二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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学園アリス —記憶の在処—
日時: 2010/11/24 17:20
名前: 時計屋 (ID: klLmhm9D)

はじめまして。
時計屋と言う者です。

学園アリスの小説をちょこちょこ読んでいて、書きたくなりました。

よろしくお願いします。






オリキャラ

 木錠李麻(きじょうりお)
  年齢 11歳
  性格 人見知り
  アリス 言霊のアリス
  備考 五歳の時、親にZに売られ、それ以来レオの元で育つ。人間自体が好きでなく、近しい人としか関わらない。レオと蜜柑と彼方に懐いている。
 
 彼方(かなた)
  年齢 12歳 
  性格 冷静沈着
  アリス 創造のアリス
  備考 生まれて直ぐ捨てられ、ボスに拾われる。
その為、似たような境遇の李麻と共にいる。レオのことは、好きではないが信頼している。

 国元日下(くにもとくさか)
  年齢 15歳
  性格 お気楽
  アリス 光のアリス
  備考 李麻・彼方・蜜柑の兄役であり、リーダー。面倒見もよく信頼されている。


(その他色々増えるかもしれません。)

それでは、スタートです。

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Re: 学園アリス —記憶の在処— ( No.11 )
日時: 2010/12/03 15:01
名前: 時計屋 (ID: klLmhm9D)

うん!!頑張ります!!!

今回は話ではなく、補足のキャラ紹介っぽいモノです。


 毛利零那(もうりれいな)『佐倉蜜柑』
  年齢 12歳(漫画から2年後の設定とお考え下さい)性格 才色兼備 少し天然
  アリス 結界 テレポート(無効化 盗み)
  備考 レイズの催眠暗示で作られたもう一つの人格。チームの仲間をとても大切に思い、仲間に被害が及ぶ事を絶対に許さない。記憶が消させた直後に玲生から聞かされた嘘の過去のため、学園を強く憎んでいる。アリスストーンを入れられ、普段は結界とテレポートしか使わない。日下は頼りがいのあるお兄ちゃん。彼方と李麻は姉弟。玲生とボスは命の恩人と思っている。

 レイズ
  年齢 ??
  性格 冷徹 サディスト
  アリス 催眠暗示のアリス 
  備考 蜜柑の記憶を消した張本人。
     Zの中でもあまり詳しい事はボスしか知らない。
     アリスの力は強力で、やろうと思えば精神を破壊できる。
     今回蜜柑に対して、アリスは使っていない。

任務時の名前と役割
 
 李麻
  名前 水闇(みずやみ)
  役割 後方支援

 彼方
  名前 月闇(つきやみ)
  役割 戦闘と李麻の護衛

 日下
  名前 草闇(くさやみ)
  役割 戦闘

 零那
  名前 闇鬼姫(やきひめ)
  役割 後方支援と戦闘

 玲生
  名前 主様(あるじさま)
  役割 指令

基本は、日下と彼方が戦闘、零那と李麻で援護する戦法です。状況を見て、二人も戦闘に参加しますが、玲生は戦いません。命令と作戦だけです。
零那の戦闘時の呼び方は、人によって異なります。下っ端の部下は「闇鬼姫様」と呼びます。
呼び方は
李麻「姫様」彼方「姫」日下「闇鬼ちゃん」玲生「闇鬼」です。
戦闘時は、全員仮面をかぶっています。

その他

零那は学記憶がないので、棗達の事もおじいさんのことも覚えていません。言葉は標準語。

長々とすみません。以上です。

Re: 学園アリス —記憶の在処— ( No.12 )
日時: 2010/11/27 19:55
名前: あやのん ◆u4eXEPqmlc (ID: 3s//keBI)

蜜柑は10歳で小5ですよ
だから2年後は中1です

Re: 学園アリス —記憶の在処— ( No.13 )
日時: 2010/11/27 21:04
名前: あやのん ◆u4eXEPqmlc (ID: 3s//keBI)

柚香さんは登場しないんですか?

Re: 学園アリス —記憶の在処— ( No.14 )
日時: 2010/11/27 23:18
名前: 時計屋 (ID: klLmhm9D)

棗達を中等部の設定にしたので、じゃぁ蜜柑達もと安易に決定しました。日下はイメージ的に高校生かな。遅生まれって事で。
柚香さんの登場予定は無いです。でも、あくまで予定なので、もしかしたら登場させるかも・・・。


第四話 —決意—

蜜柑の失踪から早くも二年の月日が流れ、棗達初等部B組の面々は、中等部に進学を果たしていた。
あれから蜜柑の行方不明は生徒達にも公表され、一時期学園内の噂の的になっていた。流された噂の大部分は中傷めいたモノであり、棗達が幾ら否定してもその数は一向に減らず、それどころか庇うほどに疑いの眼差しが集まるばかりだった。二年経ち、表面的には落ち着きを取り戻しつつあるが、疑いや悪意の視線は今もまだ残っていた。そんな中でも明るさを失わないのは、蜜柑と過ごした思い出が支えになっているからだった。

中等部A組の教室は、自習という事も有ってか騒がしく、監視役の副担任はその役を放棄したように、隅で泣き崩れていた。唯一この騒がしさを沈める事が出来るであろう棗は、一番後ろの席で流架と共にその光景を眺めている。

「棗、止めなくていいの?」
「やらせとけ。」

流石に副担任が哀れに思え、流架は棗に問いかけた。しかし棗は興味がないのか、制止の言葉すらも掛けはしない。流架も そう と言うだけで、膝に座らせている兎と遊びはじめた。

「ちょっとあんた達五月蝿いんだけど。」

突然後ろから声が響き、それまでの騒々しさが嘘のように教室は静寂に包まれた。全員の視線が、後ろのドアに向けられ、流架は あ と声を漏らした。

「騒がしいわ。廊下まで聞こえるってどうなの?」
「今井終わったのか?」
「えぇ、さっき。久しぶりに来てみたけど、あんた達初等部の頃と変わってないんじゃないの?」

教室中から注目を浴びている蛍は、当然のように流架の隣に腰を下ろし、呆れた顔を全員に向けた。向けられた生徒達は、蛇に睨まれた蛙の如く畏縮し自分たちの席にすごすごと戻っていく。

「流石今井。」

流架が感心したように呟いた時、今度は前のドアが開き担任教師である鳴海が入ってきた。副担任は救世主とばかりに鳴海に縋りつき、生徒達はそれを蔑んだ目で見ている。

「棗君。お呼びが掛かっちゃった・・・。」

いつもの様に戯けた仕草で話す鳴海を睨んでから、棗は席を立ち教室から出て行く。その後を流架と蛍が着いて出て行った。

「ごめんね、棗君・・・・」

鳴海は哀しそうに呟いてから、後の事を副担任に任せ入ってきたばかりのドアから出て行った。残された副担任の悲痛な叫び声に苦笑を漏らしながら。


「棗・・・大丈夫?」

あの時から棗は以前にも増して積極的に任務へ赴いていた。その理由は二人も解っている。
蜜柑を探すため。鳴海からZが蜜柑を誘拐したのかもしれないと情報を貰ってから、三人はそれぞれのやり方で蜜柑を探していた。蛍は、世界各国の大富豪達から。流架は動物たちから。そして、棗は任務を受け外に行く事で、蜜柑を探した。Zと戦う事もある棗は、接触する事で少しでも多く情報を得ようと、危険な任務にも自ら受ける。
それが二人には不安だった。あの時、蜜柑が攫われた原因に成った棗はずっと自分を責めた。外に行けと自分が言ったからだと。直接では無いにしろ、自分があの時言わなければこんな事には成らなかったと。流架や蛍が違うと何度否定をしても、棗は自分を責め続けた。今もまだ自分の責任だと思っている棗は、例え自分の命を賭けてでも蜜柑を取り戻そうとする。それが好きな相手なら尚更。

「棗・・・」
「俺は大丈夫だ。心配するな流架。」

蜜柑が攫われてから棗は、全くと言っていいほど笑わなくなっていた。この学園に来た当初でも、流架に対しては時々笑いかけていたが、今はそれすらもなくなり、初等部の頃よりも目が荒んでいる気がしてた。

「なつ・・・・」
「じぁな流架。行ってくる。」

棗は流架の言葉を遮ると、ペルソナの待つ部屋へ走っていた。

「今は・・・棗君を信じて待ちましょう。私達にはそれしか出来ないわ。」
「今井・・・・」

不安そうな流架の手を、蛍が包み込む。

蜜柑が行方不明と知った時蛍は大泣きした。今まで泣き顔など一切見せずに凛としていた蛍が、流架の腕の中で声を噛み殺しながら泣き続ける。蛍の涙を止める術も知らず、ただ安心するように抱きしめるしかなかった。
苦しい時思い切り泣けない辛さを、大切な人を失う辛さを流架は知っている。葵を失った棗をずっと見てきた。学園のせいで離れ離れにされ、牢獄のようなこの学園に入れられた。光さえも見失うほど深い闇の中でも棗は泣かなかった。弱音すらも吐かず、自分と葵の為学園の中で過ごす日々。そんな棗の隣に黙って居続ける事しか出来ず、傷は深まるばかりだった。
だからこそ、蛍には泣いて欲しかった。自分たちはまだ子供で、大声を出しながら泣いても許されるはずなのだから。しかし蛍は苦しそうに泣くだけで、自分はこうして抱きしめるしかできない。それが悔しく、歯痒かった。
そして、蜜柑を誘拐したのがZだと情報を受けると、蛍は流架に言った。蜜柑を見つけるまではもう泣かないと。その為なら、どんな苦しみも耐え抜くと。流架はそう言った蛍が強く思えたと同時に哀しく見えた。なら、自分はそんな二人を護ろう。他人のためなら、容易く自分を犠牲にしてしまう大切な二人を。そして、悲しくて仕方がない気持ちを一生懸命隠し、精一杯強がっているこの少女を。自分の全てを賭けて護ろう。そう伝えた流架に、蛍は『馬鹿ね』と言って微笑んだ。


「流架?」

心配そうに見つめてくる蛍に、大丈夫と笑いかける。それでも、まだ心配そうな顔を浮かべる蛍が堪らなく愛おしく想う。

「大丈夫だよ。俺は大丈夫だ。」

きっと、今まで以上の苦しみも悲しみも訪れる。でも、隣で心配してくれる大切な人をその全てから護りたい。これからも、大切な仲間と大切な人と変わらず笑いたいから。それを護れるだけの力が欲しい。

蛍に握られた手を強く握りしめた。
新たな決意を込めて。


つづく


棗君視点にしようと思って書いていたら、いつの間にか流架君に・・・・恐るべし乃木流架。。。。
でも、やってみると流架君の方がさくさく進みますね。棗君は感情が掴みにくい・・・・・。
次回は、やっとあの人の活躍を書けます!!やったよ。

Re: 学園アリス —記憶の在処— ( No.15 )
日時: 2010/11/28 16:58
名前: 時計屋 (ID: klLmhm9D)




第五話 —猫と鬼 前編—

「零那。任務だって、玲生が呼んでる・・・・。」

詰まらなそうな李麻に苦笑し、零那は読んでいた本を閉じた。
ここで目覚めてから二年間、主に玲生や日下から戦い方を教わり、今ではZ屈指の戦闘員としてボスから期待されている。零那自身もZの役に立てる事を誇りのように思っていた。

「彼方も日下も、もう玲生の所行ってる・・・・速く行こ。」
「分かったわ李麻。」

立ち上がると、李麻が自然に手を握ってくる。

初めて会った時は怯えられていたが、今では実の姉のように慕ってくれる李麻や、兄のような存在の日下。文句を言っていてもいざとなったら助けてくれる彼方。いつも護ってくれる玲生とボス。仲間を護る事が、ボスの役に立つ事が零那の戦う理由。その為にアリスを使う事が、零那にとって至福となっていた。

「零那、行き過ぎだよ・・・・ぶつかっちゃう・・・・」

李麻に呼ばれ我に返ると、目的の会議室からかなり離れた壁に衝突寸前で李麻が腕を引っ張り止めていてくれている。

「あ、ありがとう・・・・」
「どうしたの?・・・・零那がぼっとしてるの珍しい・・・・・」

李麻はきょとんとした顔で近づいた。なんでもない と軽く流し、行きすぎた分の廊下を戻る。

会議室の中のは全員がそろっていて、長机の一番奥の席に玲生が膝を突き零那に目を向けた。

「待ってたぜ。」
「ごめんなさい。遅くなってしまったわ。」
「いいさ。時間もあるしな。」

玲生が手を振り、席に着くように促した。言われた通りにいつもの席に着くと玲生は体を起こし、スライドを映し始めた。

「今回、俺たちに言い渡された任務は護衛だ。」
「護衛?何で俺たちのチームにそんな任務が来るのさ?」

不満そうな彼方の物言いに、玲生は微笑した。

「まぁ待て。護衛って言っても簡単な物な訳ないだろ?狙ってくる敵は、学園の特殊任務部隊だ。」
「学園・・・・」

学園と玲生が言葉にした瞬間、零那のまとっていたオーラが急変した。声も低く、憎しみを露わにしていた。

「詳しい事は現場に着いてから話す。しっかりやれよ。」
「分かってるって〜。」

日下の緩い声が合図となり、各自準備を始めた。



棗は屋根の上にいた。
ペルソナから言い渡された任務内容は、Zの運用物資の奪取若しくは破壊。Zが派遣して来るであろう特殊部隊の殲滅だった。正直、殲滅の方は気が乗らなかった。
しかし、Zが関係しているとなれば話は違ってくる。Zと接触し、蜜柑の居場所を吐かせる事が棗の目的であり、みすみすチャンスを逃す愚かな真似など絶対にしない。

「難しい事考えてるのか?」

後ろから聞こえた声に棗は、眉を吊り上げる。振り返れば、案の定声の主である安藤翼が笑いながら近づいてきた。

「隣。いいか?」

拒否しても勝手に座って来るので、棗は黙っている事にした。二人とも何も話そうとしないが、暫くすると翼が話しかけた。

「あんま背負い込み過ぎるなよな。姉さんと流架ぴょんが心配してたぜ。」
「・・・分かってる。」
「なら、いいさ。」
「それだけか?」

立ち上がって伸びをしている翼に問いかけると、う〜ん と何かを考えてから、棗に向き直る。

「蜜柑の事、責任はねぇつってもお前は自分を責めるんだろ?俺なんかがお前達の事にああだこうだ言えた義理じゃねぇけどさ、蜜柑が見つかった時あいつが悲しむような真似だけはすんじゃねぇぞ。俺らも協力してやっから。」
「・・・・・あぁ。」

翼が 分かればいいさ と言った時、爆発音と銃声が響き渡った。

「ま、今は学園に帰る事に集中しようぜ。」

既に戦闘態勢に入った二人は翼の言葉と同時に、爆発音がした場所へと向かって行った。


玲生の指示に従い零那達は、学園部隊と交戦を開始していた。とは言っても実力の差は歴然で、学園側は少しずつ後退を余儀なくされている。

「なんだ。やっぱり簡単じゃん。玲生の奴何が簡単な訳ないだよ。」
「まぁいいじゃないか。簡単って事は、李麻と零那に負担を掛けない事なんだからさ。」

狐の仮面を被った彼方は、文句を言いながらも護衛対象に近づく人間を、有無を言わさず排除していく。それを日下が窘める。

「ふん。李麻の事は俺が護るし、零那は護られる奴じゃないじゃん。」
「まぁ・・・・そうなんだろうけどな。」

彼方は だろ? と詰まらなそうに答えた。と、突然頭の中に優しげな声が響く。

『聞こえてますよ月闇、草闇。』
「や、闇鬼ちゃん!!!!」
「今日はテレパスかよ。」
『高評価して頂けるのはとても光栄ですが、今は任務中です。私語は慎んでください。それと、任務中は決められた名前で呼んでくださいね。』
「・・・了解。」

不満そうな彼方の声に、零那はクスっと笑う。

『それでは・・・あぁ、彼方。』
「何ですか姫?」
『信じていますよ。李麻を護ってくださいね。』
「!!!!・・・当たり前。」

お願いします と言われ通信は切れた。
彼方は少し顔を赤くしながら、李麻の手を強く握る。それに気が付いた李麻はにっこりと笑いかけ、そんな二人を日下が暖かく見守った。

つづく


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