BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
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- 悪魔のリドル 小説
- 日時: 2015/05/16 12:23
- 名前: ツヴィリング (ID: LdHPPNYW)
悪魔のリドルの小説です!
なお、作者は二人組です。
知ってる方、是非読んでみてください。
- Re: 悪魔のリドル 小説 ( No.35 )
- 日時: 2015/08/11 01:39
- 名前: ツヴィリング(月) (ID: UruhQZnK)
私は、部屋を出ると自動販売機を探しました。
すると、廊下を曲がった突き当たりに見つけました。
冷たいココアのボタンを押して、出てきたのを取り出すと
ふと、気配に気がつきました。
それは、進んだ先の廊下からで、気になって見に行くと
寒河江さんでした。
「………寒河江さん?」
「あれ……確か……。」
自己紹介したはずなのですが、もう忘れられています。
寒河江さんの記憶力がないのか、私の影が薄いのか……。
きっと前者ですね☆
「古灘です!」
「ああそうだった。」
思い出したのか、今覚えたのか……。
別にどちらでもいいですが。
寒河江さんはポッキーを片手に笑って言いました。
「寒河江さんもジュースですか?」
「んー、いや、今さっき兎角さんがいてさァ。」
「はぁ。」
東さんが?一体何があったのでしょう。
「ちょっと忠告をね。」
「忠告、ですか?何の………」
「実は伊介様が仕掛けに行ったんだよ。」
仕掛け……と言うと、殺りに行ったということですか。
「え……今日の裏オルエンテーションは……。」
「言ったんだけど、早く済ませたいって。らしいよなぁ!」
あははと笑って寒河江さんは言いました。
先を越されるなんて思いませんね。
伊介さんにやれるかなんて思ってませんし、
案外、東さんに追い出されるかも。
「………。」
と、考えていると後ろから陽気な声がしました。
「あれェ、春紀サンにしいなちゃんじゃないっスかぁ。」
「オッス鳰さんよー、なに持ってんの?」
馴れ馴れしい呼び方にムッとしましたが何か言おうとすると
寒河江さんのセリフに止められました。
「外部生は知らないっスかねー、
明星学園名物『プチあんぱん』に『プチメロンパン』」
「へー、一つくれよ」
陽気に話す走りさん。
……好きになれませんね。
「まー、体力は半分くらいしか回復しないけど
よかったらどーぞ。あ、しいなちゃんもいります?」
「いえ、結構です。あと呼び方馴れ馴れしいです」
「あっはは、兎角さんと同じこと言うんスねー!」
東さんと同じこと?
なんか嫌ですねその言い方。
「お二人とも、何してんスか?」
「あたしか?別に。」
「早くも第一の殺人が起こるかもですよ、走りさん。」
「いや、もしかして第二、第三も……。」
「推理モノかいっ!」
漫才のつもりですか、笑えませんし。
ていうか私真面目に言ったつもりなんですけど。
「だって今なぁ、晴ちゃんと伊介様と東さんが同じ部屋に……
もしかしてもう始まっちゃってるかもなぁ!」
笑いながら言った春紀さんの言葉に
突然走りさんは声色を変えて言いました。
「どーっスかね。お二人がたには先に教えちゃうッスけどォ、
あいつ結構な数殺してるんすよ。」
「ほー、東さん?」
私もそうだと思って聞いていたら、
走りさんは笑って「違うっスよ!」と言いました。
じゃあ犬飼さんかなと思っていたら
「一ノ瀬晴っス。」
!!
びっくりしました。
寒河江さんは本気にせず、走りさんの頭に拳を持って行き
ぐりぐりしながら言いました。
「またまたコノ、適当言っちゃってシバくぞ。
晴ちゃんターゲットっつったろ。」
走りさんは痛がりながらも、笑いながら
返しました。
「いやいやそうなんスけど、あいつ悪魔っスよ。」
悪魔?
「とんでもないやつっス。兄弟全員と親、殺してるんスよねー。」
「本当ですか?」
「いやーこれがマジな情報なんすよ。」
「兄弟や家族はやんねーだろ、普通。」
あー、寒河江さんはそう言うと思いました。
まぁ色々ですね。
「そりゃそーっス、いくらなんでも殺りにくい相手はいるっスよ。
それを奴はぶわぁっさりですからねー!」
「……。」
それを聞くと、寒河江さんは黙って何か考え込んでしまいました。
ですよね、寒河江さんにとって家族を殺すなんて考えられないでしょうね。
だって……
「あ、そーか。そーいや春紀さん家も兄弟多いっスもんねー!」
私が思ったことを走りさんが言いました。
え、ちょっと、やばいですよ!
いくらなんでも口に出して怒ることと怒らないことが………!
思った瞬間に、走りさんは「ひゃっ……!」と、声をあげていました。
「お前転べ!」
寒河江さんは、走りさんの足をかけて言った通り、転ばせました。
ズデンッと豪快に転んだ走りさんと怒った寒河江さん。
……修羅場っ!
私が圧倒されていると、寒河江さんは走りさんを睨みながら、
言い放ちました。
「ひとの家のことはほっとけよ……!」
「了解っ!ほっとくっス!!」
ビシィ!っと敬礼しながら、でもまだ笑いながら走りさんは言いました。
つくづく、イラつくひとですね。
「要するにお前は何でも知ってる事情通ってヤツか?
晴のことも東のこともあたしのことも。」
ジリジリと寒河江さんは、床に這いつくばっている走りさんを責めました。
「いやいや違いますって!」
否定する走りさん。
まぁ間違ってないですけどね。
「じゃあ教えとくよ。あたしはできる子だからな。
晴がどんな子でもターゲットならちゃんと始末つけるさ。」
「わかってるっすよ!!」
汗を流しながら、走りさんは言います。
寒河江さんは、諦めたように後ろを向いて、部屋に戻って行きました。
去り際に、
「もひとつ覚えとけ、お前あたしに嫌われてんぞ。」
普通なら軽く傷つく一言に、走りさんは変わらず陽気に
「了解!!」と言うと敬礼しました。
「……走りさん。心って知ってますか?」
「嫌味っスかぁ?一応あるッス!」
何を言っても変わらないらしいです、走りさんは。
「……いいんですか?伊介さんほっといて。殺っちゃうかもですよね。」
「あははないっすね、伊介さんなんかかないませんよー。『東』っすよ?」
それはひどくないですか?犬飼さんに……。
まぁいいですけど。
「そうですか?でも今の東さんなら私でも……な気がしますけど。」
「それはそうっすね〜、つかどこまで知ってんすか?ウチより事情通っスか?」
事情通なんじゃないですか。
「違いますよ。私だって……まぁいいです。戻ります。」
「えー!なんスか?意味深ー!!」
知ってるくせにわざとそんなこと言うところが
嫌われてるんじゃないですかね。
その性格は生まれ持った性(さが)なんでしょうか。
治しようがありませんね。
私は、冷たくも無くなったココアを開けると一口飲みました。
……ぬるくなっています。
しょうがないですね。
時間も頃合いですし、部屋に戻りましょう。
もと来た道を、5号室に向かって戻る途中
ふと、窓から外を見ました。
夕日は沈みかけで、空は少しオレンジに染まっていました。
episode3ー終
- Re: 悪魔のリドル 小説 ( No.36 )
- 日時: 2015/08/14 05:03
- 名前: ツヴィリング(月) (ID: UruhQZnK)
時刻、0時。場所は1908号室。
今この場所では、《裏オリエンテーション》が開催されようとしている。
「4号室遅いっスね〜」
はぁ。
まだ来ていないのは、東さんと、4号室のお二人です。
あ。
「おっ、来ましたね、遅いっすよー。」
早速始まりました。
《裏オリエンテーション》。
犬飼さんがいる、ということは失敗したのでしょうか?
いいざまですよ。
「ようこそ、アサシンの皆様明星学園へ。
ウチは走り鳰、黒組の裁定者っス。
理事会からの連絡はウチを通じて行うっスよ〜。」
知ってますよ……。
はぁ、眠いです。
走りさんの話によると、ルールの提示があるらしいです。
ルール1・暗殺に成功したものには報酬として望むものが
何でもひとつ与えられる。
ルール2・どのような手段を用いても構わないが、
黒組以外の人間を巻き込んではならない。
ルール3・暗殺に失敗、並びにルール2
に反したものは退学。
なるほど。
報酬ですか、何にしましょう。
「フーン、つまり溝呂木チャンを巻き込んだらイカンのね。」
溝呂木先生を巻き込んではいけない……。
「鳰〜、お前やっぱり学園の手先なんじゃん♪」
「『黒組の生徒は』巻き込んでも良しってことだよなぁ」
ん、番場さん?印象が違いますね。
二重人格って本当だったんですね、凶暴そうです。
「成功報酬何でもって本当にぃ?すごーい!滾る〜♪」
武智さんは両手を頬に当てて、うっとりしています。
「………来ていないものがいるようだが。」
東さんですか。
「東のことなら連絡はしておいたよ。あとは彼女の選択次第だね。」
案外、犬飼さんに一発喰らっていたりして……。
そのあとの走りさんの出したルールは、
『暗殺に挑戦できるのは一人一回。』
『予告表の提示、並びに出してから48時間いないの実行。』
「んー、これは早い者勝ちかの?予告がかぶってもいい?」
「かぶってもOKっス!利己的にどうぞ!」
ということは
「バトルロワイヤル……ですか…。」
私は考えながらつぶやきました。
「あの、質問です。一ノ瀬さんの暗殺って失敗する可能性あるんですか?
そういうふうには見えませんけど……。」
桐ヶ谷さんの質問に対し、走りさんは夕方、寒河江さんと私に言ったように
ニヤッと笑って言いました。
「甘いな、一ノ瀬晴は生き残るために何でもしてきた人間スよ。
簡単には殺れないっしょ!着々罠張ってるっしょ!」
走りさんの答えに対し、ブルブル震えながら桐ヶ谷さんは
「そう、なんだ……。」と言うと生田目さんが心配していました。
「予告表配りますよー!」
それは、赤いカードで明星学園のマークが入っているものが
二つ折りになっている縦長のカードでした。
「……使わないな、多分。」
東さんのご登場です!
変わりありませんね……犬飼さんと何もなかったかのように涼しい顔で
カードを受け取るとそう言いました。
「来たっ!晴ちゃんの最新版人間の盾ぇ!」
「あら〜やる気ないのね〜♪」
いいように言われちゃってるじゃないですか。
犬飼さんが逆上して言い返します。
「だったらさっさと帰れば!伊介はどうしても報酬が必要なのよ!!」
すると東さんは見くびれることなく
「嫌だね」と返しました。
すると次の瞬間!予告表をビリビリに破いてしまいました!
皆さんが唖然としている中、東さんの予告表を破く音だけが響いていました。
「一ノ瀬晴には誰も触らせない。
……ルール2によれば、黒組生徒同士の殺し合いは問題ない。
そうだろ?」
東さんのその言葉で、《裏オリエンテーション》は
終了しました。
episode4ー終
- Re: 悪魔のリドル 小説 ( No.37 )
- 日時: 2015/08/14 05:42
- 名前: 音夜 天 (ID: UruhQZnK)
ーその後、5号室
「あー、ねむーい!!」
部屋に入るなり武智さんはバフんっと布団へと走っていき
ダイブしました。
「しぃなちゃんは眠くないのー?」
「……眠いですよ。」
部屋の鍵を閉めながら私は答えました。
私だって、11時には寝るんですから。
「ねーえー、どう思う?」
「何がですか?」
ごろんっとベッドの上にうつ伏せになって、足をパタパタさせながら
武智さんは続けます。
「東サンさー、本気かな?晴ちゃんの……なんだっけ、盾?」
「盾かどうかは置いておいて、あの言い方は本気なのでは。
冗談を言うタイプには見えませんし。」
「でもさぁ、もしかしたら……」
「そうですね、そう見せかけて後で一人でゆっくり……。」
「味わうつもりかも……♪」
「……は?」
味わう?何言ってるんですかね。
殺るつもりだと言おうとしたのに。
私はベッドに腰掛けました。
「武智さん、独特ですね。表現というか……。」
「………そう?」
武智さんはまたゾクッとするような笑みを浮かべて言うと、
ベッドから足を下ろしました。
するっとした動きに、つい目がいってしまいました。
武智さんは、最初に見たときから思ったのですが
スタイルがいいです。
足腰も細いし、豊胸もあるというか。
それでいて妖艶な雰囲気をかもし出しているし………。
「………しぃなちゃんさぁ。」
「………?」
武智さんは私の方にするっと手を伸ばして、
その妖艶な笑みのまま、続けます。
「かわいいよね、ぜんぜんタイプじゃないんだけど。」
「………は?」
武智さんは伸ばした手で私の横髪を解きながら言いました。
なんて失礼なことをそんな顔で言っているんだと思いました。
タイプじゃないとか結構ですし。
むしろ嬉しいんですけど。
私がそんなことを考えたのが顔に出ているのかムッとしていると、
クスクス笑いながら
「………そうそうその顔。すっごい唆るっていうかぁ……」
「………からかわないでください…。」
私の髪を研いでいた武智さんの手をギュッと握って、振りほどこうとすると
そのままもう片方の手が伸びてきて私の肩を掴むと、そのまま軽く
押し倒しました。
……押し倒されてしまいました。
「………なんですか…。」
「………冷静だね。」
いくら大人ぶっていても、まだ14歳ですから
16歳の高校生にかなうとは思っていませんし、
私に体力的な戦力は一切ありませんし、
というか眠くて思考が働かないというか、
そんなこんなな理由で対抗するだけ体力の無駄だと判断したまでです。
「………あのさぁ、さっきの嘘なんだよね。」
「……何がですか。」
「んー、眠いっていうの。夜のほうが本業だからさ、慣れ切ってるっていうか」
私はふいっと、横を向きました。
「どうでもいいですし、私は眠いんですけど。」
「あはは、私の隣で寝るとか。朝まで生きていられるのかな?」
「お互い様でしょう。私だって暗殺者ですよ。」
「………クス。」
武智さんは笑うと、横を向いていたほうの私の頬を手で包むと
耳元で「ウソツキ。」と囁きました。
その瞬間、私の瞳孔が開いたような気がしました。
「………根拠は…。」
「言動かな?あと行動?…つかそう言ってる時点でアウト。」
「………。」
武智さんの、「全部知っている」みたいな言動に腹が立ってつい私も
口が滑ってしまいました。
「さすが、『21世紀の切り裂きジャック』ですね。
人の心理を読み解くのは得意ですか。」
はっ!
………口が滑ってしましました…。
episode5ー終
- Re: 悪魔のリドル 小説 ( No.38 )
- 日時: 2015/08/14 23:02
- 名前: 音夜 天 (ID: UruhQZnK)
なんだか1episodeが長くてごめんなさい……。
「あはは、知ってたんだ?」
「………。」
私はだんまりを通します。
「『私が』そーゆーことしてるって警察だって証拠持ってないのに……。
しぃなちゃんって、何者?」
「………………。」
武智さんは本気になって聞き出そうとしています。
あいも変わらずこの状況。
監視カメラに映っているこの体勢を
走りさんに変に誤解されなければいいのですが。
「…ふぅん、だんまり?あっそ。」
「………!」
武智さんは諦めて私の上から慣れたように退きました。
そして、私のベッドに腰掛けました。
「私さぁ、明日予告表出すから。」
「………え。」
私は起き上がりながら、小さな声を出しました。
「…なんで、私に言うんですか?」
「んー?だからぁ、私が成功したら黒組なんて終わるんだから
さっさと言ってって。」
「………。」
そういうことですか…。
武智さんが私のことを言いふらすようなことはしないと思います。
別に言ったっていいんですが。
私はもう半ば諦めて言いました。
「………探偵。」
「は?」
「私、探偵なんです。」
「………あ、そう。」
なんですかその微妙な返事。
「ですから、この依頼が来た時、初代黒組の資料から
参加した人の個人情報まで全部調べつくしました。
ですので武智さんのことを知っていても別におかしくありません。」
「………。」
武智さんは黙り込みました。
顔色を変えず、何か考えているようでした。
「じゃあ、他の人の私情も知ってるんだ?」
「走りさんほどではありませんけど。」
「………あのさぁ………。」
「………はい。」
武智さんは私の顔をじっと見ていました。
それは、探索をしているような目つきです。
私は、いやな予感しかしなく、その予感は当たってしまいました。
「………どっかで会ったことある?」
「………っ!」
私は息を飲みました。
一番気付かれてはいけない、と用心していたのに
自分でわかるほど、顔に出ていたと反省します。
これだけは言ってはならないと誓っていたので
この状況を壊さないと、また武智さんに吐かされてしまうと思い私は
行動を起こしました。
ベッドから立ち上がると、もう寝巻きだったのでそのまま電気を消して
私のベッドに腰掛けている武智さんを退かすことはできないと思い、
ソファに寝ようと体を預けました。
私の眠気はもうピークに達していたので、寝転がるとすぐに意識を失いました。
明日、何事もないといいです。
武智さんが予告表出すってこと以外には、何も…。
episode6ー終
- Re: 悪魔のリドル 小説 ( No.39 )
- 日時: 2015/08/15 11:43
- 名前: ツヴィリング(華) (ID: rE1CEdls)
Episode4
晴side
突然ですが、今日は旅行に来ています!
なんと北海道ですよー!
勿論、千足さんと柩ちゃんに復讐するためです!
少し出費は痛いですけど...
でも兎角さんも一緒に楽しめるから一石二鳥だよね!
*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*
柩「わぁっ!見てください千足さん!雪がたくさんですよ」
千足「そうだな、私もこんなに沢山の雪は初めて見たよ」
柩ちゃんはとてもはしゃいでいます。
...晴も雪遊びしてみたいなぁ...
い、今の所は一先ず皆で楽しもうかなっ!
晴「♪」コロコロ
兎角「?何を作ってるんだ、晴」
晴「雪だるまだよっ!兎角さんも一緒に作ろうよー」コロコロ
兎角「...分かった」
とっても楽しいです!
復讐のためとはいえ来て良かったです!
柩「ぼくも何か作りたいです!」
千足「そうか。雪うさぎでも作ろうか?」ニコ
柩「はいっ」ニコニコ
千足さんたちも楽しんでくれてるみたいです。
誘うのとっても大変だったから嬉しいなぁ
*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*・*
−数日前