二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 【ヘタリア】S e a r c h
- 日時: 2012/11/09 17:36
- 名前: レディグレイ (ID: Tm4QTnE9)
はじめまして。
ここでの初投稿作品となります。
目が腐るほど低クオリティなので、覚悟のできた人だけどうぞ読んでいってください。
*荒らしの方はお引き取りください。
読んで下さる方、ほんとに、目腐っても知りませんからね?
読んで不快な気持ちになってもそーゆーコメは受け付けません。
・国名 ×
・人名 ○
・国 ×
・人 ○
・↑にある通りです。あんまり国とか関係ありません。(たぶん・・・。うん、たぶんです)
・もしかしたら話ぶっ飛んでるかもしれません。
・学パロです。
・因みにタイトルは探し物という意味です。
・字の間違いなどがあるかもしれませんが、気にしないでください。
・たまに他の漫画が入ってくることがあります。なんの漫画かわかるかn(((
・作者はパロ好き
*↓の目次は所々間違っています。
☆Table of contents☆
『世界はね、其れを知る者の前には一つじゃないのよ』
〜プロローグ的な何か〜 >>1
*主人公とその他紹介* >>3
*主人公イラスト >>21 >>26
*オリキャラ募集用紙 >>35
*イラリク募集用紙 >>265
第一章
*オープニング 「星が瞬くこんな夜に」 >>73
*何この展開 >>5
*男友達ができたよ >>7
*男子寮にて >>9
*悪友とプチパーティー! >>14
*成績が良い保証はない >>20
*せーとかいめんばーず >>24
*鍵&見回り係 >>25
*あの人どんだけだよ >>27
*ばーいーとー >>32
*ケーキと紅茶とそれから・・・>>36
*旧校舎 >>42
*生徒会室にて調べもの >>44
*嘘ついてごまかせ☆ >>48
*活動開始 >>52
*音楽室と、 >>54
*ポジティブっていいよね、うん>>58
*体育大会ぃぃい!1 >>59
*体育大会ぃぃい!2 >>63
*体育大会ぃぃい!3 >>77
*体育大会ぃぃい!4 >>88
*体育大会ぃぃい!5 >>89
*体育大会ぃぃい!6 >>100
*体育大会ぃぃい!7 >>106
*体育大会ぃぃい!その後 >>115
*私たちの本拠地 >>133
*新たな来客 >>143
*痕跡 >>148
*Then, >>168
*はんかちーふ >>179
*昨日の >>198
*なんでこいつがいるんだよッ >>214
*ハロウィン前日の短い話 >>223
*とりっくおあとりーと1 >>225
*とりっくおあとりーと2 >>232
*とりっくおあとりーと3 >>238
*とりっくおあとりーと4 >>240
*とりっくおあとりーと5 >>244
*とりっくおあとりーと6 >>245
*とりっくおあとりーと7 >>257
*とりっくおあとりーと8 >>269
*とりっくおあとりーと9 >>278
*それぞれの場所で >>285
*知らない間にウェイターに・・・ >>288
*なんやかんやで >>289
*学園祭ひゃっほう♪ >>290
*学園祭ひゃっほう♪2 >>300
*学園祭ひゃっほう♪3 >>303
以上47話。
*エンディング「Calc.」 >>306
第二章
*オープニング「change」 >>321
*新年あけまして、大ピンチ。 >>322
*新年あけまして、大ピンチ。2>>327
*新年あけまして、大ピンチ。3>>345
*新年あけまして、大ピンチ。4>>348
*新年あけまして、大ピンチ。5>>351
*新年あけまして、大ピンチ。6>>357
*新年あけまして、大ピンチ。7>>362
*新年あけまして、大ピンチ。8>>364
*新年あけまして、大ピンチ。9>>369
*新年あけまして、大ピンチ。10>>376
*新年あけまして、大ピンチ。11>>379
*新年あけまして、大ピンチ。12>>399
*新年あけまして、大ピンチ。13>>400
*新年あけまして、大ピンチ。14>>401
*新年あけまして、大ピンチ。15>>404
*新年あけまして、大ピンチ。16>>406
*宿題なんて知らん >>456
*入れ替わりSIDE >>479
*相談 >>480
*休み明け >>481
*確信のその先は >>483
*野外学習へGO!1 >>484
*野外学習へGO!2 >>485
*野外学習へGO!3 >>488
特別企画について>>426・>>427
企画オリキャラ募集用紙>>428
・みなさんのオリキャラ・
・七橋 星花ちゃん 珠理さんより >>37
・スプリング・グリーンちゃん ヴィオラさんより >>39
・サンサル・バトゥくん ヴィオラさんより >>39
・ルナ・ナディムちゃん 霧火さんより >>41
・マリア・トリックちゃん 秋桜さんより >>63
・アリス・トリックちゃん 秋桜さんより >>63
その他イラスト
『はい、ちーず』 >>47
『眉毛ブッ殺したるでぇ』 >>56
『親分はやく帰ってこいよぉ・・・』 >>57
『親分はかっこいいと思う』 >>265
短編集。
*夢は夢で終わっていく >>51
*いつかの夏と謎の入り口 >>85
*いつかの夏と謎の入り口 >>91
*いつかの夏と謎の入り口 >>92
*いつかの夏と謎の入り口 >>102
*いつかの夏と謎の入り口 >>103
*いつかの夏と謎の入り口 >>112
*いつかの夏と謎の入り口 >>221
*いつかの夏と謎の入り口 >>222
*いつかの夏と謎の入り口 >>323
*いつかの夏と謎の入り口 >>350
*いつかの夏と謎の入り口 >>391
*つばめ >>192
**The Christmas night >>318 ←クリスマス短編
・特別短編
*晩夏の夕暮れ 夏樹へ >>151
いきぬきシリーズ
1。>>53
2。>>55
3。>>56 >>57
4。>>90
=============================
来て下さったすばらしいお客様。
・雪姫
・たここ。さん
・珠理
・ヴィオラさん
・霧火さん
・秋桜
・あくあ☆
・ポコすけさん
・一条夏樹
・もみさん
・ゆるか
・陽菜
・颯さん
・出尾 ルモさん
・藤桜さん
・Sallyさん
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- Re: 【ヘタリア】S e a r c h 企画オリキャラ募集中 ( No.479 )
- 日時: 2012/06/03 21:21
- 名前: レディグレイ (ID: MTNmKKr2)
*入れ替わりSIDE
SIDE:クロム
「そうか・・・」
「か、会長さんは覚えてるんですか・・・?」
私も忘れていて、トーニョも忘れていた。
ということは、真情は会長さんにもなにかしたはず。
私達と同じように。
だから、会長さんも、覚えてるはず、ない。
「・・・もちろん、」
頷いた。
「!?」
嘘だろ。
「どうか、したのか?」
あの真情の魔法が、効かなかった・・・?
どうして。
「・・・いえ」
SIDE:アーサー
「そうか・・・」
「か、会長さんは覚えてるんですか・・・?」
覚えてるんですか、て、あんなことがあったのに覚えてないはずがない。
「・・・もちろん、」
そしたら、クロムは、
「!?」
とっても驚いた様子で・・・。
「どうか、したのか?」
なんで驚く?
どちらかといえば、覚えていないほうが驚きだ。
「・・・いえ」
一瞬うつむいて、顔を上げるクロム。
「・・・・・・」
「・・・どうかしました?」
碧の瞳。
「お前・・・」
感じ取りにくい。
微かな、
「・・・魔力、持ってるだろ・・・」
- Re: 【ヘタリア】S e a r c h 企画オリキャラ募集中 ( No.480 )
- 日時: 2012/06/23 23:47
- 名前: レディグレイ (ID: MTNmKKr2)
*相談
「・・・」
「何よりその眼が証拠だ。術者の多くはその眼に魔力を持っている。・・・だろ?」
睨みつけられているような、そんな感じ。
逃げられないと確信する。
だから、この人は苦手なんだ。
「・・・・・・・はい。会長さんの言う通り、俺は魔力を持っています」
「・・・そういえばこの店で働いてる時点でそうだよな」
まぁ、それはそうだ。
此処の客は特別だから。
見えない人には見えない。
この人は、それが見える。もちろん私も。
「なんで隠す?・・・だいたい、お前に関しては不審な点が多すぎる。住所は?生年月日は?・・・全部、学校の生徒一覧に載っているはずなのに、お前のには載っていなかった」
おまっ・・・
見たのかよ個人情報!
なんて人だ・・・。
載ってない・・・。
まぁ、そりゃそうだよな。
店主の店は此処にはない。この世界にはない。
「・・・何が言いたいんですか」
「お前、何者だよ」
私は、何者かって?
「・・・」
私は、
私は、
私は、
・・・・私は?
「・・・・・・・・・・・・・・」
いやいやいやいや。
待って。待って待って。
よく考えればわかる、私はあの人の店にいる居候で・・・
ってそういうことじゃないか。
そう、あの子たちのために探し物をしてるんだ、
尽くすって決めたんだ。
・・・・いや、これも答えではないような。
「・・・私は、何者・・・?」
———カランカラン
「ふぅ。あ、クロム君ちょっと手伝ってくれないかしら。重たくて・・・」
ユウリさんが帰ってきた。
うん、ナイスタイミング。
「は、はい!」
すぐ席を立ちあがる。
紙袋を受け取って厨房の冷蔵庫へ。
SIDE:アーサー
わたし・・・・?
って、言ったよな、今。
あ、でも菊もそうか。耀もそうだったような。
「そういえば、あのことだけど、アーサー君に頼相談すればいいんじゃないかしら?」
厨房から戻ってきたクロムに、ユウリさんが尋ねた。
あのこと・・・?
不思議に思って首をかしげると、クロムが口を開いた。
「あ・・・!いや、でも・・・迷惑、かもしれないですし・・・」
頼まれごとはいいが、そうだな。実際迷惑なことだったらちょっと困る。
でも、人から頼られるのは嫌いじゃない。
「・・・俺にできることなら協力するが・・・?」
「え、いいんですか?」
「・・ああ。べ、別に俺はただ、役に立てたらいいなって思っただけで・・・」
「・・・・・有難うございます。・・えと、ある人っていうか、——幽霊を探しているんですが、もちろんそれは簡単なことじゃないわけです。だから、嫌なら嫌でいいです。一緒に探すのを手伝ってくれませんか?」
・・・幽霊だって?
なるほど、確かに俺は妖精さんも見えるし、そっち系には詳しい。
俺の専門みたいなものだ。
「・・・で、その幽霊の特徴とかはわかるか?」
「それが、残念ながら・・・。ただ、少なくとも100年以上前からこの世をさまよっている可能性が高い、とうことです・・・」
100年以上前、か。
・・・・明らかな情報不足だ。
幽霊がいつからこの世をさまよっているかなんて、わかったもんじゃない。
「・・・引き受けて、くれますか?」
「・・・ああ、わかった。引き受ける。その代り、明日から俺の部室に来い。あそこはある程度物がそろっているからな———・・・いや、駄目だ。忘れてたが、冬休み明けすぐに野外学習があるんだった・・・・」
そうだ、忘れていた。
野外学習とは、その学年だけで学校外(公共交通機関があまり整っていない場所)に泊りで出かけ、自然の中でいろいろなことを学ぶ・・・みたいなかんじのだ。
学年のなかで大きい行事の一つである。
そして、それに企画係はもちろん必要で、生徒会もその中に入っている。
冬休み明け、つまり明日からかなり忙しくなるというわけだ。
なんでこの時期なのかと言うと、毎年この学年は日本に行くのだが、日本は各国の学校にも人気なため、一度に行ける学校が限られる。
そこで、順番を決めるんだが、決める方法が、なんとくじ引きと言う・・・ね。
だからこの寒い時期になったのだが、日本は今夏らしい。だから問題ではない。
ある意味くじ運が良くてラッキーだったともいえる。
*
そうこうしているうちに店も閉店時間になり、俺もクロムも寮に帰り、明日の始業式に備えた。
- Re: 【ヘタリア】S e a r c h 企画オリキャラ募集中 ( No.481 )
- 日時: 2012/06/07 20:14
- 名前: レディグレイ (ID: MTNmKKr2)
*休み明け
「速報、最近ここらを騒がせていた誘拐犯捕まる・・・っと、」
始業式の新聞部部室にて。
「記事はできた。あとは印刷するだけだ」
「あ、じゃあ私がもっていきますよ、ルートさん」
冬休み開けの、ある意味ビッグニュース。
この学校の生徒15人を誘拐し、殺した犯人が、この冬休み中に捕まったのだ。
「それにしても、不思議だよね〜。」
ヴェー、とフェリが言う。
「確かにそうだな・・・。」
「えと、確か、犯人の家の場所を通報した人が誰かわからないんでしたっけ・・・」
と、ルートと菊。
「うん、それに発見された犯人は気絶した状態で転がってたって言うしね・・・」
「誰がやったんだろうねー・・・星花ちゃんどう思う?」
「なんかなぁ・・・匂うっていうか、この学校の生徒がもっと深くかかわってそうなんだよね。」
「星花さんは勘がさえてますからね。案外あたってるかもしれませんよ」
「さぁ・・・それはどうだろう。ねぇ、こんど現場見に行ってみない?」
「え、げ、現場って犯人の家ですか・・!?」
「うん」
「それは難しいんじゃないのか?たぶん警察が一般人が立ち入らないようにしてると思う」
「あ、多分その辺は大丈夫。こっそりもぐりこめば何とかなるって。それに、もうちょいたてば警察も退くでしょ。」
「鍵とかかかってないのかなぁ・・」
「それも大丈夫。だって、犯人の家があったあたりの土地は全部あいつの家の土地だったはずだから・・・」
「あいつ?」
「———カークランド家・・・・眉毛の家の土地のはず」
「そ、そうだったんですか!?」
「ていうかそんな情報どこから・・・」
七橋 星花はふふ、と笑う。
「私の情報網なめちゃいかんよ」
*
「トーチトワリングとかかっこいいんだぞ!!」
「広報もいるんじゃないの?」
「キャンプファイアーの準備係もいるよね。」
「おめーら言うの速ぇよ。書くのが追い付かねえだろ」
始業式当日。
私は、———死んでいた。
朝教室に来て、急いで菊の宿題を写さしてもらった。
んで始業式が始まる前から力が尽きたのだ。
そして、始業式も終わり、今、私は、生徒会室にいる。
というのも、もうすぐある野外学習の実行委員決めの案を出すためなんだが。
ていうかふつうありえないよね。
休み明けすぐに野外学習とか。
それにもう日もない。
・・・だったら休み前に連絡しとけよって話なんだが。
「えーと、トーチトワリングと・・・広報と・・・」
会長さんがホワイトボードに出た案をすらすら書いていく。
「・・・よし、こんなもんか。今出た実行委員を各クラス明日までに決めること。で、明日の授業後も生徒会室に集まること。以上、今日は解散」
- Re: 【ヘタリア】S e a r c h 企画オリキャラ募集中 ( No.482 )
- 日時: 2012/06/07 20:33
- 名前: レディグレイ (ID: MTNmKKr2)
ちょいおまけ。
実行委員はこんな感じでまとめたんだと予想される。↓
=======================
実行委員 指導内容など
広報実行委員 しおりのカット絵を描いたり選んだりします。
また、野外学習に向けての掲示物を作ったりします。絵や字を書くのが好きな人、是非どうぞ。
キャンプファイアー実行委員 キャンプファイアーの流れ、ゲームなどを考えたりします。司会などもあるので、皆を盛り上げるのが好きな人を募集します。
室内レク実行委員 一日目の室内レクを企画し準備をします。皆が盛り上がるように工夫していきましょう。
バスレク実行委員 行きのバス内でのレクを企画します。気持ちが盛り上がるように作っていこう。
ハイキング実行委員 二日目のハイキングで途中のオリエンテーションをしたり計画を立てて準備をします。工夫して楽しいハイキングにしましょう。
『火の舞』希望者のみ キャンプファイアーの出し物の「トーチトワリング」出場者です。
=========================
こんな感じv
トーチだけ実行委員じゃありませんw
- Re: 【ヘタリア】S e a r c h 企画オリキャラ募集中 ( No.483 )
- 日時: 2012/06/30 15:33
- 名前: レディグレイ (ID: R9wydAGD)
*確信のその先は
「ちょっと眉毛ー」
「うわ、星花じゃねえか。」
「うわ、て何。うわ、て。失礼な。・・・それより、あの誘拐犯が滞在してた家、あれあんたんとこの家の敷地でしょ。」
次の日のこと。
星花は朝早くにアーサーを訪ねていた。
「ん・・。ああ、そうだが。」
「あの家の鍵、貸して」
「・・・はぁ!?お前何する気だよ」
「ちょっと調べるだけだって。なるべく早めに・・・確かもうすぐ野外学習だよね。行く前に貸して」
「ちょっとって・・・・」
星花——学園一の情報屋のことだ、ちょっとで終わるとは思えない。
間違いない、こいつは何かをかぎつけている・・・とアーサーが秘かに思うのはもう少し後のこと。
そのあと、一年生が日本に野外学習に行く直前、アーサーはあの家の鍵を星花に渡した。
*
※野外学習に行く前
SIDE:アーサー
あの時、
「おい、ヒゲ」
クロムは捕まっていた時のことを覚えていないといった。
「んー?なによ坊ちゃん」
もし、ヒゲも覚えていないとしたら。
いや、ヒゲだけじゃない。
脳みそトマトも、ギルベルトも覚えていなかったら。
「いいか、単刀直入に聞くぞ。お前、俺がつかまってた時のこと覚えてるか?」
そう尋ねると、ヒゲはぷっ、と笑った。
「な、なんだよ。別におかしいこと言ってないだろ」
「全体的に言ってることがおかしいってwなにそれ。自分がいつ捕まってたって?w」
「——いや、何でもない。忘れてくれ」
ヒゲは覚えていなかった。
だとしたら、考えられることは一つ。
————術をかけられたんだ。
こいつは、いや、あの場にいた奴全員、一人を除いて、だ。
一人を除いてっていうのは、術をかけた本人のこと。
あの中にいた誰かが、俺たちにあの出来事を忘れさせる術をかけた。
術をかけるにはそれ相応の魔力が必要。
クロム・・・あいつは魔力を持っていたが、あの素振りからするとあいつじゃない。
それにあの程度の魔力なら俺たち全員に術をかけるのはかなり難しい。
ヒゲはまずない。
ギルベルト・・・もないだろう。
脳みそトマトは絶対ない。言い切ってやる。
クロムも違う。
・・・残ったのは、
「あっ、アーサー!どこ行くのさ!」
早足で歩き出す。
向かう先はもちろん、術をかけた本人のところへ。
*
多目的室に面した誰もいない廊下に、いた。
「お前、俺たちに何しやがった」
そいつは振り返って、
「———・・・イギ・・ス・・・」
と、呟いた。
何ていった?
小さすぎて聞き取れなかった。
・・・いや、今はそんなことは関係ない。
「もう一度聞く。俺たちに何をした」
「・・・何のこと?」
「・・・とぼけるな。お前しか、ありえない」
「・・・いや、だから、何のこと?って聞いてるんだけど・・・」
「俺たちに何か術、かけただろ。俺以外、ヒゲも、クロムも、たぶんギルベルトもトマト野郎も、あの時あったことを忘れてやがる」
「・・・それが私のせいだっていうの?」
「そうだ」
思いっきり睨みつけるが、こいつは、
——カノン・ティアラは動じることなくごく冷静だった。
まるで自分が、何も知らないかのように。
・・・いや、それは多分演技だ。
だって、こいつじゃなかったら、他に誰がいる。
「・・・ふふ、これはこれは。とんだ電波さんだね。」
「なっ、」
「残念だけど私はそんなの知らないし、貴方が言うあの時ってのがいつなのかわからない」
じゃあね、と手をひらひらさせて、歩いていく——
「待てっ、」
その手首をつかむ。
「何・・・?私、用事があるんだけど。」
澄んだ青色の眼。
感じ取れ、俺・・・
こいつの、
カノンの、
魔力を
魔力を・・・
魔力・・・が、ない・・・!?
「・・・」
「・・ねぇ、もう行っていいかな。さっきも言ったけど、用事があるの」
ぱっと手を放す。
再び歩き出すカノンの背中を、ただ茫然と見つめていた。
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