二次創作小説(紙ほか)
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- あさきゆめみし〈薄桜鬼〉パロ
- 日時: 2016/09/08 17:59
- 名前: 小鈴 (ID: JQzgI8be)
はじめまして小鈴と申します。さて小説はこの話で三作品目になります。初めての作品は複雑、ファジー小説にのせています。よろしかっらそちらもお願いします。つきましては新しい話を書こうと思います。
薄桜鬼のメンバーを使わせていただきますが、駄文ですのでつっこみはなしでお願いします。
〈あさきゆめみし〉
設定。
時代背景は近未来。薄桜鬼のメンバーは軍人の扱い。主人公は少女。人と吸血鬼の話。
詳しくは書きながら付け足していく予定です。
オリジナル。
如月 芹〈きさらぎ せり〉リーダー。人。
浅黄 姫香〈あさぎ ひめか〉優しい娘。人。
桐谷 未羽〈きりたに みう〉顔つきを変えない。人。
立花 咲〈たちばな さき〉笑った顔しかできない。人。
天斗〈たかと〉吸血鬼の頂点に立つ男。残酷。吸血鬼。
和叉〈かずさ〉礼儀正しい。黒スーツ。吸血鬼。
東間〈あずま〉自由人。好きに生きる。吸血鬼。
今はここまでです。
- Re: あさきゆめみし〈薄桜鬼〉パロ ( No.14 )
- 日時: 2016/09/23 15:55
- 名前: 小鈴 (ID: JQzgI8be)
バスから手荷物をおろすと5人は風呂場に向かおうとした。
「待ってくれ、あそこはもう、いっぱいだよ」
藤堂が困ったように頭の後ろに手を回す。
「ならば・・・」
斎藤が別の場所をあんないするために背を向ける。
「ついてこい」
言うだけいいさっさと歩き出す。
「どこにいくのですか?」
雪村が不安になって聞いてみた。廊下を歩いていくLEDライトを照らす。男は足を止めるとくるり振り返る。しんとした双眸で見返す。びくっとした。
「すまない。別に怒ったわけではない。俺はどうも口下手で・・ついてくればわかる。」
それだけ言うとふいとそらした。女と話すのが苦手らしいと知る。
「千鶴ちゃん。いきましょう」
ぽんと肩に手を置く咲が他の女たちに目を向けた。それぞれ頷き、荷物を抱え直すと斎藤の後についていく。彼女たちの後ろには何を企んでいるのかわからない沖田が距離を開けて立っていた。こちらもライトを手にしている。凍えたような目で5人を観察していた。ひょうひょうとしているがその目は侮れない。子供のように無邪気であるがこの男の目は簡単に殺せるそんな闇の顔をもっていた。前を歩く男とは対照的な雰囲気だった。物静かだが固く信念をもってその目だけはしんとしていた。芹は一人考えている。『私はリーダーだから』寂し気に笑う。友は芹の考えていることには気付かなかった。地下にと進む階段を下りていく。上につるされている電気は使用されていない。風呂場に続く扉を前に立った。
「俺たちは外にいる。何かあれば言え」
5人は中に入っていく。
「え?くらっ」
あっという間に暗闇になってしまう。
「電気つければいいでしょ。」
外にいる沖田に言われて手さぐりで明りをさがした。スイッチを押す。とたんかなり明るくなった。中は広い。目を動かして物の位置を確認していく。風呂場に足を運ぶ。
「そこにあるものは適当につかって」
沖田が壁に寄りかかって説明した。
「わかりました」
返事を咲が言う。シャワーにボデイソープにリンスにシャンプーが用意してある。タオルで体の汚れを落としていく。土の汚れを綺麗に洗っていくと本来の姿を取り戻していった。長い髪を下に下して丁寧に洗っていった。芹は男のようにおおざっぱな性格で髪を適当にふいている。
姫香はおっとりしている性格。髪は乾いたタオルで丁寧にふいている。
未羽は無機質で感情を出さない。髪は水の雫を払っている。
咲はタオルで頭をわしゃわしゃとしていた。雪村はゆっくりはタオルでふいていた。
「ドライヤーで乾かしている時間はないからこれでいいかな」
タオルを肩にかけて服が濡れないようにしている。長い髪をそのままに風呂を出てくる。見た途端。
「うわっ。どうしたの」
沖田はふざけた口を叩くが斎藤は目を大きくさせる。
「いつか、流行ったよね」
「・・・・」
ひたすら無言を貫く斎藤であった。
- Re: あさきゆめみし〈薄桜鬼〉パロ ( No.15 )
- 日時: 2016/09/26 12:27
- 名前: 小鈴 (ID: JQzgI8be)
「かなり失礼なこと考えていませんか?」
芹が沖田に言うと「うん?」実にいい笑顔で返される。これは何を言っても無駄と知る。
5人は元の部屋に戻る。他の女たちは別の部屋にて休んでいる。戻ってきた女たちを見てぎょっとした。
「お前ら何で髪を乾かしてこねぇんだよ」
土方は眉間のしわを深くした。
「話をすると言っていたので急いだ方がいいかと」
芹が言うと皆も同じらしくそのまま座る。盛大にため息がもれてきた。
「?」
「そのくらい時間はあるだろう」
案に髪くらい乾かして来いといっていた。待つのはかまわないということだ。先に原田が動いた。姫香の肩にかかるタオルを手に取ると無言で丁寧にふき始めた。姫香は下を向いていたがびくっとしたが髪をふいてくれているとわかりおとなしくしていた。
沖田も動く。「君バカなの?」そんなことを言われて咲はにこりと笑う。同じように髪をふいていく。長い髪だ。優しく丁寧にふかなくては痛んでしまう。咲も下をすぐに向いた。ふきやすくするため。
斎藤も皆の様子を見ていて無表情のまま未羽のそばにより髪を恐る恐るふいた。おそらく女に触れるのも初めてなこと。綺麗な髪に戸惑いを隠せずにいた。未羽はそのことに気が付くと目を閉じる。
藤堂もおろおろしていたが千鶴の髪に触れる。タオルで顔は見ないようにした。とてもではないが見られない。千鶴も男の人に触れられ顔が赤くなる。
土方も舌打ちしてタオルを奪うと乱暴に頭をわしゃわしゃされた。
「ちょっと。土方さん」
片目を細めると芹は文句を言うも無視される。
「このままでは風邪をひくだろう」
言われて仕方なく好きにさせる。
ようやく男たちは納得したのか先ほどよりましになったので手をはずした。
「一人一人に話を聞くから・・・他の女たちは別の部屋にいっていてくれ」
ゆるりと皆が顔を上げた。初めて綺麗になった女たちの顔を見た男たちは固まった。髪を洗い、汚れを落としたその姿は別人といっていいほどであった。かなり整った顔つきであったのだ。
「へぇー。随分と化けたね」
沖田がにやりと笑う。
「女って」
永倉がぼそりという。
「怖いな。」
ある意味いろんなことが含まれていた。それは皆の心の声であった。
「い、いや。化けたっていうか。」
珍しくも原田が動揺していた。姫香の可愛いらしい顔につまりみとれていたのだ。
「かわいい。」
藤堂は素直に口にしていた。次にはぽっと千鶴は赤く染まっていく。
「なに口説いてんだよ。平助。」
どうにも終わりが見えなくなってきた。
「てめえら。いい加減にしやがれぇぇ」
土方によるこんしんの怒鳴り声が部屋の中に響いた。立ち上がり拳を握っているその姿はまるで仁王像であった。
「ひっ」悲鳴がどこからも聞こえてきて皆が触れえ上がった。
「あんまり怒ってばかりいますと、そのうち頭の血管が切れちゃいますよ。土方さん」
ただ一人を除いてはだ。それはいつも土方をからかうことに全力で挑んでいた沖田であった。余計な一言を言われてついに刀に手をかけた土方。流石の芹たちも驚き固まっていた。
「あぶねぇから。こっちに避難していた方がいいぜ。」
実に慣れた行動であった。原田達にとがめる視線を向けた。
「止めなくていいのですか」
「いいんだよ。あれはいつものこと。」
藤堂すらほおっておけといい、はじによけている。
「総司は。やりかたをことごとく間違っている。」
斎藤も静かに部屋の中の追いかけっこを見ている。
「どういう意味ですか?」
姫香が原田に問い、こってんと首を傾げた。
「つまりな、ああやって土方さんのストレスを解消してやってんだよ。」
「解消になっているのですか?」
かなり怪しいことこの上ない。芹も斎藤に疑問をぶつけた。
「あの人はああでもしないと身の内にためこんでしまう。」
しばし思案したがわかるはずもない。
- Re: あさきゆめみし〈薄桜鬼〉パロ ( No.16 )
- 日時: 2016/09/27 20:55
- 名前: 小鈴 (ID: JQzgI8be)
落ち着いて話をするために芹と土方は二人きりで向き合う。土方個人の部屋の様だ。リーダーとしての顔に戻っていた。背筋を伸ばして、長い髪は一つにまとめて化粧のたぐいはされていない。土方の部屋はさっぱりとしたもので必要な家具しか置かれていない。ベッドとテーブルとソファぐらいだ。洋風だった。テーブルをはさみ正面に座る。土方は軍服の裾を払い座る。手荷物はテーブルのわきに置いた。
「さて、お前らは何のためにここに来たんだ」
土方は鋭い目を向けてきた。椅子の上で足を組み腕まで組んでいる。
「私たちは東京から高速で京都に来ました。噂を聞いたのです。吸血鬼たち戦っている人たちがいるのなら共に私たちも戦いたかったからです。」
真剣な目を男に向ける。
「随分と賭けみたいなことをすんだな。もし、俺たちがいなかったらどうしていたんだ。」
現実を突き付けてくる。
「いなかったらそれまでのこと。私たちは京都にて戦いの場を移すだけのこと。無駄にはしません。」
強い眼差しで決意にもにたものがそこにあった。
「一つだけ確認を、貴方は新選組の副官土方歳三さんで合っていますか?」
芹はもう、目の前にいるのが本人とかくしんしていた。
「いまさら、だろ」
すると男がにやりと笑う。
「私はどうしても戦い続けなくてはいけないのです。リーダーだから皆を守らなくてはいけないのです」
芹はリーダーだからと覚悟を決めていた。どう見てもまだ子供だろう。なのに何でここまでするのか。
「土方さん。私、どうなっても構いません。ですから、どうか。皆を助けてください。」
ソファから立ち上がるとカーペットに両膝をつき深く頭を下げた。綺麗な土下座をした。
「お、おい。頭を上げろ」
土方が椅子から立ち上がると横を通り頭を下げている芹の肩をつかみ上半身を引き起こさせた。しかし芹は頭をふる。
「如月。兎に角顔を上げろ。話を聞くから」
片膝をついた土方が目の前にいた。その言葉でようやく芹は顔を上げる。鋭い目つきと眉間のしわはそのままでも何故か困ったように見えた。
芹は自分のことはどうでもよかった。なりふり構わずに策も計算もない。自分についてきてくれた女たちを守れればそれだけでよかった。
「私の望みは吸血鬼を滅ぼすこと。雪村千鶴ちゃんを守りたい。ただそれだけ。」
「どういう意味だ?」
芹は立ち上がるとソファに座り直した。土方も立ち上がると身長がかなりあると知る。元の位置に戻った。雪村の説明をする。女鬼であること。特別な能力があり人と吸血鬼を見分けられると血を飲むと怪我が治るゆえに吸血鬼たちは女鬼を求めるのだ。
「女鬼か。噂では聞いたが・・・」
ここで言葉を切ると思案にくれる。雪村と呼ばれた少女を思い出す。普通の娘のように見える。人も鬼も変わり無いのかも知れないと結論を出す。
- Re: あさきゆめみし〈薄桜鬼〉パロ ( No.17 )
- 日時: 2016/10/05 23:11
- 名前: 小鈴 (ID: JQzgI8be)
「なぁ。人が鬼の血を飲んだらどうなるんだ」
素朴な疑問だった。その瞬間鋭く叫ぶ。
「やめて・・・」
悲鳴のような声だった。
「?」
芹を見ると頭を抱え込んでいた。
「あれは人が・・どうにかできるものではない。何があっても手を出してはいけません。」
何かに導かれるように芹は叫んでいた。
「お前はまるでその結果を知っているみてぇだな」
冷静な声が聞こえてきた。ようやく現に戻ってこれた。
「いいえ。試したことはありません。]
では自分何故必死に叫んだのか。わからない首をひねる。ま・る・で・そのことを知っているようではないか。いつのことだ?
はらりはらり舞い落ちていく桜の花びらたち。シルエットだけがうつしていた。顔が見えない。ただ膝の上に男の人をのせて女の人は下を向いている。男の人はもうすぐ寿命がつきようとしている。それだけはわかる。そしてその人をとても大切に思っていることがよくわかる。ずっとその人だけを見続けていたからだ。
これはなんだ誰の記憶。わからない。頭が痛い。われそうだった。誰か助けて。
「おい、おい大丈夫か」
土方さんの声がする。面をようやく上げた。頭の痛みがやんだ。
「どうしたんだ。いきなり」
「すみません。頭がひどく痛みだして、もう、平気です」
心配そうな顔をしていた。その声でようやく落ち着くことが出来た。
「よくあることなのか?」
「いいえ。初めてです。」
あれは警告だった?鬼の血を人が飲んではいけないという。後悔することになる。本人は気が付いていないが如月芹が見たのは約200年前の記憶であった。生まれる前の記憶であった。戦うために生まれてきたような人である。何故か吸血鬼に気に入られ追いかけてられていたが誰にも伝えていない。
- Re: あさきゆめみし〈薄桜鬼〉パロ ( No.18 )
- 日時: 2016/09/30 12:00
- 名前: 小鈴 (ID: JQzgI8be)
沖田は近藤に頼まれていた。そうでなくては相手になどしなかった。土方からの言葉になんて耳をかさないそれが沖田という人間だった。
「どうせ土方さんの策でしょうけどね」
面倒だな。それが本心だ。ここは沖田の部屋の隣。自分の部屋を見せるわけない。和室になっている。畳の上にじかに胡坐をかいて向き合った。
「で?君は何のためにここに来たの」
研ぎ澄まされた刃のような目で沖田に問われた。温度なんてなく全てを氷つくすような雰囲気を出していた。しかし咲はひるむことなくにこりと笑う。
「私は吸血鬼を倒すためにここにきました」
「ねぇ。君、歳は?」
ふいにそんなこと聞かれてきょとりとしたがにこりと答える。
「15。です」
流石に驚いたようで息を飲む。
「他の子たちも?」
一つ頷き。
「皆が幼馴染です。同じ歳です。」
ふんわりと笑いながらも沖田に説明をしたらふーんと鼻を鳴らした。
この時沖田は内心で『やりにくいな』と思った。笑ったまま表情を変えない少女に戸惑っていた。沖田のやり方は相手を振り回したり怒らせたりするのがいつものことなのだ。しかしこの娘は何をいったて怒りはしないだろうし振り回されたりもしない。
「もう一つ質問。君は何を隠しているの?」
咲にそんなつもりはなかった。目を丸くさせた。すぐに元に戻って答える。
「別に隠していることなんてありませんよ」
半分は嘘。半分は本当だった。わかっていて口にした。誤魔化すために笑うのだ。誰も気が付かないように。
「本当に何も隠していません。」
そうして困ったように眉を寄せ笑うのだ。でも、沖田は違ったようだ。
「ねぇ。その顔どうにかならないの」
殺意さえ込められた低い声であった。
少なくとも動揺する。何故ばれたのか。無意識にやってきたことなのだ。感のいい男のようだ。
その顔を見ていると苛立ちつのる。『いつも何か言いたげに僕を見ていてそのくせ何も言わない』そんなはずはない。初めて会った娘だというのに。
「沖田さん?」
心配になりそばによっていく。急にどうしたというのか。黙り込み頭を抱えこんでいた。思わず手を伸ばしたらパチリと乾いた音がした。振り払われたとしばらくして理解した。