二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- ポケットモンスターBW 混濁の使者 ——完結——
- 日時: 2013/04/14 15:29
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: H6B.1Ttr)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=21394
今作品は前作である『ポケットモンスターBW 真実と理想の英雄』の続きです。時間としては前作の一年後となっておりまして、舞台はイッシュの東側がメインとなります。なお、前作は原作通りの進行でしたが、今作は原作でいうクリア後なので、オリジナリティを重視しようと思います。
今作品ではイッシュ以外のポケモンも登場し、また非公式のポケモンも登場します。
参照をクリックすれば前作に飛びます。
では、英雄達の新しい冒険が始まります……
皆様にお知らせです。
以前企画した本小説の人気投票の集計が終わったので、早速発表したいと思います。
投票結果は、
総合部門>>819
味方サイド部門>>820
プラズマ団部門>>821
ポケモン部門>>822
となっています。
皆様、投票ありがとうございました。残り僅かですが、これからも本小説をよろしくお願いします。
登場人物紹介等
味方side>>28
敵対side>>29
PDOside>>51
他軍勢side>>52
オリ技>>30
用語集>>624
目次
プロローグ
>>1
第一幕 旅路
>>8 >>11 >>15 >>17
第二幕 帰還
>>18 >>22 >>23 >>24 >>25 >>26 >>27
第三幕 組織
>>32 >>36 >>39 >>40 >>42 >>43 >>46 >>49 >>50 >>55 >>56 >>59 >>60
第四幕 勝負
>>61 >>62 >>66 >>67 >>68 >>69 >>70 >>72 >>76 >>77 >>78 >>79 >>80
第五幕 迷宮
>>81 >>82 >>83 >>86 >>87 >>88 >>89 >>90 >>92 >>93 >>95 >>97 >>100 >>101
第六幕 師弟
>>102 >>103 >>106 >>107 >>110 >>111 >>114 >>116 >>121 >>123 >>124 >>125 >>126 >>129
第七幕 攻防
>>131 >>135 >>136 >>139 >>143 >>144 >>149 >>151 >>152 >>153 >>154 >>155 >>157 >>158 >>159 >>161 >>164 >>165 >>168 >>169 >>170 >>171
第八幕 本気
>>174 >>177 >>178 >>180 >>184 >>185 >>188 >>189 >>190 >>191 >>194 >>195 >>196 >>197 >>204 >>205 >>206 >>207 >>211 >>213 >>219 >>223 >>225 >>228
第九幕 感情
>>229 >>233 >>234 >>239 >>244 >>247 >>252 >>256 >>259 >>262 >>263 >>264 >>265 >>266 >>269 >>270 >>281 >>284 >>289 >>290 >>291 >>292 >>293 >>296 >>298
第十幕 強襲
>>302 >>304 >>306 >>307 >>311 >>316 >>319 >>320 >>321 >>324 >>325 >>326 >>328 >>329 >>332 >>334 >>336 >>338 >>340 >>341 >>342 >>343 >>344 >>345 >>346
弟十一幕 奪還
>>348 >>353 >>354 >>357 >>358 >>359 >>360 >>361 >>362 >>363 >>364 >>367 >>368 >>369 >>370 >>371 >>372 >>376 >>377 >>378 >>379 >>380 >>381 >>382 >>383 >>391 >>393 >>394 >>397 >>398 >>399 >>400
第十二幕 救世
>>401 >>402 >>403 >>404 >>405 >>406 >>407 >>408 >>409 >>410 >>412 >>413 >>414 >>417 >>418 >>419 >>420 >>421 >>422 >>433 >>436 >>439 >>440 >>441 >>442 >>443 >>444 >>445 >>446 >>447 >>450 >>451 >>452 >>453 >>454
第十三幕 救出
>>458 >>461 >>462 >>465 >>466 >>467 >>468 >>469 >>472 >>473 >>474 >>480 >>481 >>484 >>490 >>491 >>494 >>498 >>499 >>500 >>501 >>502
第十四幕 挑戦
>>506 >>511 >>513 >>514 >>517 >>520 >>523 >>524 >>525 >>526 >>527 >>528 >>529 >>534 >>535 >>536 >>540 >>541 >>542 >>545 >>548 >>549 >>550 >>551 >>552 >>553 >>556 >>560 >>561 >>562 >>563 >>564 >>565 >>568
第十五幕 依存
>>569 >>572 >>575 >>576 >>577 >>578 >>585 >>587 >>590 >>593 >>597 >>598 >>599 >>600 >>603 >>604 >>609 >>610 >>611 >>614 >>618 >>619 >>623 >>626 >>628 >>629 >>632 >>638 >>642 >>645 >>648 >>649 >>654
>>657 >>658 >>659 >>662 >>663 >>664 >>665 >>666 >>667 >>668 >>671 >>672 >>673 >>676 >>679 >>680 >>683 >>684 >>685 >>690 >>691 >>695
第十六幕 錯綜
一節 英雄
>>696 >>697 >>698 >>699 >>700 >>703 >>704 >>705 >>706 >>707 >>710 >>711
二節 苦難
>>716 >>719 >>720 >>723
三節 忠義
>>728 >>731 >>732 >>733
四節 思慕
>>734 >>735 >>736 >>739
五節 探究
>>742 >>743 >>744 >>747 >>748
六節 継承
>>749 >>750 >>753 >>754 >>755
七節 浮上
>>756
第十七幕 決戦
零節 都市
>>759 >>760 >>761 >>762
一節 毒邪
>>765 >>775 >>781 >>787
二節 焦炎
>>766 >>776 >>782 >>784 >>791 >>794 >>799 >>806
三節 森樹
>>767 >>777 >>783 >>785 >>793 >>807
四節 氷霧
>>768 >>778 >>786 >>790 >>792 >>800 >>808
五節 聖電
>>769 >>779 >>795 >>801 >>804 >>809
六節 神龍
>>772 >>798 >>811
七節 地縛
>>773 >>780 >>805 >>810 >>813 >>814 >>817
八節 黒幕
>>774 >>812 >>818
最終幕 混濁
>>826 >>827 >>828 >>832 >>833 >>834 >>835 >>836 >>837 >>838 >>839 >>840 >>841 >>842 >>845 >>846 >>847 >>849 >>850 >>851
エピローグ
>>851
2012年冬の小説大会金賞受賞人気投票記念番外
『夢のドリームマッチ ver混濁 イリスvsリオvsフレイ 三者同時バトル』>>825
あとがき
>>852
Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171
- Re: 60章 偽者 ( No.121 )
- 日時: 2011/08/12 22:55
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「久しぶり、キリハ。相変わらず早いね」
キリハの脳に記憶されていない少女は、あたかも当然のようにキリハに話しかけてくる。
「えっと……ここは部外者立ち入り禁止なんだけど……」
少女があまりにもフランクなものだから、キリハは少し言い淀む。
「知ってるけど、それがどうしたの?」
少女は自分がここにいるのが当然だと言うように答える。
そしてこの時、キリハの頭の中に一つの可能性が浮かんだ。
そしてそれを確認すべく、ライブキャスターである人物に通話を掛ける。
ピリリリリ、ピリリリリ
そんな電子音が鳴り響く。音源は、少女がつけているライブキャスター。
「……リオの奴、ライブキャスターを落とすなんて、トレーナーとしての自覚がないのか……?」
キリハは捻じ曲がった事実を自分に言い聞かせる。
「キリハ、もしかして——」
少女が口を開こうとするが、キリハは聞いちゃいない。
「そんなはずがない。リオが女の子に見えるなんて事はない。そう、これはリオのファンか何かで、偽者なんだ……!」
事実を受け入れようとしないキリハ。現実逃避も甚だしい。というか、キリハはリオを女の子と認識していなかったようである。
「……君、僕とバトルをしてくれ」
キリハは少女——もう面倒なのでリオにそう言う。
「いきなりなんなの?」
「君がリオなら、僕如きに負ける事はない。君がリオかどうかを確かめるには、バトルをするのが一番だ」
そんなこんなで、キリハとリオのバトルが始まった。
「方式は一対一のシングルバトルだ。依存は無いね?」
「依存は無いけど、なんだか妙に納得がいかないというか……まあいいや。出て来て、ラグーン!」
リオの繰り出すは、水色の体を持つ直立したドラゴンポケモン、水龍ポケモンのラグーンだ。
しかしこのラグーン、通常固体よりも相当大きい。
「ドラゴンタイプなら、このポケモンかな。駆けろ、ユニサス!」
キリハが繰り出すは、美しき白と紫の体に、金色の角が生えたユニコーンのようなポケモン。角馬ポケモンのユニサスだ。
「ユニサス、メガホーンだ!」
ユニサスは金色の角を突き出し、ラグーンに向かって突進する。
「ラグーン、かわして炎の牙!」
ラグーンは横に跳んでメガホーンをかわし、ユニサスの体に炎を灯した牙を突き立てる。効果抜群なので、かなりのダメージだ。
「くっ、ダイヤブラスト!」
ユニサスは素早く体勢を立て直すと、宝石のように光り輝く白色の光線を発射。しかし
「ラグーン、竜巻で跳ね返して!」
ラグーンはユニサスを囲むような竜巻を発生させる。竜巻にぶち当たったダイヤブラストは跳ね返され、ユニサスに襲い掛かった。
「アクアボルト!」
さらにラグーンは電気を帯びた水流を放ち、ユニサスを攻撃。
「ユニサス、怯むな!スターダスト!」
ユニサスはよく響く鳴き声でいななくと、空より無数の鋼を流星群の如く降り注ぐ。
「ラグーン!」
流石のラグーンもこの攻撃を避けきる事はできなかった。しかし効果はいまひとつなので、まだ戦闘不能にはならない。
「追撃だユニサス、メガホーン!」
ユニサスは角を突き出してラグーンに突進するが
「ラグーン、地面に頭突き!」
ラグーンは跳躍し、頭を下にして落下する。そしてその際に地震に匹敵する揺れを引き起こし、ユニサスの動きを止める。
「今度はユニサスに頭突き!」
ラグーンは素早く立ち上がり、ユニサスに強烈な頭突きを喰らわせる。効果いまひとつでたかが頭突きだとキリハは思っていたが、その頭突きの威力が尋常ではなかった。ユニサスはあえなく吹っ飛ばされ、大ダメージを受ける。
「なんて石頭……いや、鋼頭と言うべきか……?」
キリハはそう呟きつつ、次の指示を出す。
「ユニサス、サイコバレット!」
ユニサスは銃弾のようなサイコエネルギーを無数に作り出し、それをラグーンに向けて一斉に発射する。
「ラグーン、ジャンプでかわして!」
だがしかしラグーンはその巨体からは考えられない行動に出た。ラグーンは尻尾をバネのようにして、天井近くまで飛び上がったのだ。そのため、地上にいるラグーンに向かっていた銃弾は全て地面にヒット、地面が盛大に抉れた。
「そおのまま頭突き!」
そしてラグーンはユニサスに向かって頭を突き出し、落下する。
丁度落下点にいたユニサスは、落下による加速も相まってとんでもない威力となった頭突きの直撃を喰らい、戦闘不能。
結果、キリハはリオにボロ負け。なので、キリハは七変化したリオを認めざるを得なくなったのだ。
そして時間はさらに進み、現在。
「なるほど、そのザキさんの何気ない一言でこうも変貌したんですね」
イリスは納得いった。そんな妹を自慢するためのけなし言葉で納得してしまう脳みその構造は称賛に値するだろう。
「まあ、正直俺もここまで変わるとは思ってなかったがな、というか変わるとすら思ってなかった……」
その後はイリス、ミキ、リオ、キリハ、ザキの五人で、他愛もない話をしていた。
そして後日、PDO三名は撤収し、カゴメタウンから発った。
ううむ、最近どうにも上手く書けないような……もしやこれがスランプという奴でしょうか?まあ、バトル中心の回になったらたぶん本調子に戻るでしょう。寝て覚めればストレスがほぼ全て吹き飛ぶ僕です、スランプから抜け出すのもそう難しくはないでしょう。では、次回ですが、次回は7Pを登場させる予定です。では、お楽しみに。
- Re: ポケットモンスターBW 混濁の使者 オリキャラ・オリ技、募集 ( No.122 )
- 日時: 2011/08/12 23:36
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
霧火さん
設定変更、確認しました。
ドラードンの体長は約7m、それに6mプラスすれば13m……まさに神龍ですね。
オリ技もありがとうございます。是非使わせていただきます。
- Re: 61章 爆弾 ( No.123 )
- 日時: 2011/08/13 00:38
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
カゴメタウンから出たイリスとミキは、とりあえずサザナミタウンへと向かうため、13番道路に来ていた。
そして、会いたくない者と遭遇してしまう。
「どうも、また会いましたね、英雄さん。今はお弟子さんを連れているようですが」
出会ったのは、黄色い髪に執事服を着た男、7Pのエレクトロ。
そしてもう一人。地面に着きそうなほど長い青色の髪に、水色のワンピースを着た女、同じく7Pのレイ。
「……何の用だよ」
イリスは二人を——特にエレクトロを睨みつけながら言う。
「なに、あなたにリベンジしたいと、レイが言うものでしてね」
イリスはレイに目線を移すと、レイは氷柱のように冷たく鋭い眼差しで、イリスを見つめていた。
「彼女はクールに思われがちですが、意外と負けず嫌いなのですよ。あなたもトレーナーの端くれならば、挑戦を受けても良いのではないですか?」
敵に言われると無性に腹が立つが、確かにその通りだ。
「……分かった。ただし一対一のシングルバトルだ」
「よいでしょう、レイは方式は選びませんからね」
こうして、イリスvsレイのバトルが始まった。
「ドルマイン」
ボールより繰り出されたポケモンは、紫色のボール型のポケモンで、頭(?)やその横に黄色い突起がついている。
ボールポケモン、ドルマイン。電気タイプのポケモンだ。
そしてこのドルマインはレイのポケモンではなく、エレクトロのポケモンだったりする。
「……何のつもりだ」
「いやなに、そこのお弟子さんがなにかしようものならば、爆発でもしてその行為を防ごうと思いましてね」
「…………」
そうしたいのはむしろこっちだ、とイリスは思ったが口には出さない。
「……行きなさい、ヤミクラゲ」
レイが繰り出すは、藍色の体に赤いコア、黄色い触手のあるポケモンだ。
「海月ポケモン、ヤミクラゲ。水と悪タイプね……なら、出て来いリーティン!」
イリスが繰り出すは、草タイプのリーティンだ。
「こっちから行くぞ。リーティン、マジカルリーフ!」
リーティンは念力でコーティングした葉っぱを飛ばし、ヤミクラゲを切り裂く。
しかし効果抜群のはずなのにヤミクラゲは平然としている。
「耐久力が高いのか……だったら一気に攻め込むしかない。グラスミキサー!」
リーティンは葉っぱを高速で回転させ、木の葉の渦を作り出してヤミクラゲを巻き込む。
「……ヤミクラゲ、ダークリゾルブ」
だがヤミクラゲは木の葉の渦を、闇のオーラで吹き飛ばしてしまう。
「……気合球」
そして気合を込めた球体を作り出し、リーティンに向けて発射。リーティンは気合球の直撃を受け、大ダメージを負う。
「くっ、リーティン、接近戦で行くぞ。燕返し!」
リーティンはヤミクラゲに接近し、葉っぱを振るって切り裂く。
「……へドロウェーブで引き剥がして」
ヤミクラゲは体から毒液の波を放ち、リーティンに攻撃する。これは効果抜群なので、リーティンもかなりのダメージを受けた。
「大洪水……!」
そしてヤミクラゲはどこからか大量の水を溢れさせ、辺り一帯に洪水のようにし、リーティンを押し流す。
「リーティン!」
水タイプの技なので、リーティンには効果いまひとつだが、それでもかなり効いている。このヤミクラゲは特攻も高いようだ。
「リーティン、かまいたち!」
リーティンは周囲に空気の渦を発生させ、葉っぱを振って真空の刃を放つ。
真空の刃はヤミクラゲを切り裂いたが、やはり決定打にはならない。
「……ヤミクラゲ、ダークリゾルブ」
ヤミクラゲは黒い闇のオーラを放ち、リーティンの体を蝕んでいく。
「リーティン、マジカルリーフ!」
リーティンはダークリゾルブを耐え切り、念力でコーティングした葉っぱを飛ばしてヤミクラゲを切り裂く。
「……ヤミクラゲ、ヘドロウェーブ」
ヤミクラゲは毒液の波を放ち、反撃に出る。リーティンはその波をかわそうとしたが、結局は喰らってしまう。
「……?」
そこで、イリスは異変に気付く。異変というか、違和感に。
(序盤に放ったヘドロウェーブよりも、威力が落ちてる……?)
見ればリーティンはダメージを受けたものの、そこまで深手は負っていない。
イリスは図鑑を取り出し、ヤミクラゲの使用した技を調べる。
「……大洪水、攻撃後に特攻が下がる……成程ね」
つまりこういう事だった。
ヤミクラゲはリーティンの耐久力を読み間違え、序盤で決めようと早くから大洪水を使用した。しかし大洪水は攻撃後に特攻がさがるデメリットがあり、今のヤミクラゲの特攻はかなり低くなっている。
「これなら……リーティン、燕返し!」
「ヤミクラゲ、気合球……!」
リーティンは葉っぱを振りかぶってヤミクラゲに突っ込むが、ヤミクラゲは気合球を放ってそれを阻止。
「……ダークリゾルブ」
そして闇のオーラを放ち、リーティンの体を蝕み、体力を削る。
ここまでは、イリスの作戦通りだ。
「よし、決めるぞリーティン。グラスミキサー!」
リーティンはあえてヤミクラゲの攻撃を喰らう事で、特性深緑を発動させた。そして深緑で威力が高まったグラスミキサーにヤミクラゲを巻き込み、地面に叩きつける。
ヤミクラゲは目が退化しているが、目があったならば目を回しているだろう。つまり、戦闘不能だ。
「…………」
レイはヤミクラゲを見下ろし、やがてボールに戻す。
「——まあ、この結果は仕方がないですよ。あなたが制限を解除すれば楽に倒せたでしょうが、それは今禁じられてますしね」
エレクトロは慰めているのか、レイに言葉をかける。
「さて、これで私達はお暇しますので……ドルマイン、マインブラスト」
エレクトロがドルマインにそう指示を出した瞬間、ドルマインの周囲が爆発した。
「ぐっ……!」
イリスは咄嗟にミキを庇うように動き、爆風で飛ばされないように踏ん張る。
「それでは、また会う時は戦の時。次は私がお相手いたしましょうか」
エレクトロは爆発に生じてトロピウスを出し、レイを乗せて飛び立つ。その際にドルマインもボールに戻す。
そして、一方的に宣戦布告をしてきた7Pは、自分勝手に去っていった。
今回はイリスとレイのシングルバトルです。そして地味にエレクトロの切り札登場です。エレクトロは英語で電子の意味ですから、電気タイプが切り札なのです。ちなみにドルマインはマルマインの進化系、ヤミクラゲはドククラゲの進化系です。一応これからは7Pの手持ちを明かしていきます、7Pの手持ちは全員が四体ずつ所持しているので、エレクトロは出尽くしました。一番なぞに包まれているのはフレイですね。まだノコウテイ一匹だけ……では、あとがきもこの辺で。次回もお楽しみに。
- Re: 62章 イリスvsサザンカ ( No.124 )
- 日時: 2011/08/13 09:56
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
レイとのバトルで時間を喰ってしまったイリスとミキは、13番道路で野宿する事となった。
しかしイリスはなかなか寝付けず、夜の散歩と称してその辺を歩いていた。すると
「……なんだこの光景は……」
森の一角にはゴーストタイプのポケモンがうようよしていた。彷徨っている、漂っていると言った方が正確かもしれない。
「風船ポケモンのフワンテ、人形ポケモンのカゲボウズ、かぼちゃポケモンのパンプリー……空恐ろしい光景だな」
イリスは恐怖心どころか半ば呆れた感じでその光景を眺める。
「蝋燭ポケモンのキャンベルに、縫いぐるみポケモンのジュペッタ。さらには手招きポケモンのサマヨールね……異彩を放つポケモンもいるな」
イリスはゴーストポケモン好きの過去から、この状況に物怖じする事はない。まあ、今ではそこまで好きではないが。
「ん……人……?」
イリスはゴーストタイプが集まる中心付近に、一人の男を見つけた。自分が言える事ではないが、こんな夜中にこんな所で何をしているのだろうと思った。
「素晴らしい!まさかイッシュに、こんなにもゴーストポケモンが集まる場所があったなんて!」
……男はなんだか、やけにハイテンションだった。
男は濃い青色のタンクトップシャツに灰色のズボンを履いていて、紫色の髪は一つに縛っている。
「……おや? 君もこのゴーストポケモン達に惹かれてやって来たのかい?」
男はイリスに気付いたらしく、テンションが高いまま歩み寄ってくる。
「いえ、僕はただなかなか寝付けず適当に歩いていたらここに来てしまっただけです」
イリスはありのままの事を言うが、男は全く聞いちゃいなかった。
「君もこの光景を見れば、ゴーストポケモンの素晴らしさが分かるはずだ。ほら、よく見てみるんだ」
イリスは男に促され、ゴーストポケモンがうようよしている方を見る。
やはり何度見ても、空恐ろしい光景に見える。
「……やっぱり、何の魅力も感じないですね」
イリスはつい本音を漏らしてしまい、男は敏感にそれをキャッチした。
「それは頂けないな。ならばこのゴーストマスター、サザンカが君にゴーストポケモンの素晴らしさを教えてあげよう」
「……え?」
と、そんなこんなで、イリスとゴーストマスターことサザンカのバトルが始まった。
「では始めるとしよう。使用ポケモンは三体でシングルバトル、入れ替えは自由だ」
サザンカはルールを簡単に説明し終えると、ボールを構える。
「行くよ、僕の一番手はこのポケモンだ。恨みよ呪いよ、ワラコゾウ!」
サザンカの一番手は、黒い藁人形の腕に赤い目がついたようなポケモン、ワラコゾウ。
「ゴーストマスターって言うだけあって、やっぱりスタンダードなゴーストタイプで来るのか。なら、出て来いフローゼル!」
イリスが繰り出すのは、ミキのハンタマとのバトルで悪タイプ技を習得したフローゼルだ。
「行くぞフローゼル、アクアジェット!」
フローゼルは激しい水流を身に纏い、超高速でワラコゾウに突っ込む。
「ワラコゾウ、毒々だ!」
ワラコゾウはアクアジェットを喰らった後、すぐに毒液を飛ばし、フローゼルを毒状態にする。
「さらに、黒い眼差し!」
ワラコゾウはフローゼルを黒い邪眼で見つめ、逃げられなくする。
「毒状態にしてからの黒い眼差しか。これは持久戦狙いか……フローゼル、一気に決めるぞ。テラーソニック!」
フローゼルは素早く腕を振り、ヒレから黒い衝撃波を飛ばし、ワラコゾウを攻撃。効果抜群なので、かなりのダメージだ。
「やるね。ワラコゾウ、怪しい風!」
ワラコゾウは妖気を含んだ怪しげな風を発生させ、フローゼルを攻撃。しかし、その威力は大した事はなかった。やはり耐久型だろうか。
「フローゼル、氷の牙!」
フローゼルは氷結した牙を伸ばし、ワラコゾウに突き刺す。すると運悪く、ワラコゾウの体は凍りついていき、最終的には氷結してしまった。
「よし、これで決める。ツヴァイテール!」
フローゼルは二又の尾を硬化させ、氷状態となったワラコゾウにその尾を叩きつけようとするが
「ワラコゾウ、大爆発!」
ワラコゾウの体は内から光り、次の瞬間には、爆発した。
ワラコゾウを覆っていた氷は砕け、溶け、散り、フローゼルは爆発に巻き込まれて吹っ飛ばされる。
「フローゼル!」
フローゼルは咄嗟にバックステップをしたお陰で直撃は免れ、まだ戦闘不能にはなっていない。
そして自ら大爆発したワラコゾウは、当然ながら戦闘不能。
「戻れ、ワラコゾウ」
サザンカはワラコゾウをボールに戻し、次なるボールを構える。
「次はこのポケモンだ。妖怪よ妖魔よ、ユカリア!」
サザンカの二番手は、耳が垂れている感じのピンク色の顔に、灰色の体。足はなく、可愛らしい幽霊というよりお化けといった感じのポケモン。妖怪ポケモンのユカリア。
「……戻れ、フローゼル」
イリスはひとまずフローゼルをボールに戻す。ワラコゾウを倒した事によって黒いまなざしの効果は切れ、毒々と大爆発を喰らい、結構負傷しているからだ。
「次はお前だ。頼むぞ、リーティン!」
イリスの二番手は草タイプのリーティンだ。
「……今のところは、順調かな……」
サザンカの呟きは夜の風に掻き消され、イリスには届かなかった。
今回はゴーストマスターことサザンカの登場です。サザンカは非公式のポケモン、ベガの舞台であるトーホク地方のジムリーダーです。さてさて、サザンカは今のところ強いポケモンどころか進化系のポケモンすら出していませんが、これはサザンカの策略で……これ以上はネタバレになるので言いませんが。では、次回もお楽しみに。
- Re: 63章 小細工 ( No.125 )
- 日時: 2011/08/13 10:47
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: GSdZuDdd)
- 参照: http://www40.atwiki.jp/altair0/pages/308.html
「リーティン、燕返しだ!」
リーティンはユカリアに急接近し、葉っぱを振って切り裂く。
効果は普通だが急所に当たったのか、ユカリアは痛そうに呻いている。
「ユカリア、鬼火!」
ユカリアは青白く燃える不気味な火の玉を出現させ、リーティンに向かわせる。
リーティンはその火の玉をかわそうとするが、火の玉はリーティンの行動をを先読みしたように動き、リーティンに火傷を負わせた。
「まだだよ。黒い眼差し!」
ユカリアは先発のワラコゾウのように黒い邪眼でリーティンを睨みつけ、逃げられなくする。
「毒々の次は鬼火かよ……」
「それだけじゃないよ。ユカリア、呪い!」
突如ユカリアの体に釘が突き刺さり、ユカリアの体力を削る。そしてその次の瞬間、リーティンの体にも釘が突き刺さった。
「鬼火と呪い……随分と陰湿な攻撃ですね……」
どうやらサザンカの作戦は、黒いまなざしで逃げられなくし、毒々、鬼火、呪いなんかの相手の体力をじわじわと奪っていく技で削る事のようだ。
「それなら速攻で決めるのみ!リーティン、マジカルリーフ!」
リーティンは念力でコーティングされ、相手を追尾する葉っぱを飛ばし、ユカリアを切り裂く。
「グラスミキサー!」
さらに葉っぱを高速で回転させて木の葉の渦を作り出し、それにユカリアを巻き込んで地面に叩きつける。
呪いで体力を削った事もあり、ユカリアは出て来て早々瀕死寸前だ。
「このまま攻め落とすぞ、燕返し!」
リーティンは呻いているユカリアに急接近し、葉っぱを振って切り裂く。
「止めだ、グラスミキサー!」
リーティンはその場で跳躍してユカリアの上を取り、葉っぱを高速で回転させて木の葉の渦を作り出す。そしてその木の葉の渦にユカリアを巻き込み、地面に叩きつける——
「ユカリア、怨恨!」
——直前でユカリアは恨みつらみのこもった魂をリーティンにぶつけ、そのまま戦闘不能となる。
「戻れユカリア、良くやった」
サザンカはユカリアをボールに戻す。そして最後のポケモンが入ったボールを構える。
「さてイリス君、君は僕の今までのポケモンと戦って、どう感じた?」
サザンカはポケモンを出さず、イリスに問いかけてくる。
「……正直な事を言わせてもらえば、弱いです。ワラコゾウもユカリアも、鍛えられてはいるけどそこまでじゃない、まるで捨て駒のようだった」
イリスは正直な感想を言う。
「半分正解かな。確かにワラコゾウもユカリアも、最後の一体と比べれば雑魚も同然。でもねイリス君、彼らには彼らにしかできないことがある。要は役割分担って奴だ」
最後に「論より証拠だ」とサザンカは言って、ポケモンを繰り出す。
「さあ、これが僕の最後のポケモンだ。人魂よ霊魂よ、ジバクン!」
サザンカの最後のポケモンは、奇妙なポケモンだった。
まず手がなく、体は赤紫色で目は赤色、顔のような部分の鼻に相等する所は黄色で、そこから下は紫色。頭からは触角のようなものが後に伸びていて、紫色をしている。
人魂ポケモン、ジバクン。ノーマル・ゴーストタイプを持つポケモンだ。
「これまた、おかしな奴が出てきたものだ」
確かにおかしなポケモンではあるかもしれない。
「とりあえずは先手必勝!燕返し!」
リーティンは一気にジバクンとの距離を詰め、葉っぱを振ってジバクンを切り裂く。
しかしリーティンの振った葉っぱは、ジバクンの体を通り抜けてしまった。
「え……?」
その予想外の光景に、イリスは唖然としてしまう。
しかしすぐに気を取り直し、リーティンに指示を出す。
「リーティン、一旦離れてマジカルリーフだ!」
リーティンは大きく後に跳んでジバクンとの距離を取り、念力でコーティングされて追尾する発破を飛ばす。
しかしこれも、ジバクンの体を通り抜けてしまう。
「無駄だよ。そのリーティンが悪タイプの技を覚えていない限り、このジバクンを倒す事はできない」
サザンカは勝ち誇ったように言う。
「このジバクンの特性は不思議な守り。この特性は効果抜群となるタイプの技以外の攻撃を無効化する特性だ。そしてジバクンはタイプ上、悪タイプしか弱点がない。つまり、悪タイプの技で攻撃しなければ、このジバクンを倒す事はおろか、ダメージを与える事すらできない」
サザンカのその言葉を聞き、イリスは絶望する。
(悪タイプの技しか受け付けない……それって、フローゼルのテラーソニックでしか倒せないって事じゃないか……!)
しかもそのフローゼルはワラコゾウとのバトルで消耗しているうえ、毒状態で体力も削られている。ジバクンがどんな技を覚えているかは知らないが、たぶん攻撃を二、三発喰らえばやられるだろう。
そしてこの時、イリスはサザンカの策略に嵌った事に気付く。
サザンカはまず、悪タイプの技を覚えているフローゼルを毒状態にして体力を削り、大爆発でダメージを与えて後退させた。もうこの時点でイリスは詰まれたようなものだ。
フローゼルの体力は削られ、他のポケモンではジバクンには太刀打ちできない。
「これこそがゴーストタイプさ。根暗に恨み、陰湿に呪い、性悪に祟る。この惑いの小細工こそが、ゴーストタイプの真髄さ!」
今回はサザンカの切り札、ジバクンが出てきました。特性はヌケニンと同じ不思議な守りですが、こちらは弱点一つで体力も一ではないという鬼畜なポケモンです。次回、イリスは強敵ジバクンをどう攻略するのか……お楽しみに。
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