BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
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- 【完結】百合(GL) 短編(?)集
- 日時: 2025/05/09 21:38
- 名前: 有夏 (ID: KskuKnLt)
初めまして、有夏と申します!
このスレは私がふと思い付いた内容の百合(GL)をさーっと書いていく物です
何かが突然始まって突然終わるかもしれないです
・一応百合(GL)のつもりでも、どっちかの一人称が「ボク」だったりする場合があります
・キャラクター紹介はプロローグの後に決めました
・一つ目の作品と次の作品の物に基本的、繋がりはありません
・続編やアナザーストーリー、サイドストーリーの場合は明記します
・【短編(?)集】なので、色々な物が詰まってます
こんなので良かったらパラッと見ていってくださーい!
気付いたら結構な閲覧数に……感謝感謝です!
これからもどうぞよろしくお願いします!
お知らせ>>76 >>77
《目次》
1『私はキミの』>>1 >>3-21(終) キャラクター>>2
シリアス?
※↑この小説は大人小説カキコのとある雑談スレに私が別名で投稿した歌詞が元になっています。
2『真実の愛とは?』>>22 >>24-42(終) キャラクター>>23
シリアス?
3『真実の愛とは? スピンオフ』>>43 >>45-52(終) キャラクター>>44
シリアス?最後ちょっと甘い
4『銀竜草-ギンリョウソウ-』>>53 >>55-68(終) キャラクター>>54
シリアス?ミステリー?ファンタジー?※一部流血有
5『ほのぼのしそうな話-アリムラ荘の日常-』>>69 >>71-75(終) キャラクター>>70
ほのぼの?
- Re: 百合(GL) 短編(?)集 気紛れ更新 ( No.8 )
- 日時: 2017/02/25 23:27
- 名前: 有夏 (ID: jF5f2bDU)
『私はキミの』
Episode.4:夏休み-Side:マオ-(続き)
姉と幾つか言葉を交わした後、姉を部屋から追い払ってまたひとりになった。
今は天窓のシャッターを閉めているからそこから空を見ることは出来ないが、少し顔を動かせば窓があってそこから外が見れる。
今日も、いい天気だ。
青い空に、モコモコとした雲が幾つか浮かんでる。
「怠い……」
別に、風邪を引いているわけではない。
動きたくないのだ。
原因は、何となく予想がつく。
多分、夏休みが明けたらこれはなくなると思う。
きっと、ね。
部屋はクーラーが効いてて涼しいし、体が怠いから余計に眠気を誘われる。
いっそ、昼寝でもしてしまおうか。
次、私はいつ目が覚めるかな、なんて意味無く思ってみたり。
「あぁ……ホントに眠い……」
最後にそう呟いて、私は眠気に身を任せ、目を閉じた。
ゆっくりと意識は遠ざかり、やがて静かな眠りに就いた。
- Re: 百合(GL) 短編(?)集 気紛れ更新 ( No.9 )
- 日時: 2017/03/01 00:18
- 名前: 有夏 (ID: VNRRceKz)
『私はキミの』
Episode.4:夏休み-Side:ユカ-
夏休みに入って1週間。
それはつまり、マオと最後に会ってから1週間ということ。
夏休みの間は海外に居るから会うことは出来ないって言ってた。
正直、寂しい。
それを紛らわす為に、夏休みほぼ毎日誰かと遊ぶ約束をしている。
今日だって、愛、楓、歌音の三人と待ち合わせをしてて、私が一番最初に待ち合わせ場所に着いちゃったし。
「マオに会いたいな……」
夏休み前に訊かれた、あの言葉がずっと頭に引っ掛かってて、夏休み明けてまた会えるのか不安になる。
雲ひとつない空を見上げて、私は小さく呟いてた。
「寂しいよ。会いたいよ」って。
「由香〜! お待たせ〜!」
そしたら、不意に聞き慣れた声がした。
私の次に待ち合わせ場所に着いたのは愛だった。
「愛〜、おはよー。全然待ってないよ〜」
友達と一緒に居ることで寂しさが紛れるから、皆と一緒に居る。
定期的に勉強会も開いて皆で課題を片付けたりもする予定だし。
少しでも、独りの時間を減らしたいから。
せめて、皆と居る時はマオに会えなくて寂しい気持ちを忘れられるから。
そのあと、大体同じタイミングで楓と歌音が着き、早速カラオケへと向かった。
- Re: 百合(GL) 短編(?)集 気紛れ更新 ( No.10 )
- 日時: 2017/02/26 23:57
- 名前: 有夏 (ID: Nco3mzUY)
『私はキミの』
Eposode.5:2学期の始まり、終わりへのカウントダウン-Side:マオ-
夏休みは、無為に過ごした。
いつも怠くて、動く気力がなくて、大体眠ってた。
家族には心配されたけど、大丈夫で押し通して、静かに夏休みが明けるのを待っていた。
そして、今日は始業式。
夏の過ぎきってない今の時期、当然体育館はムシムシしている。
何が悲しくてこんなムサい中に居なきゃいけないんだと思う。
最悪だ。
そして、今日は恐らくいつもの場所でユカと会う。
きっと、ユカは今日も来る。
私に会いに。
私は、ユカに言わなければならない事がある。
とても、重要な事。
私にとってはそうでもないけど、きっと、ユカにとっては大切な事。
ああ、やっぱり。
「マオ! 久し振り!!」
今日も元気にユカは来た。
満面の笑みと、嬉しそうな表情。
私に抱き付いてきて、猫のように頬をすりよせる。
でも、私はその背中に手を伸ばさない。
「……マオ……?」
不思議そうに体を離し、顔を覗き込まれる。
私は、表情を繕うのが面倒だから、無表情のまま告げる。
「もう二度と、会いに来ないでね」
そして、私はマオの手を振りほどき、階段を降下りていく。
仕方ないから、屋上へはもういかない。
四角い窓から外を覗くしかない。
覗ければ、だけどね。
- Re: 百合(GL) 短編(?)集 気紛れ更新 ( No.11 )
- 日時: 2017/02/27 00:10
- 名前: 有夏 (ID: Nco3mzUY)
『私はキミの』
Episode.6:崩れる世界、失われる色-Side:ユカ-
2学期が始まってウキウキで、屋上へ向かった。
マオと会える、1ヵ月半ぶりに、やっと。
「マオ! 久し振り!!」
久々に会えて、私は抱き付いた。
久し振りの、マオの体温。
マオの、匂い。
太陽みたい。
でも、いつもの感覚がない。
背中をそっと撫でてくれる、マオの手の感触が何故かない。
「……マオ……?」
顔を覗き込むと、マオは無表情で冷たい目をしていた。
どうでも良さそうな、目。
そして、マオはこう言った。
「もう二度と、会いに来ないでね」
私の手を振りほどいて、マオは行ってしまった。
追いかけることさえ出来なかった。
私はその場に崩れ落ちて、ただ呆然と涙を流す。
どうして?
どうして、そんなことを言うの?
私、何かした?
私に嫌なとこあったら直すよ?
マオ……
ねえ、マオ……
一人にしないで……
「マオ……側に、居てよ……」
- Re: 百合(GL) 短編(?)集 気紛れ更新 ( No.12 )
- 日時: 2017/04/04 00:09
- 名前: 有夏 (ID: .0wZXXt6)
『私はキミの』
Episode.7:変わらない世界、終わり行く世界-Side:マオ-
ユカを遠ざけても、駄目だった。
もう、限界らしい。
あーあ、この先ユカは大丈夫なのかな。
「先生、ユカをよろしくお願いしますね」
私の言葉を伝えられるのは、これが最後だと思うから"先生"に遺言として言葉を残した。
「真緒ちゃん、まさか……」
さすがは先生。
私はもう消えてしまう。
ユカは、私にとって特別だった。
妹のように可愛くて。
私と違って素直な子。
「ユカの方がずっと、前より出てる時間が多くなってきて。それに、もう……」
感覚がする。
人格が消えていくときとは少し違うけど、表に出るのが辛くて、息をするのさえ辛い。
今までこんなことになると思ったことはなんて一度もなかった。
でも、もう遅い。
手遅れだった。
最初は、ユカはただの人格だったのに。
その内イマジナリーフレンドみたいに外へ出てきて。
本人は気付いてない。
自分の中に"誰か"が居たことは前にもあったのに。
ユカは何かが違った。
今までの子達とは、全然。
「……真緒ちゃんが、外へ出れなくなったら……」
「ユカなら、大丈夫ですよ。私の代わりに何でもこなせます」
ああ、今だってほら。
息をするのが、声を出すのが辛い。
頭が、ボーッとして来る。
ああ、多分、もう……
世界は、終わる。
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