二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 零崎双子の人間救出〜殺人鬼だって世界を救う!?〜
- 日時: 2011/01/13 18:10
- 名前: 時雨飴 (ID: MMm5P7cR)
初めまして、時雨飴というものです。
西尾維新先生をリスペクトしています。
今回は、零崎一賊の双子の話です。
コメント・アドバイスなど、お願いします。
- Re: 零崎双子の人間救出〜殺人鬼だって世界を救う!?〜 ( No.48 )
- 日時: 2011/01/13 20:08
- 名前: 時雨飴 (ID: MMm5P7cR)
- 参照: http://tyuukoehon.web.fc2.com/top.htm
(虚識視点)
高速道路を下り、徐々に≪奇野≫の隠れ場所が近づいてきているのが分かった。殺意ではないけれど、なんとなく、危険な雰囲気を感じるのだ。
「しかし——幸織は、あなたに負けたわけですね?」
僕は、運転席の哀川潤をちらりと見る。
赤いサングラスをかけていて、恐ろしい眼は隠されている。
「まあ、そうだな」
「強かったですか?」
「ぜーんぜん」
「んー、まあ、そうですよね」
この哀川潤は、伊達に人類最強を名乗っているわけではないのだ。その人類最強にこんなことを聞くのは、無駄の極致かもしれない。
でも、幸織が負けるのは意外だ。
幸織は、僕よりも強い——僕は人を殺したことがないので、正確には分からないのだが——のだろうと思ったけれど。
「ただ、よぉ」
「はい? ただ?」
哀川潤は、僕を見た。
「あたしの拳を受けたあと——『てめえがこんなんじゃ、兄貴も簡単に殺せそう』みたいなかんじでからかったんだがな。もちろん、冗談だが——あいつは、それで起き上がって、あたしに攻撃を仕掛けてきやがった」
「…………」
僕も、哀川潤の顔を覗く。
サングラスで目元は窺えないが——哀川潤は笑っているように見えた。
「……家族、か」
僕は、小さく呟く。
『殺し名』である前に。
殺人鬼である前に。
僕たちは——兄妹だ。
僕がいくら幸織を大切にしたところで——幸織が僕を思ってくれているなんて、自惚れたことは一度もない。
だけど、それが自惚れでなかったことを——、
素直に。
単純に。
純粋に。
「——いけませんね、僕は」
僕は、はるか遠くの空を見つめた。
そして、眼を細める。
「あ? どうした?」
「幸せだと、思ったんです」
素直に、嬉しいと思った。
単純に、喜んでいる自分がいた。
純粋に、幸せに浸っている自分がいた。
それは、絶対にいけないことで。
「僕は、兄としても、人間としても、失格だったんです。はるか昔に、失敗していました。幸織が人を殺してしまった時点で、僕は彼女を突き放すべきだったんですよ。けれど、僕は突き放すどころか、咎めることさえもしなかった。だから——無免許で、無資格で——僕は、幸せになる権利なんて、とっくに失くしているのに」
不幸で、空虚であることを、余儀なくされているのに——
「バカか」
哀川潤は、僕の言葉を遮った。
その声には、威圧感と優しき包容力が混ざっていた。
「確かに、お前は失格だったからもしれねえし、失敗してたかもしれねえ。だけど、なんでそこであきらめる? そんなの、逃げてるだけじゃねえのか? それこそが、苦しみに耐えたあとの、とびっきりいかした幸福じゃねえか」
それに、と哀川潤が続けた。
「無免許でも無資格でも、そんなこたぁ関係ねえ。わはは——無免許運転バンザイだぜ」
「……はは」
僕は、笑った。
笑ってしまった。
本当は、僕に笑顔を有する資格なんてないのだろう。
けれど、哀川潤の言うとおりなら——笑顔でもいいんじゃないか。
「笑った顔も可愛いーぜ、むーみん」
「あー、はいはい……」
即座に、苦笑へと移り変わる。
哀川潤には、敵わないなあ。
そう、素直に思った。
- Re: 零崎双子の人間救出〜殺人鬼だって世界を救う!?〜 ( No.49 )
- 日時: 2011/01/13 21:19
- 名前: 時雨飴 (ID: MMm5P7cR)
- 参照: http://tyuukoehon.web.fc2.com/top.htm
コメントプリーズです!(英語風日本語)
- Re: 零崎双子の人間救出〜殺人鬼だって世界を救う!?〜 ( No.50 )
- 日時: 2011/01/14 17:12
- 名前: 唄李 (ID: 8HTDhaI.)
PC直った—!
スミマセン!壊れててインタネット使えませんでした!
てか進んでるよ!頑張ってね!
- Re: 零崎双子の人間救出〜殺人鬼だって世界を救う!?〜 ( No.51 )
- 日時: 2011/01/14 17:43
- 名前: 時雨飴 (ID: MMm5P7cR)
- 参照: http://tyuukoehon.web.fc2.com/top.htm
>唄李さん
お久しぶりです!
あなたの文才を妬んだパソコン(?)が、自分で壊れたのですね!
そういえば、インターネット使えない時期があったような。
進んじゃってますね。
虚識くん、大活躍です!!
そういえば、インターネットに「二つ名メーカー」ってあったんですけど、すごく面白かったですよ! 名前を入力すると、格好良い二つ名が出てくるんです! 今度、コピペしておきますね♪
更新、頑張りますっ!!
- Re: 零崎双子の人間救出〜殺人鬼だって世界を救う!?〜 ( No.52 )
- 日時: 2011/01/15 11:01
- 名前: 時雨飴 (ID: MMm5P7cR)
- 参照: http://tyuukoehon.web.fc2.com/top.htm
そして、眼が覚めるとすぐに、人類最強に拉致された場所が奇野師団のアジトであることに気付いた。なぜなら——、
ずらりと、奇野師団に囲まれているからだ。
パニック状態、だ。
これ以上ないピンチ、命の危機。
この作者の駄作も終わりか? と危惧する。
いや、こんな駄目作者の話は終了した方がいいのだが。
縄で縛られていて、零崎を始められない。
足枷が邪魔で、逃げることさえ叶わない——。
絶体絶命、だ。
「——どきなさい」
そんな、威圧感のある声が聞こえた。
まさに鶴の一声だ——その声に従って、奇野の連中は、一本の道を空ける。そしてその一本道を、ゆっくりと、大きめの歩幅で歩いてくる者が確認できた。
「……っ!!」
道をまっすぐに歩いてきた人物は——、
身体にフィットしたハーフパンツ。
緑色のカチューシャで止めた、肩までの髪。
そして——、
ゆっくりと、その唇が動く。
「私は——奇野師団、奇野英知」
と。
その人物——否、奇野英知は名乗った。
「あなたは、零崎のお嬢さんでしょう? 聞いていますよ。確か、ゆ、ゆき——」
「零崎幸織、だよ」
私は、やや焦りながらも答える。
緊張した状態を、包み隠すことは不可能だった。
「ふむ、誰に連れてこられたのでしょうか? 奇野が零崎に、自分から突っかかっていくわけはないでしょうし」
「そんなことはどうでもいい」
私は、首を振って、英知の言葉を遮る。
「私をどうするつもりなのか、だよ」
「どうするつもり……ですか?」
少し、不意を突かれたような、意外そうにおどける英知。
しかし、少し逡巡するように、視線を彷徨わせたあと——、
「殺しはいたしません」
きっぱりと、断言した。
嘘をついているようには見えない。
「あくまでも私に殺意はない、ということですがね。どこかで殺されても、おかしくはないです。しかし、本当ですよ。私は復讐されるのも、恨まれるのも嫌ですから」
『呪い名』らしい意見。
まあ、殺されてもおかしくはないのだろう。
「ちょっと、実験体になってもらうだけです」
さらりと。
ごく自然な風に——奇野英知は言った。
「じ、実験体……?」
「ええ、私達は病毒遣いとして、多少は知れ渡っているでしょう? その実験ですよ」
生き地獄。
そんなものですね、と英知は笑った。
その笑顔に、身震いする。
なんだ、これは?
なんなんだ、『呪い名』とは——。
「それでは、少し眠っていただきます」
そして——英知は、ポケットからチェーンを取り出す。
ただの鎖だ。
少し丈夫そうな、そんな鎖——。
私の脳内はやけに冷静に——冷めていた。
しかし、虚識。
虚識のことが、脳内を駆け巡る。
走馬燈かなあ、と半ば諦めた状態になった。
その時だった。
「やれやれ……《奇野》も大したことはないのですね? 僕に気付かないなんて」
呆れたような声が、夜空に響く。
光のごとく俊敏な動作で——《それ》はそこにいた。そして、《それ》は——、
奇野英知を、スタンガンでぶち抜いた。
そして、やっと《それ》の焦点が定まる。
「——む……」
それは、大切な。
それは、最愛の。
「虚識……っ」
双子の兄が、そこに存在していた。
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