二次創作小説(紙ほか)
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- あさきゆめみし〈薄桜鬼〉パロ
- 日時: 2016/09/08 17:59
- 名前: 小鈴 (ID: JQzgI8be)
はじめまして小鈴と申します。さて小説はこの話で三作品目になります。初めての作品は複雑、ファジー小説にのせています。よろしかっらそちらもお願いします。つきましては新しい話を書こうと思います。
薄桜鬼のメンバーを使わせていただきますが、駄文ですのでつっこみはなしでお願いします。
〈あさきゆめみし〉
設定。
時代背景は近未来。薄桜鬼のメンバーは軍人の扱い。主人公は少女。人と吸血鬼の話。
詳しくは書きながら付け足していく予定です。
オリジナル。
如月 芹〈きさらぎ せり〉リーダー。人。
浅黄 姫香〈あさぎ ひめか〉優しい娘。人。
桐谷 未羽〈きりたに みう〉顔つきを変えない。人。
立花 咲〈たちばな さき〉笑った顔しかできない。人。
天斗〈たかと〉吸血鬼の頂点に立つ男。残酷。吸血鬼。
和叉〈かずさ〉礼儀正しい。黒スーツ。吸血鬼。
東間〈あずま〉自由人。好きに生きる。吸血鬼。
今はここまでです。
- Re: あさきゆめみし〈薄桜鬼〉パロ ( No.19 )
- 日時: 2016/10/03 15:15
- 名前: 小鈴 (ID: JQzgI8be)
『私は何をしているのか』払いのけられた手の平を握りしめると目を閉じた。ゆっくりと息を吐いていく。
「すみません。余計なことをしました」
謝罪を口にしてから話し出す。
「なんてことはない日だったのです。友と出かけて家を空けていました」
今からあの日を話すというのは勇気がいる。幼馴染にも言っていないこと。感情を殺して。
「夜は吸血鬼が出るから出かけてはいけないと言われていたのに子供であった私たちに関係にないことでした」
昔を話し始めた咲に沖田は冷静になった。
「家に帰ってきたら全てが血に染まっていたのです。何が起きたのかわからなかった。父、母、兄、妹たちの遺体だけが転がっていただけだったのです。」
言葉を切った咲はそのことを思い出すだけで体が震えてくる。
息をすうと沖田の目をとらえた。
「赤羽。という吸血鬼でした。酷薄に笑って言ったんです。お前の兄、妹たちはまずいなって」
あの時を思い出すと私はいてもたってもいられない。ここでにこりと笑うと続きを言う。全てを隠して心で泣いている。
「私は生きているだけで罪です。」
「どうして・・・」
かすれた声を聞いた。
「どうして君だったのかな。いいや、違う。君の家が選ばれたのかな。」
ふざけた態度はそこにはなく、感がよく洞察力に優れていた。それが沖田である。
「人の中にまれにるそうです。吸血鬼に好まれる血をもって生まれる女の子供が私だそうです」
咲は笑う。にこりと。
「子供?」
子供といった何を意味するのか。
「子供は赤羽が好きだったのです。成熟した人の血は味が変わりまずくなるといっていました。」
「それはわかるけど今の君も子供にふくまれるのかな」
だったら面倒だよね。言ってくる。標的になるということは。
「15は子供にはいります。16になるときっと大人にはいるのでしょう。だから死にもの狂いで私を狙ってくると思います」
「だよね」
にこり笑う。
- Re: あさきゆめみし〈薄桜鬼〉パロ ( No.20 )
- 日時: 2016/10/04 23:05
- 名前: 小鈴 (ID: JQzgI8be)
「だとしたら君の存在は邪魔にしかならないよね」
沖田は薄っすらと笑い最新式の銃を懐から取り出してきた。狙いを咲きに向けてその目だけは殺意が込めたもののように鋭く細められた。消音機付き。何の感情も込められていない。
「それで全てが終わりにできるなら・・・」
こんな時ですら彼女は笑う。沖田なら迷わず引き金を引くだろう。満ち足りた顔になっている。これで本当に終わりにできる。嬉しいと微笑みを深くさせていく。
「いいですよ。少なくともこれでみんなを守れるのです」
だからととても優しく笑い最後の言葉を言う。
「殺して」
それがきっと正しいことなのだ。目の前にいる青年に全てを託す。目を閉じた。
沖田にとって簡単なことのはずだった。なのに何故か。人を殺すことも吸血鬼を殺すこともたやすいことだった。近藤さんのためになら僕は銃の引き金を引ける。なのに今、指が動かない。まるで呪いのようにのしかかってくる。手が震えてくる。そんなものさえ隠し沖田がかまえた。
『だめだ。その子を殺しては』頭の中で声が響く。『この子を殺したら後悔するのは僕自身だよ』頭が割れそうになった。畳の上に銃が落ちた。
「沖田さん。どうしたのです」
また手を伸ばしたらパチリと振り払われた。
何故か殺すことが出来ない。あれは自分の声だ。
本人は知らないこと。200年前の沖田総司だった。忘れていることだがこれはまさに運命の出会いだった。
沖田を見た時咲はなぜか無性に手を伸ばしたくなった。無意識に。払われた手に傷ついていた。わからないことだらけだった。
- Re: あさきゆめみし〈薄桜鬼〉パロ ( No.21 )
- 日時: 2016/10/06 14:54
- 名前: 小鈴 (ID: JQzgI8be)
畳に布団が敷いてありそこに一人の男が横になっていた。なんとなくわかるもう、この人の寿命は尽きようとしていると。それを見守っている人は妻であろう。必死に何か伝えようとしていた。
「・・・さん。ねぇ。お願い。私を一人にしないで」
名前だろう。よく聞こえなかった。頬を伝う涙の筋に薄れゆく意識の中でも必死に腕を伸ばして妻の頬の涙を払ってやる。男はまだ若く歳のせいで死ぬわけではないのだろう。体はひどく痩せており頬も痩せこけていた。病であろう。そっとその手を妻が握る。
「・・・。僕は約束する。今は君を置いていくのかもしれない。でも来世では君を迎えにいく。・・だから待っていて。」
それはまるで呪いの様だ。魂に刻んでいく。重くのしかかっていく。
「それは・・・随分と刻のかかることですね。」
それでも妻は泣きながらも笑う。両手で夫の手を握りしめながら祈るように目を閉じた。どうか少しでもいい生きていてと。最後まで夫のそばにいて微笑みを絶やさなかった。
「い、いやあああ」
しかい耐えきれずに泣き叫ぶ。自分の叫ぶ声で飛び起きる。
「咲ちゃん?」
突然叫び声を上げた咲にいぶかしみそばによってくる沖田。
自分の体を抱きしめてただただ一点を見つめて涙をあふれだしていく。
「どうしたの?」
近藤に頼まれているだけに迷惑なことだった。ソファの上で休んでいたはずなのに。少しもこっちを見ようとしない。
「ねぇ。こっちを見て」
苛立ちがつのって強い言葉で腕をつかむ。
「いかないで。私を一人にしないで」
夢から覚めていないのか。それともわからないことばかりだった。その顔を見ているとどうにも落ち着かない。
「一人じゃないでしょ。ここにいるよ。」
腕を伸ばすとすっぽりとおさまる。小さな体に驚いた。すると慣れたしぐさで腕をからませてくる。本当に何なのか。わからない。
「一体どうしたの君。」
泪に濡れた瞳が沖田を見た。
「これは夢?幻?でもこうして触れているのは本物のよう。」
「君。誰。」
気配に敏感な沖田がきずかないわけがない。警戒するように離される。
「総司さんではないのですか?」
と言った。また新しく涙が頬を伝っていく。
- Re: あさきゆめみし〈薄桜鬼〉パロ ( No.22 )
- 日時: 2016/10/10 09:07
- 名前: 小鈴 (ID: JQzgI8be)
言うだけいい目を閉じてしまう。それは本当にわずかな時間であった。沖田はじっと女を見下ろしていたが目を覚ます様子はなかったので仕方なく抱き上げてソファの上に移動させた。
斎藤は土方に言われていた。話を聞いてやれと、心から彼を尊敬〈敬愛〉をしていたので命令に従う。それが斎藤一という男である。ただ寡黙に信念を持って生きてきた。
「入ってくれ」と言われ無表情な顔のまま部屋に足を踏み入れる。未羽は何も感じていない。ただ従うだけそれでいいと思っていた。自身の気持ちなど後回しでかまわない。綺麗に整えられていた。
一つだけ不安がある。二人とも話すことが得意でない。無言の時間が続くことになる。
「・・・・」
「・・・?」
どちらも話をふらないのだ。少しも進まない。『たしかこの人は斎藤さんという名前だったかしら』一つ頷き『でも何も言ってくれない、どうして』それから無言が続いていく。焦れてくる。『な、何か言わねば土方副官にも頼まれているのだ』ごっほん咳ばらいをして居住まいを正す
「き、桐谷。何か話したいことはないか」
- Re: あさきゆめみし〈薄桜鬼〉パロ ( No.23 )
- 日時: 2016/10/11 21:06
- 名前: 小鈴 (ID: JQzgI8be)
話したいことはないかと言われても桐谷未羽は考えていたが特に何も思いつくことはない。
「いいえ。特には」
「・・・」
会話が終了してしまう。沈黙が続く。ここにいるのは会話に優れた他の人ならばきっと先に続いていったであろう。だがものすごく残念なことに二人には能力がなかった。どうしたらいいのか。思案にくれる。未羽は近づきづらい雰囲気に話しかけづらいかった。戸惑っていたが座ったまま声をかけた。
「あの」
未羽は長い髪を左にまとめて薄いブルーのシュシュで止めていた。綺麗な顔は前髪で隠れてしまっていた。
「斎藤さん?何か頼まれていたのではありませんか」
言われた彼は視線をずらしたままでいた。まともに未羽を見ることはできない。
「私はその、話をするのが苦手で感情も面に出すこともできないので伝わりにくく・・・斎藤さんから質問をしていただけるといいのですがどうでしょうか」
未羽にしては頑張った方である。
「あいわかった。俺も、その、話すのは得意ではない」
「では・・・私から質問をしていいですか?」
「ああ、それならば、答えられる」
そうして会話を始めた。
しかしである。何故こうなったか。突っ込むものはいない。もしいたならば「ちょっとまて」といっていたであろう。二人は少し天然が入っていた。逆ではないか。質問する側がされる側に変わったのか。二人だからこそなせる技であった。不可解さに気が付かない。
部屋の外にいた者以外。
「一くーん」
沖田が名を小さく呼んだ。流石に土方も額に手をあてうつむく。
「何やってんだよ。斎藤」
と言った。