二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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モンスターハンター・バロル—根源との争い— 一時休止
日時: 2012/03/13 20:49
名前: アビス (ID: dFf7cdwn)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=10906

↑の続編です。以前は別サイトで書いてたんですが、
何らかの理由で入れなくなってしまったので、こちらで新しく投稿する事に決めました。



その他掲載小説
・モンスターハンター・バロル・・・完結!
・フェアリーテイル 〜FAIRYTAIL〜
・フェアリーテイル〜無の滅竜魔導士〜
・テイルズオブザワールド
・怪談百記物語(複雑・ファジー)


★人物紹介★
レイン 22歳 男・・  備考>>7

身体的特徴・・・177cm・60キロ・鮮明な青髪(ショート)・ナチュラルストレート

通り名・・・死を狩る者(デスサイズ)

ソニックとミルナの子。ガンブレードというガンランスの太刀版と
ナノブレードと呼ばれる、厚さ数ミクロン以下の太刀を扱う。

自由奔放の性格で明朗快活。

暇な時間が嫌いで、待ち時間などにはいつも持ち歩いてるオカリナを鳴らす。
腕前は中々のもの。よく小動物相手に聴かせている。

狩猟では『閃華』と呼ばれる初速が最高速度に達する移動術を用いて戦う。
そしてもう一つ、両親にしか知らない秘密が彼にあるのだが、それは本人自身も知らない。



スノウ 21歳 女・・  備考>>8

身体的特徴・・・165cm・55キロ・紅色の髪(ミディアム)・ニュアンスストレート

通り名・・・預言者(スコアラー)

スタークとサラの子。グローブに仕込んだ毒を使って相手を蝕む。

美を絵に描いたような体型、顔立ちだが、胸が小さいことが本人にとってコンプレックス。
物腰が柔らかいが言いたいことははっきりと言うタイプ。

趣味はショッピング。狩猟する時以外はいろんな服を着て楽しむ女の子っぽいところもある。
可愛い物にも目がなく、そういうものには金を惜しまず買ってしまい、後で困ることもしばしば。

狩猟では『流舞』と呼ばれる川の流れのような動きで相手を翻弄する移動術を用いて戦う。
母親譲りの予知眼を使え、精度は母親以上。



ファン 17歳 女・・

身体的特徴・・・160cm・49キロ・金髪(ロング)・ベーシックアップスタイル(+アホ毛1本)

通り名・・・爆砕(クラッシュ・ビート)

爆弾大好き少女で武器は持たず、爆弾だけで狩りをする爆弾使い。

明るく元気活発で何をするにもはしゃぐ御転婆少女。好物はトマトジュース。
レインやスノウのことを慕っており、『レイ兄』『スゥ姉』と呼ぶ。クラウドのことは『とっつぁん』

狩猟では相手の肉質を観察し、一番効果的な部分に爆弾をぶつける戦い方を取る。



クラウド 32歳 男・・

身体的特徴・・・200cm・140キロ・茶髪(ショート)・ムーヴィングショート

通り名・・・魔人(サタン)

レインたちのピンチに突如現れた獣人族。山のような体が特徴で、見る者を圧巻させる威圧感を持つ。
彼は研究者の無謀な研究が原因で体に複数のモンスターの遺伝子を持つ唯一の獣人族で、
表情はあまり顔に出ないが、根は優しく意味のない殺しは極端に嫌う。
狩猟では己の体の一部をモンスターの体の一部に変え、体一つでモンスターと立ち向かう。




————————————————————あらすじ——————————————————
時はあの戦いから数十年。ソニックたち4人は今や『四大英雄』と呼ばれている。
しかしモンスターの力は以前と変わらず・・・いやあの頃に比べると随分と様変わりしていた。

単純に力を強大にしたもの、姿形を変え力を手に入れたもの、
知性を身につけ組織を造るものまで現れていた。

しかし人間もただ生きていたわけじゃない。時の流れは技術の進歩。
ギルド本部ではモンスターの鎮静化を図り、人より強靭な人間を作る技術が提案された。

それがモンスターのDNAを人間に注入し竜の力を持つ人間を生み出すこと、
通称『キメラ計画』

実験は成功・・・だがそのせいで見た目が変貌し醜いと称され、付いたあだ名が『獣人』。
獣人となってしまった人たちは惨い迫害を受けながら、人を嫉み生きている。

そんな人族、竜人族、獣人族の三つの人種に分かれたこの世界に
前回よりもさらに大きなが事件が今動き出す。
————————————————————あらすじ————————————————————


プロローグ>>1-6
一章>>9-24
二章>>27-56

番外編1>>59-62

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Re: モンスターハンター・バロル—根源との争い— ( No.5 )
日時: 2010/12/08 16:24
名前: アビス (ID: U3CBWc3a)
参照: http:/

「火山地帯ってのに寒気が止まんね」

額から汗を噴き出しながら、引きつった顔でレインが言った。

「そうですね。・・・私が見た未来、見せてあげましょうか?」

スノウも似たような表情でレインの顔を見る。

「結構!預言者にわざわざ死ぬ未来を予言されたくねーっつーの。
・・・気合い入れろ、スノウ。来るぜ!!」

—ゴガァァァァァァアァアァアアァ!!!!—

ラージャンは大きくのけ反った。レインは光線だと感じ動こうとしたがスノウが止めた。

「レイン!!すぐに岩盤を返して盾にしてください!!」

「はぁ!?そんなことしなくても・・・」

「いいから早く!!」

レインは半信半疑でガンブレードで岩盤をひっくり返し盾にする。

—ズギャアァアアァァァンンン!!!—

ラージャンの出した光線の範囲は半端なく、岩盤で防いだのは一番の正解だった。
だが、その岩盤も少しずつ崩れて・・・砕けた。

「うおっ!!」
「きゃあぁ!!」

衝撃で吹っ飛んで倒れるが、そんな時間をラージャンは与えてはくれなかった。
ラージャンは俊敏なステップでレインに近寄ると、地面を抉るようなパンチがレインに向ける。

「閃華一幻・別魅(わけみ)」

ラージャンの拳がレインを貫く。が、そのレインはふっ、と消えてしまった。

「こっちだ、ゴリラ」

「閃華一幻・別魅・・・。残像を生み、惑わす移動術・・・」

スノウが呟いた。レインはラージャンの周りに5人いる。どれも、レインの
高速移動によって生まれた残像だ。ラージャンは突然増えた敵に戸惑っている様子だ。

「竜幻!」

5人のレインが一気にラージャンに間合いを詰めると、5人で一気に切り裂いた。
そして直後に砲撃。計十発の攻撃を受けたラージャンは一瞬動きを止める。
たったの一瞬。だが、それを見逃すスノウではなかった。

「魔毒」

スノウがラージャンの皮膚を優しく撫でるように滑らせる。もちろんグローブを付けた手で。
途端、ラージャンは苦しみだし、その場で暴れ始めた。

「・・・初めて見る毒だな。どんな毒何だ?」

「単純な毒ですよ。体内に侵入すると、その者の細胞を浸食させていくものです」

「・・・おっそろしいな・・・」

—ゴギャアアァァア!!—

暴れていたラージャンが、いつの間にかこちらに向かって光弾を撃っていた。
今まで毒を喰らって動けたモンスターがいなかったことから、スノウは油断していて
予知眼は発動せず、レインもスノウの毒の威力は知っていたので終わったものだ思い込んでいた。

光弾は既にレインの閃華でも交わせないほど接近していた。二人は死を直感した。

—バチンッ!—

何かが弾ける音がした。二人が目を開けるとどこから現れたのか、
バサルモスが二人を守るよう目の前に現れた。

「間一髪だったな」

バサルモスが突然喋り出した事に二人が驚きの表情を浮かべる。
目の前のバサルモスがこちらに顔を向ける。と、思ったがそれはバサルモスではなく人間の男だった。

皮膚がまるで岩石のように変化していたため、それに大柄な体型だったため見間違えたのだ。

「・・・獣人?」

スノウは呟くが、すぐそれが失言だと察し、口を塞ぐ。
男はそれに気にする様子もなく、また目の前のラージャンに目を充てる。

「お前たちは下がっていろ。危険だ」

—ゴギャアアアアア!!!—

ラージャンが男に向かって突っ込む。男は態勢を低くすると。

「迅竜の脚」

男の姿が消える。それにより僅かに態勢を崩すラージャン。

「金獅子の腕」

今度は真上から手をまるでラージャンの腕のように変化させ、ラージャンを殴り付ける。
だが、ラージャンはあまり効いた様子も見せず、その場で回転し男を吹き飛ばした。

そんな様子を見ていたレインが言った。

「あいつが来る事、お前の目には視えてたか?」

「・・・いえ。まだ私もこれを完全に使いこなしていませんから。
それとも、私の視たのはこの後の出来ごとかも知れませんよ」

「・・・・お前の予知眼は絶対に起きる出来事じゃねーしな。
ま、未来なんて気まぐれに変わるもんさ」

レインはそう言うと、自分も戦いに加わろうと武器を握る手に力を込めた。・・・その時

—ピシャンッ! ズドン!!—

ラージャンの真上が光ったと思うと突然、ラージャンは謎の光に包まれてしまった。
謎の光が消えた時、ラージャンの姿もそこにはなかった。

「今の光は?」

「ん〜〜〜。まぁ、なんだっていいんじゃねえの?ほら、ラージャンはいなくなったようだし。
周り気配ないから今の光で死んじまったか、逃げたかしたんじゃねえの?
そんな分からない事ばっかに頭使ってるぞ、剥げるぞ」

「・・・あなたはもう少し頭を使った方がいいですよ」

スノウはそう言うと、先ほどの男の元に向かった。

「あの、助けていただきありがとうございます」

「気にするな」

男はそうだけ言うと、辺り警戒し始めた。その表情は獲物を捉えるために神経を張らす獣そのものだった。

「今の光で死んだんじゃねーの?」

レインが男が何を警戒しているのかを感じ言った。男はレインを見ると。

「・・・いや、いくらなんでも肉片一つ落ちていないのは可笑しすぎる。
おそらく、あの光を見てすぐに退散したんだろう」

男はそう言うとレインたちをその場にどこかに去ろうとした。

「あ・・あの・・!」

「・・・なんだ?」

「そ・・その、さっきはすいませんでした。獣人なんて言ってしまって・・・」

スノウが本当に申し訳なさそうに言う。

「・・・気にするな」

そう言うと男はそのまま去って行ってしまった。

「何だったんでしょう?彼は」

スノウは顎を摘まみながら考える。彼女は本当に分からない事がある事が落ち着かない人なのだ。

Re: モンスターハンター・バロル—根源との争い— ( No.6 )
日時: 2010/12/15 13:28
名前: アビス (ID: U3CBWc3a)

「スーーー・・・スーー・・」

レインとスノウは今船の上。スノウは安らかな表情で寝息を立てながら寝ていた。
別に寝不足だったわけではない。予知眼の連発の影響で起こる、
回復のために強制的に睡眠だ。

あの後妙な大男と別れた後、そのまま眠りに就いてしまったスノウを
レインが担いでベースキャンプまで運んだのだ。

「・・・・・・・!!!」

やる事もなく、オカリナを吹く気にもなれなず、ただ海を眺めていたレインが突然、
苦悶の表情を浮かべながら右目を押えた。

「おい、兄ちゃん・・・大丈夫か?」

船の操縦士がレインの様子に気づき、声を掛ける。

「あ・・ああ・・・。平気だ」

レインは大量の汗を額に浮かべながらゆっくりと立ち上がった。

「ふーー。・・・またか」

レインが小さく呟いた。突然起こるこの症状は実は初めてではないのだ。
不定期に起こる右目の痛み。まるで目から何かが飛び出そうになる感覚だ。
だがその痛みも一瞬で、それ以降は痛みの余韻はない。

「・・・大丈夫ですか?レイン・・・」

瞼を重そうに開け、スノウがレインの様子を見て尋ねた。

「わりっ。起こしちまったみてーだな」

「気にしないでください。・・・・もしかして、あの症状ですか?」

スノウも一応この事は知っている。以前スノウがレインと話している時にこの症状が出て、
それを見たスノウがレインを凄く心配した表情で眺めていた。

「ああ。ま、いつもの事だから心配すんなよ」

「・・・分かりました」

口ではそう言っても、スノウの表情は相変わらず心配そうだった。

————————————————————

村への帰り道、目の前が突然光りだしたと思ったら、幻獣・キリンが立たすんでいた。
レインは直ぐにガンブレードを取りだした。

「・・・・・」

だがレインはガンブレードを抜いただけで、それだけでキリンに襲いかからなかった。

『さすが、四大英雄の倅たちだな。良い目をしている』

「うお!!モンスターが喋った!!?」

レインが目を丸くして言う。スノウも驚いた表情をしている。
その時レインはこのキリンが言った言葉に首を傾げた。

「・・・四大英雄の倅??」

————————————————————

ベリウスが大まかな説明をした後、レインが口を開いた。

「・・・つまりお前はベリウスっていう、平和の根源の源で、
前に親父たちの助けになったモンスターなんだな?」

『そんな処だ』

ベリウスが頷きがら答える。それを見たスノウが

「そんな方が私たちにどのような用件でしょうか?」

ベリウスはそうだな、と言って暫く考えた後。

『これから起こる戦いのために力を貸してほしいのだ』

「これから起こる戦い?」

ベリウスの話によると、今までの根源の戦いは共鳴者同士で行われてきた。
だが、長い年月の果てに平和の根源の源ベリウス。憎悪の根源の源ジスペル。
両者の本体の覚醒が始まっていると言う。

だが、どちらも完全に覚醒するには『ルーン』と呼ばれる12体のモンスターに別れた、
心臓とも呼べるものが必要らしい。

ルーンは世代毎にモンスターを移転する。だが、今までは普通のモンスターと大差はなかった。
が、近年になって本体の覚醒と共にルーンも覚醒をし始めているらし。

それによって憎悪の根源のルーンを持つモンスターは異常な姿、力を付け暴れているらしい。
それを退治、および自分の本体の復活の手助けがほしいと言う事で
ベリウスはここに足を運んだらしい。

『頼めるか?』

ベリウスの頼みに考えるレイン。

「親父はその憎悪の根源の共鳴者?なんだろ。親父はそれで暴走したりしないのか?」

『ああ。共鳴者はあくまでも根源の戦いの代理を務めるために生まれたものだ。
本体の覚醒が始まった今になっては、共鳴者はすでに関係ない』

レインはそうか、と少し安心したように呟く。

「どうするんです?レイン」

「・・・・・・」

スノウの問いにレインは考えた表情を崩さずに黙っている。

『すぐに結論を結論を出さなくてもよい。明日には返事がほしい。ではな・・・』

ベリウスは眩しい光に包まれるとその場から消えた。

——————————村——————————

「いってやれよ」

全てを話した後のソニックの第一声がそれだった。

「ベリウスか。あれっからずっと見ないと思ってたけど、なるほどな・・・。根源の目覚めか・・・」

「親父はベリウスってのやつを知ってんのか?」

「ああ。前のガルドロスの討伐の時に少しな・・・」

ソニックはレインの言った事に応えるも、意識は別の方に言っている。

「この世界を創ったって言う伝説の神、白阿神と黒吽神。
その両者が目覚めるなんて事があったらどうなるのかな?」

ミルナがソニックの考えている事をそのまま口にする。

「ま、そんな事になったらこの世界は確実に一度は滅びるな。・・・・行ってこいよレイン。
今度はお前がこの世界を救ってやれよ。ま、そんなの柄じゃないと思うけどな」

「本っ当・・・柄じゃねーな、そういうの。けどまぁ行くか、面白そうだしな」

頭を掻き毟りながらレインが言う。その姿にミルナは席を立つと棚の引き出しから
何かを取りだすと、こちらに向かってきた。

「はい、これ」

ミルナの手から渡されたのは指輪だった。中央にはそれなりの価値がありそうな碧い宝石が埋まっている。

「・・・これって確か、ガルドロス戦で使ったっていう指輪の装飾品だよな。
肝心の宝石は砕けたらしいけど」

「そう。4つあったんだけど、2つは使い物にならなくて捨てちゃったから、残ってるのは
2つだけ。で、もう一つはスノウちゃんにね」

はい、とミルナがスノウの掌に紅い宝石が付いた指輪を乗せる。

「いいんですか?」

「ええ。その宝石にはなんの力も宿ってないけど、せめて私たちの想いが届きますようにってね」

ミルナの柔らかい笑顔にスノウは指輪をそっと握りしめた。

「・・・ありがとうございます」

Re: モンスターハンター・バロル—根源との争い— ( No.7 )
日時: 2011/01/24 18:30
名前: アビス (ID: U3CBWc3a)

閃華技集
一幻・別魅(わけみ)・・・残像を生み相手を惑わす。簡単に言えば分身の術の様なもの。

双騎・偽閃(ぎせん)・・・相手の攻撃に合わせて退き、直後に前進する。相手から見れば攻撃がすり抜けた様に思える。

剣技集
竜幻・・・別魅からの連続攻撃

瞬光・・・閃華と居合を組み合わせた移動式の居合

Re: モンスターハンター・バロル—根源との争い— ( No.8 )
日時: 2011/12/03 22:03
名前: アビス (ID: dFf7cdwn)

流舞技集

穏流(レーテ)・・・緩やかな動きで相手を翻弄する。

急流(コスキュート)・・・切れのある激しい動きで相手を翻弄する。



予知眼・・・
未来を見通せる能力。タイプは二種類。

近視予知・・・近い未来を瞬間的に断片的に見ることが出来る。そのため外れることも間々ある。
       自分の意思でコントロールすることが出来、連続的に使うと回復のために強制的に眠りにつく。

遠視予知・・・遠い先の未来をリアルタイムでそこにいるような感覚に陥り、具体的に見ることが出来る。
       自分ではコントロールすることが出来ないが、外れる事はない絶対的な予知。
       これが起こると激しい疲労感に襲われる。



仕込みグローブ・・・
グローブに仕込まれた毒は各指に一つずつだが、組み合わせや配合によって新たな毒を生み出す。
致死性のものばっかなので、使い手のスノウであっても取り扱いには注意がいる。



毒集
魔毒・・・相手の細胞を浸食させる。

痺毒・・・相手の動きを蝕む神経毒。

腐毒・・・腐食性の高い毒。スノウ曰く「滅多に使わない特別製」

Re: モンスターハンター・バロル—根源との争い— ( No.9 )
日時: 2010/12/21 11:40
名前: アビス (ID: U3CBWc3a)

夜が明け、村の入口には二つの影。レインとスノウだ。

「寝み〜〜」

レインが今にも寝ちゃいそうな顔をして言う。スノウはため息を一つ。

「世界に関わる事に対面しようとしてるのに、随分と気が緩んでいますね」

「だってよ〜〜。世界のためなんて言われてもピンとこね〜〜じゃん?」

大きく欠伸を入れながら言う。スノウは指を顎に指し考えて。

「まぁ・・・そうですね」

「だろ?だから単純に身の回りの人間が死んじまうのが嫌だから世界を守るんでいいんだよ。
大切な人間を守るが主!世界を守るなんてついででいいんだよ」

「そうですね」

スノウはレインの考えに同意するように小さく微笑む。

『大した考え方だな』

「現れたなベリウス」

前回と同じような光を発し現れるベリウス。ベリウスは二人の目を見ると微笑んだ。

『・・・返事は聞くまでもなさそうだな。では改めて自己紹介をしよう。我の名はリオ』

「リオ?じゃあベリウスってのは・・・・」

『それは我が主の名だ。ベリウスと名乗っていたのはジスペルに今の共鳴者を我と思わせるためなのだ』

「じゃあ、本当の共鳴者は?」

『お前の母親、サラだ。まぁ共鳴者として目覚めないように力を封印させてもらっていたが、
それでもサラにはモンスターの邪気を祓ったり、予知眼とか言う特別な力が目覚めていたがな。
その影響でお前にも予知眼が使えるらしいな』

リオが語る事に鵜呑みにする二人。

『まぁ、そこら辺の事はどうでもいいか。とりあえず二人に優先的にやってもらいたい事は
ジスペルのルーンを持つモンスターの討伐だ。そうすれば・・・』

「おい。ちょっと待てよ」

『何だ?』

「お前はそのベリウスって奴の何なんだ?ルーンってやつの一部なのか?」

『ふむ・・・』

ベリウスは暫く考えると口を開いた。

『我は言わば現れる共鳴者のサポートとルーンの存在の管理をする、主の復活の助手のようなものだ。
主のルーンとは関係のない存在だ。因みにソニックたちが倒したガルドロスと呼ばれているのも
我と同じ存在で、あれはジスペル側の者だ。まぁ、奴は私欲に暴れているだけだったがな』

「あのガルドロスとリオさんが同じ存在?ではリオさんもガルドロス程の力を?」

スノウの言葉にリオは首を横に振る。

『いや、我にはそこまでの力は備わっていない。現に覚醒状態のソニックにも及ばないほどだしな。
ガルドロス程ではないにしろ、ルーンを持つモンスターはかなりの力を秘めている。
我だけではどうしようもないのだ。

・・・さて、そろそろ本題に入るか。先ほど言ったように二人にやってもらいたい事は
ジスペルのルーンを持つモンスターの討伐だ。

主とジスペルのルーン。これには少し繋がりがあり、今暴れているモンスターのルーンは
覚醒と言うより暴走に近いのだ。
ジスペルのルーンが暴走していると、それに相対している主のルーンの覚醒に妨げになるのだ』

「・・・では、私たちが暴れているモンスターを討伐す事を優先すればいいのですね?」

『ああ、主のルーンの回収は主に我が行う。では、何か分かればまたくる』

リオは光に包まれるとどこかに行ってしまった。
残された二人はとりあえずここから一番近い村に行き、情報を集めることにした。

————————————————————

新たな村に着き、まずはギルドを目指す二人。歩いている途中話声が聞こえてくる。

「おい、ありゃあ『スコアラー』のスノウと『デスサイズ』のレインじゃねえか?」

「おお!本当だ!あの四大英雄の倅たちか」

「・・・・何か言われてますね」

話声に耳を傾けながらスノウが言った。レインは気にした様子もなく

「気にすんなよ。両親の事で言われるのは慣れっこだろ?」

「そうですね」

そうして更に歩いていこうとした時、さらに耳に言葉が入ってくる。

「『預言者』と『死を狩る者』?どういう意味だ」

「何でもあの女の方は未来を視る事が出来るんだとよ」

「へ〜〜、そりゃあすげえな。・・・じゃあレインさんの方はえげつね〜通り名だな」

「馬鹿!ちげーよ!レインのデスサイズってやつの由来はな、
『死に向かう者から死を狩り取り、生かす生神(いきがみ)』って言われてるのよ〜〜」

「なるほど、それで死を狩る者かぁ。すげぇな」

スノウはそんな言葉を聞きながらため息をついた。確かに『今の』彼からなら
そんな由来がぴったりかもしれない。でも、彼がデスサイスなどと呼ばれだした由縁はそんなものじゃない。

彼の通り名の本当の由縁は・・・・

—ドーーーーーン!!!!—

突然辺りに響く爆発音。それにより、スノウの思考はストップした。

「何でしょう?」

「さあな。けど今の音は樽爆弾の音だ。どっかで被弾したんじゃ洒落になってねーな」

レインはそう言うと、音の元凶の元へと走りだした。スノウもそれに続く。

————————————————————

その場所に行くとすでに人だかりが出来ていた。それをかき分けて進むと、
爆煙の中から人影が見えた。その人影がどんどんこちらに歩いてきて、その姿を現した。

「うっへ〜〜〜!!火薬の比率間違いちった!・・・んん?」

現れたのは全身煙まみれの女の子。彼女の姿を確認すると、周りの野次馬たちが安心と呆れ混じりのため息をつく。

「ファン!!また暴発か!!いい加減にしないと本当に命がなくなるぞ!!」

「にししっ!!心配してくれてありがと!でも、私は爆弾で死ねるなら、絶対後悔しなーーーい!!
・・・・あれ、あんたたちこの町の人間じゃないね?」

ファンと呼ばれた女の子がレイン達を指さして言う。

「人に指を指すのは宜しくないですよ。それとそんな埃塗れで堂々としてないでください」

スノウが子どもを叱る親のような感じで言う。すると、ファンはあっかんべーとすると。

「赤の他人にとやかく言われることじゃないもんね〜〜」

「・・・・・」

—ゴズン!!—

「ふぎゃ!!」

「私はこの子をお風呂に入れさせます。レインは待っていてください」

「別にいいけどよ。赤の他人に反抗されたからって気絶させて言う事きかすのはどうかと思うぜ?」

「こういう手合はこうでもしないと言う事を聞きませんから」

手が早いのもどうかと思うぜ。レインはそうとも言おうとしたが、そんなこと言ったら、
この子の二の舞になってしまいそうなので、心の中にしまっておいた。


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