BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
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- ここの生活
- 日時: 2016/08/16 13:37
- 名前: 朝倉 (ID: DVcR0E4k)
適当に自己満に近いオリジナルBL小説載せたいと思います。
気が向いた時に閲覧していってください。
- Re: ここの生活 ( No.29 )
- 日時: 2016/09/26 04:44
- 名前: 朝倉 (ID: SGjK60el)
「え、何?うるさいし。俺、耳が潰れるかと思った〜」
「え、は?…えぇ〜!で、溺愛って、お前、意味知ってんのか!?」
「そのまんまの意味でしょー?」
いきなり大声を出した俺にヤグモは肩を上げて俺を見ると硬直。リキは食べ終えて欠伸をしている。隼人からは視線だけ。隣にいた爆弾とも言える発言をした神山と呼ばれる青年は鬱陶しそうに眉根を寄せて耳を塞ぐ。
俺が驚いている状態のまま神山と呼ばれる青年に詰め寄ると、何が違うのだと、まるで当たり前のように返答されて、もう一度ゆっくり隼人とヤグモの方へ顔を向けると、2人は何事も無く普通に飯を食べている。
そんなわけがない。溺愛だなんて言葉のアヤだ。と自分に言い聞かせるように心で呟く。俺は生きてる上でBLを生で見た事は一度もない。だから、ただ彼等の仲の良さだと感じたかったのかもしれない。それか、ただ単にBLだと思いたくなかったのかもしれない。若しくは、彼等がそういうことをするような人材として見たくなかった、意識したくなかったのかもしれない。
けれど、今はどの感情を優先すべきか俺には分からなかった。
昼飯を食べ終えると、監守が来るまでにザックリヤグモが明日の脱獄の説明をした。
- Re: ここの生活 ( No.30 )
- 日時: 2016/10/09 05:02
- 名前: 朝倉 (ID: j1BtfBJW)
「明日、昼に俺のところで連絡をとる」
「連絡はとれるのか?」
「大丈夫だ。夜に俺が皆の檻を開ける」
「え!?そんなこと、出来るのか?」
「うるせぇぞ、チキン野郎」
「痛っ!」
「静かにしてよチキン君!」
ヤグモの説明にリキが質問し、ヤグモは短く簡潔に述べる。俺はヤグモがまさかそんな特技があるとは知らずつい大声を出すと静かに隼人に怒られ、空になっている皿を頭に向かって投げられる。隼人の方を見ていなかった俺は皿が頭に当たって痛みに手で摩り顔を歪める。何か言い返そうと口を開けば先程の件で今度は神山と呼ばれた青年が俺の肩に片手を乗せて馴れ馴れしく話する。
「おい!お前達、飯の時間は終了だ。風呂へ行け」
俺達は監守から声がかかりヤグモからの一言でバラバラに風呂に向かい、獄の中へ戻った。
ヤグモが話す計画は曖昧で少なくて簡単だ。まるでゲームの中のよう、だが、現実は甘くない。たとえ、手足、首につけられた枷が外せたとしても檻からは出られない。上がったり下がったりする度に大きな音を立てるこの檻の音は寝ていても煩すぎて目を覚ませるぐらいだ。
一体こんな所からどうやって脱獄しようというのか、捕まらないことだけは天でも神にでも祈った。
- Re: ここの生活 ( No.31 )
- 日時: 2016/10/18 20:54
- 名前: 朝倉 (ID: OqGA1o6a)
朝、部屋にあるスピーカーの音で目が覚める。嫌な目覚めだ。
自分は一体何をして捕まったのだろうか。誰かを誘き出す為の餌が自分だったとしても、その誰かが自分とそんなに関わっている人物なのかも分からない。
捕まる前に自分が何をしていたかも覚えていない。記憶がなくなっている。いつからの記憶がないのか考えていると、明るく太陽の差す外へ着いた。
とりあえず周りを見渡してリキを探すと、神山が目に付いた。大柄なワルそうな男2、3人を周りに明るく楽しそうに笑って話をしていた。自分より身長の高くガタイの良い男が周りにいるのに俺達に話す時と彼等に話す時が平等であるのが見て分かる。思わず関心してしまう。
もう一度リキを探そうと辺りを見回すと、昨日と同じ場所に同じ体制をして居る隼人を見つける。見つけるというより彼と目が合ってしまった。曲げた膝に肘を置いて片手の甲で頬杖している。気だるげなのが見て分かる。目も眠たそうだ(それは元からかもしれないが)。
昨日はヤグモと一緒に居た隼人だが、今日は一緒に居ないようだ。
俺と目が合ってからも特に好戦的にはならなかったのか、欠伸をして目を瞑ってしまった。
なかなかリキの姿は見当たらず歩き回っていると昨日と同じ声で声がかけられた。
- Re: ここの生活 ( No.32 )
- 日時: 2016/10/25 21:46
- 名前: 朝倉 (ID: z.RkMVmt)
振り返ると思っていた通りの人物が立っていた。
昨日と同じく建物の影に隠れる場所へ移動すれば、その男は話を切り出した。
「で、どうすんだ?お前。ヤツらと脱獄しようなんて考えてねーよな?」
「……俺は、脱獄してみようと思う」
「は!?正気か?そんなの出来るかどうかも」
「わからねぇよ!…でも、やってみなきゃわからないのも事実だろ?俺は一刻も早くここから出たい」
「捕まったらどうするんだよ、それこそ罪も重くなるし、ここだって今より厳重な警戒体制に入る。そうなったら」
「アイツらは…アイツらは、捕まるかもしれないことなんて、考えてないんだ。ほんの少しでも出られる希望があるなら、俺は挑戦してみたい」
「……お前、馬鹿だよ。じゃあな」
俺の真剣な表情を見たからか、男は諦めた様子で背中を向けると片手を上げて去って行った。また人混みへと目を向けると、扉の近くにリキの姿を見つけた。
リキへ駆け寄ると、声をかける。
「リキ!」
「ん?おお、真二かぁ、丁度話があったんだ、いいかぁ?」
「お、おう」
リキは俺を見ると、いつもの人の良さそうな笑みを浮かべては俺の肩に腕を回し、首に腕をかければ引き寄せられ人に見られないよう、壁を前にして小声でリキは真剣な声で告げた。
- Re: ここの生活 ( No.33 )
- 日時: 2016/11/07 22:53
- 名前: 朝倉 (ID: P4RGPyNJ)
「今、ヤグモが連絡とってる。夜、実行するが、二手に別れて行動することになったんだ。次の目的地まではなぁ」
「えっ!?」
二手と聞いて、頭で2人一組にされた場合を考えた。きっと、一人は絶対無いと思ったから。目的地までってことは確実に来れると信用出来ないと二手に別れても意味を成さない。きっと、警察をバラつかせる為だろうと思った。
もし、俺が神山と組んだら……
ー回想ー
神山「ちょっと、チキン君!邪魔邪魔!キミもボコボコにされたいの?」
ー回想終了ー
(ひいいぃ!絶対無理だ、嫌だ)
それなら、もし、俺がリキと組んだら……
ー回想ー
リキ「おぉ、大丈夫かぁ?もう終わったぞー?」
(ニカッと笑って怯えてる俺に手を差し伸べる)
ー回想終了ー
(おぉ、これはなかなかいい!リキなら強いだろうし、頼りになる!うん!)
じゃあ、もし、隼人と組んだら……
ー回想ー
隼人「おい、邪魔だぁ。……てめぇもぶっ殺されてぇのか、ああ?」
(胸倉を掴まれて、あわゆくば……)
ー回想終了ー
(いやいやいやいや、無理!絶対無理!危険だ!)
最後に、もし、ヤグモと組むなら……
ー回想ー
ヤグモ「……」
ー回想終了ー
(あ、やばい、全然想像出来ない。あいつが強いのかとか分からないし。闘ってる所想像出来なかった。ただ、突っ立ってるだけ……)
俺が頭を両手でかいていると、隣から素っ頓狂な声が聞こえてきた。
「何考えてるか知らねぇーけどよ、俺とお前とヤグモが一緒だからなぁ、覚えとけよ?」
リキへ顔を向けると、口角を上げて歯を見せ、あの人懐っこい笑みを浮かべた。