二次創作小説(紙ほか)

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東方奇妙譚
日時: 2018/01/21 23:26
名前: 彩都 (ID: 4xvA3DEa)

 始めましての方は始めまして、何度も彩都の作品を読んでいる方は有難う御座います。
 彩都(サイト)と申します。
 もう十作目ですよ、十作目! まぁ、半数の作品は一ヶ月一回更新が多いですねぇ、アハハ。
 まぁ、今回は『東方PROJECT』という原作者『ZUN』さんの三次創作となっております。
 何故二次創作じゃないかって? それは秘密です☆
 
 それでは本編スタート!

目次

>>0
 親記事です、本当に有難う御座いました。
>>1
 金髪の幼女は一体何者なんだろうか? もう一度会えるかな?
>>2
『博礼神社』? 『幻想行き』? 『幻想卿』? 『博麗神社』、『幻想入り』、『幻想郷』の間違いでは……?
>>3
 周理輪廻、スマホを持っていた人物の名前だろうか? もしくは他人のスマホなのか……?
>>4
 霧雨魔理亞(きりさめ まりあ)、博礼霊夢(はくらい れいむ)、霧雨魔理沙と博麗霊夢、名前が少しだけ違いますね、何ででしょう?
>>5
『幻想行き』、『幻想卿』の解説。そして恋符ではなく愛符、魔理沙は『恋符』、魔理亞は『愛符』、魔理亞の方が好きな人との進展があったのかもしれませんね。
>>6
 右手で触れた魔理亞の攻撃が左手に屈折? 不思議な事が起こるもんですね。後、八雲灯、八雲凛、張もまた名前が違う……後、裏話として、橙の名前変更が面倒でした。
>>7
 プロローグ終了。次回から寝泊りは魔理亞の家です。
>>8
 第一章です、此処の章からこの小説のタイトルの意味を理解する人が出るかも?
>>9
 オトギリソウの話は必死で検索して調べました。
>>10
 敵登場、この場面で少しピーン、と来た方が居るかもしれません。
>>11
 魔理亞、『再起不能(リタイア)』──
>>12
 一方的にやられる……輪廻は透明人間に勝てるか……?
>>13
『俺と同じ『力』』? はて、一体何なのでしょう? まさか『鉄鎧を纏った見た目の『何か』』の事でしょうか?
>>14
 このラッシュは相当悩んだ、『何かいいのないかなぁ?』って思いながら必死に考えた、その結末が『修羅』。
>>15
 輪廻、怒られる&第一章終了、何か長かったよね、その所為(違います)で更新が遅れる破目に。
>>16
 第二章開幕、輪廻は『鉄鎧を纏った見た目の『何か』』の正体を心の中でひっそりと探ってたり。
>>17
 まぁ、貫通されてたら、誰だって驚くよね、そしてこの回で色々分かった人が多いかも?
>>18
 輪廻君の『スタンド』、攻撃力(パワー)が低かった、可哀想だねぇ(嘲笑)
>>19
 チェックメイトだぜ!
>>20
 此処でも修羅修羅ラッシュ、とりあえず、『修羅』は10回連呼する事にした。
>>21
 記憶が無い&名前が変てこだ……(輪廻談)
>>22
 ボッコボコ、相当ボコボコだったそうで、輪廻君は大怪我しました、忘れる事はいけない事ですね、と言うのが分かった輪廻君だった……後、第二章完結。
>>23
 第三章ですね、うん、タイトルでもうネタバレ☆
>>24
 左腕が融けてしまった輪廻君、果たして勝つ事が出来るのか?
>>25
 霊夢と魔理亞、強いなぁ。
>>26
 才田時雨、名乗れなくて可哀想ですね、後第三章完……それにしても最後に出てきた『白と青のワンピースを着用した幼女と自分の左手の二の腕を食べた金髪幼女』、知っている人はぴーん、と来たのでは無いでしょうか?
>>27
 今日(4月16日)中に仕上げました、忙しくて大変でした。
>>28
 ルーミィとアルノ、いい加減『キャラの名前違いますよ』とかいう指摘が来そうで少し怖い。
>>29
 割烹着姿の魔理亞、一回見てみたい、そして敵登場。
>>30
 突拍子の発言で輪廻驚く。
>>31
 もー、煽ったから『スタンド』能力発動しちゃったじゃないかーだめじゃーん?
>>32
 輪廻君も少しずつ自分の『スタンド』能力を知り始めました、そして第四章完結。
>>33
 今回も今日中(4月23日)に仕上げました、その所為で筋肉痛になりました、足が。
>>34
 はいはい、新キャラ新キャラ。
>>35
 はい、バトル終了っと。
>>36
 色々話を聞きましたね、そして第五章終了、地味にこの投稿、文字数が多くなってしまった。
>>37
 今回も今日中(4月30日)に仕上げました。
>>38
 名前変えてるじゃん? 十六夜咲夜って、いざよい さ『き』やって、別に命名が面倒になった訳では無いです、そうじゃ無いです。
>>39
 主人公何もやってねー! 泣きそー!
>>40
 第六章完、次は第七章、ていうか『スタンド』の紹介も能力説明もしていない、そして登山家みたいな格好なのに、波戸場って……狩人って……
>>41
『東方奇妙譚』、彩都以外の初のコメントが荒らしだった、笑うしかない、と思っていたけど、熱都の名前を出されるとは思っていなかった、熱都本人に話すと『俺様の名前を使用するとか、あったま可笑しいんじゃねぇの?』とコメントが、まぁ、でも、面白いネタにはなったかな?
>>42
 No.41のコメント返信、巫山戯たコメントで笑って下さい。
>>43
 第七章ですね、残り何章書く破目になるか、まだ分からない。
>>44
 魔理亞、てめぇは保護者じゃない、ていうか『蒼魔館』って何だよ!? レミリィ・『スカーレット』なのに蒼かよ!?
>>45
 貞操が危ない(白目)
>>46
 松風風華って新キャラが出たけど、『スタンド』の解説していなかった、『スタンド』能力は『穴を開ける』能力。
>>47
 開始二行目の輪廻の台詞、地味に気に入っている、そして『あの人』について、色々情報が、そして今回も今日(5月14日)に書き上げました、そういえば今日は『東方Project』の『古明地こいし』の日ですね(5がこ、1がい、4がし、でこいしとなる、なので、古明地こいしの日とされている)、ですが、『東方奇妙譚』本編にはこいしちゃんが出るかは不明です……ってか、出ないと思います、多分(汗)
>>48
 第八章開幕、輪廻は咲夜の秘密を知ってしまった様だ。
>>49
 また新キャラだなぁ……
>>50
 まさかのNo.50突破、まぁ、たった一投稿で新キャラはいなされた。
>>51
 荒らしさえ来なければ、No.50で綺麗に新章へ行けた筈……? そして第八章完結、更に次章蒼魔館編開始?
>>52
 うん、蒼魔館編開始したよ、門番ェ……(汗)
>>53
 輪廻、禁句発言。
>>54
 何だか可愛い今回のお話のレミリィ、後、『波紋』を出す事が出来て嬉しい、ジョジョ好きにはたまらないと思ったり。
>>55
 クールでは無い! クゥルゥ!
>>56
 会話ばっかしてみたい時もあるのさ、あとプランドール登場。
>>57
『天上天下俺がルール』、書きながら考えた言葉、案外語呂が良い……って紫色の帽子に三日月のマークをつけた少女? 一体誰でしょう?
>>58
 何とか輪廻勝利……
>>59
 何とか九章完結、それにしてもまた一日で書き上げたんだけど、一投稿500文字程度な訳、つまり八回投稿しているから……約4000文字なんですよねぇ、逆に凄い、後、まだまだ蒼魔館編は続くみたい。
>>60
 ウェンズ様のキャラを借りてのコラボ小説。
>>61
蒼魔館メンバーの自己紹介、ピチュリー・ノーレッジは態とだったり。
>>62
 プランドール、ピチュリーの能力解説、ピチュリーの能力は結構使えそう。
>>63
 レミリィ、お前の能力……そして『スタンド』使い登場。
>>64
 輪廻、右手崩壊!
>>65
 プランドールは個人的に身長170cm以上で考えている、輪廻より身長が高い。
>>66
 第十章、完。
>>67
 いきなり『スタンド』使いが。
>>68
 プランドール、最強だなぁ。
>>69
 多分、エロい回、因みにプランドールの下着はよくある白のフルバックショーツです。
>>70
 多重理論理楼という意味不明な名前、そして第十一章終了。
>>71
 第十二章開始、タイトルが結構適当になった。
>>72
 早くも『スタンド』使い登場。
>>73
 椎名甘楽って名前、この作品では比較的普通だなぁ。
>>74
 遂に『あの人』の情報解禁、一体どんな人物なんでしょうね? さて、第十二章終了、次は魔理亞の家です……何だか男女が一つ屋根の下で寝るって、青春を感じます。
>>75
 遂に蒼魔館を抜け出しました、やっとか。
>>76
 ナイトキャップに抱き枕、そして黄色い『M』のマークが描かれたパジャマを着ている魔理亞って、書いていて可愛いなぁ、と思った。
>>77
 遂に77レス目、大変でした、そしてあっさり倒した、体力が少ないのかな?
>>78
 はい、第十三章終了、まぁた『あの人』について秘匿された、一体『あの人』とは何者なんでしょうか……?
>>79
 十四章、遂に十四章かぁ……何か感慨深い。
>>80
 遂に100レス迄残り20レス! そんな中、『話死合い』という不穏な文字が現れました。
>>81
 一行で片付く戦い。
>>82
 箒に乗れるのか輪廻って? 重量オーバーじゃないのかなぁ?
>>83
 マジックでもやっているのかな? (錯乱)(混乱)
>>84
 まさかの『てけてけ』ネタ、一々ネタが古い彩都さんである。
>>85
 第十四章終了、次回は十五章、そして魔理亞ちゃんは地味に畜生。
>>86
 第十五章開幕、霊夢は優しい。
>>87
 お金持ちな新キャラ登場、そしてもう既に『スタンド』は登場しているッッ!!
>>88
 ゾロ目ですね、嬉しい、そしてお金持ちの男性の名前は風間畦道、言いやすい、そして二日間も探した、食事はどうしていたんでしょうね?
>>89
 風間畦道、まさかの輪廻の味方!
>>90
 はい、十五章終了、果たして『あの人』は輪廻を襲う事を止めるのか……?
>>91
 十六章開幕、頑張って血糊を落とそう、因みに彩都さんは血糊を見た事が無いので、簡単に洗い流せるかは知りません。
>>92
 少女は『スタンド』使いだった。
>>93
 霊夢登場、輪廻助かる。
>>94
 第十六章完結、もう少しでNo.100ですね……!
>>95
 第十七章開始、書いていて、今回の『スタンド』使いは強いなぁ、と思った。
>>96
 攻撃したけど効かなかった。
>>97
 服を脱ぐとか……この子は露出狂かな?
>>98
 霊夢、登場、やっと戦いが楽になる?
>>99
 魔理亞登場、三人でボコボコぉ!
>>100
 遂に100投稿目です! とても嬉しいし、この記念すべきキリ番で十七章完結! とてもとても嬉しいです!
>>101
 はい、第十八章開始、久し振りにあのキャラを書けて嬉しかったです。
>>102
 実は昨日(九月二十三日)、一気にキャラを更新、キャラの在庫がなくなりかけていたから、急いで仕上げました。
>>103
 ていうか滓歓喜ってどんな名前だよ!? ってか、滓って何なの!?
>>104
 はい、久し振りにレミリィ、プランドールを出しました、長身なプランドール、基、フランドールは好きです、長身フランドール、増えないかなぁ……? そんな事を思いながら第十八章終了。
>>105
 第十九章開始、さぁ、今回はどうなる?
>>106
 門番、一体誰なんでしょうか?
>>107
 高身長なプランドール、可愛い。
>>108
 煩悩が爆発したから、早苗が登場。
>>109
 まさかの敵!? だけれど、プランドールがやっつけました。
>>110
 阿仁真人、『スタンド』能力、『武器を生み出す』能力、ただ、自分の記憶の中に武器が無いと作れない、つまり、空想上の武器とかは無理、そして第十九章終了、何気に親記事が長くなる……(汗)
>>111
 第二十章開始、新キャラ登場、名前つけるの、結構適当。
>>112
 平仮名表現は結構気遣いしなきゃ、と思った。
>>113
 今回の『スタンド』、案外強かった。
>>114
 吸血鬼は怪力。
>>115
 一体『四天王』とは……?
>>116
 第二十章終了、物語も大詰めに。
>>117
 今度は『命蓮寺』組です、書くのが楽しかったです、ですが、キャラ紹介で結構な文字数を……(汗)
>>118
 自分の好きなキャラ、『雲居一輪』登場。
>>119
 小傘も登場。
>>120
 寅丸の名前は結構考えましたね、あまり弄りたくなかったので。
>>121
 厄介事を持ってきた。
>>122
 この『スタンド』、案外強い気がする。
>>123
 何とか勝ちました、やった。
>>124
 そして物語は次の章に……
>>125
 お前、またかよぉ!?
>>126
 ヒノケン……懐かし!?
>>127
 荒らしの後の本編、クラウンピース、ヘカーティアが登場、輪廻は『変なTシャツヤロー』と思う、早苗の世界線と輪廻の世界線が繋がった瞬間である。
>>128
 自分、パエリア嫌い。
>>129
 神様キック!
>>130
 本編終了……ってか、とんでもない情報置いていきやがった。
>>131
 第二十三章始まり、今迄長かった……!
>>132
 ぬえ、マミゾウが登場。
>>133
 まぁた『スタンド』使いが……
>>134
 何とか勝ちました。
>>135
 遂に『あの人』登場、さぁ、どうなる?
>>136
 強い……!
>>137
 第二十四章始まり、今回で『あの人』こと、周理外円との戦いです、最後の戦い、と言う事で、何時もの1投稿2000文字以上でお送りします。
>>138
 周理外円の『スタンド』の始まりを書いていて、『本当にこれで良いのか?』と少し困惑していました、でも、書いていて、楽しかったので、忘れる事にする。
>>139
 勝てる訳無いだろ、こんな強敵……! とか、思いながら執筆していました。
>>140
 一体周理外円の左手の能力とは……? 謎過ぎる……
>>141
 修羅修羅ラッシュを大量に書こうと思いました、実際百文字以上使って、修羅修羅ラッシュをしようとしたけど、何時の間にか、その半分の五十修羅修羅ラッシュで終わった、もう少し頑張れば良かった。
>>142
『東方奇妙譚』唯一のパソコン投稿、最後の最後で輪廻と外円を和解させる事が出来て、個人的には嬉しい、ってか、兄貴を置いて、弟である自分が脱出するなんて、輪廻には考えられなかったようで……一緒に『幻想卿』を暮らす事にした周理兄弟、そして次回、ほぼほぼ最終章とエピローグだったり……
>>143
 痛い、痛過ぎる……そんな事を思いながら輪廻は生きる、そして第二十五章、始まり始まり。
>>144
 外円の兄貴を弄りたかったんです、だからあんな冒頭に……えへへ。
>>145
 にとり登場、案外面白い登場になった気がする。
>>146
 はい、第二十五章終了、そして次回の更新で全てが終わります、さぁ、次回の更新は一体どうなる事でしょう? やりたい事が多過ぎて、どんなオチ、どんなネタになるのかが分からないぞ……? 頑張れ、来週の自分、未来の自分……全部全部お前達に掛かっているんだ。
>>147
 今回で最終回(最終章)です、そして書いていて、これを書く事が出来なくなるのは悲しいなぁ、と思いました。
>>148
『幻想卿』本人ねぇ……? 一体誰なんでしょう?
>>149
 そして時間は進んで三時間後──
>>150
 最後はぐだぐだしたけど、完結です、いやぁ、完結出来て嬉しいです、後はキャラ達の設定を投稿し、最後に後書です……本編は完結しましたが、輪廻達のお話はまだまだ続く事でしょう──この作品の続編が書ける事を待っています。
>>151
『東方奇妙譚』の後書です、まさか色々と書き過ぎて、文字数が……(汗)
>>152
『東方奇妙譚』の設定資料集です、色々と書いたけど、使わなかったり……何で使わないのだろう? 後、この投稿で『東方奇妙譚』に書き込む事はなくなります、読者のコメントを待っています!

Re: 東方奇妙譚 ( No.138 )
日時: 2017/12/17 22:18
名前: 彩都 (ID: A4fkHVpn)  

「お前、悪い奴、それだけは分かる」
 静かにプランドールが周理外円の方へと向かう。だが、最初にプランドールは周理外円に対し、一撃を食らっているのだ。まだ攻撃を受けるのか? と自分は思う。すると背後のプランドールに気が付いた周理輪廻は『スタンド』を出して、プランドールに言う。
「黙れ、死に損ないが? 『スタンド』を持たないお前等は私には指一本触れる事が出来ない。それは輪廻、お前でもだ」
 周理外円がそう言った瞬間、プランドールは二度目の弾きを受けてしまう。そしてプランドールは壁にぶち当たって、口から血を吐き出す。
「ぐはっ……」
「ふぅん、私の『スタンド』攻撃を受けても、良く生きているな。お前は何者だ?」
「わ、私は、プラン、ドール・スカーレット……、レミリィお姉ちゃん……のぉ、妹だぁ!」
「そうか」
 周理外円はそう言って、プランドールの腹部に蹴りを入れる。するとプランドールはその場で吐瀉してしまう。
「おえぇ……」
「弱いな。カスも同然、弱過ぎて吐き気がするな」
「プランドール!? プランドール!? ねぇってば! 返事をしてよ……」
 そう言うレミリィ、だが、プランドールは吐いた後、全然動かなくなり、生きているかも分からない。
「全く……今叫んだのがコイツの姉かぁ? 全く、妹の躾はちゃんとしろって、旧約聖書にも載ってるんだよ?」
 周理外円はそう言って、プランドールの頭を踏みつけ、足でボールを転がすように弄(もてあそ)ぶ。その様子を見たレミリィは翼を生やし、周理外円の目の前に現れる。
「お前……よくも私の妹を!!」
「ふぅん? いいね、妹がこんな状況になったから姉の底力を出そうって言う王道的行動は。でも……お嬢ちゃん? 随分私と戦いたいようだが、『身の程知らず』って言葉を知っているかな? 弱者は強者と戦っても、自身の力の差を分からない、みたいな奴? 自分はそう言う相手が嫌いでねぇ? 何度でも立ち上がって戦うなんていう巫山戯た幻想は、『ぶち壊したく』なるんだよねぇ?」
 目の前に現れるレミリィに言う周理外円、周理外円がそう言うと、レミリィもプランドールと同じく壁にぶつかって、ずり落ちる。
「ふん……もう諦めなよ? 君達は私には勝てない、そして私が戦うのは周理輪廻、それだけだ。邪魔はしないでくれ? 勿論私の加勢は歓迎する、だが、輪廻の加勢は許さない」
「…………」
 絶望的、完全に勝てる相手じゃないぞ……自分はそう思いながら他の周りを見る。すると陰で咲夜が動いているのを視認する。そうか、咲夜の『時空間を操る能力』で周理外円に攻撃するんだ! 自分はそう思い、内心安堵する。
「ふむ、誰も掛かってこないのか、よし、これで戦いは完了だ──」
「甘いわね? 私の能力で『時を止めて』移動させてもらったわ。『近接攻撃』ならどうかしらぁ!?」
 周理外円が自分と戦おうとすると、時を止めて、咲夜が何も無い空間から登場してきた。そして周理外円に向かってナイフを投擲する。まさかの攻撃に周理外円も驚愕しており、叫んでいる。
「う、うわぁあぁぁぁぁ!?」
「やった!」
「ああぁぁぁぁ……んちゃって?」
 周理外円はそう言って、ナイフごと咲夜を壁にぶつけた。めりめり、と咲夜とナイフは壁にめり込んで行く。
「うーん、中々にいい奇襲作戦だったが……『スタンド』が見えないお前には、意味が無いな。『スタンド』を『常時出している状態』だとはお前でも気付かないだろうなぁ!?」
「な、何ですって……そ、それじゃあ、私は勝ち目が無い……?」
「そう言う事だ、中々に面白いな、メイド、貴様の能力は。一体どんな能力なのか? 多分一瞬で移動したから、瞬間移動系かなぁ?」
「だ、誰が言うもんですか……? フン!」
「そうか。まぁ、誰もそういう能力は言わない方が良いもんな。でも、もうお前は負けている。言っても良いんだがなぁ」
 周理外円はそう言って、自分を見つめ、言う。
「さぁ、ウォーミングアップはこれで良いだろう? 輪廻、さっさと殺試合をしようじゃないか?」
「い、厭に決まってんだろ!? 何で死なないとダメなんだよ!? 兄弟として、関わりを絶てば良いだろ!? それなのに何で力技で……!?」
「そんなの、決まっているだろ? 証拠隠滅さ? 例えば、関係を絶ったとしても、『何かしら』の失敗をしたら、君は何かを言うだろう? だからの証拠隠滅、君を消滅させてしまえば、私は自由だ、自由に人を踏み台に出来るからね」
「……そ、そしてお前は踏み台になった奴の事を考えないんだろう?」
 自分がそう言うと、笑顔で周理外円は言う。
「うん! そりゃそうじゃないか!」
 周理外円の返事を聞いた瞬間、自分は『スタンド』を発現させ、左手で思いっきり周理外円の顔面を殴る。
「あぁそうか……だったら、てめぇを倒して、『お前の踏み台にした奴全員にお前の口で、お前の言葉で謝らせてやる』!」
「ほう……中々に良い拳を持っている、『スタンド』ボクシングなら、チャンピオンになれそうだなぁ?」
 ニヤニヤと笑う周理外円に対し、自分はボコボコにする! と思いながら周理外円を睨む──自分と周理外円の勝負、どちらが勝つか、分からない──

Re: 東方奇妙譚 ( No.139 )
日時: 2017/12/17 22:19
名前: 彩都 (ID: A4fkHVpn)  

「いきなり全力! 修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅ァァァッッ!!」
「フンッ? 何だ、速さだけが取り得の『スタンド』か? ふむぅ……『スタンド』の腕で防御するが、貴様の『スタンド』は速さ重視の『スタンド』のようだな? 私の『スタンド』には通用しないなぁ?」
『スタンド』で攻撃する自分に対し、周理外円は簡単に『スタンド』の腕をクロスして防御する。そして周理外円は続けて言う。
「……だが。私の『スタンド』能力には勝てないんだよなぁ?」
 周理外円がそう言った瞬間、自分はプランドール、レミリィ、咲夜の様に壁の方に肉体が近づいて、壁にぶつかってしまう。
「がはっ……ッッ!?」
 一体何が起きた? 『一体何が起きた』んだ……!?自分はそう思いながら、ゆっくりと立ち上がる──だが、周理外円が自分の前に立っており、自分の胸倉を掴んで言う。
「ねぇ? これでも、君はまだ諦めないのか? いい加減諦めて欲しいよ? 私の『スタンド』能力には誰にも勝てないってさ?」
 周理外円はそう言って『スタンド』で自身の顔を殴ろうとするが、背後に『何か』を感じ、『スタンド』で『何か』の攻撃を受け止める。
「ぐっ……!!」
「おやおや? どうしたんだい紅白の少女よ? 今、兄弟喧嘩をしているんだ、邪魔をしないでくれるかな?」
「兄弟喧嘩ぁ? ふっざけんじゃないわよ? そんなの、外でして欲しいわね! ここはご飯を食う所、戦う所じゃないわ!」
「れ、霊夢……!? 来るんじゃない! 君も死んでしま──」
 自分がそう言うと、周理外円は『スタンド』能力を使用する、だが霊夢は『その場から一歩も動いていなかった』のだ。意味が分からない、どんな原理で……どんな『方法』で『スタンド』能力から逃れたというのだ!? 自分がそう思っていると、周理外円が言う。
「……君、私は『今、『スタンド』能力を使用した』『筈』なんだが……『どうして動いていない』んだい……? 私にはとてもとても不思議なんだが……?」
「えっ? アンタ『スタンド』使いだったの? まぁ、いいわ。私には関係無い。そしてアンタの質問に解答してあげるわ。『そんなの知らない』わよ、分かってたら、もっと乱発するっての?」
「な、何だと……?」
 周理外円がそう言うと、困惑している『隙』を突いて、自分は自分の拳で周理外円の顔面を殴った。次に『スタンド』で、周理外円の肉体に攻撃を放つ。
「ありがとよ霊夢! 隙をくれて!! うおぉぉぉぉぉ!! 修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅ァァァッッ!!」
「ぐっ、うぐぐぐ……ッッ!!」
 自分の『スタンド』攻撃は全て、周理外円にぶつかり、周理外円はプランドールの隣の壁にぶつかって、項垂れる。
「く、クソッ……!! 何故だ……? 何故お前は私の『スタンド』能力が聞かないんだ……!? 巫山戯るなよ……!! ……ん? 何か変だな……? 胸ポケットに何か違和感が……?」
 周理外円は首を傾げ、白衣の左胸ポケットから『鋭利な石』を右手で手に取った。そして『鋭利な石』を見つめるが、何も無い。そして左手で持って、『鋭利な石』を確認しようとした瞬間、『いきなり『鋭利な石』で周理外円は怪我してしまった』のだ。地面には血が出て、血だまりが出来ていた。
「いっつ……い、一体何なんだ……? 全く、腹が立つ……」
 周理外円は『鋭利な石』を胸ポケットに収納し、自分を見る。すると自分は周理外円の背後の『スタンド』を見て、驚愕する。それは何故か? そんなのは簡単だ、『目の前で『スタンド』の形が変更している』からだ。周理外円の『スタンド』は少し筋肉が増えたように感じた。そして自分がそれを指摘する。
「お、おい、アンタ……背後の『スタンド』……?」
「はぁ? 背後の『スタンド』……? って、何だこれ!?」
 お前も驚くのかよ、自分がそう思っていると、周理外円が言う。
「えっ? 嘘? 『石』で手を傷付けられたから、『スタンド』が進化した、だと……? 馬鹿げている、意味が分からない! 私の今迄の情報ではそんな『情報』はない……!」
 周理外円はそう言いながら『スタンド』の左手を動かす。すると背後のプランドールが段々と押し出されているのを確認する。『石』のお陰で左手にも『スタンド』能力がついたのか、そう思って顔をプランドールから視線を前に戻すと、『自身以外が止まっていた』のである。不思議に思った周理外円は自分の方に近づいて、静かに見つめる。だが、自分は動いていないので、反応が無い。周理外円が不思議に思っていると、ハッと自分が気付き、目の前の周理外円に驚愕する。
「うわっ!? お、お前……い、今さっき、『プランドールの近くに居た』だろ……? ど、どうやって移動したんだ……? まさか瞬間移動……?」
「い、いや……歩いてきたのだが……?」
 周理外円の発言を聞いて、自分は不思議がる。一体何が起きたのか……? そう思っていると、周理外円が言う。
「お、おいおい……? 私は一瞬で動いた、と言う事か……」
「あ、あぁ……そうだが?」
 周理外円の発言に自分は返答する。そして周理外円は顎に手を当てた──一体何が起きているんだ? 自分と周理外円はそう思いながら、その場で立ち尽くす──

Re: 東方奇妙譚 ( No.140 )
日時: 2017/12/17 22:20
名前: 彩都 (ID: A4fkHVpn)  

 一瞬で動いた……自分はそう思いながら目の前の周理外円に対し、『スタンド』で殴りかかる。
「修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅ァァッッ!!」
「ふ、フンッ!」
 周理外円は急いで左手で自分を吹き飛ばす。すると周理外円の周りはまた『止まって』しまった。い、一体何が起きているのか……? 周理外円がそう考えていると、其処に寝転がっているメイド──基、十六夜咲夜だ──を思い出す。確か奴の能力は『時を止める』みたいな能力だったな……? も、もしかしてッッ!? 『私の左手の能力、それは『時を止める』能力』なのではないか……? と思う。そ、それなら、あの『鋭利な石』のお陰で……!! そして能力を発動した後に『時が止まった』……と、言う事は、私の能力は『右手の能力に『時を止める』能力が付加した』と言う事か!? 『左手でモノを弾いたら一定の時を止める事が出来る』能力になったと言う事か!? 周理外円はそう思いながら片手で顔を押さえて、笑う。
「あは、アハハハハハハ!! これは面白いぞ!? 『時を止める』なんていう面白い『スタンド』能力! 一体誰が発現したというのだ!? もしかして私が『初めて』かもしれんなぁぁぁ!!」
 周理外円がその場で顔を押さえ、笑いながら壁に埋まった自分に向かってきて、その前で立ち止まる。そして周理外円が微笑みながら言う。
「フフフ……こんなに素晴らしい兄を手に入れて良かったなぁ。お前も私のコマになれば良かったのに……こんの、ガキガキガキガキガキガキガキガキガキガキィィッッ!!」
 周理外円はそう言って、自分に『スタンド』でのガキガキラッシュをお見舞いする。自分の肉体に周理外円の『スタンド』の拳が深く深く刺さり、大ダメージが蓄積して行く。だが、まだ周りは止まっているので、ダメージはまだ走らない。そして周理外円のガキガキラッシュが終わった後、周りがゆっくりと動き始める。
「う、うぅっ……」
 自分が立ち上がろうとすると、肉体に謎の痛みが走る、な、何なんだこの痛みは!? 自分はそう思いながら謎の威力、謎の痛みを受け、壁の奥へ奥へと押されていく。そして目の前には周理外円の姿が。多分コイツが『何か』をした……! だが、その『何か』とは何か、自分には分からない──
「おいおい、そんなんで気絶するなよぉ?」
 周理外円はそう言って、自分の髪を掴んで睨む。だが自分はあまりの痛みで何も出来ない──そう思った矢先だった。自分の口に『何か』が投げ込まれ、飲み込む。
「……? 俺は一体何を飲み込んだんだ……?」
 自分がそう言った瞬間、『いきなり体の痛みが消えた』、いきなりの出来事だ、更に体が軽くなり、まるで、全身バネになった気分だった。
「……ふぅ。間に合ったわね……初めまして。私は八意 永院(やごころ えいいん)、医者をしている者よ? でも、『生きていて』良かったわ。まぁ、『死んでたら』、錠剤も飲み込めないしねぇ?」
 フフフ、と笑う八意永院、自分は不思議がりながら八意永院に問う。
「あ、アンタ……一体何を飲ませたんだ……?」
「何を飲ませたか? そんなの簡単よ。『痛み止め』よ。更に傷の回復を促進する薬入りよ? これで、アンタの体は万全、満身創痍から、元気溌剌(はつらつ)になった筈よ?」
 そう言って、隣の兎耳少女の頭を撫でる。
「もう、師匠ったら、あんな小さい的に錠剤を撃てだなんて……結構集中したんですからね!」
「はいはい、分かっているわよ。偉い偉いウドンゲ」
「もう! 私はそんなに幼くないですよ!」
 兎耳少女の頭を撫で続ける八意永院に対し、周理外円は静かに八意永院を見つめる。
「アンタ……何時の間に私の背後に?」
「さぁ? でも、私の姫様は『永遠と須臾(しゅゆ)を操れる能力』だから、自由に移動出来るわよ?」
「『永遠と須臾』……? 須臾とは?」
「あら? そんな事も分からないの? 白衣の癖に? 須臾(しゅゆ)とは、『1000兆分の1』の時間の事よ。本当に短いけれど……姫様は『時間を操る』ように操れるわ。これで分かったかしら?」
 そう言う八意永院に対し、頭を抱えながら周理外円が言う。
「……全然分からんが。大まかに言えば、刹那よりも短いと?」
「そう言う解釈でも良いわね? でも、何で白衣着ているのに分からないの? 馬鹿なの?」
「あぁ、そうだよ。私は好きで白衣を着ているだけだからね。実際知恵はあまり無い」
「あら、そうなのぉ? じゃあ、馬鹿なんだ。面白いわね。研究対象にさせてくれない?」
 そう言う八意永院に対し、周理外円が返答する。
「厭だね」
 周理外円は自分から手を離し、八意永院に向かって『スタンド』を飛ばし、攻撃しようとする。だが、八意永院はその場で微笑むだけだ。そして八意永院の顔面に『スタンド』の拳が当たるか、と思われた瞬間、周理外円はその場で姿勢を崩し、前に倒れる。『スタンド』も周理外円が倒れるのと同時に八意永院の顔面数センチから地面へと倒れる。八意永院はその場でまだ微笑む。
「な、何が起きた……?」
 周理外円がそう言うと、周理外円の背後に立っていた自分が言う。
「あぁ? 簡単だよ? 『俺が殴った』だけだよ? てめぇはあの医者が敵じゃねぇだろ? 『俺が敵』だろうがぁ! 俺は……お前を倒す! そしてこの『幻想卿』から脱出するんだぁぁ!! 修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅ァァッッ!!」
 自分は背中を向ける周理外円に対し、『スタンド』の修羅修羅ラッシュをお見舞いさせる──これで少しは体力を削っただろう、自分はそう思いながら修羅修羅ラッシュを続ける──

Re: 東方奇妙譚 ( No.141 )
日時: 2017/12/17 22:21
名前: 彩都 (ID: A4fkHVpn)  

「ふ、フン!」
 周理外円は自分の修羅修羅ラッシュに対し、『スタンド』でラッシュし返す。
「こんのぉ……ガキガキガキガキガキガキガキガキガキガキィィッッ!!」
「うるせぇ! 修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅ァァッッ!!」
 自分と周理外円の『スタンド』の拳がぶつかり合う。勿論自分にも拳部分に痛みが走る。『スタンド』と自分は痛覚を共有するので、パワーが高い周理外円の『スタンド』の拳を受けて、痛みが走っているのだ。だが、そんなの『関係ない』!! 俺は! 目の前の周理外円を倒すのみ! 自分は痛みを耐えながら、修羅修羅ラッシュを周理外円に放つ。
「うぉぉぉ!! 修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅ァァァァッッッッ!!」
 周理外円の『スタンド』より、此方の『スタンド』の方が早い! 何度も何度も周理外円の『スタンド』に自分の『スタンド』の拳をぶつけて行く。勿論自分にだって、隙が生まれたら、殴られて、大ダメージを負ってしまう。だが、今、『大ダメージは負わない』のだ。何故なら、八意永院の薬があるからだ! 血が出ても、痛みは感じない。麻酔でも掛かっているのか? もしくはアドレナリンを分泌しているのかは分からないが、体が動ける今がチャンスなのだ。もっともっと何度も何度も周理外円に修羅修羅ラッシュを放つ。
「いっけぇ!! 修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅ァァァァァァァァッッッッッッ!!」
 自分の『スタンド』の拳が段々と早くなっていく。まさか今の自分と共に『スタンド』も『進化している』……? 実際はどうかは分からない。でも、『進化している』のなら、もっともっと周理外円に修羅修羅ラッシュを放つのみだ。
「くたばれぇぇぇ!! 修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅ァァァァァァァァッッッッッッッッ!!」
 何度も何度も周理外円に修羅修羅ラッシュを与えるが、まだまだ意識がある。だったら俺も……意識を失う迄『殴り続ける』のみ!! 自分はその場で大きく息を吸って、周理外円に言う。
「これで……最後だぁッッ!! 修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅修羅ァァァァァァァァァァッッッッッッッッッッ!!」
 大量の『スタンド』の拳が周理外円に当たる。ちゃんと拳が当たっている感触は感じる。後は周理外円にダメージが行けば良い。自分はそう思いながら周理外円に最後の一発を放つ。
「修羅ァ! ……ハァハァ。こんなに『スタンド』で殴った事は無い……こ、これで倒れたかな……?」
 自分がそう言って、ボコボコになった周理外円を確認する。だが、周理外円は静かに立ち上がって、顎に手をやる。
「ま、まさか私の弟がこんなに出来るとは……だが、私はまだ立ち上がる……お前を殺害する迄なぁ!?」
 周理外円がそう言うと、ヘカーティアが周理外円に飛び蹴りを放った。スカートなのに飛び蹴りって……中々に凄い行為だぞ? 自分はそう思いながら呆れる。
「あのねぇ……アンタ、輪廻を殺害するとか言っているけどさぁ……その前にあの巫女も言っているじゃない? 『此処じゃなくて外でしろ』ってね? なのに何で『外でしないの』よ? 此処は室内よ? 兄弟喧嘩をするなら、外でしなさいよ?」
 ヘカーティアはそう言いながら周理外円の懐を小刻みに踏む。すると周理外円は口の端を歪ませながら言う。
「お前……よくも私の体に触れたな……!」
 周理外円はそう言って、『スタンド』でヘカーティアを吹き飛ばそうとする。自分は急いでヘカーティアに逃げるよう叫ぶ。
「逃げろヘカーティア! やられるぞ!?」
「やられる? この私が? この『地獄の女神』がぁ?」
 ヘカーティアはそう言って、周理外円の顔面を強く踏んだ。すると周理外円は顔面の痛みで『スタンド』を消滅させてしまう。
「はぁ……あのねぇ、『地獄の女神』に勝てるとでも思ってるの? 皆ぁ! 此処に居る全員で輪廻を助けましょうー!」
 ヘカーティアがそう言うと、直立不動の皆が『おぉー!』と一斉に同じ言葉を発す。そして我先にへと、周理外円の方へ向かい、周理外円を蹴ったり殴ったりする。勿論周理外円だって反抗する、周理外円は反抗する為に『スタンド』を出すが、ヘカーティアに顔面を踏まれ、『スタンド』を消滅させる。……もしかしてヘカーティアって『スタンド』が見えているのか……? 自分はそう思いながら、殴られ、蹴られ、大ダメージを負う周理外円を見て、その場で尻餅をつくように座りこむ。つ、疲れた……こんなにも激しい『スタンド』バトルは初めてだ──自分はその場で深呼吸し、虚空を見つめる──

Re: 東方奇妙譚 ( No.142 )
日時: 2017/12/17 22:32
名前: 彩都 (ID: A4fkHVpn)

「これで……これで全部終わったんだ……何もかも、長かった……『あの人』及び周理外円を倒す事が出来て、最高な気分だぜ……」
 自分がそう言って、虚空を見つめていると、近くに居た霊夢がゆっくりと起き上がって、自分に言う。
「お、おめでとう輪廻……これで元に戻れる可能性が浮上してきたわね……」
「あぁ、そうだな……それにしても、体中が痛くなってきた……薬でも切れたのかなぁ?」
 自分はそう思いながら霊夢の手を使って、立ち上がる。次に周理外円の前に立ち、『スタンド』を出しながら、周理外円に言う。
「ハァハァ……周理……外円よ……俺を、元の世界に戻しやがれ!」
「無理」
「えっ……? おいおいおいおい、それはどういう事だぁ? 何で『元の世界に戻せない』んだぁ?」
 自分が不思議そうに言うと、周理外円は簡単に言う。
「私の『スタンド』能力は、『右手で他のモノを弾く』、だ。だから『一度違う世界迄強く弾いたモノはもう一度強く弾く事は出来ない』……つまり、『お前は私の『スタンド』能力で強く弾いてもこの場所から元の世界へ脱出する事が出来ない』んだ……脱出するには、自力で無いと無理だ」
「えっ……それじゃあ、俺はこの幻想卿でずっと住む事に……?」
 と、此処で魔理亞の発言を思い出す。『『幻想卿』に来た外来人はもう元の世界に戻れない』事を……魔理亞の発言、周理外円の発言を受けて、自分はその場で跪く。
「そ、それじゃあ俺はもうこの『幻想卿』から脱出出来ないのか……」
 自分がそう言うと、周理外円が変な声を出して返答する。
「はぁ? お前は何を言っているんだ? 普通に歩いて脱出出来るだろ、そんな砂利道を歩く訳じゃないしさ?」
「バカ! この『幻想卿』って場所は『一度入ったら抜けられない』んだよ!!」
「は、はぁ……!? だから私の仲間が戻ってこないのか……ってか、メールも電話も通じなかったのはその所為か……!!」
 自分の発言を受け、周理外円は顔面蒼白になる。自分は一体どんな悪い事をしたのか、やっと理解したようだった。
「そ、そんな……お、お前等……ほ、本当にこの『幻想卿』に来たら、元の世界には戻れないのか……?」
「えぇ、そうよ。元の世界に戻ろうと歩いていても、何時の間にか村の中心に戻っているわ。だから此処から元の世界に戻ろうとするのは……不可能よ、過去に色々な外来人が脱出を試みた。だけれど、脱出は困難を極めた。だから永住する事を選んだ。それ位脱出は困難よ」
 周理外円の発言に霊夢が優しく返答する。すると周理外円はその場で戦意喪失、全てを喪失し、絶望した表情をする。
「う、嘘だ……! 私だけでも脱出を試みなくては! 『スタンド』よ! 私を弾け……ッッ!!」
「それはダメよん?」
 ヘカーティアはそう言って、何度目か分からない周理外円の顔面を踏みつける、そして周理外円の『スタンド』は消滅する。
「自分だけ逃げない事、ちゃんと兄弟である輪廻の事も考えなさいよ?」
「う、煩い! 人の踏み台にならない奴を助けても無駄だ!」
 周理外円はそう言って、自分を睨む。ってか、人を踏み台にするなよ……そう思っていると、背後から厭な感覚を覚えた。
「あら? 輪廻じゃない? お久し振り……」
 そう言って現れたのは、八雲灯、八雲舞だった。二人の背後には目が大量にある空間があった。
「あら? 灯じゃない、珍しい」
「まぁ、彼のお祝いですもの、私も盛大に祝わないとね? あぁ、そうだ。輪廻、そして寝転がっている人に聞きたいわ」
「あぁ? 何だよアマ?」
「輪廻、貴方は『元の世界に戻る』権利を持っている、それは何故か? 『謎の手違いにより、貴方がこの『幻想卿』に来たから』よ。そしてその『謎の手違い』を生んだのが、寝転がっている貴方」
「……そうだな」
 自分がそう言うと、灯はとんでもない事を言った。
「輪廻、『貴方が寝転がっている存在を見捨てるのなら、『元の世界に戻る』権利をあげて、元の世界に戻らせましょう』、つまり、『寝転がっている存在を見殺しにする』のです、その条件を飲むなら、元の世界に戻しましょう。さぁ、輪廻、貴方はどうする?」
「…………」
 自分は無言になる。今迄の状況を鑑みて、灯の提案は正しい。でも、それは──
「厭です。周理外円、周理輪廻の両名で元の世界に戻りたい、だからその提案は受けない」
「!? 輪廻、貴方は馬鹿なの!? 貴方を攻撃した相手を、相手と共に元の世界に戻るですって!? 貴方、また元の世界でボコボコに……」
「されてもいいよ。それが運命だから……!」
 力強く言う自分に対し、霊夢は呆れていた。そして扇子で口を隠す八雲灯が自分に言う。
「ウフフ……矢張り私の思い通りの回答をしたでしょ、舞」
「そうですね。しかし、一言一句間違えずに当てるとは……流石灯様、『幻想卿』の賢者であり、『幻想卿』の──」
 舞がそう言うと、灯が止める。
「それ以上はダメよ。ふむ、まさか思い通りの回答をするとは中々に面白いわね、貴方は」
「あぁ、そうかい? で、俺は一体どうなる? その意見を受け入れなかったから、元の世界には戻れないってか?」
 自分がそう言うと、灯が頷く。
「えぇ、千載一遇のチャンスだった、というのに……」
「へっ、そんなの関係ねぇや。俺と周理外円、二人で『周理兄弟』だ。二人で戻らないと俺の両親が悲しむだろ?」
「フフフ、本当に貴方は優しいのね?」
「優しくないさ。一般的だぜ?」
 自分はそう言って、優しく微笑む。幾ら『人を見捨てろ』、と言われても、『血の繋がった存在』だけは見捨てられない。それだけは記憶が無い自分でも分かる。そして自分は寝転がっている周理外円に手を伸ばす。
「さぁ、お前も起き上がって、一緒に俺の歓迎会をしようぜ? 俺、腹が減ってんだよ、早く飯を食いたいんだが?」
「……わ、私を許すのか……? この、私を……? お前を痛めつけた、というのに……?」
「そりゃそうだろ? だって、俺達周理兄弟はもう『元の世界に戻れない』んだぜ? だったら、兄弟仲良く、一緒に手を取り合って生きていこうぜ?」
「…………」
 周理外円は無言になって、右手を伸ばす。そして自分の手を──叩(はた)いた。
「フンッ! 弟の分際で巫山戯るな! 私は兄だぞ! 一人で立ち上がれる!」
 周理外円はそう言って、皆の足をどかし、ゆっくりと立ち上がる。そして自分を背にし、声を震わせながら周理外円は言う。
「お前は……優しいんだな。何で……私は気が付かなかったのだろう?」
「あぁっ? 『今迄気付かなかった』だけで、『今気付いた』んだろ? だったらそれは良い成長じゃねぇか。だから、一緒に生きようぜ、周理外円……いや、『兄貴』?」
 自分がそう言って、笑顔で再度、右手を指し出す。すると周理外円──いや、兄貴だ──は自分の方を向き、涙を流しながら左腕で目を覆う。
「……くっ。私も年だな。涙腺が緩くなっている……」
「いいじゃねぇか。年を取るって事は、一歩一歩前に進んで『未来』に向かって、進むって事だからな」
 兄貴の発言を受け、自分は優しく返答した。そして兄貴は右手を差し出したので、自分は兄貴と握手をする──これで、仲良くなれれば良いな、と自分は思った──

 そして自分と周りのメンバーで歓迎会を再開した。今日、蒼魔館では、色々な事があったけど、今から始まる歓迎会を楽しもう。自分はそう思いながら歓迎会のメンバーを見る──歓迎会のメンバーは皆、笑っていたり、微笑んでいる──さぁ、自分も歓迎会を楽しもう。

 第二十四章 絶望や死に嗤え 完

 第二十五章に続く──


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