二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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暗黒騎士呀鎧伝 業
日時: 2012/05/15 19:33
名前: 千本桜 (ID: StvfWq.v)

黒き闇に落ちた心 

その心に輝きはなかったのか

その心に希望はなかったのか

それを知りたい者は行くがよい

暗く  深い  闇の中へと


                    暗黒騎士呀鎧伝 

  

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Re: 暗黒騎士呀鎧伝 業 ( No.1 )
日時: 2012/05/13 23:29
名前: 千本桜 (ID: mQVa63/B)

人の世とは表裏一体、表は人という種で満ちあふれ光に
照らされている世界

そして裏とは闇が支配する世界、その種がホラーと呼ば
れる生物

人の陰我、いわゆる人の欲望や願望が具現化し本能のま
まに人を喰らうことから古より人々に恐れられていた。

しかし暗黒を断ち切る騎士の剣によって人類は希望の光
を得た。

それが魔戒騎士と呼ばれる者、闇に動き陰我を滅する。

そして魔戒騎士の最高位が黄金騎士牙狼(ガロ)黄金の
鎧を身に纏い、勇猛に戦うその姿はまさに闇を切り裂く
一閃の光だった。

しかし逆にかつて闇に心を売り暗黒の道を選んだ騎士が
いた。名は龍崎駈音(りゅうざきくおん)またの名をバ
ラゴ、暗黒騎士キバ

千のホラーを喰らい魔界よりホラーの始祖メシヤを召還
、一体となることで永遠不滅の肉体を得どの魔界の力も
凌駕する最強の存在になることを望んだ。

だがその企みはガロとの壮絶な死闘により阻止され、キ
バの陰我は断ち切られた…かに見えた。

キバとの戦いは新たなる憎しみを呼んだ。

それがキバとの戦の終わりから少し前に遡る…






Re: 暗黒騎士呀鎧伝 業 ( No.2 )
日時: 2012/05/14 01:06
名前: 千本桜 (ID: mQVa63/B)

「母さん…姉さん…」

俺は泣き崩れていた。破壊された船、広がる炎、その中で
横たわる母さんと姉さん、二人を背負って俺は必死で逃げ
た。

「ユウト…」

「母さん!?よかった気づいたんだな!もうすぐ船の外だか
らしっかりしろ!!」

「だめ…私をおいて…恵を連れて逃げなさい。」

「なっ!?なに言ってんだよ!みんなで帰るんだ!やっと会
えたんだぞ!弱音はくんじゃない!!」

だけど言葉とは裏腹に俺は分かっていた。母さんの命は風
前の灯火だった。血があふれて止まらない。母さんの目か
らはどんどん生気が失われていく。

「だめだ…だめだだめだだめだ!!生きるんだ!!なにがな
んでもみんなを連れて帰る!!もう甲板まででたんだ!後は
救助を呼んで…」

瞬間背後で強烈な爆発が起り、俺たちは海の中へと放り出さ
れた。




Re: 暗黒騎士呀鎧伝 業 ( No.3 )
日時: 2012/05/14 09:33
名前: 千本桜 (ID: g.taR5LA)

「プハッ!!」

水面に浮かんだがさっきの衝撃で頭がぼやけて視界が歪む。

おまけに飛んできた船の破片が左の太ももを貫いていて、
激痛がはしり思うように動けない。

「くそっ!母さん!恵!どこだ!!」

近くに漂っていた木片を掴み、周りを見渡すと俺と同じよ
うに二人は木片にしがみついていた。俺は必死に泳いで二
人の所についた。

「お兄ちゃん!お母さんが、お母さんが!」

「大丈夫だ!兄ちゃんに掴まれ!母さんも一緒に連れて行っ
てやるから!!」

恵の手を俺の肩に回し、母さんも同じようにしようとした
がその手は振り払われた。

「行きなさい。あなたたち二人だけで…私はいいから…」

「何度も言わせるな!絶対に連れて行く!誰がなんと言おう
と…」

「ユウト!!」

母さんの怒号が俺をひるませる。けど母さんはにっこり笑っ
て俺と恵の手を掴んだ。

「二人とも聞いて…私はあなた達といけない。ユウト、分か
っているでしょ。だけど二人はまだ生きられる」

「お母さん?何言ってるの?みんなで帰るんでしょ?お兄ち
ゃんが連れて行ってくれるから…」

恵の顔がハッとなる。恵も気づいたんだ、母さんはもう俺た
ちと一緒に行けないことに…

恵の顔から涙がこぼれる。それは俺も同じだった。けどその
涙を母さんは震える手で優しく拭ってくれた。その手を俺は
しっかり握った。

「さあ行って、二人とも…お母さんの分まで幸せにね…」

母さんの手が離れて漆黒の海が母さんを包んでいく。だけど
俺はその手を掴んで引き寄せた。

「…!やっぱりだめだ!こんなところで死ぬなんて俺は認めな
い!!絶対に!!」

その瞬間俺たちの周りをライトが照らした。

「大丈夫かそこの人達!!今助けてやるからな!!」

救助のヘリ…こんな近くに来るまで気づかないなんて…

ヘリから救助隊員が降りてきて、先に恵と母さんを引き上げる。

「…よかった」

安心した途端俺の意識は途絶え、視界が真っ暗になった。








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