二次創作小説(紙ほか)
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- 進撃の巨人〜外伝〜 とある一兵士の見た世界
- 日時: 2014/02/05 19:47
- 名前: Banira (ID: 1CRawldg)
初めましてBaniraともうします。
進撃の巨人が好きで自分もあの様に書いてみたいと思い小説を書きたいと思います。
小説書いたことなんてあまりないのでつたないですが温かく見守って下さい。
——その日、人類は思い出した。
奴らに支配されていた恐怖を。鳥籠に囚われていた屈辱を……。
この世界は・・・・残酷なんだ・・・。
今までのお話
第一話>>1 私の回顧録1 〜過去編①〜
第二話>>2 私の回顧録2 〜過去編②〜
第三話>>3 私の回顧録3 〜過去編③〜
第四話>>4 私の回顧録4 〜過去編④〜
第五話>>7 戦闘開始〜第五十六回壁外調査編①〜
第六話>>12 新たなる敵〜第五十六回壁外調査編②〜
第七話>>14 未来の指揮官〜第五十六回壁外調査編③〜
第八話>>15 負けられぬ戦い〜第五十六回壁外調査編④〜
第九話>>18 真の指揮官とは〜第五十六回壁外調査編⑤〜
第十話>>19 次世代の英雄達〜第五十六回壁外調査編⑥〜
第十一話>>21 私の総括〜第五十六回壁外調査編⑦〜
第十二話>>22 絶望の始まり〜トロスト区崩壊編①〜
第十三話>>24 部下達の思いやり〜トロスト区崩壊編②〜
第十四話>>26 調査兵団たる宿命〜トロスト区崩壊編③〜
第十五話>>27 前半:主人公視点 助けるべき標的。
後半:訓練兵視点 究極の選択〜トロスト区崩壊編④〜
第十六話>>30 淡緑の閃光(訓練兵視点)〜トロスト区崩壊編⑤〜
第十七話>>33 同じ境遇の身として〜トロスト区崩壊編⑥〜
第十八話>>37 ペトラの憂さ晴らし(閑話)
第十九話>>38 不穏を呼び寄せた爆音〜トロスト区崩壊編⑦〜
第二十話>>39 目の前に映ったモノ〜トロスト区崩壊編⑧〜
第二十一話>>41 新人訓練兵の弁明〜トロスト区崩壊編⑨〜
- Re: 進撃の巨人〜外伝〜 とある一兵士の見た世界 ( No.1 )
- 日時: 2013/05/29 18:16
- 名前: Banira (ID: 1CRawldg)
私の名前はハーブ・ヴィルナス
ウォールローゼ東区ロゼッダ村出身である。
私の生まれ故郷ロゼッダ村は秘境と呼ぶにふさわしい山奥の村で
おもに村の人々は放牧を営んで生活していた。
当然私の両親も放牧を営んで生活していた。
ただ、そのような山奥の村に人が来るなんて滅多になく冬は街へでも
出稼ぎにいかなければ生活は苦しかった。
私も当然のごとく幼い頃から労働力として手伝わされた。
そのような刺激のない日々を続けていればある思いは募っていった。
物心ついた時から・・いつか絶対この村をでてやるって。
一人っ子だった私に親は家業なんだからと継げ継げうるさかった。
ただ私は一生こんな名前も知らない山奥の村で放牧をしながら
生計をたてて生きていくなんて無理だと思ってた。
せっかくの一度きりの人生・・都市へでて好きな仕事みつけて
悠々自適に自由きままに暮らしたかったし私の夢だった。
ちょうどそんな思いが一番強かった頃、私は人生を変える
ある一つの経験をした。
週一度、私の村には配達員が一週間分のどっさり詰まった
新聞を運んできていた。
当時、都市での生活にあこがれていた私は新聞に載っている
街の流行やファッション、食べ物を見るのが好きだった。
ただ政治とか堅苦しいものはあまり見なかったけど・・・。
でも、何もないロゼッダ村で私ができる有一の楽しみそれが
自室にこもって新聞を読みながら気になったファッションとかの
記事をスクラップにして集めるのが自分の生きがいだったし趣味で
あった。
あぁ・・思い出した。ちょうどあの時もいつものように親の手伝い
を終えて自室で一人新聞を読んでいたんだっけ。
その日もいつもとかわらず何気なく紙面を進めていた。
そしてちょうど読み終わろうとして最後の紙面を読んでいた時
欄外の広告欄にふと目がいった。
いつもは広告欄なんてみなかったけどその日はなぜかふと目がいった。
思いがけなく目を通しただけだったがその広告欄にあったある一つの
広告に目がいった。
まさか・・それが私の人生をかえることになるなんて・・
その広告には・・・
≪来たれ!新規希望者≫のどでかい見出しでかかれた兵団の新規募集
だった。
ちょうどその時期は兵団の新規志願者の受付をした時だった。
そしてその見出しの後には・・
12歳以上なら誰でも志願可能。学歴、職業、性別不問
女性も幅広く活躍中!とあり訓練期間中にかかる諸費用はすべて無料
ともあった。
その綴られた言葉は村を心底出たいと思っていた少女を駆り立てる
には十分すぎた。
学歴のない私でも志願できてその上女性も活躍している・・
そして訓練費用も無料・・親にも金銭面で負担はかけない。
そして成績上位者に入れれば憲兵団入りして内地での豊かな安定した
生活ができる!
これだ・・これしかない!これでやっと村を出られる!
正当な口実を理由に村を出られるのはこの機会だと一瞬で悟り
私は大喜びした。
両親にも相談したが、当然のごとく猛反対された。
「いつ、死ぬかもわからない職場でお前にできるわけがない」
だとか・・いろいろ言われたっけな:・・
でも、私も引き下がれなかった。だって私の人生なんだから
自分できめさせてといわんばかりに両親を再三説得した。
結局志願の〆切が近づいても親の了解は得られなかった。
どうしても行きたかった私は最終的に・・
「訓練にかかる三年だけ待って!ダメで送り返されたらおとなしく
家業を継ぐから」とだけ書き残して親の反対を押し切って
単身、街へと出て行った。
だがそれがそもそもの間違いだった。今思うとおとなしく家業を
継いでひそかに生活したほうがよかったと思うことが多々あるから。
でもいまだにあの時の判断は後悔していない・・だって常人では
考えられないような数多くの経験が出来てきたから・。
おっと話をもどそう。
訓練当初は村から出られた喜びと訓練に対する意気込みで心ははずんでいた。
しかし、訓練がそんな考えはもろくも崩れ去るのであった。
訓練は何をするにも男女一緒で男でもへばるような訓練を女からと
いってハンデとかそういう概念はなく一緒にやらされた。
そしてとてつもなく厳しかった。
どのくらい厳しいかというとその厳しさのあまり死人がでるほどだ。
あとで聞いたら毎年2、3人は必ず死人が出るそうなのだが
私の年はとりわけひどかったらしく4,5人はいたという事だ。
そして、こいつはこれからの訓練でついていけないと分かった時点で
即、強制送還か開拓地送りにされるというからおっかない。
まぁ、そんな厳しい訓練でも幼い頃からずっと重労働の家業を
手伝っていたせいか最初から体力には自信があった。
そのため、体力部門では女であれど並みの男以上の成績は残せたし
上位にも食い込めた。
しかし、生まれてこのかた、いかんせん一回も勉強というものと
無縁な生活をしてきた私には
座学?ナニソレオイシイノ?状態で
何一つわからず壊滅的だった。
なので、体力では上位に食い込めても座学が足を引っ張り
一年目終了時での総合成績は230人中160位くらいだった。
それでは優先的に選択権が与えられる上位十名なんか夢のまた夢
だった。
だが上位十名に入れればそれこそ内地での安泰した生活が約束され
自分の夢に描いた都市での悠々自適な生活ができる・・。
そのためだけに2年目からは壊滅的だった座学も奮起して友達を
で頼りながらも
頑張った。そして平行に体力部門・・立体起動操作なども頑張った。
そのおかげか座学も中の上くらいには入れるようになった。
ただどれほど死ぬほど努力しても体力でも一位にはなれなかった。
それは運悪く同じ同期に100年の逸材と言われ後に人類最強の男
までといわれる「リヴァイ」とかいうやつがいたからだ。
男なのに私より小さい160cmしかないチビでその上元有名な王都の
元ゴロツキで性格は冷静だが冷淡、口調は粗暴・・自己中。
みるからに最悪な人間だが能力の高さは他人を凌駕し
訓練当初から鬼教官で名高い「キース」をうならせるほどの成績で
入団当初から天才、神童ともてはやされ体力、座学ともぶっちぎりの
一位・・一位・・一位・・
兵団創立当初から史上最高の逸材であった。それは実践にでても
どんな強い巨人でさえその男の前では無力だと言わしめたほどだ。
巨人に苦汁をなめつづけてきた人類には貴重すぎる新戦力であり
将来有望であった。
名門一族の出て不自由なく生活してきてその上史上最高の天才だって!?
そんな誰もが羨むサクセスストーリーを歩む彼に私は嫉妬していた。
- Re: 進撃の巨人〜外伝〜 とある一兵士の見た世界 ( No.2 )
- 日時: 2013/05/29 21:23
- 名前: Banira (ID: 1CRawldg)
全然私とは違う人生を歩む彼に同じ人間・・同期として
一度でいいから負かしたかった。
でもその野望は彼の前では簡単に崩れ去った。
私がどんなに努力して試験でいい結果を出そうが授業はまじめに
うけないくせに彼は一発本番のテストで私の上をいった。
だけど、サポート面・・つまり討伐補佐の部分では彼は他人に
花をもたせるなんて興味はないらしく私がいつもトップだった。
しかし、そんな一科目でトップをとれたとしても彼には何も影響は
ない・・
総合成績一位はずっとリヴァイであった。
三年間いちどもくつがえらず・・
しかし・・世間からは壁外に出れば新戦力間違いなしの呼び声の
高かったリヴァイもどうやら本心は憲兵団志望だったらしい。
そりゃそうだ、新兵の5割が死ぬといわれる壁外調査を行い
それゆえその当時はその成果が乏しかったことから国民からは
≪税金の無駄≫と揶揄される調査兵団にでも入ってすぐに喰われて
ハイ、人生終了・・・なんてことになったらたまったもんじゃない。
実際私も死亡率が圧倒的に高い調査兵団になるくらいならまだ
地方の都市で壁を修理しなが治安を維持する駐屯兵団の方がよかった。
そして・・その日はやってきた。三年間の成果が発表される
最終結果発表の日である。
大きな紙に卒業できた人数分の名前が順位の順番にズラーとかかれ
優先的選択権が与えられる上位10名は別途の紙に発表されていた。
一位は打倒のリヴァイを除けば、残りの9人に入れる可能性は
なくはなかった。その直前の結果は総合9位だったし・・
私は最後の望みにすべてをかけ結果発表をまった。
運命の最終結果発表・・
上位十名に私の名前はなかった。
卒業できた180名中12位...もっとも中途半端であった。
ちなみに一位は言わずもがな。
正直その時終わったと思った。憲兵団に入るためにこの3年間頑張って
きた努力とはなんだったのか。
あの時の悔しさといったらすごく深いものだった。
その最終結果発表の後すぐは卒団式があったため泣きたい気持ちを
羞恥心で抑え仲の良い女友達には無理に笑顔作って
「あ〜やっぱり私にはダメだったよー」
なんて言って強がっていた。
キースにも心中を察しられて
「残念だったな・・。あんなに努力してたのに。でもお前はよく頑張った」
とか定例の慰め文句で話しかけれられた時も教官の前で醜態は
さらしたくなかったので
「いえ・・自分の力が足りなかっただけですから」
気丈にふるまった。
あっその仲の良い友達、ハニナ=ヴェルカは私よりも優秀な5位で卒業
し・・私には当時「ごめんね・・。でもハーブの分まで頑張るよ」と
言いながら憲兵団に志願。
でも別に私は彼女のことは恨んでいない。だってハニナ楽するために
憲兵団に入るためじゃなくて王にこの身をささげ国に身をささげる
っていう強い意志をもって志願した。内地での安泰な生活に目を奪われ
楽するためっていう理由で志願した輩とは全然違うから。
ただ・・私よりも倍高い賃金を与えられさぞ裕福な生活をしているのは
すっごく羨ましいけど・・。
そして・・卒団式が終わった夜。私は卒業パーティーには顔を出さず
宿舎で一人こもって泣いた。
その時までとどめていた涙が洪水のようにあふれだしてきた。
だれかにこの複雑な思いをぶつけることはできずベットの中で泣いて
泣いてなきまくった。
悲しみの置き場をどこにしたらいいかもわからずに・・
このまま村へ帰ろうかとも思ったがそれこそ本当に3年間の血のにじむ
努力はなんだったの?ってなるし
まだ村へ帰る気はないし第一に心配をかけた両親にあわせる顔がなかった。
そしてなやみたどり着いた答えが
「そうだ・・駐屯兵団に志願しよう。賃金は安いけど地方の都市で
壁を修理し街の平和を維持しながら都市でひっそりくらせる」
とまぁ・・その時は壁が破られる前だったしぶっちゃけると駐屯兵団も
今でさえやれ戦えだのうるさいが壁の修理や街の警察の仕事以外では楽な仕事ばかりで昼から酒を飲めるなんてこともあった。調査兵団も脳裏によぎったが、若いのに死ぬなんてごめんだったし、とにかく眼中には無かったといっておこう。
そしてその日の手紙で両親には
無事卒業できた報告とあわせ憲兵団には無理だったが
駐屯兵団に志願し国に尽くしますとしたためて送った。
しかし・・翌日・・。考えもしないことが起こった。
突然・・鬼教官キースに呼び出された。教官室に行くと
そこには同じくリヴァイも呼び出されていたらしい。
歴代史上最高の成績で卒業しとっくに憲兵団に志願してたと思ったが.
リヴァイと一緒!?ってだけで驚いたがキースの
放った一言にはもっと驚いた。
「エルヴィン団長がおよびだ」
脳内の思考回路が一瞬止まった。
「え..エルヴィン団長が....」
リヴァイならまだ分かる。どうせ憲兵団志望の彼を
調査兵団に引き抜きたいからだろう。
世間も早く調査兵団で実戦を!って声が強かったし
彼には悪いが人類にとっても最善の選択だから。
ただ彼と同時にただの一兵卒の名も無い女訓練兵に当時は雲の上の存在だった調査兵団団長エルヴィンが
声をかけるなんて信じられなかった。