二次創作小説(紙ほか)
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- 【銀魂】 真選組女中の非日常 【原作沿い】
- 日時: 2015/03/09 14:31
- 名前: 星名 ◆iUiUYbrqM6 (ID: pLBaa8kf)
1年前に止めてしまった物語。
また書きたいと思ったので、1からリメイクしようと思います!
▼ 注意
# 真選組メイン
# 原作/アニオリ沿い(時々主オリ)
# 主人公はオリキャラ
# 全体的にくだぐだ
# 下ネタもちろん
# 原作沿いでも変えてる場面あり
▼ お客様
花火様
楼蘭様
ねね様
吏影様
瑠々様
リーフ様
_
- Re: 【銀魂】 真選組女中の非日常 【原作沿い】 ( No.33 )
- 日時: 2014/09/26 00:12
- 名前: 星名 ◆iUiUYbrqM6 (ID: lmEZUI7z)
「店長に言っとけ 味はよかったぜ」
銀髪の男はそう言い店を出る。
入り口に立っていた俺になど目もくれずに。
俺の隣を素通りして行く男の裾を、なぜか俺は無意識に引っ張ってしまっていた。
「ちょっ…ちょっと待って!」
第3訓 地元にテレビ局がくるとテンション上がる (3)
男が振り返る。
俺より少し背の高い彼は真っすぐとした瞳で俺を見下ろした。
裾から手を離し、そして深く頭を下げる。
「おっ…俺を 弟子にしてください!!」
自分でも何をしているんだろうと思った。
つい先ほど初めて見た男に、こうして頭を下げているなんて。
おまけに、弟子にしてくださいと懇願している。
「悪ィな、俺弟子とかとらねー主義なんだわ」
下げた頭の上から振ってきた返答。
慌てて頭をあげれば、男は店の側に停めていた原付にまたがっていた。
「そんなこと言わずに! なんとかっ」
ゆっくりと走り始めた原付を追う。
「あぁん? しつけー奴だな」
「一目惚れしたんだ、さっきのアンタの剣さばきに!」
「おま…一目惚れとかやめろって俺もその気があるみてェだろ」
「いやそういう意味じゃなくて!」
息を荒げながらも必死に原付の横を走る。
もう限界だ、というとこで、後ろの方から誰かの声が聞こえた。
「おいィィィィ!!」
走りながら振り向くと、先ほどの喫茶店で働いていたメガネの青年が物凄い形相でこちらを追いかけてきていた。
片手に血のついた木刀を握りしめている。…あれ、それって銀髪男のものだったような。
「よくも人を身代わりにしてくれたなコノヤロー!!」
どうやらメガネの青年は、知らぬ間に木刀を持たされ下手人とされたようだ。
必死に走りながらの考えだから合ってるか分からないけど。
「今時 侍雇ってくれる所なんてないんだぞ!! 明日からどーやって生きていけばいいんだチクショー!!」
ああ、おまけにバイトもクビにされたようだ。
メガネの青年が、銀髪男に向かって木刀を振り上げる。
すると銀髪男はいきなり急ブレーキをかけて止まった。
俺自身は原付の横を走っていたから無事だったが、メガネの青年は股間を原付の後ろに強打する。すごく痛そうだ。
「ギャーギャーやかましいんだよ腐れメガネ!!」
「ゼェ…あの、メガネくんは置いといて、ゼェ、ほんと弟子にしてください」
「オメーもしつこいわ!! しねェつってんだろ!!」
大江戸マートの自動ドアから買い物袋を提げたひとりの女の人が出てくる。
「新ちゃん? こんな所で何をやってるの? お仕事は?」
新ちゃんと呼ばれたメガネの青年は、その女性に声をかけられた途端顔を真っ青にして目を見開き、大袈裟に仰け反る。
「げっ!! 姉上!!」
「仕事もせんと何プラプラしとんじゃワレ ボケェェェ!!」
「ぐふゥ!!」
メガネくんの姉らしい女性は先程の落ち着いた佇まいから一瞬にして鬼の形相へと変わり、弟であるメガネくんの顔面にドロップキックをくらわせた。
その後も容赦なく立て続けにメガネくんに馬乗りになって殴り続ける女性。
よほど家計がピンチのようだ。
俺の本能がコレはヤバいと悟る。
見ると銀髪の男もいそいそと原付に乗り走り出そうとする。
よし、俺も逃げよう。
「まっ…待って姉上、こんなことになったのはあの男のせいで…」
メガネくんの苦し紛れながらの声を聞き流し走り出そうとしたその腕が、
あれ、動かない。
振り向けばあの鬼のような女性が端正な笑みを浮かべながら俺の腕をつかんでいた。
「ちが、メガネくんの言ってるのは俺じゃなくて…!!」
弁解も虚しく、俺は女の勢いある拳を鳩尾に受け一発KOとなった。
「……ん」
ぱちりと目が覚める。
見知らぬ天井が見えた。
「ずいぶんと長く気を失ってましたね。いえ、眠ってたのかしら」
隣から聞こえた女性の声。
目を向けると見覚えのある女が優しく微笑みながらこちらを見ていた。
横たわった覚えのない布団からむくりと起き上がると、鳩尾にズキリとした痛みが走り思わず上半身を屈ませる。
ああ、そうだ、俺この人に鳩尾殴られて気絶して……それで、それで?
そこからの記憶が全くない。
ふかふかの布団、屋敷の一室、そしてこの女性。この女性の住む家であると考えるのが妥当だろうか。
そんなことを思いながら首を傾げる俺に、女性は頭を下げた。
「ごめんなさい、貴方は何も悪くないのに私ったら気持ちが先走っちゃって…」
「え? …や、気にしないで、大丈夫だかから」
先走ったどころじゃない気がするけど。
鳩尾余裕で痛いけど。
「私、志村妙と申します。なぜ貴方は新ちゃん達と一緒にいたんです?」
「御白玲です。…ええと、それは」
俺は江戸へ来た理由から喫茶店であった出来事、そして銀髪の男のこと全てをお妙ちゃんに話した。
するとお妙ちゃんはきょとりと目を丸くして頷く。
「そうだったの、貴方もあの人に何かを見つけて…」
「…も?」
「ええ、新ちゃんもあの銀髪男に惹かれるものを見つけたようで」
俺が気を失っている間に何があったのだろうか。
…いや、今はそこを気にしている場合ではない。
あの男を探さなければ。
「そういや、その男は…!?」
「さあ…新ちゃんが着いて行きましたけど、私にはどこに住んでるのか…。ああ、そういえば名刺を貰ったわ」
お妙ちゃんは眉を下げ首を傾げるも、思い出したように手を叩き合わせては懐から一枚の小さな紙を取り出し、こちらへと差し出す。
万事屋 坂田銀時。
よろず、とはいわゆる何でも屋といったところだろうか。
端の方にはその店の住所も表記されている。
ここに行けばあの人に、銀時さんに、また会える。
「俺行ってく…いっだァァ!!」
鳩尾が痛いことをすっかり忘れて立ち上がろうとすればまた鈍い痛みが走った。
ホントどんだけ力強く殴ったんだよお妙ちゃん…!!
「無理しちゃダメですよ、新ちゃんももうじき帰って来るだろうし、また明日にでも一緒に行けばいいじゃないですか」
「明日まで世話になるわけにはいかないよ」
「江戸の方ではないなら、行く宛がないんじゃないですか?」
「まあ…そうなるけど」
お妙ちゃんは小さく微笑む。
「良いわ。玲さん、ここに住んだらどうかしら」
「え? …いいの?」
「もちろんタダ飯食わせるわけにはいかないので、その分働いてもらうことになりますけど」
微笑みを崩さず紡ぐその言葉には、稼がなかったらもっとボコボコにさせるぞというメッセージが暗示させられているように感じた。
「は、ハイ…!!」
あの時の新ちゃん、もとい新八くんのようにはなりたくない一心から俺は何度も頷いた。
( …とまあ、こんな感じでお妙ちゃんと新八くんの家に厄介になってるわけ )
( そんなことがあったんだね。…で、鳩尾はもう大丈夫なの? )
- Re: 【銀魂】 真選組女中の非日常 【原作沿い】 ( No.34 )
- 日時: 2014/09/26 19:05
- 名前: リーフ (ID: Zxn9v51j)
いちか様だね? いちかの姉御だねっ!?
いやはや久しぶり。あの時は、アニメ好きとか、桜舞姫とかって名乗ってたんだけど覚えてる?
そしておかえり、『真選組女中』!
鈴ちゃんとザキさんの一方的ギャグとか沖田さんとのナイスコントとか、土方さんとのちょっといい雰囲気…からのーギャグとか!
全部が大好きでした!
また、面白くって暖かい物語を待ってるよっ!
- Re: 【銀魂】 真選組女中の非日常 【原作沿い】 ( No.35 )
- 日時: 2014/09/27 00:23
- 名前: 星名 ◆iUiUYbrqM6 (ID: wJnEuCOp)
>リーフ
いちかです! いちかですよ!!!
もう当たり前に覚えてる!久しぶり!!(;_;)
そしてただいま…!まってそんなこと言われたらホントによく読んでもらえてたんだなって嬉しすぎて泣きそうになる笑
頑張る! ありがとうございます!!
- Re: 【銀魂】 真選組女中の非日常 【原作沿い】 ( No.36 )
- 日時: 2014/11/30 23:57
- 名前: 星名 ◆iUiUYbrqM6 (ID: jCCh2JPd)
「じゃ、次は俺が質問しようかな」
兄はウーロン茶を飲み干すと私へと目を向ける。
「これまたなんで真選組の女中になったんだ?」
第3訓 地元にテレビ局がくるとテンションあがる (4)
少しポカンとした。
まず聞かれることは、なぜ江戸に来たのか、だと思っていたからだ。
目の前の兄はくすりと笑った。
「ああ、江戸に来た理由は分かるよ。俺を追いかけてきたんだろ?」
なるほどお見通しというわけか。
的中されて少し気恥ずかしくなる。
「鈴も行くー、なんて小さい頃言ってたもんな」
「そんなの言ったっけ」
あんまり覚えてないや。
「お兄ちゃんが武士になりたいって言ってたから、廃刀令のご時世でも刀を持てるのは真選組かなって」
真選組とは真反対の存在…攘夷浪士、だっけ。その人たちも刀を持っているらしいけど、簡単に会うことは出来ないし。
だが、そんな考えも全て外れていた。
真選組でも攘夷浪士でもない、坂田銀時という一人の男に兄は着いて行っていた。
これでは私は本当に何のために真選組という組織のもとで働き始めたのか。
私の中で、希望が義務に変わってしまったような気がした。
「…もっとよく考えて、真選組に入る前に会えてたらよかったかな」
ポツリと呟いた私の言葉に、兄は首を横に振った。
「お前はそのままでいな、鈴」
「…どうして?」
「俺が銀さんに惹かれるものを見つけたのと同じように、鈴もあの人達に何かを見つけるさ」
私が、真選組の人達に惹かれるものを見つける?
近藤さん、土方さん、沖田さんと、真選組の中心である人物達の姿を思い浮かべる。そしてそれぞれの良い所悪い所を考えてみるも、イマイチ浮かんでこない。
それもそうだ、まだ皆と一週間も過ごしていないのだから。
あの人達を知るには、語るには、まだまだ時間が足りない。
これから見つけていけるだろうか。
彼らとうまくやっていけるだろうか。
「…うん、私頑張るよ。色々と」
「おう。兄ちゃんはいつでも鈴の味方だからな!」
そう言って優しい笑顔を浮かべる兄。
何だかほろりと来てしまいそうだった。
「…さて、今日は一旦帰るか。鈴も忙しいだろ?」
「サボって来ちゃったから、まずはお説教かな」
青筋を浮かべてカンカンに怒る佐藤さんが簡単に想像出来た。
席を立ち、レジへ行く途中に坂田さん達のいるテーブルへと向かう。
確か近藤さんも出てきてたよな。あれは一体どうなったのだろうか。そんなことを考える。
が、そこに皆の姿はなかった。
「あれ、どこ行ったんだろ。帰っちゃったかな」
兄と私は首を傾げては疑問の残ったまま会計を済ませ店を出る。
「俺あっちに寄る所あるから。またな鈴、頑張れよ」
「うん、お兄ちゃんもね」
手を振り合い兄と別れれば、互いに別方向へと歩き出す。
これから怒られることを考ると私の心は曇り空だ。空はこんなに晴れているのいうのに。
店から屯所までの途中に、大きな渡り橋がある。そこはなぜか人だかりが出来ていて、どうやら橋の下の川か砂利道を見下ろしているようだ。
その人だかりを後ろから訝しむように見つめる土方さんの姿が。
「土方さん! 何なんですか、コレ」
「お前なんでこんなところにいるんだよ。…さあな、何の騒ぎだ?」
土方さんは近くにいる男に尋ねる。
「何でも女取り合って決闘したそうですぜ」
「女で決闘だァ?」
「そんな漫画みたいなことあるんですね! 私もいつかあるかも」
「安心しろ、一生ねーから」
「ムカつく」
私の言葉を無視して人と人の間に割って入っていく土方さん。
それを追うように私も人だかりの中へと突っ込んでいった。
「くっだらねェ、どこのバカが…」
土方さんが吐き捨てるように言い、橋の下へと目を落とす。
砂利の上に、仰向けで大胆にふんどしを見せながら倒れるゴリラっぽい男が一人。
「「近藤局長?」」
そう、まさに真選組の顔。
近藤局長であった。
…なるほど。
あれから二人は決闘したんだ。
あれ、ということは坂田さんもお妙さんのことが好きなのかな?
いや今はそんなことより、近藤さんだ。
負けてどうするんだよ、オイ。
「近藤局長? あれが真選組の局長、近藤勲さんですか?」
隣から聞こえた声に、そちらを向く。
するとテレビ用の撮影カメラを構えた男が、近藤さんの姿を撮っていた。
そういえば今真選組に取材きてたんだっけ。
「…って撮っちゃダメでしょこれは!」
「バカ何撮ってんだ!」
慌てて土方さんと私はカメラさんを止める。こんなのが放送されたら真選組の面目丸潰れだよ!
( とりあえず近藤さんを連れ帰るぞ! )
( ラジャー! )
- Re: 【銀魂】 真選組女中の非日常 【原作沿い】 ( No.37 )
- 日時: 2015/03/02 23:10
- 名前: 星名いちか ◆iUiUYbrqM6 (ID: pLBaa8kf)
翌朝、これから会議室へ向かうと思われる近藤さんと偶然廊下で会った。左頬を大きく腫らしながらもいつもの笑みを浮かべている。
「おはよう!…鈴ちゃん?なんで目合わせてくれないの?」
「やだな、合わせてますよ。おはようございます」
第4訓 男なら真っ向勝負で (1)
もう手慣れてきた門前の掃き掃除。
いつものようにホウキを動かしていると、玄関からゾロゾロと黒い大群が姿を現した。
その先頭を切っているのはハゲ。じゃなくて、原田さん。
「どうしたんですか皆さん」
「御白か。お前もコレを町に張っていってほしい、頼んだぜ」
どうしたの問いには答えず、おもむろに私の手にチラシのようなものを十数枚ほど押し付けるといかつい大群は去って行ってしまった。
手元の紙に目を落とす。
そこには乙女である私には到底口に出せないくらい乱暴な言葉で”銀髪の侍”への挑戦状に似たものが書かれていた。
「頼んだぜって普通に嫌だ」
ていうかこんな事したら町から見た真選組の評判ガタ落ちじゃん。ウチらの大将負かされましたってメガホン片手に叫んでるようなもんじゃん。
……コレって結構ヤバいよね?
「土方さん!」
「テメッ副長室入る時は一言声かけてからって……その手に持ってんのなんだ」
スパァン!と勢いよく副長室の戸を開くと、そこには土方さんだけでなく沖田さんの姿もあった。二人の前に原田さんから貰った紙を置くと、土方さんは眉間のシワをより一層ひそめる。
「コレだ、例の張り紙ですぜ」
「アイツらこんなもの…」
どうやら彼らも今この話をしていたらしい。
「派手にやりまくってる割にゃ成果はサッパリみたいですけど」
「…どうするんですか?」
土方さんは深いため息をひとつつくと、その場から腰を上げて「行くぞ」とだけ言う。
「御白。お前も暇なら手伝え」
「別に暇じゃないですけど」
「昼から休憩入ってるだろィ」
「なんで知ってるんですか」
「お前のシフト誰が作ってると思ってんの」
「沖田さんが!?つーかシフト制!?」
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