二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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ニセコイのニジサク
日時: 2012/06/19 12:44
名前: 栖樺 啾 (ID: zRrBF4EL)


栖樺です。
コミック一巻を買ったらなんかこう・・・。
書きたくなったので、
手を出してみました。
栖樺にしては珍しく、本編に出てくるキャラを
中心軸として、話を回していきたいと思っています。

とはいえ、ニセコイって、小説にするの難しそうなので、
キャラ崩壊とか、本編との食い違いは悔い違いは、
できれば目を伏せていただきたく・・・・。
まぁ、察してください。
めだか箱、狐僕と並行していけるか不安ですが、
とりあえず、頑張ってみます。

どうぞ、お口汚しならぬ、
    お朽ち汚しを、ぜひ楽しんでいただければ嬉しいかと

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Re: ニセコイのニジサク ( No.29 )
日時: 2013/03/12 20:38
名前: hiyori* (ID: NM3d.9Bq)

おもしろいです!
これからも頑張ってください!
オーエンしてます^∀^♭

あったかい手 ( No.30 )
日時: 2013/03/12 21:16
名前: 栖樺 啾 (ID: jv9VjO.m)


「寒いわよね、春来ないし。」
「そうだねぇ、るりちゃん。」
窓際で二人で話す女子。
相も変わらず、小野寺小咲と宮本るりであった。
「るりちゃんは手、あったかいよね。」
「何よ、急に・・。」
小咲はるりの手を手で包む。
「あったかいなぁ・・・。」
「小咲もあったかいじゃない。。」
「またまたぁ、そんなこと言って。」
笑う小咲を横目に溜息をつく。
(こんな子だから、いつまでたっても春が来ないのよね。)
「おはよ。ふたりともっ。」
「あ、おはよう、千棘ちゃん。」
「おはよう。」
「「一条君も。」」
「おう・・・。」
二人が一緒に登下校をするのは仕方のないことなので、
特に何も言わない、のだが、今日は少し違った。
「あれ?千棘ちゃん、ポケットに何かあるの?」
千棘がポケットに手を入れていた。
珍しく、手袋をしていなかった。
「あぁ、ホッカイロよ。」
「あぁ、いいね。ホッカイロ。」
「(あったかい手してるくせに・・。)いいわね。」
千棘は上機嫌だった。

「楽からもらったのよ。登校中に。」

「へ、へぇ・・・。そう、なんだ。」
「(目に見えて、小咲がへこんでるっ!)」
「一条君に・・・・。そっか。」
「うんっあったかいわよ。いいわねホッカイロって。」
小咲は楽を見る。
そして、同時に溜息をついた。
「・・・・・。」
楽の席に近づくるり。
「一条君。」
「あぁ、宮本。」
「ホッカイロ、もらってもいいかしら?
 確か、たくさん持ってるのよね?一ついい?」
「あぁ、いいぜ。」
カバンを探る楽。
本当に大量にあるようだ。
ちらりと、小咲をみる、目があう。
「一条君。」
「あった。・・って、なんだ宮本?」

「私、手あったかいからやっぱりいいわ。
 でも小咲の手がすっごい冷たいから、小咲にあげてもいいかしら?」

「「「えっ・・・・・・。」」」
3人の声が交差した。
(るりちゃん・・・私のために・・。)
(楽、あげるわよね。当たり前だけど。
 私のが、特別ってわけじゃあ、ないんだし・・・。)
「ん、別にいいけど。」
「ありがとう。」
小咲のもとにもどり、小咲に渡す。
「るりちゃん・・・。」
「はい、私はいらないから。」
「・・・ありがとう。るりちゃんはやっぱりあったかいね。」
小咲の言葉にるりは顔を赤くする。
そっぽを向く。
「・・・・何よ、いいでしょ。別に。」
「うん。」

(特別じゃなくても、いいか。
 楽が私のためになにかしてくれたことには違いはないし。)

「楽様ーーーーっ。私にもお一つ下さいませーーーっ!」
万里花が楽に飛びついた。
楽も苦笑いで渡す。
万里花は嬉しそうだった。

(・・・やっぱ、ムカつく、かも。)


この、イライラで熱いのも、きみのせい。
きみの、熱のせい。


〜あとがき〜

コメントありがとうございますっ、久々のコメントありがたいです。
twitterの方で予告すると言っていても上手くできないのですが、
これからはちょくちょく言うのでよろしくお願いします。
へこへこ。
春になったら、恋の花も咲くといいですね。
誰のかは、わからないですケド。      栖樺 

守られた手 ( No.31 )
日時: 2013/03/13 18:24
名前: 栖樺 啾 (ID: jv9VjO.m)


「万里花様。手袋は・・・。朝おもちだったはずでは・・。」
いつもの監視役にうんざりしつつも万里花は答える。
帰ってきた途端これだった。
「今日はいいのよ。手袋なんかよりも嬉しいものを
 楽様からいただいたんですから。あったかければいいのでしょう。」
「そういう問題でもないでしょう・・。」
呆れたように言う。
万里花は当然気にしない。
「いいんですよ。私には。」
自分の手を見る。
傷一つない、白くて、綺麗な手。
小さい頃からずっと守られて生きてきた。
傷ついたことなどないからだ、というわけでもないが、
とにかく、自分は小さいころから体が弱かった。
(おかげで、楽様にたくさんのご迷惑を・・。)
いろんなことができなくて、
迷惑と面倒をよくかけていた。それでも、
(楽様は迷惑なんて思っていないんでしょうね。)
そういう楽だから、好きになったのだ。
そして、今も好きなのだ。
「できれば、楽様の手を取りたいですけれどね。」
(でも・・・。)
あの手は、楽の手は、
自分だけではなく、いろんな人の前に差し出されている。
舞い上がってはいけないし、浮かれてもいけない。
自分はその色んな人をおしのけてでも、楽の手を取りたいのだ。

「・・・万里花様?」
「いえ、なんでもありませんわ。」
少し笑って、歩く。
(滑稽ですわね。)
昔から守られてばかりだった自分が、誰かのために必死になる。
そんな大切な人がいるのだ。
自分には、誇らしい。
「ホッカイロ一つで私をここまで喜ばせるのは楽様ただ一人ですからね。」
自分にとって、楽は・・・・。
「ふふ、冷めてしまいましたわね。」
学校にいるときからずっと使っていたせいでホッカイロの効果は
とくに切れていた。
「まぁ、自分の熱であっためればいいだけですわっ!」
ホッカイロなんて目じゃないくらい、
自分は楽にあたたかさをあげるのだ。
なによりも、誰よりも、自分がしたい。



あとがき
ちょいとシリアスですね。
万里花は明るくていいキャラですが、どうしてもこういう風に書くのが
楽しいキャラでもあります。
いろんなものを抱えているだけに万里花はいいですよね。

守った手 ( No.32 )
日時: 2013/03/22 18:50
名前: 栖樺 啾 (ID: jv9VjO.m)


「鶫!」
「あ、お嬢。」
朝、登校がすみ教室にいた鶫に千棘が話しかける。
挨拶もしないまま鶫に寄る。
「な、なんですか!?お嬢。」
「手!真っ赤じゃないの!」
「あぁ・・・。」
鶫も登校したてだったので、手は赤いままだった。
「鶫って手袋とかしないの?」
「私は、常に手からの攻撃態勢にできるようにしておかねば
 いけないと、言われているため、手袋は、ちょっと・・・。」
自分の手をすりよせながら言う鶫を、
千棘は不機嫌そうにみた。
「ここはそんなに危険な国じゃあないんだから、
 そんな過敏に私を守れるようにしなくてもいいのよ?」
呆れたように千棘が言う。
鶫にはぐさっとくる言葉だった。
「そう、ですが・・・。」
自分は、今まで千棘を守るために数々のことを超えてきた。
それだけのために。
それが、この国へきて、一条楽と出会い、ここまで変わるとは。
安心するのはもちろんだが、やや寂しい気持ちが多い。
「まぁまぁ、まず鶫ちゃんは自分の体温を守るべきだと思うよ?」
と、舞子集は鶫の手を握る。
「き、きさまっ!!!」
すぐさま発砲する。
集は慣れた様子でよける。
「わ、私は訓練しているから、寒さなど耐えられますよ!」
鶫が千棘に向かって言うが、千棘は納得していない。
そして、楽に向かって手を差し出す。
「楽、あれよこしなさい。」
「ん。どうぞ。」
楽は、自分のカバンからホッカイロを出し、千棘に渡す。
それを、鶫に手渡す。
「はい、これ持っときなさい。」
「え、でも・・・。」
「も・ち・な・さ・い!!」
「は、はい・・・。」
迫力に負け、鶫はホッカイロを受け取る。
あったかくするために、ふる。
しばらくすると、あったかくなる。
「いいでしょ、それ。」
「はい、あったかいですね。」
「毎日楽からもらうといいわ。ね?楽。」
千棘は楽を振り返る。
楽も頷く。
「え、・・いいのか?」
「別にそれぐらいかまわねぇよ?」
「そ、そうか・・。」
鶫は俯く。
自然と頬が少しゆるんでしまった。
そんな鶫の肩に手が置かれる。
「よかったねぇつぐみちゃん❤」
舞子集が小声で言う。
鶫はまた発砲した、がまたよけられた。
「くっ・・・・。」
「嬉しいくせに♪」
「うっるさい!!黙れ!!」
教室内をどたどたと駆けまわる。
いつものことだった。
それでも、すこし熱かった。
ずっと、守ることばかり考えてきた。
でも、
走るのをやめ、楽を見る。
「ん?」
「・・・、なんでもないっ!!」

少しは、自分を守ることを考えてもいいのだろうか?

そんなことを、思う冬の日もあった。

オハナミ ( No.33 )
日時: 2013/04/20 17:28
名前: 栖樺 啾 (ID: jv9VjO.m)


「るりちゃん・・・桜綺麗だねぇ・・・。」
「そうね。小咲。」
「・・・・・・・・・。」
「何よ?どうしたのよ。」
桜を見ながら二人で廊下に立つ。
窓にはピンク色の風景。
若干ながら散っている部分も多いけれど、それでも桜は咲いている。
お昼ごはんも食べ終え、ちょうどよく眠りにつけそうな頃。
「はぁ。桜。綺麗だなぁ・・・。」
「そうね。なんかまたおなかがすいてきたわ。」
「さっき食べたばっかりじゃん!?
 なんでそれで太らないのっ!??」
いつになく、真面目そうに小咲がるりに言う。
さすがのるりも一歩引いてしまう程に。
「何よ・・。別にあんただって太ってはないでしょ?」
るりは思っていることをそのまま言ったつもりなのだが、
小咲は落ち込んでいるようだった。
「い、今はそうでもさ・・・。春ってさ食べ物がさ、美味しくって。」
小咲は廊下でしゃがみこむ。
るりはその頭を軽くこづく。
小咲は少し笑って続ける。
「こんなに晴々しい季節なのに・・・。」
小咲は溜息をつく。
その横でさらに不快溜息をるりもつく。
「あのね、あんた。冬の間にどれだけのチャンスがあったと思ってんの?」
「そ、そうなんだよねぇ・・・。」
るりから言わせれば、もうとっくに二人が付き合ってもいいと思う。
冬の間に
クリスマスや年末年始も一緒にいたわけだし。
バレンタイン・・・・もよくは知らないが成功はしたようだし。
(バレンタイン・・・、渡せたっていってたけど、二人の仲が特に進展した様子もないし、何も気持ち伝えなかったとか・・。)
「うぅ・・頑張ってるんだけどな。」
「(・・・知ってるわよ。) もっと頑張るしかないわね。」
「はぁ、サクラ綺麗だなぁ・・・。」
しゃがんだまま顔をあげて小咲は嬉しそうに笑う。
(も、もどかしい・・・。)
見ている方はやきもきする一方だ。
と、そこに廊下から歩いてくる人物が。
「あれ、一条君じゃない?」
るりが右を指差し小咲に言うと、小咲は飛び上がる。
あわてながらもスカートを払って乱れていた前髪を直す。
そして、右を向く。が。
「るりちゃん・・・?」
「あら?眼鏡の度が進んだかしら〜。」
「るりちゃんっ!!」
小咲は照れて顔を赤くしつつるりの肩をぽかぽかと叩く。
そんな二人の背後、左側から。

「あ、いたいた。小野寺ーーーっ!」

「「((このこえは・・・っ!!))」」
二人同時に食い入るように左を向く。
「うおっ!なんだ、急に。」
「あ、いや・・なんでも・・・。」
張本人の一条楽がそこにいた。
(どうみても不審な行動よね・・・。)
るりは呆れつつも一条に聞く。
「今、小咲呼んだわよね?なら、私はここで・・・。」
「えっ!るりちゃっ・・。」
すぐさま逃げっ・・・いや、
気を使って場をはなれようとする。が。
止められた。
「大した用でもねーから、いいよ。
 オレすぐ行かなきゃなんねーし。」
「そう。(二人きりにしてやるって言ってるのに。)」
「で、なんの用?一条君。」
嬉しそうに小咲が話す。
るりはそんな小咲の横顔を眺める。
楽はそんなことに気付かないようで。
「あぁ、今度組の連中と花見するんだけど、
 そんときに桜餅喰いたいってみんなが言ってたからさ。
 小野寺のとこで頼みたいな、って・・・頼んでいいか?」
「あ、そうだね。お花見か・・。いいね。
 たぶん、大丈夫だと思うよ。個数によるけど・・。」
「あー、それがよ・・・。」
二人を邪魔しないように小咲は黙って教室に帰るタイミングをはかる。
廊下の先の方に視線を流すと、そこには見慣れた人物がいた。
(・・・間の悪い。)

「あ、楽ーーっ!!小咲ちゃんいたーーっ!??」

大声で話しかけてきたのは千棘だった。
他の人の迷惑を考えていないらしい。
「あー、いるよ。目の前に。」
まんどくさそうに楽が振り向く。
「あ、ホントだ。頼んでくれた?」
「おぉ、ちょうど。」
小咲とるりを置いて二人で会話を進める。
じゃっかん疎外感を感じつつも小咲もるりも黙る。
「ならよかったわ。なんか、私の方のみんなが結構食べるみたいで。」
「あー、俺の方もだな、小野寺の家に迷惑かも・・。」
「そうよね・・・かといって適当なモノだとクロードが・・。」
「あー、絶対つかかってくんな、あの眼鏡・・・。」
一通りの会話を終え、千棘が小咲に結論をまとめてくれた。
二人でうなづき合いながら説明してくれる。
小咲も頷き返す。
「今度、楽のとこがオハナミ? に行くって話したら、私の家でも行こうかって話になって・・・・。」
「そうそう。それで必要な桜餅を小野寺の家に頼もうかと・・。」
「あっ!場所は公園なんだけど・・。たぶん、だれかが受け取りにいくから・・。」
話を聞く限りではどうやらひとつの公園にやくざとギャングが
一斉集合するらしい。
他の人もそこで花見をしようとは思わないだろう。
「あ、うん。わかった。お母さんに頼んでみるね。」
「ありがとーっ!」
「う、ううん。私も桜餅作ってみたいし・・。」
千棘は小咲に抱きつく。
小咲も戸惑いつつも笑う。
一番困っているのは居場所がなくなる楽なのだが・・・。
小咲から離れて千棘が軽く手を叩いて言う。

「ていうか、小咲ちゃんもるりちゃんも一緒に行かない?」

「「えっ・・・・?」」
「なっ、お前何言ってんだよ。あいつらいるんだぞ?」
「そうだけど・・、あの状況だと女子が私と鶫しかいないんだもの。」
「そ、そりゃそうだが・・・。危なくないか?」
論争を始める二人に、るりが待ってましたと
言わんばかりに小咲の手をとって元気よく言う。
「それは、ぜひともお願いしたいわね。
 ちょうど、私達もお花見に行きたいって思ってたし。」
「え、でも、るりちゃん・・・・。うっ。」
(るりちゃんの目が語ってくる・・・。
 『この機会を逃してどうすんの・・・・。
  千棘ちゃんだけじゃなくで鶫さんに、たぶん橘さんも・・。』)
「ね?行こうよ、小咲ちゃん。」
千棘が小咲の前に手を差し出す。
るりの前にも、両手を出す。
もちろん、るりはすぐ手を握った。
(・・・一条君たちと、みんなで・・お花見。行きたい。)
おそる、おそる手を伸ばす。
「よし、きまりねっ!!」
千棘は嬉しそうに声を上げる。
小咲は、すこし胸が痛くなった。


「しかし、珍しいな、宮本。」
「何がよ。」
「集も来るのに。お前が来るって言うと思わなかったよ。」
「そういうことは・・・・・。」
(早く言ってよね・・・・。)
一気に気が重くなったるりだった。


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