社会問題小説・評論板
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- 暗闇の世界で、翼は溶けていった。 ※少し修正中。
- 日時： 2013/08/11 16:15
- 名前： 来夏 （ID: pHBCaraS）
———あの子の翼は、溶けていく。
あの子の翼は、希望と将来に満ち溢れていた。
そんな翼は溶けていく。
それは、暑い日に食べるソフトクリームの様に。
この世界で、あの子の翼は溶けていく。
———“虐め”によって、その翼は溶けていく。
◆詳細
この小説は、“虐め”ものです。
フィクションとノンフィクションが入っています。
過度な暴力表現などが苦手な方は、ご覧にならない方がいいと思います。
修正中です。
ようやく更新のめどが付きました。
そしてコメントをくれた方々に、感謝しています。
まだまだ描写は下手ですが、時間のある時に
細かく修正する予定です。
凄く今更ですが
2013年6月に、金賞を取った事に気づきました。
この小説で金賞を取ったとか、冗談としか思えてないですが、ありがとうございます。
投票をしてくれた皆様、今更過ぎますがありがとうございます。
こんな小説でも、読んでくれた方々に感謝しています。
完結させますので、どうかよろしくお願いします。
◆目次
■学校説明>>1
■虐めグループ >>30
■ターゲット >>31
■二年三組 登場人物 >>2
■その他の登場人物 >>7
◆話のまとめ
第１章 『虐め』>>32
第２章 『救世主』>>33
第３章 『不登校児の登場』>>34
第４章 『それぞれが抱える現状』>>43
第５章 『明るみに出た真実』 >>62
- Re: 暗闇の世界で、翼は溶けていった。 ( No.1 )
- 日時： 2013/05/11 13:41
- 名前： 来夏 （ID: pHBCaraS）
宮桜（きゅうおう）中学校
どこかの県の、どこかの市にある中学校。
沢山の桜の木が植えられている、一部の運動部が強豪な事で有名。
一学年三十人〜三十四人、四クラスで構成されている。
制服は紺のブレザーに、赤い無地のネクタイ・赤いチェックのスカート・ズボンが基本。セーターや靴は何でもあり。
制服の着崩しは許されているので、生徒はそれぞれ自分の好みにあった服装をしている。
カラコンなどは禁止だが、している生徒もいる。
髪の色は基本黒だが、茶髪などは地毛のみ認めている。
明らかに染められているのには注意するが、それや髪型については黙認状態になることも。
学校自体が“高校”じゃないかと思われている。
二年D組は三十二人。
- Re: 暗闇の世界で、翼は溶けていった。 ( No.2 )
- 日時： 2013/08/06 15:54
- 名前： 来夏 （ID: pHBCaraS）
◆他の登場人物
※外見変更あり
■麻生潤也（あそう じゅんや）
出席番号一番。
丸刈りで怒っている顔が特徴。
怒っている表情が常に出ている為、誤解されやすい。
戸川や今野と一緒に居る事が多い。
柔道部所属。
□音原霞（おとはら かすみ）
出席番号三番。一応本作の主人公。
髪の色は漆黒で、肩につくぐらいの長さ。瞳は茶色。
制服は、ブレザーか黒いカーディガン、ネクタイ。
冷静沈着で人付き合いが苦手。その為、クラスメイトとの交流はあまり無い。
だが頼みごとをされると、断る事が出来ない一面も。
他人がどうなろうが、自分には関係無いという考えを持っているが…
クラスでは常に一人で居る。
しかし矢上やクラスメイトに褒められた事で、少しずつ変わり始めている模様。
帰宅部。
■鹿島龍太郎（かしま りゅうたろう）
出席番号四番。
親友である矢上と同様、虐めには否定的な考えを持つ。その為、四之宮達には嫌悪感を感じている。
制服はベージュか白のカーディガンを羽織っている。
たまにクラス内でトップ点を取る。
さりげない優しさやそのルックスから結構モテる方だが、本人は全く気にしていない。
A組の八神と仲が良いが、恋愛関係かは不明。
サッカー部所属。
■木村剛（きむら たけし）
出席番号五番。
大人しく、眼鏡と雀斑が特徴。
オタクに見られがちだが、アニメなどには無頓着。科学が好きな男子。
科学部に所属している為、四之宮達に化学薬品を貸せと脅迫されている。
紀本と一緒に居る。
科学部所属。
■紀本愁（きもと しゅう）
出席番号六番。
木村と仲が良く、良く一緒に行動している。
実は隠れオタク。
脅迫されている木村を心配している。
テニス部所属。
□近藤理穂（こんどう りほ）
出席番号八番。
制服は、ブレザーとネクタイ。
榎本と仲が良かったが、四之宮達の脅迫によって榎本を裏切る。その事をずっと後悔している。
榎本を裏切った後、話しかけてくれた和田と一緒に居る。
吹奏楽部所属。
■今野太陽（こんの たかあき）
出席番号九番。
明るい性格で、近藤を励ますなど、優しい所もある。
麻生、戸川と一緒に居る事が多いが、鹿島や矢上とも仲がいい。
身長は小さめ。
バスケ部所属。
□佐倉舞（さくら まい）
出席番号十番。
肩まで届く、赤茶の髪が特徴。
近藤、目黒、和田と同じ班。
明るい性格だが、虐めの事もあり少し大人しくなっている。
虐めに関しては微妙な態度だが、四之宮達の過激な虐めに引いている。
新野と共に、いじめグループへと誘われてしまった。
テニス部、応援委員所属。
■瀬戸廉（せと れん）
出席番号十三番。
いつも一人で読書をしている。
受け答えが冷たい為、クラスメイトからは嫌われている。
一年の時、四之宮と同じクラスだった。
A組の相宮輝咲とは幼馴染兼彼女。
■多川雄大（たがわ ゆうだい）
出席番号十四番。
ワックスで立てた様な黒い髪が特徴。
キツイ性格で、人に対して冷たい口調や言葉を口にする事も。
濱田だけには、世話をしたりフォローをしている。
クラスでの決め事の司会担当でもある（生徒会である為）
何だかんだで人を心配している所もある。
濱田と一緒に居る。
生徒会会計所属。
■戸川将太（とがわ しょうた）
出席番号十六番。
両頬に湿布を貼っているのが特徴。
制服はブレザーか灰色のカーディガン。
父親からの虐待のせいで、体にも傷を負っている。なお、湿布を貼っているのはそのせい。
その傷がバレ、四之宮に呼び出された際、四之宮に虐めを止めてほしいと訴えた。
しかしその訴えもむなしく、今回の事件が起きてしまった事で複雑な思いを抱いている。
古川と少し交流があり、結果的には古川の心を少し変えた。
弓道部所属。
□名倉美沙（なぐら みさ）
出席番号十七番。
こげ茶のショートが特徴。
三並と仲が良く、三並の頑張りを認める女子。
三並と一緒に居るが、千原とも仲がいい。
四之宮達の喧嘩を止めようとしていた。
クラス内の書記担当。
バトミントン部所属。
□新野あい子（にいの あいこ）
出席番号十八番。
榎本と同じ班で、銀縁眼鏡が特徴の女子。
さりげなく榎本を傷つける言葉を口にしている。
クラス内では、一番絵が上手い。
虐めグループへ、佐倉と共に誘われてしまった。
美術部と保健委員所属。
■濱田光（はまだ ひかる）
出席番号二十番。
薄い茶髪を、長めに伸ばしているのが特徴。
大人しい性格で、身体が弱い。
偶然とは言えない程、虐めを目撃している。
多川と一緒に居る。
広報委員会所属。
□三波さくら（みなみ さくら）
出席番号二十四番。
サイドに結んだ黒い髪が特徴。
地理に関して詳しく、四之宮を押さえてトップ点を取る事も。
名倉と仲がいい。
図書委員所属。
■目黒尚人（めぐろ なおと）
出席番号二十五番。
近藤、和田と同じ班で、度々虐め現場を目撃している事が多い。
吉田と一緒に居るが、鹿島や矢上とも仲がいい。
一年の時、四之宮と同じクラスだった。
野球部、応援委員所属。
■矢上恭平（やがみ きょうへい）
宮桜中学校二年D組。出席番号二十七番。
髪の色は黒で、ツンツンとした髪型。
制服は、ブレザーにネクタイか黒色のカーディガン。
落ち着いているが、明るい一面もある。虐めに対して否定的で、四之宮達を嫌悪している。
音原と少し交流した事で、彼女の事を気にしている部分がある。
鹿島とは親友。
サッカー部所属
□矢野夢子（やの ゆめこ）
出席番号二十八番。
敬語口調と緩く結んだお下げの三つ編みが特徴。
音原の事が嫌い。
保健委員会所属。
■吉田昌平（よしだ しょうへい）
出席番号二十九番。
頭は丸坊主にしている。
芳田や矢野と仲がいいが、目黒と良く一緒に居る。
剣道部所属。
□芳田美咲（よしだ みさき）
出席番号三十番。
サイドなどはおかっぱだが、前髪は流しているのが特徴。
吉田や矢野と仲がいい。
バスケ部所属。
□和田風香（わだ ふうか）
出席番号三十二番。
少し薄い黒髪を高い所で、ツインテールにしているのが特徴
榎本を裏切り、傷ついている近藤と仲良くしている。近藤の事については元々仲良くしたかった存在らしい。
陸上部所属。
- Re: 暗闇の世界で、翼は溶けていった。 ( No.3 )
- 日時： 2012/04/04 14:34
- 名前： 来夏 （ID: LWVYGLAn）
episode１ 音原霞
——人に翼があるとしたら、それはどういう意味でしょう？
人に翼があるとしたら、それは夢へ羽ばたく為に使うものだろう。
けれど、その翼は言葉や行動で汚れたりする。
自分の行いで、その翼は汚れる。
そして、ソフトクリームの様に溶けて無くなると思う。
実際、そんなものは無いだろうけど。
そんな事を思いながら、あたしは教室で一人読書に夢中になっていた。
友達、と呼べる人は居ない。別に友達は要らない。
人付き合いが苦手で、あまり笑う事が無いあたしが「気持ち悪い」と言われるのも当然だから。
そう思っていたら、鈍い音が聞こえた。
———ああ、また“いじめ”か。鈍い音が聞こえた方へあたしは本から視線を映した。
そこに、今日は巻き毛をポニーテールにした女子が居た。その女子は笑顔を浮かべながら、ある女子の背中を蹴っていた。
その女子を、十人ぐらいの男女が取り囲んでいる。
ポニーテールの女子、四之宮紘歌が女子に嫌な言葉を浴びせている。
「何で学校来てるの？ ウザイんですけどー」
明るい性格で、いつも笑顔を絶やさない四之宮。でも今はその笑顔も怖い。不気味、と言える笑顔だ。
四之宮に嫌な言葉を浴びせられている女子は、四之宮を見上げた。
その表情は、痛みや苦痛に歪んでいた。でも、言い返さない。言い返しても無駄だという事が分かっているのだろう。
今、あたしのクラスでは平気でいじめが行なわれている。四之宮や他の男女によって、それは行われている。
ターゲットは、まだ一人目だ。一人目が何かの理由で選ばれてから、数ヶ月経った。
「なに、その目。睨んだって怖くないんだからね！」
赤毛（本人は地毛と言い張っている）のショートの女子は、桃沢葵だ。
桃沢も虐めに加担している人間だ。
———あたし？
あたしは、興味が無いのと関わりたくないからという事で、傍観者の立場だ。
他人を助ける？ 人と付き合いも無いのに、誰が助ける？
虐めは良くないとは思うが、助ける気など無い。
その時、小声があたしの耳に入った。
「今日、また写真じゃねぇ？」
「でも、写真なら今頃黒板消し投げつけてるよ」
「……自殺まで、追い込む気じゃないんでしょうか？」
読みが同じだけで漢字は違う名字を持つ吉田昌平、芳田美咲と矢野夢子だ。
丸坊主の頭が吉田、後ろはおかっぱで前髪はパッツンでは無いのが芳田美咲、緩く結んだ三つ編みなのが矢野だ。
この三人も、あたしと同じで助ける気は無いのだろう。すると矢野と目があった。矢野はこちらを見て怪訝そうにしながら、芳田達の方へ向く。
すると明るい声と楽しそうな声が聞こえた。
「はーい！ モップ持ってきたよ〜」
「あ、これ片付けろよな！」
次の瞬間、鈍い音と小さな悲鳴があたしの耳に響いた。見ると、虐められているターゲット、榎本琳華が頭を抑えながら涙目になっていた。
どうやら、あの二人がモップと転がっているバケツを投げ捨てた様だ。
お団子頭をピンクのシュシュで止めているのが、日村真奈美。その隣で額を丸出しにして少し長めの髪の髪を一部結っているのが野村匠だ。
どちらも、虐めには大賛成の立場に入る。
榎本は涙目になりながらも、モップと転がっているバケツを掃除用具のロッカーへ運ぼうとしていた。
四之宮や桃沢にわざと足を掛けられながら。
いつまで、この劇は続くのだろう。
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