千本桜 (ID: StvfWq.v)
「なん…だと」
"我はそなたの母を殺した人物を知っていると言ったのだ"
俺の心臓が張り裂けそうなほどにバクバクと高鳴る。俺が十年かけて
手に入れようとした幸せを奪った奴をこいつは知っている。
「お前の目的はなんだ?」
メシアの口元が歪む。その笑いは俺の背筋を凍り付かせるほどに不気
味なものだった。メシアは俺の前で手を円の形に回すとそこには黒い
鎧と黄金の鎧を着た奴らが戦っていた。
「これは?」
"この黄金の鎧を着た者がそなたの母の命を奪った者だ、名は黄金騎士
ガロ、我の最大の敵でもある"
俺の中でどす黒い憎しみの炎が燃え上がる。いまからでもこいつのと
ころに行って殺してやりたいと思ったが今の俺では勝てない。それは
二人の戦いで分かる。
「お前の敵とかはどうでもいい。俺の仇はこの黒と黄金の騎士だ」
俺の言葉でメシアは甲高い声で笑った。まるで俺を嘲笑い蔑むような
わらいだった。
「なにが可笑しい!!」
"知りたいか?ならば教えてやろう。貴様の仇であるその黒い騎士に
あの鎧を与えたのはこの我だ"
「なっ!?」
こいつが…こいつも俺の仇の一人だと!しかもこいつは自分が俺の仇
と知っていながら俺に語りかけてきたのか!?
「ふざけんじゃねぇ!!てめえに力を借りるくらいだったら俺は自分
で力を手に入れてあいつを殺してやる!!」
"だがそなたの力では一生あの男は倒せない。あの力はこの世とは違
う理で出来ている。そしてあの黄金の鎧は魔界の中でも最高の力で鍛
えられた物、対抗できるのは我の創り出した暗黒の鎧だけだ"
「………」
そんなことぐらい分かっている。あれはこの世の力じゃ絶対に勝てないってことぐらい。
- Re: 暗黒騎士呀鎧伝 業 ( No.6 )
- 日時: 2012/05/19 11:56
- 名前: 千本桜 (ID: 1bx430d5)
こいつは俺を利用しようとしている。それは直感で分かる。その理由は
分からない。言っても多分答えないだろう。でもあいつを殺せるのなら…
俺は覚悟を決めた。
「分かった。お前の力をもらいたい。俺は何をすればいい?」
メシアが手を前にかざすと空間が黒く歪みその中からあの黒い鎧が俺の
前に出てきた。
"まずはこの鎧をそなたの体に喰らわせるのだ。それに耐えることが出
来ればそなたはこの鎧を着こなすことができる"
耐えられなければ?とは聞かなかった。耐えられなっかたら待っている
のは死だ。だけど俺は臆することなく鎧に手を触れた。
「ぐぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁ!!!!」
鎧が黒い煙になって俺の中に入ってくる。体が引き裂かれるような痛み
に俺は地面をのたうちまわった。気絶しそうになったが唇を噛み締めな
んとか意識を保ち、全ての煙が俺の中へと入っていっ
た。
"そなたは今よりき暗黒騎士呀、その牙で千のホラーを喰らい、我への
道を開けよ。さすればそなたの望みは果たせるであろう"
「呀か…」
俺は立ち上がるとペンダントを握る。ペンダントに息を吹き頭上で円を描
き漆黒の鎧を体に纏った。体のそこから力が溢れてくる。あいつへの怒り
が…憎しみが俺の力になるのが分かる。
"さあ行くがよいユウト!覇者の道を!"
「いや違う…我が名はキバ!!暗黒騎士!!」
この時から俺は進んだんだ。暗黒の闇の道を、全てを切り裂くその牙で
…そう、全てを切り裂いて…
- Re: 暗黒騎士呀鎧伝 業 ( No.7 )
- 日時: 2012/05/16 19:56
- 名前: 千本桜 (ID: iihmFlhR)
第一話 絵画
〜二ヶ月後〜
「はあ…やな天気ねぇ…」
ただでさえ寝起きが悪くてイライラしてるのにこの天気…憂鬱以外のなにものでもない。
「そしてこの坂…」
学校の手前200メートルはかなり急な坂で学校のみんなからは"無慈悲
の坂"と呼ばれていた。それを今から私はのぼるのです…
「帰ろうかな…」
いいよね別に一日くらいさぼったって、神様はきっと許してくれるさ、
うん!大丈夫!
なにが大丈夫かわからなかったけど私は取り敢えず来た道を引き返そう
としけど私の前に猛ダッシュで近づいてくる子がいた。
「おっはっよっう!!御坂ちゃん!!」
スキップしながらあいさつしてきたこの子の名前は相宮 瑛子(あいみ
や えいこ)私とは幼なじみで幼稚園からの付き合い。根っからのスポー
ツ少女で自慢の黒髪は首より下から一回も伸ばしたことがないという。
身長は他の女子と比べるとかなり高い。おまけに容姿はモデル並みで頭
の良さもずば抜けている。とにかくなんでもござれの無敵超人だ。
そして下級生の女子からは憧れの対象で告白してくる子も少なくないと
いう。
「私の解説ありがと御坂ちゃん!」
「なぜわたしの心の声が!?」
「ふっふっふっ…私の辞書に不可能はないのだよ!」
親指をビシッ!と立てて自慢げに答える瑛子…暑苦しい。
「よし!朝から元気なのはいいことだ!さあ頑張ってこの坂を越えない
い!私は帰るからそれじゃね!」
きびすを返して帰ろうとしたけど瑛子は私の首根っこをふん捕まえて
帰そうとしなかった。てか苦しいって!
「さぼったらだめだよ御坂ちゃん。始業式の日にさぼるなんてオテン
トさんが許してもこの私が許さないよ!」
「大丈夫オテントさんは今日は出てないから!」
「問答無用!!」
いやがる私を引きずりながら瑛子は坂をひょいひょい歩いていく。どこ
にそんな体力があるのだろう?
「分かったわよ!行けばいいんでしょ行けば!だから放しなさいって!」
「ならよし」
パッと手を放した瑛子はほらいくよと言うように今度は私の手をとって
しかも走り出した。
「やめんか!私の体力を根こそぎもっていく気かあんたは!?」
結局私は校門までダッシュするはめになった。教室に着いたとき私のラ
イフゲージが0になったのは言うまでもない…
- Re: 暗黒騎士呀鎧伝 業 ( No.8 )
- 日時: 2012/05/19 21:19
- 名前: 千本桜 (ID: iSRuTdKo)
「どうしたの御坂ちゃん?始業式もう終わったよ」
ハッとなってわれにかえる私、やばっ全く記憶がない。
「ずっとどこかのボクサーみたいに真っ白になってたみたいだけど、ようやく復活したね」
「誰のせいだ誰の…」
「それより始業式の時の話聞いてた?」
「なに?」
「もうちゃんと聞いてなさいよ。最近このあたりで起きてる連続通り魔事件のことだよ。登下校は必ず
集団行動を心がけることって言ってたよ」
ここ最近多発している殺人事件、被害者は全て若い女性、でもその全員が年老いた姿で死んでいる。ま
るで若さを奪われたみたいに…
「気味が悪いね。そんなのがこの近くにいるなんて」
「だから心を読むなっての、でも気を付けなさいよ高校生って言ってもあんた見た目は大人びてるん
だから」
「えぇそんなこと言わないでよ。お父様から一応凄腕の殺し屋さんを護衛に付けてもらってるけど
心配になるじゃない」
「……」
逆にあんたの護衛さんが犯人殺しちゃうんじゃ…
「それともうひとつ、今日このクラスに転校生が来るみたい。しかも男子だって」
「へえ〜」
転校生か…イケメンだったらいいな。ちなみに私は生まれてから18年彼氏がいない。せめて高校卒業
までに彼氏をゲットしたいと思ってるけど、中々ねえ…
「そっかそっかこうやってどんどん御坂ちゃんは時代に取り残されていくんだねえ」
「ぶっとばされたいんかいあんたは」
キーンコーンカーンコーン…
「あっチャイムが鳴った。席に着かなくちゃ」
まるで計ったように自分の席へと戻っていく瑛子、後で覚えてなさいよ。
教室のドアが開けられ男性教師特有の低い声が教室に響渡る。
「それではホームルームを始める前に転校生を紹介する。入ってきなさい」
カラカラと扉が開けられた瞬間教室がざわつく。女子からは歓声が男子からは舌打ちが、一言で言う
ならイケメンだった。けど他の男子と違って物静かな大人の雰囲気が出てる。男の子はチョークを取
ると黒板に自分の名前を書き、私たちを見る。
「影宮 優斗だ」
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