二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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学園アリス —記憶の在処—
日時: 2010/11/24 17:20
名前: 時計屋 (ID: klLmhm9D)

はじめまして。
時計屋と言う者です。

学園アリスの小説をちょこちょこ読んでいて、書きたくなりました。

よろしくお願いします。






オリキャラ

 木錠李麻(きじょうりお)
  年齢 11歳
  性格 人見知り
  アリス 言霊のアリス
  備考 五歳の時、親にZに売られ、それ以来レオの元で育つ。人間自体が好きでなく、近しい人としか関わらない。レオと蜜柑と彼方に懐いている。
 
 彼方(かなた)
  年齢 12歳 
  性格 冷静沈着
  アリス 創造のアリス
  備考 生まれて直ぐ捨てられ、ボスに拾われる。
その為、似たような境遇の李麻と共にいる。レオのことは、好きではないが信頼している。

 国元日下(くにもとくさか)
  年齢 15歳
  性格 お気楽
  アリス 光のアリス
  備考 李麻・彼方・蜜柑の兄役であり、リーダー。面倒見もよく信頼されている。


(その他色々増えるかもしれません。)

それでは、スタートです。

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Re: 学園アリス —記憶の在処— ( No.28 )
日時: 2010/12/03 22:27
名前: あやのん ◆u4eXEPqmlc (ID: 3s//keBI)

参照すごいね〜さっすが〜

Re: 学園アリス —記憶の在処— ( No.29 )
日時: 2010/12/04 12:27
名前: 時計屋 (ID: klLmhm9D)

あやのんさん
お手間を取らせてすみません・・・。
いつも見に来てくれて本当に感謝です。やっぱり読んでくれる人が居ると、励みになる。まだまだ、修行不足だけど、頑張りますね。
これからも宜しくです。

あんりちゃんさん
初めまして時計屋です。
ど素人ですが、温かく見守ってやってください。
宜しくお願いします。


第八話 —アリス学園へ—

玲奈を連れ会議室に来た李麻達を迎えたのは、玲生とここにいるはずのない『彼』だった。

「ボスがなんで・・・?」
「零那が心配でね。平気か?」

玲生よりも優しい声と仕草に、零那はふんわりと微笑み首を縦に振った。『彼』は安堵のため息を漏らし、更に優しい仕草で、零那の頭を撫でる。

「で?本当の用事は何なの?ボス。まさか、本当に零那の心配だけでここに来たとか言わないよね?」

噛みつくような彼方の視線に『彼』は、苦笑と射殺すような視線を向ける。彼方はその視線が隣に居る李麻に届かないよう庇いながら、真っ正面から『彼』と向き合った。瞬間、『彼』の視線から力が抜け、穏やかな目へと変わる。その変貌は驚くほど自然なもので、畏縮するほど有無を言わせない目だった。

「そう噛みつくな。ボスだって零那を心配してる事は確かなんだからさ。任務のこともあるしな。」

玲生は流れるように席に座ると、対峙している『彼』と彼方を面白そうに見た。

「・・それで・・・?任務って・・・・何?」

李麻は進まない話を進めようと切り出す。すると『彼』が思い出したように、持っていた封筒を玲生に投げ渡した。ばさっとテーブルに投げ出され、閉じられてない封の中から紙の束が広がりながら滑り落ちるように出て来た。その中の数枚を日下が手に取り数秒眺めると、驚いた顔で『彼』と玲生を見る。

「これって・・・どうゆう事ですか。」
「そのままのだよ。」

日下を横目で見ながら、『彼』はテーブルに広がる紙の中の一枚を拾い上げ、玲生以外の全員に見えるように掲げる。その紙には建物の写真と、その建物の説明と思われる文章が書かれていた。

「今回の君たちには、アリス学園に潜入して貰う。」

口元を引き上げた『彼』の目には、先程の穏やかな感情はなく、獲物を見つけた狩人の目があるだけだった。


「いきなり学園潜入かよ。ボスも人使い荒れぇ〜。」
「今更何言ってんの?あの人がどんな人か何て、あんたが一番よく知ってんじゃないの?」
「さぁなぁ〜。」

『彼』は学園潜入を告げいくつかの指示を出しただけで、自分の場所へと帰っていった。

「それにしても、零那ちゃんに姿を変えろだもんなぁ〜・・・。そこまでするかね実際。」
「やってんだからするんだろうね。」
「そりゃ〜そうだけどよ。」

彼方の冷たい返しにも日下は気にせず続ける。
『彼』が初めに出した指示は『零那の姿を変えろ』。これには、零那も玲生にも異存はなかったようで、直ぐに取りかかっている。隣の部屋に移動した零那達を彼方と日下は詰まらなさそうに待ち惚けていた。

「けど、なんでそこまでして零那を行かせるんだろうね。」
「なんでって?」

長年チームを組んでいた事のなせる技なのか、彼方の溢した小さ過ぎる声にも日下は反応し聞き返した。

「二度も暗示を掛けるほど捕らえておきたいのなら、要因になった奴に近づかせる真似しなければいい。下手したらまた思い出すかもしれないからね。けど今回あの人はその危険まで冒し、俺たちを学園に向かわせた。何か理由があるんだ・・・。そうまでして俺たちを学園に行かせたい何かが・・・・。」
「理由ねぇ〜・・・・。」

彼方は最早日下の存在を忘れているのか、一人でブツブツと何かを言っている。そんな彼方の扱いを心得ているのか、日下はそれ以上突っ込まなかった。

「終わったよ・・・・。」

部屋に響いたか細い声に二人は顔を上げると、李麻と零那と思われる少女が扉の前に立っていた。

「零那ちゃん・・・・だよな?わぁ〜化けた化けた。」
「日下なに馬鹿言ってんの。姿変えたんだから当たり前。」
「玲生が用意でき次第学園に向かえと言ってましたよ。行きましょう。」

感心している日下と冷静な彼方に零那は笑いながら指示を出し部屋を出て行く。それに伴い、二人も任務のため部屋を後にした。


例の如く自習の中等部A組は今日も今日とて騒がしかった。棗達三人が居ない教室内の騒音は最早止める術がない。

「皆さん静かにしてください!!私が怒られるんですよぉ〜。」

副担任の泣き言に耳を貸すものなどおらず、室内は無法地帯とかしていた。現在唯一の助け船である委員長こと飛田祐も、この騒音の中でしっかり自習に取り組み、副担任の言葉すら聞こえては居ない。

「うううっ・・・・。」
「何泣いてるんです?先生。」

憐れな副担任の前に救世主こと鳴海先生が登場した。
鳴海は教室内を一瞥すると大きく手を打ち、全員の視線を自分に集めた。

「はいそこまで。これ以上騒がしくすると、僕のアリスで大人しくして貰う事になるよ?」

身の危険を本能的に感じ取った初等部A組の面々は、驚くほどの速さで指定の席に座る。

「うんうん。みんな良い子で僕は嬉しいな。」

満足そうに頷く鳴海は、生徒から向けられる視線に気付かないふりをしていた。

「ところで棗君達は?」
「まだ来ていません。」
「う〜ん、しょうがないねぇ〜。」

委員長の返答に鳴海が困った顔を作った時、後ろのドアが開き棗達三人が入ってきた。

「これで、全員かな?それじゃあ、転校生を紹介するね。」

転校生と聞いて騒めく室内に、アリス学園の制服を着た零那達が入ってきた。

「はい、三人とも自己紹介をして。」
「初めまして。木城零那と言います。宜しくお願いしますね。」

鳴海に促され、零那が話すとより一層騒がしくなる。

「静かに静かに。はい、次。」
「・・・国元彼方・・・。」

面倒くさそうに彼方が名乗ると、パーマを筆頭とした一部の女子が黄色い悲鳴を上げる。その悲鳴に怯えて李麻が彼方に隠れると、彼方は根源であるパーマを睨み、騒音をかき消した。

「ほら、李麻も。」
「・・・木城・・・李麻・・。」

おどおどと話す李麻に一部の男子から、歓声が上がったが、彼方が殺気を向けると畏縮した。

「うん。じゃみんな仲良くね。」

鳴海だけが場の空気から浮いた声で、締めくくった。


つづく


やっと折り返しです。
ここから、話が盛り上がっていけばいいかなぁ〜と思っています。
そして、出してしまいました彼を。
自分は、コミック派なので、詳しくは知りませんが、柚香と対峙した彼に心ときめくものを感じました。かっこいいですね。

Re: 学園アリス —記憶の在処— ( No.30 )
日時: 2010/12/04 12:46
名前: あやのん ◆u4eXEPqmlc (ID: 3s//keBI)

ナルにばれてない・・・ある意味すげぇな。
ちなみに、あたしとあんりは呼び捨てでいいよ〜

Re: 学園アリス —記憶の在処— ( No.31 )
日時: 2010/12/05 18:08
名前: 時計屋 (ID: klLmhm9D)


第九話 —声—

「僕は飛田祐。このクラスの委員長なんだ。分からない事があったら何でも聞いてね。」
「ありがとう飛田君。」

伸ばされた飛田の手を零那は笑顔を作り、握った。
鳴海は零那達の紹介が終わると、高らかに笑いながら軽い足取りでその場を後にした。残されたA組の生徒達は我先にと零那達に質問を投げつけようとしたが、まず委員長が挨拶するのが礼儀というパーマの計らいで、何とか質問攻めには発展せずにすんだのだ。

「このクラスは何かと騒がしいけど、みんないい人達なんだ。」

人のよい笑顔を向けられ、彼方は気付かれないように舌打ちをする。

「委員長の挨拶はそれ位で良いでしょ?」

飛田の背後から聞こえた高飛車な声に三人は顔を少し歪めた。

「私は正田スミレ。ダブルよ。あなた達のアリスと星階級は?」

押しのけるように前へ出て来たスミレは、自信と誇り、そして好奇心を含んだ顔で三人を判定するかのように見つめる。

「星階級って?」
「鳴海先生に言われなかったの?」

馬鹿にした目で李麻を見るスミレを彼方が鋭い殺気を向ける。

「五月蝿いね、あんた。どっかの馬鹿と良い勝負。」
「な・・・・!!」
「彼方!!!・・・ごめんなさい正田さん。私達三人はダブルって言われたわ。私のアリスは結界で、彼のは創造のアリスって言うの。彼女のは言霊ね。私達先生に呼ばれているから行かなきゃ。」

スミレと彼方の間に割って入った零那は、まくし立てるように説明をすると、慌てて案内役を買って出た飛田に謝罪し、彼方を引っ張るように教室から出て行った。

「正田さん何もあんな言い方しなくても。」
「仕様がないでしょ。だって・・・・・。」
「気に入らないわね。」
「今井さん?」

全くの予想外の場所から声が聞こえ、スミレは飛田から発信源であり自分の台詞を取った蛍に視線を変える。

「あの人達気に入らないわ。特に零那って子。私達の事気にも入れてないわよ。」
「そんな・・・きっと、転校して来たばっかりで緊張してるんだよ。」
「俺も今井に同感だ。」
「流架君・・・。」
「零那って子のことはよく分からないけど・・・・彼方って奴の方は明らかに俺たちとは違う気がするんだ。何だか・・・危険な感じがする。・・・棗はどう思う?」

いつになく強い口調で批判する流架に正田達だけでなく、蛍も目を見張った。ここまで確信じみた言葉で相手を、しかもよく知らない赤の他人を強く否定などしない流架が危険だと判断し、棗に意見を仰ぐ。流架が質問を振った棗に自然と全員が意識を向ける。棗が出す答えを待ち焦がれるかのように、押し黙った。

「・・・俺は・・・流架の意見に同感する。あいつは・・・俺と同じ匂いがする。」
「それって・・・・」

流架の声は波紋のように教室の中に広がった。
棗の言葉の意味を流架と蛍は嫌と言うほど分かっている。何かしらの戦闘訓練を受けた者ということを表しており、それは一般人が必要としないモノの類である。つまり、三人少なくとも彼方は、戦い慣れた戦闘員だと棗は感じたという事。

「やっぱり、気にくわないわ。」

蛍の雰囲気に、もう誰も彼らを庇う言葉を言う者は居なかった。



誰も居ない廊下に零那は彼方を引きずりながら連れてきた。最初は暴れていた彼方も零那の一喝で大人しくなり、されるがままに引きずられていた。

「何考えてるの貴方は!!!!」

零那は人がいないのを確認してから思いっきり怒鳴る。彼方はもちろん、隣にいた李麻すらもその迫力に圧倒されていた。

「私達の任務は最低一週間学園内に潜入し情報を得る事です。なのに、なに最初から険悪な雰囲気を作って居るんです!!!!任務を失敗させる気ですか!!」
「・・・零那・・・落ち着いて・・・・怒るの・・・怖い・・・・。」

彼方を庇うように零那を宥める李麻に、落ち着きを取り戻した零那が小さく謝罪する。

「・・・俺はただ、李麻を護りたかっただけだ・・・。」

言い訳する彼方に零那は少しだけ優しい目を向けたがすぐ呆れを混ぜた顔でため息を吐く。

「・・・貴方は、李麻の事になると冷静でいられないんですね。」
「・・・・五月蝿い・・・。」
「貴方のそんなところは好きですが、時と場合を考えるように。そうしなければ、護りたい者も護れなくなりますよ。」
「・・・分かってる・・・。」
「なら結構。」

先程の迫力が嘘のような零那の穏やかな笑顔を見て、李麻は小さく笑いを漏らす。

「あれぇ〜玲奈ちゃん達?」

いつの間にか彼方の後方から鳴海が手を振りながら歩いてきていた。

「鳴海先生・・・。」
「こんな所で授業サボって何してるの?」
「あ・・・いえ・・その・・。」

『蜜柑ちゃんのおかげだ・・・』

「え・・・・・」

突然聞こえた声に零那は頭が真っ白になっていった。

『ようこそ。アリス学園へ。』
『仮入学試験合格。おめでとう』
『心配しないで。何があろうと君は僕が絶対守るから』

誰・・・・?

『大丈夫。』
『一緒に外の世界に逃げよう。』

誰なの!!!!

「零那・・・?零那!!!!」

次々に聞こえる声に耐えきれなくなり、零那はその場に倒れた。

つづく


今回はいつもより短いです。すみません。
何故か予定より展開が速いような気がしてきました。なんで?????

Re: 学園アリス —記憶の在処— ( No.32 )
日時: 2010/12/05 19:25
名前: あやのん ◆u4eXEPqmlc (ID: 3s//keBI)

おぉぉぉぉぉ!急展開きたぁぁぁぁぁ


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