二次創作小説(紙ほか)

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【銀魂】 真選組女中の非日常 【原作沿い】
日時: 2015/03/09 14:31
名前: 星名 ◆iUiUYbrqM6 (ID: pLBaa8kf)


1年前に止めてしまった物語。
また書きたいと思ったので、1からリメイクしようと思います!

▼ 注意
# 真選組メイン
# 原作/アニオリ沿い(時々主オリ)
# 主人公はオリキャラ
# 全体的にくだぐだ
# 下ネタもちろん
# 原作沿いでも変えてる場面あり



▼ お客様
花火様
楼蘭様
ねね様
吏影様
瑠々様
リーフ様

_

Re: 【銀魂】 真選組女中の非日常 【原作沿い】 ( No.38 )
日時: 2015/03/02 23:13
名前: 星名いちか ◆iUiUYbrqM6 (ID: pLBaa8kf)



久しぶりの更新ついでに改名報告。
やっぱりいちかという名前が安心する。ので
星名いちかにしちゃいました。
今後ともよろしくどうぞ!

Re: 【銀魂】 真選組女中の非日常 【原作沿い】 ( No.39 )
日時: 2015/03/03 01:25
名前: 星名いちか ◆iUiUYbrqM6 (ID: pLBaa8kf)




第4訓 男なら真っ向勝負で (2)





「なんですって?斬る!?」


土方さんのいきなりの発言に、私と沖田さんは少々目を丸くした。


「ああ 斬る」


バッサリと。

電柱に無造作に貼り付けられた例の張り紙を剥がしながら、彼は言い切った。


「件の銀髪の侍ですかィ」
「でけーことになる前に俺で始末する」


その剥がした紙をくしゃりと丸めては、沖田さんの持つバケツの中にポイ。
そのバケツには既に丸まった紙の山が出来上がっていた。


「土方さんは二言目には『斬る』で困りまさァ」


あ、あっちにも張り紙。
こっちにも張り紙。

思った以上に張りまくってんなアイツら。


「…銀髪の侍か」


はがした紙に殴り書きされた、銀髪の侍の文字を眺める。


待って。私どっかで銀髪の男の人見なかったっけ?喋らなかったっけ?
それもすごく最近の話。
なんとなくポケットの中に手を入れてみる。と、そこに小さな紙があった。


「名刺?」


万事屋 坂田銀時



「マジで殺る気ですかィ?銀髪って情報しかこっちにはないってのに」
「近藤さん負かすからにはタダ者じゃねェ。見ればすぐ分かるさ」

「あああ!分かったァァァ!!」


そう叫んでは、立ち止まっていた私を置いて先を行く二人の背を追う。
分かった!私分かったよ!


「オイいきなり大声出すんじゃねーよおま…」
「おーい兄ちゃん、危ないよ」


土方さんにその名刺を見せようとしたその時、不意に頭上から気だるげな男の声がしたと思い顔を上げると、骨組みの木の束が土方さんへと降ってきていた。


「うぉわァアアアァ!!」


幸いにも私は彼の後ろにいたので直撃しそうになるということはなかったのだが。


「あっ…危ねーだろーがァァ!!」
「だから危ねーっつったろ」
「もっとテンションあげて言えや!わかるか!!」


地に尻餅をつきながら怒鳴る土方さん。
そしてそれを面倒臭そうに受け答えながらハシゴを伝って屋根から降りてくる男。


「うるせーな。他人からテンションのダメ出しまでされる覚えはねーよ」


あ、この声も。
聞いたことある。

そうだ。
お兄ちゃんが弟子入りしたいって、憧れだって言ってた人。
銀髪の 坂田銀時。


「てめーは…池田屋の時の…!」


土方さんと沖田さんも、坂田さんのことを知っているようだ。池田屋?っていうところで出会ってたのかな。

だが、それに対して坂田さんはいまいちピンと来ていないのか、覚えていないのだろう。


「…えーと。君 誰?」


そう言って少し考えた後に、「あ…」と土方さんの肩に手をかける。


「もしかして多串くんか?アララすっかり立派になっちゃって。なに?まだあの金魚デカくなってんの?」

「…多串くん?」


なにそれ、土方さんの本名?
土方ってまさか偽名?

理解に苦しみ、首を傾げる。
すると今度は私と坂田さんの目が合った。


「よう、テメーはさすがに覚えてるわ。えーと確か甚平女ちゃんな。ウン」


「オーイ!!銀さん早くこっち頼むって」
「はいよ。じゃ多串くん達、俺仕事だから」


屋根の上からしたおじさんの声に、坂田さんはまたハシゴを登っていってしまった。


「鈴なんですけど」


なんて訂正する暇もなく。


「甚平女ちゃん、お前銀髪の侍と知り合いだったのかィ」
「誰が甚平女だそのまんまじゃねーかコノヤロー。…まあハイ、ついさっき思い出しました」


先ほど見せようとした名刺を出す。


「万事屋、坂田銀時…。総悟、ちょっと刀貸せ」


名刺の名前に目を通した後、その坂田さんが登っていった屋根の上を見据えては沖田さんの刀を要求する。

不思議そうな表情をしながらも、黙って刀を渡す沖田さん。土方さんはそれを受け取るとハシゴに足をかけた。


「殺る気満々ですね、あの人」


そう言って沖田さんを振り返る。
が、彼はそこにいなかった。
キョロキョロと辺りを見回すも姿はどこにもない。
いつの間に消えたのだろう、と頭に浮かんだ疑問符を消し飛ばすかのように、上からガキィィン!と鈍い音が降ってきた。
喧嘩勃発。…喧嘩どころじゃないか、あの人斬るとか始末って言ってたし。
そんなことを思いながら屋根を見上げようとしたと同時に。


「いっだァァァ!」


何か固いものが頭に直撃し、脳みそを揺らす。
地面に落ちたそれを見てみるとそれは刀の鞘だった。おそらく土方さんが投げ捨てたのだろう。

大きく舌打ちをしては土方さんへの恨みを募らせるこの間にも、侍同士の斬り合いは続いている。
しかし刀と刀がぶつかり合う時に起こるはずの金属音がこれまで少しも聞こえていない。聞こえるのはドタドタと駆ける音、瓦の割れる音くらいだ。

確かに土方さんは鞘から刀を抜いたはずだ。(じゃないと私の頭に墜落したりなんかしない)
じゃあ、坂田さんが刀を抜いていない…?










しばらくすると、刀の折れるような音が聞こえた。
つい先ほどまでうるさかった屋根の上が嘘のように静かになる。

恐る恐る、ハシゴをよじ登ってみては顔を出す。屋根瓦は想像以上に破壊されており、その中の崩れていないところに土方さんは仰向けに寝転がっていた。


「土方さん!大丈夫ですか」
「別に動けなくて寝てるわけじゃねーよ」


そばに駆け寄る。よく見れば土方さんの体には傷ひとつ無く、かたわらに折れた刀だけが転がっていた。



「決着つけられちまった。俺の負けだよ」
「強かったですか?」
「あぁ、ありゃナメてかかるもんじゃねェ」


相手を殺す事が強さではないと。
お兄ちゃんが坂田さんの中に見つけたもののひとつなのだろうか。





( っし、帰るか )
( 多分まだ張り紙はがし切れてませんよ )
( …… )


Re: 【銀魂】 真選組女中の非日常 【原作沿い】 ( No.40 )
日時: 2015/03/09 14:30
名前: 星名いちか ◆iUiUYbrqM6 (ID: pLBaa8kf)




とある日の夕下がり。
食堂を訪れる隊士たちのために厨房にこもってはご飯を作りご飯を配り、と飯時は毎日忙しい。
そのピークを乗り越えひと息つくことが出来たが、佐藤さん始め先輩女中のみんなが表情を緩めることはなかった。

「さあ鈴ちゃん。今からお弁当作りよ」
「お弁当?」
「そう。あの人達毎年お花見に行くんだけど、それが明日だから」


仕事しろよ。


そうして徹夜して完成した花見用のお弁当。
なんと三段重箱が五つ分。


「お弁当は食堂に置いておくから忘れずに持っていってくれって、上の方に言っといてくれないかい?」
「はい、わかりました」
「今はもう遅いから、明日の朝にでも」


上の方、というと近藤さんや土方さんあたりか。忘れないようにしないと。

そうしてその日は午前1時頃やっとこさ眠りについた。



第5訓 花より仕事 (1)



「近藤さん、おはようございます」
「おはよう鈴ちゃん!今日は絶好の花見日和だな」


翌朝、厠を済ませ廊下へ出ると、同じように厠を済ませたらしき近藤さんと鉢合わせた。ちょうどこれからお弁当のことを局長室へ言いに行こうとしていたところだ。


「いいなぁ、楽しんできてくださいね。お弁当は食堂に置いてますから」
「ああ、ありがとう。なんなら鈴ちゃんもどうだ?一緒に」


その言葉に、私は目を輝かせる。
近藤さんがマトモな人間に見えた瞬間であった。

行きたい、お花見。
超行きたい。のだけれど。


「行きたいんですけど、今日は仕事があって」
「ありゃ…そうか、それは残念だ」


眉を下げて困り笑いを浮かべては、がしがしと頭をかく近藤さん。
気持ちは充分伝わったよ、土方さんならそんなことすら言ってくれないだろうから。

日頃の疲れを癒してきてください、ありがとう、と言葉を交わしては近藤さんと別れ今日も一日仕事が始まる。










「ああ、いいところに!」


春の陽気が感じられ、冬の時期は辛かった洗濯干しも苦ではなくなった。むしろ太陽が気持ちいい。
陽の暖かさと洗剤のフローラルな香りに包まながらせっせと洗濯物を干しているところに、先輩女中が現れた。


「どうかしたんですか?」
「あの人達、お弁当忘れていったみたいで。届けてくれないかい?」
「マジですか」


ちゃんと言ったのにゴリラおい。

食堂へ向かうと、配膳台の上にぽつんと置かれた三段重箱×5。


「え?待ってコレ私一人で持っていくんですか?」


食堂の中で洗い物をしている佐藤さんに素朴な疑問をぶつけてみる。
すると佐藤さんは手は休めないまま顔だけをこちらに向け、満面の笑みを浮かべこう言った。


「アンタならいけるさ」


ふざけてんのかこのババア。


思わず口から漏れそうになった言葉を慌てて手でふさぎ飲み込む。



Re: 【銀魂】 真選組女中の非日常 【原作沿い】 ( No.41 )
日時: 2015/03/10 23:59
名前: 星名いちか ◆iUiUYbrqM6 (ID: pLBaa8kf)





佐藤さんにはどうやっても頭が上がらないので、とりあえず弁当を二つと三つに分けそれぞれ風呂敷で包む。
するとアラ不思議、荷物は背負って抱えれる風呂敷二つという手軽さに……


「おっも!!」


なってねェ!



第5訓 花より仕事 (2)



「鈴!どうしたんだよその大荷物!」


時折ふらつきながら何とか公園を目指して道を歩いていると、後ろから聞き覚えのある声が。
顔を向けてみれば実の兄が心配そうな顔でこちらを見ていた。


「もしかしてクビにされて追い出されたとかか!?」


なんで第一にその考えが浮かぶんだよ。


「むしろ絶賛仕事中だけど。みんながお弁当忘れて行っちゃったから届けにね」
「あ、お弁当か。もしかして花見?」


こくりと頷き肯定すると、兄は「俺も」と笑顔を浮かべて私の腕にかかえている風呂敷を持った。


「結構な重さだな、お前コレ二つも運んでたのか」
「我ながらすごいと思う」
「ウンすげーよ、疲れてるだろうから両方持ってやる」


なんたる優男。血が繋がってなければ惚れていたかもしれない。
正直重すぎて肩がへこみそうなので、ここはお言葉に甘えてしまおう。

背負っている風呂敷を腕に抱えなおしては、兄の持つ風呂敷の上へ乗せる前に今一度確認をとる。


「重いよ?」
「鈴が持てたんなら余裕だって」


兄の爽やかな笑顔は、私が風呂敷を重ねたと共に崩れ去った。


「ア゛ア゛ア゛!!腰が!逝く!!」










「……ゴメンな、情けねェよ。ついでに妹に負けて悔しいよお兄ちゃん」
「気にしないでよ」


兄の力を超えてしまった私だって女の子としてなかなか傷付いてるから。

結局お弁当の入った風呂敷は二人で一つずつ持ち歩いて行くと、花見会場へと到着した。
桜の木が満開の状態で土地いっぱいに咲き誇っている。その下にはたくさんの人が楽しそうに宴会やら何やらをしていてとても楽しそうだ。

近藤さんたちを探すため、会場内を探し回る。


「すっげー人だな」
「そう言えばさっき、俺もって言ったけどお兄ちゃん一人でお花見するの?」
「ちげーよ、お妙ちゃんに呼ばれたの。午前中はバイトだったからさ」


「「斬ってかわして」」
「「ジャンケンポン!!」」


兄の話に相槌を打っていると、前方から聞き覚えのある声と物騒なかけ声が聞こえた。

多数の人間が群がっている。
…ん?ていうかアレ真選組の人らじゃね?

重い風呂敷を落とさないようにしながら隊士たちの間を割って入っていく。


「とったァァァァ!!」


やっとこさ先頭へ顔を出せば、物凄い速さで桜の木を切り倒す坂田さんの姿が。


「心配するな、峰打ちだ」


…え?


「てめェさっきからグーしか出してねーじゃねーかナメてんのか!!」


そして向かいにはものっそい大きさの白い犬(なんだあの生き物)に向かって怒鳴る土方さんの姿が。


「…何してんの?」

「あっ…鈴さん、玲さん」


状況が読み込めずに呆然する私たちに気付いた新八くん、そしてザキさんがこちらへ駆け寄る。


「花見の場所取りで叩いてかぶってジャンケンポン大会が開かれたんです」
「でも、近藤さんは戦闘不能、沖田さんとチャイナさんは勝負がつかずで。万事屋の旦那と副長も酔って勝負どころじゃないし」


新八くんとザキさんは揃ってため息をついた。そして私の腕にかかえる風呂敷を見ては目を丸くする。


「あ、鈴ちゃんお弁当持ってきてくれたんだ。ゴメンね、重かったろ」


ザキさんは私の腕から風呂敷を取り持っては、それをレジャーシートの上へ置いた。


「いえいえ。お兄ちゃんにも手伝ってもらいましたし大丈夫です」
「お兄ちゃん?」


きょとり、としては私の隣に立つ兄に目を向けるザキさん。
その顔はまさに「お前兄ちゃんいたのマジかよ」という顔だ。


「あ、俺、山崎退っていいます」
「御白玲です、妹がお世話になってます。…と、お近付きになるために一緒に飲みません?」
「いいですね。ほら新八くんも、鈴ちゃんも」


そう言ってザキさんが私と新八くんの手首をつかむ。と同時に私の手首からザキさんの手が離れ、代わりに兄の手につかまれていた。

一瞬の間に何が起こったかは分からないが、見上げた兄の顔には笑顔が浮かんでいた。


「鈴はお酒飲めないよな、あずきサイダーが好きなんだっけ」
「…?うん」

「「……」」


一方、ザキさんと新八くんは顔を真っ青にして冷や汗を垂らしていた。





( 帰って仕事があるんだけどなぁ )

( ……まぁいっか!! )



Re: 【銀魂】 真選組女中の非日常 【原作沿い】 ( No.42 )
日時: 2015/03/12 18:13
名前: 栗 ◆SP2x20OfXU (ID: pLBaa8kf)



初めまして!
1話から最新話まで読み終えたところです(`・ω・´)
とりあえず鈴ちゃんが好みすぎてつらいです。
そして玲お兄ちゃん、もしかしてシスコン…!?!?笑
これからも更新頑張ってください、応援してます!


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