二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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曇天 子供の頃の腐れ縁と女の縁は切っても切れない。up
日時: 2009/09/13 00:01
名前: 護空 (ID: bG4Eh4U7)

こんにちは。あらためまして護空です。


pcのバグか何かで、俺の書いた小説が消えてしましました。(多分)
かなりの大ダメージです。
そして、途中から書くと初めて見た人が訳わかんなくなると思うので、初めから新たに銀魂ワールドを作り上げていきたいと思います。
  

 目次  


 >>16  1.結局、春一番てどれですか。

 >>20  2.たまの怪我だもの、チヤホヤされたい。

 >>24  3.知らない人についていったら駄目。
 
 >>30  4.そう、それはまるで大空の様な。

 >>34  5.いい女ってのは見た目じゃねェ。ココだ、ココ。

 >>43  6.死んだ人も出てきます。ご了承下さい。

 >>49  7.同じネタは、忘れた頃にやってくる。

 >>56  8.警察だって、マナーを通せ。マナーを。

 >>63  9.味見は三回まで、味わかんなくなるから。

 >>71  10.学校じゃ給食の時間はスターウォーズ

 >>76  11.寝る子は育つ。育つッたら育つ。

 >>85  12.風見鶏はまわる。

 >>87  13.風見鶏の向く方。

 >>90  14.風見鶏が鳴いた。

 >>92  15.幼馴染みって突然気になっちゃう時が来る。

 >>104  16.昔は良かったって、昔は昔。

 >>106  17.二度寝は命取り。

 >>110  18.覚えてろとは言わない、忘れるな。

 >>115  19.空白。

 >>120  20.男も女も、背中で語れ。

 >>128  21.誕生日は酒を呑む為の口実である。

 >>132  22.笑顔の裏には何かある。

 >>138  23.最近自分の記憶力が信じられない。

 >>141  24.冷やし中華始めました。みたいなノリはやばい。

 >>143  25.綺麗な女も、良い男も、絶対訳アリ。

 >>148  26.誤解が誤解を生んで、結局最初の話ってなんだっけ。

 >>152  27.子供の頃の腐れ縁と女の縁は切っても切れない。
     

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Re: 曇天 覚えてろとは言わない、忘れるな。up ( No.115 )
日時: 2009/03/16 23:07
名前: 護空 (ID: bG4Eh4U7)

「ねぇ、」
 一隻の戦艦の小窓から顔を出した青年が、一人の男に声をかけた。声をかけられた片腕の男は返答をせず、青年に背を向ける形で胡座をかき、上半身裸で左腕の切断面に口や片腕を使って器用に包帯を巻いている。
「ねぇってば、聞いてる?」
「ちょっと待ってくれよ。もう終わる」
 男は布の末端を口にくわえ、きつく結ぶと、側に置いてあったコートを羽織った。そして、青年の方に身体を向ける。青年は相変わらず膝立ちした状態で、窓枠に頬杖を突いて外の世界を眺めている。後頭部で綺麗に結わえられた桃色の髪は、穏やかな風にもてあそばれ、柔らかく揺れていた。男は静かにため息をつく。
「で、団長さん。なんだ?話しって」
 彼はうーん。と声を漏らし、膝からつま先にかけての脚をぱたぱたと動かした。しばらくの沈黙を経て、青年はぽつりと呟いた。
「あの人、生きてんのかなぁ」


 19
 空白。


「おお、良く来たね」
 丹波が退院の日。
 大江戸病院の院長室に、銀時、土方、近藤、沖田、伊藤の五人が年季の入った扉を開いて入ってきた。すぐ目の前にある、大きな木造のデスクに深く腰をかけた弱そうな男性が、この病院の院長『杉田玄黒』である。薬品の染みの付いた白衣を身に纏った彼は、男達がすべて部屋に収まったのを確認すると、長年の疲労によってたるんだ瞼を微かに持ち上げて五人を見つめた。
「いやぁ、急に呼び出してすまなかったね」
「院長さんよぉ、どんな用件でこんな埃臭いところに呼び出したんだよ。こっちは桜の退院祝いで忙しいんだ」
 銀時は顔の前で埃を払う様に手で空を仰ぎながら、腰の曲がった彼に憎まれ口を叩いた。杉田は皺のよった大きな鼻をすすり、油の差されていない機械の様に、どこか引っかかる様な早さでゆっくりと立ち上がると、デスクの上に置かれていた茶封筒を手に取った。
「この年になると、身体が思う様に動かない。もどかしいったらありゃしないね」
 骨と皮だけになった様な、薄い手のひらが茶封筒の中をまさぐり、ぴんと力強く、新しい一枚の紙を取り出した。それをしぼんだ瞳で撫でる様に眺め、近くにいた近藤に手渡す。それを見るために、後の四人は虫の様に近藤に群がって紙を除いた。
 紙は横に長く、片面は真っ黒に印刷されていて、その端から端まで子供の落書きのようなぐにゃぐにゃとした白い波線が引かれている。しかし、半分を過ぎたあたりから十数㎝、なにを思ったか定規で引かれたような真っ直ぐな直線が引かれていた。強烈なインパクトを与え、それ視線と交わって離れなくなった。
「これは?」
 伊藤が問いかけると、杉田は五人に背を向け、うっすら生えた無精ひげを撫でながら首を傾げた。
「んー、なんて言ったっけねぇ。今日退院の、あの髪の青い子」
「丹波桜でさァ」
「あー、それそれ。その子の記憶をデータ化したやつね。それ」
 あまりにあっけからんとした返答に、台詞の重要性がみじんにも感じられなかった。軽すぎる言葉のせいで、さらっと流れてしまいそうになるのを土方が食い止めた。
「まてまてまてェェェ!!丹波の記憶って、てめぇどうゆう事だ」
「んー、ほら。頭打ってるみたいだったしなぁ、一応脳の方調べなきゃいかんから。記憶とか、感覚とか。感覚とか、感情は平気だったみたいなんだけども、なんか記憶に異常があってなぁ。ほら、真っ直ぐな線があるだろう」
 五人は杉田を見つめていた視線を、また近藤の手の中の紙をのぞいた。確かに紙面上には、先ほど見ていたぽっかりと穴が開いたような、冷たい直線がある。
「そこは記憶がない所じゃ。ただの記憶喪失なら曲線は緩やかになる程度なんだけどねえ。ここまで真っ直ぐになられたんじゃ、誰かに忘れさせられたとしか思えないわけよ」
「忘れさせられた?」
 しばらく窓の外を見ていた杉田が、沖田の低い声を聞いてゆっくりと振り返る。折れた腰に手を宛い、姿は衰えていたが、その目はもう、先ほどまでの年老いた老人の目ではなく、静かに光を宿した男の目であった。
「その直前の記憶なら映像にできるが、見てみるか」
 杉田はそう言い終えると同時に、窓のカーテンを閉めた。ただ立ちつくす男達の返答を聞く前に、デスクの上にあるスイッチを押し、天井に収納されていたスクリーンの幕を降ろす。
「ちょ、ちょっと待ってくれませんか。記憶を映像化にするなんて技術が、今の日本にあるとは思えない」
 伊藤が強い口調で、黙々と準備を進める白衣の男の背中に確信を得たような、典型的な台詞をぶつけた。しかし、彼の動きはそんな台詞で止まることはなく、写生機のコードを一本一本差し込みだした。
 すべて差し終えると、とんとんと腰を叩きながら、ズボンのポケットに入れていたリモコンのスイッチを入れる。
「みりゃ分かる」
 その言葉の後に、薄暗くなった部屋に、写生機から一筋の光が縫いつけられた。そして、白い布にテレビの7チャンネルを映したような砂嵐が起きた。耳障りで、純粋な恐怖感を誘うその画面を、五人は息をのんで見つめた。
 しばらく見つめていると、砂嵐が徐々に晴れてきて、暗い砂利の地面が現れた。途切れ途切れに、ザザッと画面に亀裂が入り、まるで昔のホラー映画を見ているような感じであった。
 目を凝らし、耳を澄ませると、荒い呼吸が自分のもののように鮮明に伝わってくる。砂利の間に染みこんでいく、赤黒い水たまりが自分の目の前に広がっているように感じられる。全員の額には汗がにじみ出し、瞳孔は徐々に開かれ出した。画面の映像が微かに上向きになった瞬間に映る、天人であろう死体の山。今まで何百の人を斬ってきた男達にすら見たことのない、時の経ちすぎで原型を留められなくなった死体。どろりと溶け出した血肉。一瞬、鼻の奥を突くような刺激臭さえ、感じるような気がした。
 すると、映像が大きく変わり、画面にいびつな青い光が見えた。
『ああ、あんなに御天道様が上の方に昇ってやがる』
 この声を聞いて、ここで再度思い知らされた。これは、丹波の記憶なのだ。スクリーンの半分が、血に濡れた白い手のひらで覆われる。丹波が手を伸ばしているようだ。体力の限界なのか、小刻みに指が震える。
『せめて、あの光の下で死にたかったなぁ』
『なら、死なせてやろうか』
 新たな声に、また画面が大きく変わる。そこには、二人の男。一人は包帯で頭を覆い、顔が見えなかったが、銀時はもう一人の男の顔を見て、完全に瞳孔を開いた。
「…!!」
『おいおい、団長。どうするつもりだぁ?もう死にかけじゃねぇか』
 長髪で無精ひげの男が呆れたように言うと、包帯の合間から見せる青い瞳が、獲物を見つけたときの獣のように鋭く光った。
『阿武兎ォ、こいつ女だよ』
『はぁ?…だからなんだ』
『俺、女は殺さない主義なんだ。だって、強い子供を産むかもしれないだろう』
 包帯がするするとほどけ、白い肌と桃色の網下げが映る。顔全部は映らなかったが、口がうっすらと開き、白い歯を見せて笑った。
『誰だぁ、お前』
 丹波の声が響くと、白い手が伸びて視界を塞ぎ、画面は真っ暗になった。だが、青年の声が先ほどより大きく響く。
『別に知らなくて良いよ。どうせ忘れるんだから』
 ぶつん。
 嫌な音を立てて、部屋が真っ暗になる。荒々しい男達の呼吸だけが部屋の中に充満し、声を発するものは誰もいない。しばらくの沈黙と、重苦しい空気をを経て、杉田がぱっとカーテンを開いた。
 一瞬、視界が真っ白くなり、鈍い痛みを伴ったが、すぐに慣れて、自然な光に包まれた埃臭い部屋が浮かび上がった。
「どうだい。信じる気になったかい」
 白い日差し越しの彼の顔は、黒い陰を帯びていたが、目はやはり暗くなる前と同じ、真剣な光を帯びていた。近藤達はただ動揺し、黙っているだけであったが、銀時だけは違った。
「おいじーさん。これ、何年ぐらい記憶ねぇの」
「ん?時期ねぇ、ざっと5年くらいかなぁ。6年より短いなぁ、こりゃ」
 杉田はもう一枚のデータの記された紙を目を細めながら見つめ、そう告げると、銀時は続けてもう一つ質問をした。それはもう、何か確信を得たような、自身のこもった質問。もはや同意を求める言い方にも近かった。
「これは六年前だ。そうだろ」
 杉田は目を光らせ、厳しい目つきで銀時を見つめた。銀時の目も、杉田の瞳をとらえて離さない。その場の空気が瞬時に凍り付いたような気がする。そして、その視線を固めたまま、院長は返答した。
「このデータの読み方を知ってんのかい」
「しらねぇ」
 銀時は悪びれもせずにきっぱりと答えた。杉田は再び赤い瞳を見つめ直す。先ほどの厳しい視線が五人を容赦なく突き刺すが、赤い眼差しと絡まった瞬間、その鋭さは丸くなり、孫を見つめる老人の瞳に変わった。
 そして、確信したように頷いて微笑んだ。
「なるほど、そうゆう事だったのかい。まぁ、心配することはない、決して戻らない記憶ではないよ」
「は?」
「なにかきっかけさえあれば、その記憶は戻るはずだからね」
 銀時自身は、なにを悟られたのがわからずに、情けない声をあげる。しかし、どこか安心したような表情を浮かべて一息ついた。
 勝手に話しが進んでいくため、真選組の四人は何が起こっているのか、まるで見当が付かない。銀時が説明をするなんて親切な行為をすることは、誰も期待していないので、必死に話しを飲み込もうとするしか方法はないのである。
 だが、一つだけ分かることと言ったら、丹波の消えた記憶が、近々戻る可能性があり、その記憶は、先ほどの二人の男と、深く関係しているところだ。

「あ、銀ちゃん!」
 病院の近くの公園で待たせていた神楽達が、こちらへ向かってくる存在に気が付き、大きな声をあげた。神楽は銀時に飛びつき、新八は駆け寄ってきて声をかける。
「どうしたんですか?随分と長かったみたいですけど」
「おー、大した事じゃねぇよ」
 あんな話しを聞いた後だというのに、よくそんなへらへらしていられるもんだと、真選組の四人は心から感心した。ちゃらんぽらんと言う性格の中に、どこか不格好な優しさがあるのだと、感じずにもいられない瞬間であった。
「おかえり」
 遠くのブランコを鳴らしながらぶらぶらしていた丹波が、ゆっくりと歩み寄ってきた。思わず、近藤達の身体が強ばる。どんな表情で接したらいいのか、見失っていた。
「あ、丹…」
「桜ぁあぁ!銀さん疲れたんだけどォ」
「だからなんだ」
 土方の声を遮るように、銀時が目の前をかすめて丹波に飛びついた。丹波は一瞬面倒くさそうな顔をするが、黙ってその行為を受け止める。
 ばち。
 土方と丹波の目が合った。土方は息なりのことに動揺し、何を話したらいいものかとしどろもどろに手や口を動かした。しかし、丹波はくすりと口角をあげ、綺麗に笑うだけで、病院で何の話しを聞いてきたんだとか、自分のことなのかとか、そう言う面倒くさいことは一切聞いてこずに、銀時の子供のようなわがままに耳を傾けていた。
 
 もしかしたら、丹波は全てを知っているのかもしれない。
 
 ふと、土方は全員で屯所に向かう、その道についたときに思いついた。隣では、少しの時も必要なしに沖田も、伊藤も、近藤も、柔らかい日差しのようにきらきらと会話をしている。自分には記憶がないような素振りも、その事をもう既に知っているような素振りも、見ている限りは彼女から確認することは出来ない。先ほどの思いつきは、すぐに可能性の枠からはずれた。
 悶々と、煙を吐きながら、歩きながら考える。ただ、その丹波の表情の理由を探し当てる為だけに、外部からの情報や、回線を全て断ち切った。
 しかし、その回線はすぐ繋がれることになる。

「おい、考えるだけ無駄だぞ。なるようにしかならねぇんだから」

 丹波が誰の顔をも見ずに言い放った。一瞬、男達の目がぱっと丸くなる。慌てたが、一つだけ分かることがあった。彼女は空虚な事実には興味が無いようだ。目の前で起こった、頭の中にある事実こそが、本当の現実。

 つまり、記憶がないことに、記憶がないのだ。

 やはり、土方の思いつきは、ゴミ箱の外に外れた紙くずでしかなかった。                   

Re: 曇天 空白。up ( No.116 )
日時: 2009/03/19 17:01
名前: 空花 (ID: beURmUxU)

【護空】

スゲェェェェ!!
スゲェよ、この医師!!←
もしかして、桜って神威に会った事があるの?

NEXT☆

Re: 曇天 空白。up ( No.117 )
日時: 2009/03/20 22:46
名前: 護空 (ID: bG4Eh4U7)

お久しぶりです!
いやぁ、なんともいえませんねぇ。
これからの小説を読んでいただければ分かってきます。

いろいろと^^

Re: 曇天 空白。up ( No.118 )
日時: 2009/03/22 12:53
名前: 悠里 (ID: RMr9yeJh)
参照: http://whiteballoon200.blog63.fc2.com/

お久しぶりです。
神威さんがでたー!
オールキャラがでるって言ってましたけど神威まででるとは思ってもみませんでした!神威ー!
てゆーか、お医者さん凄いですね。
何者なんですか?
クオリティーたけーなオイ。
この前も書きましたが、ご退院おめでとうございます桜先輩!
これからも護空さんと桜先輩についていきます!

Re: 曇天 空白。up ( No.119 )
日時: 2009/03/22 13:32
名前: 護空 (ID: bG4Eh4U7)

悠里さぁぁぁん!!おかえりなさいいい^^
とってもお久しぶりですねぇ。待ってましたよぉ。
医者の杉田玄黒は、思いつきで登場させた人なので、これからも登場するかどうかはまだ未定です。
俺も何者かはわかりません;;

いやぁ、そんな誉めないでください。
照れちゃうんで。
俺の方が悠里さんについていきたくらいですよ。
こちらこそ、ずっとよろしくおねがいします^^


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