二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- 暗黒騎士呀鎧伝 業
- 日時: 2012/05/15 19:33
- 名前: 千本桜 (ID: StvfWq.v)
黒き闇に落ちた心
その心に輝きはなかったのか
その心に希望はなかったのか
それを知りたい者は行くがよい
暗く 深い 闇の中へと
暗黒騎士呀鎧伝
- Re: 暗黒騎士呀鎧伝 業 ( No.14 )
- 日時: 2012/05/27 21:03
- 名前: 千本桜 (ID: PIWwehw3)
名刺を渡した人はそのまま人混みの中に紛れ姿が見えなくなった。
「御坂ちゃん、な〜にやってるのこんなとこで?さっきの人誰?彼氏?」
「どこをどうみたらそう見えるのよ。ただこれ渡されただけよ」
さっきもらった名刺を瑛子に見せる。
「うそ…あの人まさか矢﨑 四志雄さん!え!なんであの人が御坂ち
ゃんに!?なんで!!?」
「なんでって…ただあの人から僕の絵のモデルになってくれないか?
って言われて、強引にこれ渡されただけだけど…」
「すごいよ!絶対行った方がいいって!展覧会が終わったら会いにいき
なよ御坂ちゃん!」
瑛子がこんなに興奮するなんて…やっぱりすごいのかな矢﨑さんって…
けどあの人なんか怖いんだよなあ、でも瑛子は絶対に行った方がいい
って言うし…
「わかった。じゃあ展覧会が終わったら会いに行ってみるよ」
「うん!そのほうがいいよ!それでもし良かったらサインもらってきて
くれたら嬉しいんだけど…」
「はいはいちゃんともらってくるから」
瑛子の顔がひまわりのようにパアと明るくなる。そんなに嬉しいのか?
まあ会うだけなら別にいいよね。
あの人と同じ絵描き、少しは興味あるしね。
「それじゃ行こうか瑛子、全部見て回るんでしょ。急がなくちゃね」
「そうだね!行こう!」
私たちはその後展覧会をうろうろした後、閉館の時間がもうすぐになっ
たところで別れ、私は係の人に尋ねると矢﨑さんに会いに行った。
- Re: 暗黒騎士呀鎧伝 業 ( No.15 )
- 日時: 2012/05/28 21:59
- 名前: 千本桜 (ID: PfnP2WII)
「やっぱり暗くなると不気味になってくるわね。…っとここだ」
私がノックをすると、部屋の中からどうぞと返事が返ってきた。恐る恐
るドアを開けると矢﨑さんは薄暗い部屋で絵を描いている最中だった。
「よくきたね。ここに座って」
私は言われたとおりに椅子に座り矢﨑さんが描いている絵を見てみた。
「あれ?背景だけ?」
瑛子によれば矢﨑さんは人物画しか描かないと言っていた。けど目の前
の絵は人なんて全く描かれていなかった。
「あの…矢﨑さんは今なんの絵を描かれているんですか?」
「これかい?僕は人物画しか描かないからこれは人の絵だよ。そしてこ
の絵はすぐに出来上がる…」
私の背中に悪寒が走る。矢﨑さんの声がなぜか二重になって聞こえたか
らだ。嫌な予感がした私は立ち上がると急いで部屋の外に向かった。
けど逃がさないと言うように私の手を矢﨑さんが捕まえて放さない。
「痛い!放してください!!」
「そういう訳にはいかないなあ、君は僕の大切な芸術の一部なんだから
そしてその恐怖の表情が僕の絵を完璧な物に仕上げるんだ!あっははは
はは!!ほんとは君の帰り道を狙おうと思ったけど我慢ができなくって
ねえ!!」
「じゃあ最近この町で起こってる連続殺人事件の犯人って…」
「この僕だよ。全員僕の素晴らしい芸術作品になってくれたよ。そして
君もこの絵の中で一生暮らすんだ…」
最初来たときの違和感はこれだったんだ。あの作品は絵じゃなくて全
部人が入れられてたんだ。だとしたらこのまま殺されちゃう!はやく
逃げないと…
必死に抵抗するけど私の手は万力のように握りしめられててふりほどけ
ない。ふと近くの机の上を見ると花瓶あり、私はそれは手に取り思いっ
切り矢﨑さんの頭を殴りつけた。
そのおかげで私の手は自由となり急いで部屋の外へと脱出した。
- Re: 暗黒騎士呀鎧伝 業 ( No.16 )
- 日時: 2012/06/01 22:26
- 名前: 千本桜 (ID: 0Sb7QHNJ)
薄暗い廊下を私は全力で走り、展覧会の作品が飾ってある場所まで来る
と後ろをみてして追ってきてないかを確認し、姿が見えないのを確かめ
ると、安堵の息をつく。
けど落ち着いてなんかいられない。追いつかれたら私もここの人たちと
一緒に絵の一部になっちゃう。…あれ?
周りを見てその中で一つだけ何も描かれていない絵があった。
「なに…これ?」
ただ真っ黒に塗られているだけの絵、けどその絵は波のようにうねり始
めると中から人じゃない物の手が突き出してきた。
「きゃあああああああああ!!!」
なにあれ!?なんなのあの化物!?
また私は逃げた。もうなにがなんだか分からない。ただ分かっているの
はこのままだと死ぬということだけ…そして今に至る。
- Re: 暗黒騎士呀鎧伝 業 ( No.17 )
- 日時: 2012/06/01 23:46
- 名前: 千本桜 (ID: 0Sb7QHNJ)
「あ…う…」
腰が抜けて尻餅をついてしまう。立ち上がろうとしたけど体に力が入ら
ない。私はただ後ずさりしかできなかった。
近づいてくる化物、恐怖、いやだ…死にたくない。
私は願った。生きたい。助かりたい。だから…
「だれか…助けて!!」
直後振りかざされた化物の手が宙を舞っていた。そしてその返り血が私
にかかりその血は私の中へと入っていった。
そして目の前には漆黒の服を着た人が化物に立ちはだかっていた。
それは…あいつだった。
あの生意気で無愛想でなに考えてるか分からなくてむかつくあいつがあ
の化物と戦おうとしている。あいつは持っていた剣を化物へと向ける。
「ホラー"アングレイ"、貴様の陰我…俺がもらう…」
この出来事が…私とあいつの新しい出会いだった。
- Re: 暗黒騎士呀鎧伝 業 ( No.18 )
- 日時: 2012/06/08 00:00
- 名前: 千本桜 (ID: JJ3BeOFP)
〜優斗視点〜
まさかこいつがいるとは思わなかったが…まあいい。おかげで獲物が釣
れた。
"貴様魔戒騎士か!?"
「だとしたらどうする?」
"殺す!"
アングレイが何本もの触手を鞭のようにしならせて攻撃してくるが俺は
なんなくそれを切り捨てアングレイめがけて突進し剣で突く。
だがアングレイは外見とは裏腹に俊敏な動きでかわすとニヤリと笑う。
"その程度か魔戒騎士?"
立ち位置が元に戻ると俺の後ろにはまだあいつがいた。
「おまえまだいたのか?さっさと逃げろ」
「いや…逃げたいのはやまやまなんだけど…腰が抜けて…」
「じゃあそこにいろ。一歩も動くなよ」
アングレイが今度は口からヘドロのようなものを飛ばしてくる。さっき
と同じように剣で弾き落としたがさっきと違い少しばかり剣が溶けてい
た。
「へえやるじゃないか。ソウルメタルで創られている俺の魔戒剣を溶か
すなんて」
"今度は貴様自身を溶かしてやる"
さっきの何倍ものヘドロ攻撃が俺に飛んでくる。避けようと思えば避け
られるが俺の後ろにはあいつがいるからここから動くわけにはいかな
い。
「ちょっ!なにやってんのよあんたさっさと逃げなさい」
俺は少し驚いた。今までホラーに襲われてた奴はたいてい自分の身を案
じて俺のことなんか気にもとめなかった。しかしこいつは俺に逃げろと
言っている。
「動くとおまえが死ぬぞ」
「じ…自分の身くらい自分で守るわよ!だから逃げなさいって!!」
「フッ…」
不思議と笑い声が出てきた。こいつは普通の奴とは違うようだ。
「そのざまでよくほざく」
「なっ!?なによその言い方心配してあげてるのに!!」
「ならすぐに終わらせる」
俺は視線をアングレイに戻すが敵は俺の余裕の態度が気に入らないのか
、口元でさらに大きなヘドロをつくってとどめを刺そうとしていた。
さすがにあれを生身で受けるのはきついか…仕方ない。
俺は胸に下げていたペンダントの鎖を引きちぎってはめられている紫の
宝石に息を吹きかける。
そしてペンダントを頭上で回した瞬間アングレイのヘドロ火球が俺たちを包み込んだ。
この掲示板は過去ログ化されています。