BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

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【完結】百合(GL) 短編(?)集
日時: 2025/05/09 21:38
名前: 有夏 (ID: KskuKnLt)

初めまして、有夏ありかと申します!
このスレは私がふと思い付いた内容の百合(GL)をさーっと書いていく物です
何かが突然始まって突然終わるかもしれないです

・一応百合(GL)のつもりでも、どっちかの一人称が「ボク」だったりする場合があります
・キャラクター紹介はプロローグの後に決めました
・一つ目の作品と次の作品の物に基本的、繋がりはありません
・続編やアナザーストーリー、サイドストーリーの場合は明記します
・【短編(?)集】なので、色々な物が詰まってます
こんなので良かったらパラッと見ていってくださーい!

気付いたら結構な閲覧数に……感謝感謝です!
これからもどうぞよろしくお願いします!


お知らせ>>76 >>77


《目次》
1『私はキミの』>>1 >>3-21(終) キャラクター>>2
シリアス?
※↑この小説は大人小説カキコのとある雑談スレに私が別名で投稿した歌詞が元になっています。

2『真実の愛とは?』>>22 >>24-42(終) キャラクター>>23
シリアス?

3『真実の愛とは? スピンオフ』>>43 >>45-52(終) キャラクター>>44
シリアス?最後ちょっと甘い

4『銀竜草-ギンリョウソウ-』>>53 >>55-68(終) キャラクター>>54
シリアス?ミステリー?ファンタジー?※一部流血有

5『ほのぼのしそうな話-アリムラ荘の日常-』>>69 >>71-75(終) キャラクター>>70
ほのぼの?

Re: 百合(GL) 短編(?)集 気紛れ更新 ( No.58 )
日時: 2017/04/16 07:35
名前: 有夏 (ID: JrQ720Id)

『銀竜草-ギンリュウソウ-』
Episode.2:ひとり-Side:緋菜-(続き)


「先生呼んで来て!」
女子生徒の一人がそう叫ぶように行って一つ足音が遠ざかっていく。
「ど、う……して……」
昔と同じ。あの時と同じ。
どうして、こうなるの。
「っ……」
私は震える手を握り締めながら走ってその場から逃げ出す。
どうせ皆は私がどうしようと気にしないから。

「な、んで……また……」
昇降口に着いて下駄箱近くの柱の側で座り込む。
走ったからなのかさっきのあの光景を見たからなのか、呼吸が苦しい。
手が震えて、足も震えてる。
怖い……怖いよ……。
「彩羽……助けて……」
あの時みたいに、助けて。傍に居て。
お願い、彩羽……。
「————緋菜」
不意に後ろから聞き慣れた、そして私の望んだ声がした。
どうにか振り返ると、そこには彩羽が立っていた。
でも、表情がとても厳しい。
「彩羽……助けて……怖いよ……」
震える声で助けてを求め、彩羽に手を伸ばす。
でも、彩羽はその手を取ってはくれない。
どうして? 彩羽……お願い……。
視界が滲んで彩羽の輪郭が曖昧になっていく。
「今泣いたら、またさっきみたいになるよ」
冷たい彩羽の声が、私の呼吸を一層浅くする。

Re: 百合(GL) 短編(?)集 気紛れ更新 ( No.59 )
日時: 2017/04/16 08:10
名前: 有夏 (ID: JrQ720Id)

『銀竜草-ギンリュウソウ-』
Episode.3:気付かせるため-Side:彩羽-


職員室に用事があってそれが終わってから一度教室に戻るつもりだった。
でも、不意にあの独特な寒気がして気付いた。
「……まずい、かも……」
そう独り言を呟くと一人の女子生徒が慌てて職員室に来た。
「っせ、先生っ、穂乃花がっ、血がっ!」
半分泣いてて単語しか話せてないがその言葉から不吉な物が聞き取れ、職員が何人か慌てて出てきた。
一人はその女子生徒を宥め、他数人は場所を聞いて走って行く。
でも、私は慌てず職員達とは違う方へ向かう。
多分昇降口辺りには居ると思うから。

昇降口に着くと、そこにはやっぱり怯えて座り込む緋菜が居た。
「緋菜」
名前を呼ぶとゆっくりと振り返って涙を溢れそうなほど目に溜める。
「彩羽……助けて……怖いよ……」
震える声でそう言って緋菜は私に手を伸ばす。
でも、私はその手を取らない。
「今泣いたら、またさっきみたいになるよ」
代わりに私は冷く応えた。
そしたらびくりと体を震わせ、浅い呼吸をどうにか整えようとしてる。
今もう一押ししたら彼女はパニックに陥るだろう。
でも、気付かせるためだから。
「…………今日、緋菜の家に行きたい」
あそこで言えば全部、気付いてくれる。
そして、私は。
私の役目は。

Re: 百合(GL) 短編(?)集 気紛れ更新 ( No.60 )
日時: 2017/04/16 13:47
名前: 有夏 (ID: dFWeZkVZ)

『銀竜草-ギンリュウソウ-』
Episode.4:私の家-Side:緋菜-


「今日、緋菜の家に行きたい」
突然そんな事を言われ、驚いて急すぎて戸惑った。
涙を拭って彩羽を見上げるとその表情はとても真剣で。
「う、ん……わか、った」

学校から歩いて15分ほどのところに、私の家はあった。
向かう途中、ずっと彩羽は何も言わず黙々と私の隣を歩いていた。
その無言が辛くて、どうして怒ってるのかとか解んなくてまた泣きそうになる。
「ここ、だよ」
家の周りには私の住むこの家しかなく、見た目は普通の一軒家。
私は鍵を開けて玄関のドアも開ける。
「……緋菜」
彩羽は家に近付こうとはしてくれない。
それどころか怪訝そうな顔をして私の名前を呼んだ。
「い、ろは……?」
「どうしたの?」と目で問うと彩羽は僅かに目を細める。

「……ここでいい。家には入らない」
そう頑ななのでその場で話をする事になった。

「…………何でああなるのか、とか知りたいでしょう」
少しの沈黙の後、彩羽が静かに切り出した。
彩羽のその先の言葉が怖くて、自分の手を握り締める。

Re: 百合(GL) 短編(?)集 気紛れ更新 ( No.61 )
日時: 2017/04/16 17:27
名前: 有夏 (ID: X5qqmbM.)

『銀竜草-ギンリョウソウ-』
Episode.4:私の家-Side:緋菜-(続き)


「今まで、何度も身の回りで変な事が沢山起こったでしょう?」
ビクッ、と心臓が大きく跳ねた。
確かに、沢山あった。

小学校の時、独りで皆に話し掛けても無視されてて、
「何で無視するの? どうして答えてくれないの?」
って泣きながら叫んだ事があった。そしたら、窓が割れて何人も怪我をしたりとか。
とても怖くて。嫌だ、怖い、嫌だ、誰か助けてって言ったら、机とか椅子とか色んな物が倒れて。
もっと怖くて。
まるで、さっきみたいに。
だからあの場所から逃げ出した。
また、あの時みたいになってほしくなくて。

「さっきの以外にも嫌いな人が事故に遭って大怪我したりとか、無かった?」
…………あった。嫌いな人が、居なくなれば良いのにって思った人が、事故に遭って入院したりとか。
「不安な時、変な物音がしたり」
……どうして、知ってるの?
私、そういうの彩羽に相談した事無いのに。
「変だと思わなかった?」
変だなって、思ってたよ。
ただ、私は。
「気のせいかと、思ってた」
そう思うようにしてた。
「それは、全部気のせいじゃないよ」
待って、覚悟が出来ない。怖い。
耳を塞ぎたい。何も聞きたくない。
嫌だよ。お願い、何も言わないで。
「だって、貴方は」

Re: 百合(GL) 短編(?)集 気紛れ更新 ( No.62 )
日時: 2017/04/16 18:19
名前: 有夏 (ID: X5qqmbM.)

『銀竜草-ギンリョウソウ-』
Episode.5:噂-Side:彩羽-


昔、私が転入した小学校では特定の条件を満たすと奇妙な現象が起こるという噂があった。
その噂を聞いた児童が放課後にひっそりとその条件を満たして、何度かその現象が起きた事もある。
そして、私と教員達の会議で私のクラスには必ず1つ、席を多く配置する事が決まった。

「いやぁ、まさかあの"霊能力少女"がこの学校に来るとはねぇ」
会議が始まる前、待合室に居る時にヒソヒソとそんな話が聞こえてきた。

「……こんな学校で大丈夫なのかしら」
私の隣に座る母が苛立ちを覗かせながらそんな事を呟く。
「大丈夫だよ。イヤな感じのはいないもん」
今のところ、イヤな空気は流れてなかった。どこに案内されても、それは変わらなかった。
「でも"居る"んでしょう?」
確かに"居る"のには変わりない。しかも"その子"は存在がとても危うい"善"と"悪"の中間。
少し押せば"悪"に変わり、少し引けば"善"に変わる様な、そんな存在。
「イヤな子にならなければ、大丈夫」
私が良い子に変えれば大丈夫。そう思ってた。


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