二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去
- 日時: 2012/12/02 09:59
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=past&no=24538
【読者の皆様へ レッドからの挨拶】
初めまして、レッドです!
ダンボール戦機Wシリーズの小説を描いております。
本来ならば、【バン×ヒロと怨炎の幻想】の番外編を執筆する予定でした。
スレが1000になり、過去ログに入ってしまいました。というわけで、新シリーズとしてリニューアルさせることにいたしました。
上記の参照に【バン×ヒロと怨炎の幻想】の小説のアドレスを載せておきましたので、興味のある方はクリックして読んでくださいね♪
新シリーズはバンハルを中心にして取り巻く展開になります。
ハルはオリジナルキャラクターとして考えたのですが、ヒロインとして演じていただくことになります。
第2部として記念すべき第1作は!!
【バン×ハルと失われた過去】です。
前作の番外編で登場させることができなかったキャラクターとのコラボもこちらで登場させる予定です。
番外編では登場させることができず、申し訳ありませんでした。
そこで、番外編を描く代わりに新シリーズとしてスタートさせることにいたしました。
ダンボール戦機Wの主人公・山野バン、幼馴染の人見晴香を中心にして取り巻くオリジナルストーリーを展開させていけたらと思います。もちろん、ヒロたちも登場させる予定です!!
前作の本編で登場した山野健太&直太の兄弟も出演予定です。
今作では初登場となる山野リンという姉が物語の重要なキャラになるかと思われます。
【本編:ストーリー原案・構成】
第1章〜第5章:LBXバトル編
第6章〜第9章:廃墟ビル探検編
第10章〜第16章:謎かけ編
第17章〜第30章:オリキャラ登場編
第31章〜 :謎解き編
ストーリーの進行具合によっては変更する可能性がありますので、ご了承ください。
【短編:バンハル編】
第1編:帰ってきた酔っ払い >>106 >>111 >>130
第2編:幼馴染の恋心 >>220 >>221 >>235
第3編:中2になって成長した幼馴染 >>328 >>341 >>344 >>346 >>347 >>348 >>354
第4編:大人になってからのハロウィン >>409 >>410
第5編:バンが見た悪夢とは? >>493 >>495 >>504 >>508
第6編:もう1人の兄 >>747 >>759 >>773 >>775
山野バンと人見晴香(通称ハル)の幼馴染を中心にして繰り広げられる、短編オリジナルストーリーを展開していきます。
幼馴染同士で描かれるエピソードを読みながら、楽しんでいってもらえたら嬉しいです♪
【短編:ヒロナオ編】
第1編:幼馴染の背中 >>152 >>154
第2編:ヒロに対する恋心 >>315 >>318
第3編:ハロウィン・パーティー >>387 >>390 >>408
第4編:ナオが見た悪夢とは? >>598 >>603
大空ヒロと小野奈緒美(通称ナオ)の幼馴染を中心にして繰り広げられる、短編オリジナルストーリーを展開していきます。
ヒロナオに隠されたエピソードも描いていきたいと思っています。
【原作:完結した作品】
第1作:バン×ヒロと黒影の亡霊
本編は全20章で完結、番外編は全16章で完結しているぞ!
ダンボール戦機Wの小説を描くにあたり、記念すべき第1作はホラー×ミステリーを交えた本格的な謎解きアクションアドベンチャー!!
第2作:バン×ヒロと過去の追憶
前作の【黒影の亡霊】の続編となった待望の第2作!
本編は全30章で完結、番外編は第25章で完結しました。
全30章にわたる大長編オリジナルストーリーを展開させることで感動あり、迫力ありの描写を表現しながら、展開が読めないようなオリジナルストーリーを手掛ける。
ポイント:ナオが記憶喪失していることだけではなく、ハルの過去に隠されたエピソードも収録している。
番外編では初登場した聴覚障害を持つ少年・船津直紀を取り巻く展開を中心にストーリーを進めていく。
これまでにないオリジナルストーリーを展開させることで前にも増して、文章力を上げることでクオリティをパワーアップさせた。
第3作:バン×ヒロと怨炎の幻想(ミラージュ)
前作の【過去の追憶】の続編となった待望の新作!
本編は第40章で完結しました。番外編は第4章まで進んだが、完結できませんでした。
なので、番外編は新シリーズの小説でリニューアルに伴い、執筆させることにいたしました。
全40章にわたる大長編オリジナルストーリーを展開させることで感動あり、迫力ありの描写を表現しながら、展開が読めないようなオリジナルストーリーを手掛ける。
ポイント:バンの弟・山野健太&直太の兄弟が初登場していることだけではなく、2人の過去に共通点を持つところがある。
バンが兄としての役割を担うことで、2人の弟をどうやってサポートしていくかというところも見逃せない!!
バンを支える仲間たちとの絆を深めながら、友情と感動を送るという感じになるストーリーも手掛ける。
健太と直太に対するバンの強い思いにも注目してください!!
【お客様】
シグレ:この小説に初コメしてくれた人です。友達だけど、ダン戦好きな人で気が合う! 2次(映像)でポケモン小説を描いておりますぜ♪ キョウヘイ君とヒュウさん、カッコイイ!! そして、メイちゃんもかわいい!!
姫佳:この小説の展開が読めなくて、ハラハラドキドキしていると言った人・・・この子もイナゴの小説を書いてて、結構面白い! ティアラ&ラティア、ここちゃん、輝姫の主役4人・・・かわいいぜ!!
茅:楓が描いている黒子のバスケ小説で知り合って仲良くなった人です。友達だけど、サトミちゃんに関する小説を描いておりますぜ♪ 凛太君カッコイイ!
yumi:シエルが描いているポケモン小説で知り合って仲良くなった人です。友達だけど、この小説に初めて来た人で仲良くさせていただいています♪
凛々:凛と呼ばせてもらってるぜ・・・この子はイナイレの小説を書いておりまする! 亜夢たん可愛いぜ!♪
赤獅子エンザ:この人はイナイレの小説を描いてますぜ♪ 友達だけど、イナイレ&ダン戦が好きで仲良くさせていただいてます♪
タク:私の小説に初コメしてくれた人です。ダン戦シリーズの小説を読んでいて、凄く面白いと言ってくれました。本当にありがたいです♪ デュエマの小説を描いておりますぜ♪
冬ノ華 神ノ音:この小説に初コメしてくれた人。姫佳のスレで知り合って仲良くなった友達ですが、仲良くさせていただいています♪ 2次(映像)でイナイレの小説をかいておりますぜ!!
優騎那:イナイレ、ワンピースの小説を書いてる人です! 私の友達で仲良くさせてもらってるぜ!!
ゴトリック&フォークスの凸凹コンビ、オリビア&シュリの姉妹コンビをオリキャラとして出させてもらってるぜ!!!
伊莉寿:姫佳の小説で知り合って仲良くなった人。友達だけど、ダン戦好きで気が合って話しやすい! この人もイナイレの小説を描いてますぜ♪ 美咲ちゃん、可愛いぜ!!
ゆりかん:姫佳の小説で知り合って仲良くなった人。友達だけど、仲良くさせていただいてます。この人もイナイレの小説を描いていますぜ♪ 複雑・ファジー小説で推理小説を描いていて、ストーリーが気になるぜ!
聖:第1作【黒影の亡霊】の番外編で出会った友達。ダン戦が大好きで気が合い、最高の親友! イナイレの小説を書き始めた人だけど、桃香ちゃんが可愛い!!
希歌 絆:シグレの小説で知り合って仲良くなった人です。読みやすいと言ってくれたので、本当にありがたいです! 友達だけど、2次(映像)でサマーウォーズの小説を描いておりますぜ♪
【本編:キャラクター原案・構成】
本編の登場人物設定 >>1
バンたちの登場人物が設定されているぞ!
この小説に初めて来た人は読む前に目を通しておいてください。
健太&直太、姉のリン、イナイレの登場人物設定も収録されているので、それも含めて確認しておいてください。
青峰太陽の登場人物設定 >>11
茅が描いている黒子のバスケ小説で出ている青峰大輝の兄・太陽の登場人物設定が載っているぞ!
太陽と大輝のコンビに注目してください。
登場予定:第18章で登場しました。
キョウヘイの登場人物設定 >>12
シグレが出してくれたオリキャラです。今作では本編に登場させることにしました。
キョウヘイの運動神経、バンたちとの共演に注目してくだされば幸いです。
ポケモンBW2主人公・キョウヘイの活躍に期待してください。
登場予定;第21章で登場しました。
ヒュウ&メイの登場人物設定 >>13
シグレが出してくれたオリキャラです。バンたちと共演したいという理由でキャラ応募してくれました。
キョウヘイとのコンビネーションを披露するので、大迫力のLBXバトルにも注目してください!
登場予定:第21章で登場しました。
優騎那のオリキャラについての登場人物設定 >>14
オリビア&シュリの姉妹コンビが前作の【過去の追憶】に続き、本編で再登場決定!!
急遽、2人を起用することにしました。
登場予定:第24章で登場しました。
無類シント&星目テツヤ&武闘フジ、3つのLBXについての登場人物設定 >>15
タクが出してくれたオリキャラです。番外編でバンたちと共演させたいという理由でキャラ応募してくれました。
シントたちの活躍に期待してください。タクのイメージに近づけるよう頑張って描いていきたいと思います。
3つのLBXについても一緒に載せてありますので、ゆっくりご覧下さい。
登場予定:第25章で登場しました!
富士本 優実の登場人物設定 >>42
yumiが出してくれたオリキャラです。バンたちと共演したいとのことでキャラ応募してくださいました。
今作では初登場となりますが、ユウミがどのようにして演じていくのかというところに注目してくだされば幸いです。
登場予定:第26章に登場します。
恵珠の登場人物設定 >>186
冬(冬ノ華 神ノ音)が出してくれたオリキャラです。
バンたちと共演したいという理由で応募してくださいました。
しかもメカニックという設定をつけていただき、私としても上手く描けるか分かりません。
やるからには頑張って描いていきたいと思いますので、彼の登場に期待してくだされば幸いです。
登場予定:第26章で優実と一緒に登場させる予定でしたが、恵寿はバンたちと合流した後に出させることになりました。
長月レオンの登場人物設定 >>256
シグレが出してくれたオリキャラです。バンたちと共演させたい理由で応募してくれました。
イカロス・ライトというLBXに関する設定も載っております。アスペルガー症候群を患っておりますが、LBXの腕は果たして?
これからもレオンの活躍に期待してください。登場予定は第26章で出します。
橘 美咲の登場人物設定 >>380
伊莉寿が出してくれたオリキャラです。バンたちと共演させたいという理由で応募してくださいました。
短編を描く前に美咲ちゃんのイメージを見た上で本編に登場させたいと思っています。
美咲ちゃんが輝姫や太陽たちと共演するのかも注目してくだされば幸いです♪
美咲ちゃんが登場する予定は早ければ、第27章あたりになります。
また、バンたちと共演させるのも楽しみにしてください!!
イナイレGO(天馬・太陽・マサキ・信助)の登場人物設定 >>415
天馬たち4人の登場人物設定が載っています。今作の本編でやっと登場することになりました。
4人の化身や必殺技も載せているので、それも含めてご覧ください。
第18章で登場しました。そこでサッカーバトルが展開されることになりそうです(笑)
サッカーバトルもできるだけ表現して描いていきたいので、よろしくお願いします!!
輝姫&ティアラ、一ノ瀬心愛(いちのせ ここな)の登場人物設定 >>429
白炎輝姫&ティアラ・クルーガー&一ノ瀬心愛(通称ここ)の登場人物設定です。
輝姫とティアラは前作の【怨炎の幻想】では本編で登場いたしました。今作も引き続き、本編で登場させる予定です。
輝姫&ティアラの従姉妹コンビによる追いかけっこシーンにも注目してください♪
ここちゃんの活躍にも期待してくだされば幸いです。
登場予定:まだ未定です。めどが立ったら載せます。
輝姫&ティアラ、ここちゃんの活躍に期待してください!!
一ノ瀬心愛(通称ここ)が働いているカフェの設定 >>432
ここちゃんが働いているカフェのイメージです。私自身、上手く描けるかどうか分かりません。
でも、やるからには頑張って描きますぜ!!
【本編:目次(ストーリー進行具合)】
第1部:LBXバトル編(第1章〜第6章)
第1章 1人の少女・リンとの出会い >>3 >>4
第2章 居酒屋で行われるLBXバトル大会とは? >>5 >>6 >>7
第3章 LBXバトル大会Ⅰ ついに開幕!! >>8 >>9 >>10
第4章 LBXバトル大会Ⅱ 決勝戦での決着! >>34 >>39
第5章 LBXバトル大会Ⅲ 優勝は誰の手に? >>43 >>53 >>57
第6章 由美が語る、25年前におきた惨劇とは? >>58 >>61 >>62
第2部:廃墟ビル探検編(第7章〜第9章)
第7章 廃墟ビル探検Ⅰ リン&優の空手部コンビが見たものとは? >>67 >>69 >>82
第8章 廃墟ビル探検Ⅱ 秒殺の皇帝・海道ジン登場! >>83 >>88 >>95 >>103 >>141 >>150
第9章 リンの様子に違和感を感じたバン・・・その複雑な心境とは? >>183 >>194 >>196 >>203 >>207
第3部:謎かけ編(第10章〜第16章)
第10章 リンに忍び寄る影、その正体は? >>243
第11章 リンの幼馴染・早間綺羅、登場! >>251
第12章 ハルが河川敷で見つけたものとは? >>269 >>285 >>304 >>307
第13章 バンの幼馴染・樋田優雅、登場! 彼がついに発見したものとは? >>324 >>325
第14章 キラード団という謎の組織の者だと名乗る男から託された謎のメッセージとたった1つだけ残されたヒントとは? >>357
第15章 ますます深まりつつある最大の謎・・・ヒントを元にして調査するバン、そこで掴んだ重要なキーワードによる手掛かりとは? >>362 >>363 >>366
第16章 囚われの身になったリンたちの安否は? >>379
第4部:オリキャラ登場編(第17章〜第30章)
第17章 立向居勇気&月島楓の幼馴染コンビ登場! >>414 >>433
第18章 西園信助・松風天馬・雨宮太陽・狩屋マサキの4人組、ただいま参上! >>436
第19章 立向居チームVS信助チームのサッカーバトル(前編)・・・青峰兄弟&黄瀬、登場! >>450 >>457
第20章 立向居チームVS信助チームのサッカーバトル(後編)・・・決着! >>463
第21章 キョウヘイ&メイ&ヒュウの3人組、登場!(前編)・・・彼らが見たものとは? >>467 >>482
第22章 キョウヘイ&メイ&ヒュウの3人組、登場!(中編)・・・LBXバトルで待ち受ける罠とは? >>484
第23章 キョウヘイ&メイ&ヒュウの3人組、登場!(後編)・・・バン、ただいま参上!! >>487
第24章 オリビア&シュリの姉妹、ついに登場! 4年ぶりの再会 >>488
第25章 無類シント&星目テツヤ&武闘フジの小5コンビ、登場! >>509
第26章 富士本優実&長月レオン、登場! >>516
第27章 橘美咲、登場!(前編)・・・初の幽霊屋敷探検! >>542
第28章 橘美咲、登場!(中編)・・・地下室で見たものとは? >>554
第29章 橘美咲、登場!(後編)・・・ヒロ&レオン、ただいま参上! >>561
第30章 輝姫&ティアラ&一ノ瀬心愛の3人組、登場! >>571 >>575
第5部:謎解き編(第31章〜)
第31章 再会Ⅰ ハルに忍び寄る魔の手、その正体は? >>615
第32章 再会Ⅱ カレン・キャベルン登場、その目的とは? >>621
第33章 再会Ⅲ バンVSカレンの因縁対決 >>629 >>641 >>643 >>644
第34章 バンの様子に異変を感じた直紀、その違和感とは? >>651 >>653
第35章 バン&ハルの幼馴染・鶴見ナナミ、登場! >>664 >>678
第36章 リン&キラの幼馴染・宇津野志穂、登場!(前編)・・・【Detective bar】に隠された秘密とは? >>683
第37章 リン&キラの幼馴染・宇津野志穂、登場!(後編)・・・知り合った経緯とは? >>688 >>692 >>693
第38章 バンの様子に異変を察したハル・・・その真意とは? >>703 >>711
第39章 リン、望月兄弟&優雅の4人が誘拐されたことを知ったハル・・・バンの複雑な心境とは? >>712
第40章 ついに明かされる、リンの本当の過去・・・壮絶な出来事とは? >>721 >>735 >>737
第41章 キラード団のアジトに関する場所の謎を解明せよ! >>804 >>805 >>819 >>835
第42章
これからも応援よろしくお願いします!!
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- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.315 )
- 日時: 2012/10/23 19:37
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
第12章が終わったところですが、新展開の第13章に入る前に短編を更新します。
今回はヒロナオ編です。第2弾となるヒロナオの短編オリジナルストーリーを楽しんでいってください!
短編2:ヒロナオ
タイトル:ヒロに対する恋心(ナオ視点)
大学2年生になった秋頃、大学の学祭が行われる時期に入りつつある。
その時期になり、空手部の練習に取り組んでいた矢先のこと。いつものように部活を終えて帰ろうとした。
「おーい、ナオ!」
聞きなれた声を聞いて、振り返ると幼馴染の大空ヒロがいた。
彼はグレースヒルズに住んでいることもあり、自宅がそれほど近かったこともあって帰るのが日課になっている。
「ヒロ、終わったの?」
「終わったというか、うん・・・・・・」
「何よ、私んちに泊まりたいとか言いたいんじゃないの?」
ヒロと歩きながら、肩を並べている。その大きな背中を見てきた私はヒロに対する複雑な思いを抱いていた。
(ヒロ・・・・・・)
心優しいヒロのことだから、いつもは人懐っこい笑顔を見せてくれる。
そんな彼を見ていると、イケメンっぽくなっているようにしか見えない。
「どうしたの、ナオ?」
「あ、ううん・・・・・・」
幼馴染であることに変わりはないのに、なぜか恋というものに目覚めてしまったのだろうか。
それとも幼馴染としての思いを抱いた上で、ヒロを見ているつもりなのか。
「ねえ、ヒロ・・・・・・」
「んー?」
「夏祭りとか行ってないよね?」
「なんだよ、急に・・・・・・」
昔の記憶を思い出せば、夏祭りに行ったことが懐かしく思えてしまう。
ヒロと一緒に走り回りながら遊んだ日々を思い出しながら、あの頃に戻りたいとつくづく思った。
「でも、あの頃には戻れないよね・・・・・・」
両親を巻き込んで、交通事故に至ったあの日のことが鮮明によみがえってしまう。
あの日、両親を巻き込ませた上で事故に陥りなければ・・・きっと、2人は生きていたかもしれない。
「なーに言ってんだよ、おまえのせいじゃないよ」
「でも・・・・・・」
「前にも言ったろ? 記憶が戻った後のナオがいてくれれば十分だって」
ヒロは苦笑しながら、私を見て笑いつつも励ましてくれた。
記憶が戻った後はこうして、ヒロと一緒に帰りながら歩くことが多い。
心優しい幼馴染がいて、あたり前のことだと思う。バンさんやハルさんたちもいてくれて、私は周りの人々に囲まれて生きているんだなって思った。
「うん、そうだね・・・・・・・・」
ヒロを見て歩きながら俯いた。私の気持ちが分かるはずないと思ったのは気のせいだろうか。
それでもヒロは優しく接しながら、気遣ってくれている。
「ナオ?」
心配そうに覗き込んでいるヒロを見て、思わず躊躇った。
幼馴染なのに、何でこうなっちゃうんだろうと思いながら咎めることさえできない。
「あ、ううん・・・・・・なんでもない、先に帰るね」
ヒロが引き止めようとしても後戻りはできない。
幼馴染なのに、悩みとか尽きないのは確かだ。複雑な思いを抱きながら走り出して、グレースヒルズの自宅に戻った。
数日後、部活の練習を終えて帰ろうとした矢先のこと。
空手部のキャプテンを務めており、先輩である人見晴香さんに呼び出される。
「ナオ、帰る前にちょっと良いかな?」
「あ、はい・・・・・・」
ハルさんはいつも優しく話しかけてくれるので、良き相談相手になってくれた。
今回も話しかけてくれたということは、何かありそうだ。
「ヒロが落ち込んでたよ。ナオ、ヒロと何があったの?」
「・・・・・っ!」
数日前の夜に関する記憶がよみがえる。
ヒロと一緒に帰ったあの日、先に走って帰ってしまったことを後悔していたのだ。
「まあ、無理しなくて良いけどね。バンが話を聞いてくれたからね」
「ええ、バンさんが?」
「うん。その話を聞く限りじゃあ、ケンカしたわけではなさそうだね」
「はい・・・・・・最近、何かヒロのこと見てたら・・・・・・」
「恋心を持って、片思いするようになったってことかな?」
確かにハルさんの言うとおり、恋心を抱いてしまった。
ヒロになんて言えば良いか分からない。幼馴染であることは変わらないはずなのに、何でこうなってしまうのだろう。
「なるほどね、まあ分からなくもないかな」
「え、どういうことですか?」
私は首を傾げつつ、ハルさんを見つめる。
ハルさんは苦笑しながら、私の視線に合わせるようにして答えてくれた。
「最近、ヒロは酒を飲んで帰ってることが多いみたいね」
「えええええええええ!?」
あのヒロが酒を飲んで帰ってくることが多い?
まさか、そんなことで気を紛らわせて飲みまくったというのか。
いや、それは有り得ないかもしれないが・・・・・・酒を飲んで帰ることが日常の日課になっているらしい。
「何で、あいつ・・・・・・」
「まあ、そこまでして無茶なことをしでかすんだよね」
ハルさんは苦笑しながら、私を見つつも腕を組んだ。
ヒロが帰ってきたら、どういうことか聞いておかないといけない。
私の話を聞いてくれたハルさんには感謝しているから、本当に助かった。
「ハルさん、私の話を聞いてくれてありがとうございました!」
「おお、気をつけて帰りなさい」
「はーい!!」
部室を出て、帰路に着いた。
グレースヒルズに差し掛かった頃、時間は9時半ちょっと前になっていた。
「あー帰ってこれた!」
自宅に入ろうとしたその時、私の首に手を回す音が聞こえた。
すぐに振り返ると、かなり酔っ払っているヒロが突っ立っている。
「待ってたんだぞ〜」
「ヒロ!? うわ、酒臭い」
口から放たれる酒臭さを感じながら、私は鼻をつまんで呟く。
その様子を見る限り、酒を飲みまくったことが伺えた。
「まったく、もう・・・・・・私の家に上がる?」
「うん・・・・・・」
フラフラと千鳥足で歩きながら、私の家の中に入る。
靴を脱ぎながら、居間に向かって歩き出す。
「ふぃー」
居間にある食卓とも言えるテーブルが設置されている。
その前に置かれていた椅子を引いて座った。すると、ヒロはテーブルに突っ伏して寝息を立てる。
「すー・・・・・・すかー・・・・・・」
そこで寝たら、風邪を引いてしまうはずだ。
ヒロは居酒屋で酒を飲みながら、夕飯を食べてきたのだろう。
私は冷蔵庫に入っているものを取り出し、料理を作ることにした。
今夜のご飯は私の大好きなチャーハンだ。チャーハンって言っても、ベーコンといり卵を入れて炒めながら冷たいご飯を混ぜて作るものだ。
「よし、できた!」
チャーハンが出来上がり、完成したものを1つの皿に乗せた。
テーブルに突っ伏して寝ているヒロの向かい側の席に座る。
「いただきます」
スプーンを持って、チャーハンを食べようとした時。
寝ていたヒロは眠そうに顔を上げ、チャーハンを見つめる。
「あ、匂いがしたと思ったら・・・・・・チャーハン?」
「うん、まあね・・・・・・」
食べながら、ヒロを見て答える。自分が作ったものは特別だ。
ヒロは眠そうな目で私を見て、優しく話しかけた。
「・・・・・・ハルさんと話したんだろォ?」
いきなり唐突なことを言い出すかと思えば、そのことだったのか。
まあ、確かにハルさんと話したことは間違いないと思う。
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.316 )
- 日時: 2012/10/23 20:33
- 名前: 姫佳 ◆MWOkRuxz12 (ID: DNzgYQrN)
- 参照: 今週はいよいよ文化祭!!
第12章完結おめでとう!!次は第13章かぁ!!リンちゃんが早く見つかると良いなぁ><
ヒロナオ、読ませて頂きました!!やっぱヒロナオ良いなぁ!!
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.317 )
- 日時: 2012/10/23 21:03
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
姫佳
リンが見つかると良いよね!
心配してくれてありがとう!!
あと1つでヒロナオを終わらせます!!
第13章が終わった後にバンハルの短編を描きます!!
中学時代のエピソードを中心にして描く予定です♪
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.318 )
- 日時: 2012/10/24 18:19
- 名前: レッド ◆mAzj/Mydf. (ID: hSo8a19A)
短編2の続き(ナオ視点)
なぜ、ヒロが知っているのか気になった。
いつもよりも酔っているせいで呂律が回らないのかもしれないが。
「ヒロ、何で知ってんの?」
「バンさんから電話があって、その時に聞いたよー」
のんきに答えながらも眠そうに見つめるヒロ。
そんな彼の様子を見て、チャーハンを食べていた。
「バンさんから聞いたの?」
「そういうことーっていうかさぁ・・・・・・」
ヒロは腕を組みながら、顔を伏せて呟いた。
何が言いたいのだろうかと思いながら見つめ直す。
「僕が言いたいことは分かってるよね?」
「ひ、ヒロ?」
顔を上げて、トロンとした目で私を捉えるヒロを見て驚く。
あの日の夜、気になったことでもあったのだろうか。
「あの時、僕が余計なこと言ってないのに・・・・・・・何で急に帰っちまったの?」
「そ、それは-------------------」
酔いつぶれていそうな予感がするヒロを見て躊躇う。
幼馴染だからってからかう余地なんかもないだろうか。
「・・・・・・僕が何も感じないと思ったのかい?」
「------------------え?」
ヒロの言葉を聞いて、驚きを隠せない。
幼馴染だからこそ、何かを感じ取ることができた。
「ナオは親がいなくて辛いかもしれないけど、天国から見てくれてるはずだよ」
「ヒロ・・・・・・何を言って---------------------」
「おまえはいつも強がってるから、余計に気遣っちまうよ」
いつも強がっている・・・・・・私がヒロに気遣わせていたのかもしれない。
幼馴染として信頼していたヒロはいつも優しく接してくれた。
そんなヒロが大好きだったし、悩んだときも話しかけてくれる。
「ヒロに分かるはずないもん!」
「あのな、ナオ・・・・・・僕がどんな思いで見てきたと思う?」
ヒロは腕を組みながら、向かい側の席に座っている私を捉えて言い放つ。
ナオに対する思いが強かったのか、いつも心配していたのだろう。
幼い頃から育んできたナオとの絆を深めていきたいと思うようになったのは、いつからだったろうか。
「僕はナオのいろんな姿を見てきたけど、やっぱり親がいないという寂しさを紛らわせようと思って生きてきたんじゃないのか?」
両親がいない私の気持ちを分かってくれる人はヒロしかいない。
幼馴染だから話せる人が少ないのは、その影響によるものだ。
「いつも気を紛らわせようとしてたんだろォ?」
「ヒロに分かるわけないでしょ!」
「最後まで僕の話を聞け」
ヒロは溜息をつきながら、腕を組んで呟いた。
それでもかまわずに話を続けた。
「バンさんたちも薄々、気づいていたんだと思う。おまえのことだから、何か悩んでるんじゃないかって・・・・・・僕の勘だけど、おまえはいつも悩み事を抱えながら生きてたんじゃないの?」
ついに図星を突かれた。そこまで分かっていたとは想像していなかった。
確かに悩み事を抱えながら生きてきた。でも、ヒロに分かるはずがないと思っていたのだ。
「やっぱり図星か」
「ヒロ、そこまで分かってるなら・・・・・・っ、どうして・・・・・・」
チャーハンを食べ終えていた私は涙が溢れてきて、ヒロを見て呟く。
いきなり泣き出したのを見て驚きを隠せずにいるヒロ。
「お、おい・・・・・・ナオ?」
「ヒロのことが・・・・・・・大好きだから-----------------」
ヒロは眠そうな顔をしていたが、仕方なく席を立った。
私の隣の席に座り、ソッと抱きしめる。
「バカ、そんなことで泣くなよ。僕もナオのことが大好きだよ」
ヒロから放たれた言葉・・・・・・告白とも読み取れていた。
そんな彼の言葉を聞いて、顔を上げて見つめ直した。
「ヒロォ・・・・・・」
「いつまでも泣くのは止めなよ。親がいないのは辛いだろうけど、僕が代わりに愚痴を聞いてやるからな」
ヒロは私を抱きしめながら、ポンポンと背中を撫でた。
突然のことで怯えていたけれど、ヒロの優しさに救われた。
何度も彼の優しさに救われながら、生き続けてきたのだ。
「ありがと・・・・・・」
「うん、いつまでも泣き虫でいるのは止めとけよ」
「なっ、泣き虫なんかじゃないもんっ!!」
大好きなヒロの頭をポカポカ殴りながらも笑う。
ヒロも私を見て、ニッと笑い返す。ようやく、笑顔を取り戻した瞬間だった。
「悩んでなんかいないで、僕を頼ってよ」
「うん、そうだね!」
ヒロと仲直りしたときはホッとするので、安心できた。
本当にありがとうと言いたいよ、ヒロ----------------------
The End----------------------------------------------
- Re: 【ダンボール戦機W】バン×ハルと失われた過去 ( No.319 )
- 日時: 2012/10/24 18:46
- 名前: シグレ (ID: FAqUo8YJ)
>>314 レッド
レッドも有り難う!(^ー^)
それより、ヒロナオ読ませていただいたが…リア充だな。(^q^)
そしてラブラb((殴り ヒュウ「…口を閉じろよ。」
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