BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
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- 【二次創作】さあ廻れ、アルカロイド【BL、NL、GL】
- 日時: 2016/08/11 10:34
- 名前: 夜藍 (ID: y36L2xkt)
- プロフ: https://twitter.com/yaai_ktrlov
百合の根を食んで君は静かに瞳を閉じる。
□リクエスト常時受け付けております!お気軽にどうぞ!詳しくは>>372で。
どうも、初めまして。
夜藍(やあい)と言います。
二次創作のBL、NL、GLを書いています。
文才は限りなくゼロに近いです。
マナーは最低限守ってください。宜しくお願いします。
■最近の作者の傾向■
雑食を極めています。特に松とBSRが熱い
○全体的な作品傾向と注意喚起 >>333
作品別に目次。
○APH >>150
○DRRR!! >>158
○黒バス >>163
○銀魂 >>168
○KB。 >>174
○ぬら孫 >>200
○HQ! >>260
○うたプリ >>318
○進撃 >>350
○JOGIO >>359
○妖アパ >>373
○サイコパス >>384
○とうらぶ >>397
○魔法 >>396
○しょばろ >>399
○BSR >>398
○お粗松 >>395
☆企画のもの→>>151
☆曲お題 >>170
【スレタイ更新履歴】
ヘタリアでBL小説。
箱庭の中で
虹色パレット
くるくるめりーごらんど
永久睡眠時間
泡沫少女
深海魚の笑い声
さよならネバーランド
熱帯魚の憂鬱
さあ廻れ、アルカロイド←今ここ
- Re: 【リク受付中】さあ廻れ、アルカロイド【BL、NL、GL】 ( No.389 )
- 日時: 2016/01/02 11:10
- 名前: 夜藍 (ID: CxgKVnkv)
- プロフ: 残るものの話 ジェスネ
episode117
欲しいものは全て掌を滑り、指をすり抜け、自分より遥か遠く届かないところまで落ちていく。それはまるですくい上げた水がみるみるうちに減っていくそれと似ていた。
だから僕はほんの少し手のひらに残った、飲み干してしまっても喉の潤いになるかならないかのそのひとつの雫をいつでも愛おしく感じていたのだ。
夜風が髪をさらっていく。頬に吹き抜けた冷たい風に思わず目を瞑った。
新月の今日は月の影だけが色濃く空に浮かぶ柔らかな光はどこにもない。あるとすればポツポツと点在する足元を照らすにも満たない星の光である。
そんな夜に密かに学校を抜け出しこの湖に来たのは魔術に使う薬草を採りにきたためである。
その薬草は水辺に生え、新月にしか花を咲かせないことで知られる。今日はその花を採取しに来たのだ。先程採取は終わり手元の麻袋にその花が入っている。
さあ気づかれる前に寮に戻ろうと踵を返して歩きだそうとしたところ。その瞬間であった。
「スニベリーちゃん、」と皮肉めいた声が耳元に届く。
運ばれてきたその声の主を僕はよく知っていたし知っていたうえで無視をした。
「あれ?君には人の声を聞く機能すらついていないのかい?」
憎まれ口をたたくそいつ_______ジェイムズポッターの横を尚も無視を決めながらずんずんと進んでいく。
「こんな所で一体何をしてたわけ?」
僕が無視を一貫するのと同じようにそいつは横に並んで一貫して話しかけてくる。とうとう無視も面倒くさくなって僕は口を開いた。
「貴様こそ、こんな所で何をしているのだ」
「質問に質問で返すのは良くないなあ、その足りない頭ではそうとしか返せなかったのかもしれないけど」
わざとらしく肩を竦めるところがまた腹立たしい。
等のポッターは僕が怒りに顔を歪めているのにもお構いなしで話し始めた。
「いやまあ、少し夜風に当たりたいな〜と外に出てみたら君が学校を出ていくのを見てね!面白そうだな〜と思って着いてきちゃったってわけ」
「……気持ち悪い」
「わ〜素っ気ない!それでいてグサッと来ちゃう!」
「来ていないだろう」
「バレた?」
いつもの嫌味の応酬、とはまた違う会話であったがこの状況下ですら飄々とした態度を、そして僕に構ってくるポッターが嫌いで仕方なかった。嫌いな奴と顔を合わせたならば無視をしてくればいいものを。
「最近いつも一人じゃないか、今日だって…寂しくないの?」
微笑みながらこういうことを聞いてくるところも大嫌いだった。眼前まで近づいてきたポッターを睨めつけて僕は言葉を返す。
「誰のせいだと…」
「最終的には君が招いた結果だろう?黒い魔術に傾倒していった君の、さ」
「うるさ…い…」
「あんまり黒く染まるものだからリリーにも相手にされなくなっちゃってさあ」
「うるさいうるさいうるさい!!!」
心の中で息を潜めていた怒りが口から外に出るのにそう時間はかからなかった。その言葉が決定打だった、限界だった。
「僕は多くを望むことはなかった!ほんの少しでよかったのに!この手に残るものなんてほんの少ししかないと解っていたから!」
「そうだね」
「なのに何故貴様はそれを奪う!たった一つだった…なのに!そして何故貴様は僕に構う!僕を嫌悪しているのだろう?僕だって貴様が嫌いだ、それならば何故いないものとして扱ってくれない!何故!」
口先は熱くなりながら頭だけは酷く冷静で、吐露されていく言葉を空虚だと思った。こんな言葉、誰に届くというのだ。もう僕の手には何も残っていないのに。最愛と幸福の隣に立つことは叶わないのに。
息を切らせながら全てを吐き出した僕の目の前でポッターは悲しげな笑みを浮かべていた。
哀れみ、だろうか。もっと笑い飛ばされると思っていた。けれどその方がずっと幸せだったかもしれない。何故そんな顔をするのか。それは彼が全てを持っている生物だったから。冷静な頭はすぐその答えに辿り着くことができてそれが余計に僕を苦しめた。
ずっと黙り込んでいたポッターがゆっくりと口を開く。
「なんで君に構うかってそれは、君のそのたった一つになりたいからだよ」
「は…?」
予想していたのと違う言葉が彼の口から溢れ出たことで僕はついぽかんとして相手を見やる。
けれどポッターは何を言い違えたという様子もなく言葉を続けた。
「友愛でもない恋愛でもない好意でもない、"最高の嫌悪の対象"として君のその手に僕は残り続けるよ」
怒りで握り締めた手を指さして彼は笑う。
「どんな形であれ君には残るものがあるんだ、それが君が望まないものだとしても、君がその憤怒を振りかざしてそれに襲いかかろうとしたとしてもずっと」
「………何を勝手な」
月の光のない暗闇の空の下でも彼が笑い続けているのはわかる。
寧ろ今の自分にはその笑顔が頼りだった。その笑顔に嫌悪しか覚えない自分にとっては。
なんて哀しい事だろう、憎み妬み嫌う事を必要としているなんて。そしてそうされることを望んでいる者が目の前にいるなんて。
けれど他人に哀れまれてもいい、疎んじまれてもいい、この関係は他の誰にも解ることはない、解る事は出来ない。自分と彼にしか、掌に残ったただ一つの雫にしか知れることはないのだ。
○水葬
(息を潜めて死んでいくこの関係は深海に沈み誰にも看取られる事無く死んでいくのだろうなんて可哀想なことだ、けれどそれで救われたのはきっと貴様と僕だ)
- Re: 【リク受付中】さあ廻れ、アルカロイド【BL、NL、GL】 ( No.390 )
- 日時: 2015/07/07 22:02
- 名前: 夜藍 (ID: caCkurzS)
- プロフ: 残るものの話 ジェスネ
episode117
あとがき的な。
ジェスネちゃん初挑戦でございます!
多くを望まないからたった一つリリーが欲しかったセブルスと、そのたった一つを持っていってしまったジェイムズ
何もなくなってしまったはずの自分に一つだけ残ってる物があって、それが『最高の嫌悪の対象』そのものだったそれはジェイムズというちょっと皮肉なお話でした。
そういえば別館も小説大会復活したんですね!めでたいめでたい!
マナー改善されたのかな…?わかりませんが、とにかく私も頑張りたいと思います!
- Re: 【リク受付中】さあ廻れ、アルカロイド【BL、NL、GL】 ( No.391 )
- 日時: 2016/01/02 11:12
- 名前: 夜藍 (ID: CxgKVnkv)
- プロフ: 小咄詰 ハリドラ ジェスネ
episode118
※>>387 の蛇足 ハリドラ
その食い込んだ爪を、手を振り払えなかったのは特に意味があったわけではない。目の前で起こる奇怪な事件に目も頭もついていかなかっただけであってアイツのエバーグリーンの瞳に捕われた訳でもその指に込められた力に息を呑んだわけでもないのだ。
大声を出すという判断が遅れてしまったのも、全部理由なんてない、どこにも、理由なんてないのだ。
考え事ばかりで授業の内容が入ってこない上、先程読んでいた本の内容まで遠く彼方まで飛んでいってしまった。全ては忌々しいポッターのせいである。
アイツに握り締められた手首は赤く変色していて爪を立てられた部分には痕が付いている。
ああ気持ちが悪い!なんということだ!僕としたことがあんなのに捩じ伏せられるなんて!
心の中の叫びは誰にも聞こえるわけもなく。そして何故かそれは言い訳に近いもので。
(嫌いじゃない…か)
アイツの言葉を思い返してみる。
相手も相手で気が動転していたのだろう、おおよそ自分に言うセリフではない。
(こんな痕をつけていくなんて)
手首を見つめて、思った。
(……傷物にされた責任を取ってもらわないと)
「……!?!? 傷物って!!!責任ってなんだ!!!それは恋人同士になるという事か!!??」
その考えに至った自分が恥ずかしくなりそれを誤魔化すようについ声をあげて立ち上がってしまう。
視線がひと束になってこちらに集中する________こちらの方が何万倍も恥ずかしい事態であった。
「ドラコマルフォイ…授業中だぞ静かにしろ…スリザリンは10点減点だ」
スネイプの冷たい視線とくぐもった声を聞き、頬が火照るのを我慢しながら静かに座る。
そんな僕を振り返るのはまたあの忌々しいエバーグリーンだ。ああそうだ、笑え笑え、その代わり君が失敗した時には我先に笑ってやるよポッター。
鼻を鳴らしてふんぞり返ってポッターの表情を見る。
するとどうだ、ポッターは目を丸くし、そして僕と目が合った瞬間にバツが悪そうに、けれどどこか嬉しそうにしていて________ついでに言うと頬も染まっていた_______。
その様子を見て、火照るのを我慢していた頬が活動を再開し始めてしまった。だがそれは先程とは別の意味で。
(あり得ないあり得ない!男と!よりによってあんな、あんな奴と!)
ブンブンと頭を振って考えを張らってしまおうとしてもダメで、体温はどんどん上がっていく。
きっと着込みすぎたのだ、そうだ。そういうことにしてしまおう。
半ば強引に思考を変えてそう思うことにした。
数週間もしないうちにアイツに言いくるめられ先程頭に浮かんできた関係になることをこの時の自分は知る由もなかったのだけれど。
*ジェスネ
めっちゃちょっとしたやつ(水葬とは関係ありません) ジェ(←)スネ ぽい
「僕は貴様が嫌いだ」
オニキスの瞳を爛々と輝かせながらまるで威嚇するようにお決まりのセリフを言う彼はどうにも可愛げがない。別にこんな奴に可愛げを求めているわけではないのだけれどなんだか面白くない。
という訳でいつも言わない本音をここで言ってみることにした。
そう決めて僕は口を開く。
「僕は嫌いじゃないんだけどな君のこと」
「え、」
意表を突かれた、という風な声と共に僕を睨めつけていた双眼がきょとん、と置いていけぼりになる。
よしよし、効果は抜群な様だ。
そのまま僕は言葉を続けた。
「地に這いつくばってどれだけ汚れようと堕ちようと生きていく、君はドブネズミにそっくりだね、そういうとこがたまらなく愛おしくて大好きだよ!」
嘘偽りなど何処にもないこの気持ちを彼に届けると当の彼は少し止まった後顔を赤くしてそっぽを向いてしまった。
「………貴様のそういうところが嫌いだ」
「だと思った〜!」
…なんでこんなに不機嫌なのか良く分からないがまあいい、スッキリしたし。
ああやっぱりこれをからかうのは楽しいなあ!
- Re: 【リク受付中】さあ廻れ、アルカロイド【BL、NL、GL】 ( No.392 )
- 日時: 2015/08/03 00:57
- 名前: 夜藍 (ID: LaqAx/EG)
- プロフ: しょばろ ロムシュウ 短い 暗い
episode119
「______死んだんだよ、お前は」
眩しいほどに真っ白な百合の花を僕に突きつけながら彼は言った。
彼の地の底から響くような低い声はいつもに増して威圧という二文字を感じる。
男の艶だなんだと昔から訳のわからないことを言いながら鍛えられたたくましい腕の先に反するように握られている華奢で優美な形をした百合の花はビルの隙間から吹いた風でその花弁を揺らす。
「何を言ってるの?よくわかんないなぁー」
僕が肩を竦めると、どん、と更に胸に百合の花を押しつけられるようにされた。仕方が無いので花を受け取る。
夜の街に降り注ぐ月光が花弁の白さをさらに際立たせていた。
「俺の中のお前は死んだ。記憶の奥底にあるお前は、もう死んじまったんだよ。」
ギリ、と恨みなのか、悲しみなのか、何が込められているのか『今』の僕には全く解らない鋭い視線が僕を突き刺した。『今』の僕まで殺してしまわんばかりの凶器のような視線。振りかざされたナイフから目を逸らして空を仰ぐ。
「ああ、そういう…」
酷い趣味だね、そう笑うと彼は少し視線を和らげた。
「いいよそれで、僕は_____『シュウ☆ゾー』は構わないさ。」
花をそっと胸に抱いて踵を返す。
本当に酷い趣味だ、残酷な、そういう意味で。
昔の僕も今の僕も殺すのは君だろう、死んでいくのは君のタイミングだろう。
君が恋焦がれてその胸に抱いたのはシュウでしかなくて今の僕ではない、そう言いたいんだろうけれど、僕の中の君は永久に変わらないのに。
「残酷だなあ、君だけ逃げるなんて」
〇死体に花
____________私の中で君は死んでしまったから
____________こうして花を手向けるのです
- Re: 【リク受付中】さあ廻れ、アルカロイド【BL、NL、GL】 ( No.393 )
- 日時: 2016/01/02 11:14
- 名前: 夜藍 (ID: CxgKVnkv)
- プロフ: 秀半 信光 ずるい話 みじかい
episode120
あまりにも戦場で無理をする彼に少しばかりの説教をしていたとき。「すまなかった、」と申し訳なさそうに謝った後、突然額に落とされた唇に身じろいでずるい、と僕が口にすると眼前の男は笑った。そう、そういう所、そうすれば僕が何も出来なくなってしまうと解っている所。そこがとてつもなくずるいのだ。
「秀吉のそういうところは嫌いだよ」
「お前に嫌われてしまっては困るな」
真面目な顔で真っ向からそう返してくるところもずるいと思う。それ以上何も言えなくなってしまうのもきっとお見通しなのだろう。
「ずるい男め」
「何か言ったか」
「なんでもないよ」
貴方は私が貴方を本当の意味で殺せないと知っているから何度でもこの凶器を、狂気をぶつけさせるのだろう。最期まで笑っていられるのだろう。
(私のことは覚えていない癖に)
(貴方は変わらない、私がいなくとも。ずるい)
「貴様は弱い」という一言で、貫き抉られたような心の蔵はなんとかまだこの世でも生きようとしている。けれどそれをこれから消し去るのは私で、そして貴方だ。
「最期までずるいお人だ」
その場に倒れる男を見つめながら死ぬのは、何度目だかもう忘れてしまった。
首の骨を絶つ音を頭の奥底で聞くのも、何度目だろう、私は目を伏せてまた深い眠りに落ちた。
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