二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

明日【日和】〜完結しました!!〜
日時: 2010/05/11 22:16
名前: ゆん ◆dRWN/0OSEs (ID: jQHjVWGa)

 はじめまして!
思いつきで進めるので、更新は遅いかと・・・(学校もあるしね!)
 
 ギャグマンガ日和の二次小説です。
太子、妹子 芭蕉、曽良 の2組しか出てきません。
死ネタです・・・・・死にます・・・・
(補足・曽良くんがキャラ崩壊してます。ゴメンナサイ!)

うわぉ、マジかよ!?むりだぜ!
 って方は戻ることをオススメします。
 大丈夫だぜ!どす恋!
 ってな方のみどうぞ!
 では、レッツゴー!

Page:1 2 3 4 5 6 7 8



Re: 明日【日和】  ( No.17 )
日時: 2010/05/05 14:41
名前: ゆん ◆dRWN/0OSEs (ID: lJWT90W0)

 7.花束

「曽良」
僕の少し後ろから、芭蕉さんの声がした。
「何で急に呼び捨てなんですか」
普段ならば、すぐにでも断罪チョップをくらわせるところだが、芭蕉さんがいつもとは全く異なる雰囲気をまとっていたから、僕は振り向く事しか出来なかった。
 不思議そうにしている僕に、芭蕉さんは笑いながら話し出した。
「渡したいものがあるんだ」
「はい?」
突然の事に、僕は少し戸惑っていた。芭蕉さんから自分の足元に視線を落とす。
 何だ今日は。ヘンな日だ・・・。明日は吹雪か?
そんな事を思って芭蕉さんに視線を戻すと、芭蕉さんは両手に大きな花束を持っていた。
「曽良、今までありがとう」
一体なんだと思っていたら、笑顔でそんなことを言い出した。
「はいっ!」
戸惑いを隠しきれない僕の胸に花束を押し付けると、芭蕉さんは優しく微笑んだ。
「何で、急に・・・」
思わず口から出たその言葉に、芭蕉さんは言った。
「理由は聞かないで!もうしばらくすれば、頭のいい曽良なら解るから!きっと・・・」

 僕は、ただただもらった花束を見つめていた。

Re: 明日【日和】  ( No.18 )
日時: 2010/05/05 14:56
名前: ゆん ◆dRWN/0OSEs (ID: lJWT90W0)

 8.幸せ

 その日は、朝からおかしかった。
「おい妹子、カレー食べたい!」
いや、太子じゃなくて僕が。
「いいですよ。一緒に食べましょう」
「おー!カレー、カレー!」
はしゃぎまわる太子が、何というか、愛しい?ような、懐かしい?っていうか・・・言葉では言い表せない、不思議な感情。
 それを、太子をみて抱いていた。


「うまっ!妹子、どうやって作ったの?このカレー!」
「え?別に普通に作っただけですよ」
「お前、カレーの神様に選ばれたんじゃないか?」
そんなことを言い出す太子は、やっぱりバカなんだろうけど、一緒に居て、すごく楽しいと思えた。
「カレーの神様!?居るんですか、そんなの」
「そんなのってお前、神様に失礼じゃないか!」

2人でカレー食べて、普通に笑ってすごして・・・・今までと特に何も変わらないのに、どうしてこんな気持ちになるんだろう?
 やっぱり今日、僕はヘンだ。

「妹子ー」
「何ですか、太子」
「私、何かよく分かんないけど幸せだ!」
今日は何て日だ。僕だけじゃなく、太子までヘンだ。
 いや、太子がヘンなのはいつもだけど、今日はそれ以上にヘンだ。
「何なんですか、太子!突然おじいさんみたいなこと言い出して!」
「おおおおお、おじいさん!?失礼な、私はまだお肌ピチピチの若者じゃーい!」

 もう、なんだかわかんなくなって、僕は思わず吹き出した。
 それにつられて、太子も笑う。

 ああ、太子はヘンなんかじゃなかったんだ。
だって、僕も感じる。確かな幸せを。

 こうして笑い会えることが、一番幸せなんだ____。

Re: 明日【日和】  ( No.19 )
日時: 2010/05/05 19:15
名前: ゆん ◆dRWN/0OSEs (ID: lJWT90W0)

 9.終わり

「・・・ったく、何でいきなり花束なんか僕に渡すんです?鞄に入りきらなくて邪魔です」
僕は、照れくさくなってそういった。
「あんまりドゥ・・・」
そしたら芭蕉さんが本気で落ち込むから、面白くて言ってやった。
「ドゥ?・・・なんか今日の芭蕉さん、ちょっと気持ち悪いですよ」
「ここここ、この鬼弟子ーーーー!!!」
芭蕉さんは半泣きになって叫んだ。
「冗談ですよ」
あまりにも可愛そうな顔をしてこっちを見てくるから、そういって慰めた(?)。

 僕は、もう一度、じっくりと花束を見つめた。
ピンクや、薄紫、赤、まっさらな白。綺麗な花ばかりだった。
思わず笑みがこぼれる。
「・・・!」
芭蕉さんは、そんな僕に気づいたのか、暖かく微笑んだ。
「ねえ曽良くん」
芭蕉さんは、いつの間にか元の芭蕉さんに戻っていた。
「この旅が終わったら、また・・・また、一緒に旅をしようね」
無邪気に笑う芭蕉さんに、僕は言った。
「いいですよ・・・・気が向いたらですけど」


 それは、僕たちが『奥の細道』の旅を終える、ほんの数日前の事_______。

Re: 明日【日和】  ( No.20 )
日時: 2010/05/05 19:32
名前: ゆん ◆dRWN/0OSEs (ID: lJWT90W0)

 10.タイムリミット

「太子、大丈夫ですか?」
「うん、ダメ〜!」
「まったく、お腹出して寝るから風邪ひくんですよ!」

 太子は、最近よくうたたねをしてる。
しかも、外で。
 草むらに埋もれて、1人で寝てる。
その結果・・・・

「ゲホッ、ゴホッ」
「大丈夫ですか?」
「カレー・・・カレー食べたら治るぅ!」
となったわけで。
 まるで小さい子供のように、さっきからカレーを連呼してる太子。
「分かりましたよ、うるさいですね」
「わーい!」 
「じゃあ、ちゃんと寝ててくださいよ!」
僕は、そういって台所へと向かった。
カレーを作るために。
「おい、妹子。参考までに君の作り方を見せてくれ!」
さっき寝てろって言ったのに、全くこの人は・・・
「何でついてきてるんですか!寝てろって言ったでしょうが!!」
 そういって僕は、太子の顔面をグーで殴る。
「ポピー!!」
意味不明な叫び声をあげ、太子は鼻血を垂らしながら倒れた。
「寝ててくださいよ、ほんと。治るもんも治りませんからね?」
「うぅ・・・じゃあ治ったら、妹子のカレーの作り方教えろよ!」
「はいはい。いいですよー」
 そういって、僕は微笑んだ。

 僕は、何も知らなかった。
 僕らが一緒に居られるのは、もう少しだと言う事に。タイムリミットが、すぐそこまで迫っているということに。
 でも、太子は気づいていたんだ。

 全てに________。

Re: 明日【日和】  ( No.21 )
日時: 2010/05/05 19:49
名前: ゆん ◆dRWN/0OSEs (ID: lJWT90W0)

 11.出発

奥の細道の旅が終わってしばらくたった。
 僕らは、また旅に出た。

「今回も楽しい旅になるといいなぁ」
芭蕉さんが呟いたその言葉に、僕は言った。
「芭蕉さんがボケまくる旅ですか?」
「うんそう・・・って、ちがーーう!!」(芭蕉、生まれて2度目のノリつっこみ☆)

「もう夏も終わりか」
芭蕉さんを無視して、僕は上を見上げた。
大きな木が、葉を緑から黄色へと変えようとしていた。
「ちょ、無視?!酷いよ曽良くん!ノリつっこみなんて、私めったにやらないのに!」
「別に、芭蕉さんのノリつっこみは聞いてても面白くありませんから」
「あんまりドゥ・・・この鬼弟子!」
芭蕉さんは、僕の腕を掴んでゆさゆさと揺らす。
「ちょ、やめっ、危なっ・・・」
「あんまりドゥー!」
僕の言葉も聞かずに腕を揺らし続ける芭蕉さんに、僕は我慢の限界だった。
「人の話は聞け!」
そう怒鳴って、腹に断罪チョップを放った。

「げほっ、酷い曽良くん!」
「自業自得です」


 このとき、芭蕉さんは気づいていただろう。
 でも僕は、知らなかった。気づけなかった。

この旅を終わらせることはできないということに_____。


Page:1 2 3 4 5 6 7 8



この掲示板は過去ログ化されています。