BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
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- 【完結】百合(GL) 短編(?)集
- 日時: 2025/05/09 21:38
- 名前: 有夏 (ID: KskuKnLt)
初めまして、有夏と申します!
このスレは私がふと思い付いた内容の百合(GL)をさーっと書いていく物です
何かが突然始まって突然終わるかもしれないです
・一応百合(GL)のつもりでも、どっちかの一人称が「ボク」だったりする場合があります
・キャラクター紹介はプロローグの後に決めました
・一つ目の作品と次の作品の物に基本的、繋がりはありません
・続編やアナザーストーリー、サイドストーリーの場合は明記します
・【短編(?)集】なので、色々な物が詰まってます
こんなので良かったらパラッと見ていってくださーい!
気付いたら結構な閲覧数に……感謝感謝です!
これからもどうぞよろしくお願いします!
お知らせ>>76 >>77
《目次》
1『私はキミの』>>1 >>3-21(終) キャラクター>>2
シリアス?
※↑この小説は大人小説カキコのとある雑談スレに私が別名で投稿した歌詞が元になっています。
2『真実の愛とは?』>>22 >>24-42(終) キャラクター>>23
シリアス?
3『真実の愛とは? スピンオフ』>>43 >>45-52(終) キャラクター>>44
シリアス?最後ちょっと甘い
4『銀竜草-ギンリョウソウ-』>>53 >>55-68(終) キャラクター>>54
シリアス?ミステリー?ファンタジー?※一部流血有
5『ほのぼのしそうな話-アリムラ荘の日常-』>>69 >>71-75(終) キャラクター>>70
ほのぼの?
- Re: 百合(GL) 短編(?)集 気紛れ更新 ( No.53 )
- 日時: 2017/04/11 22:57
- 名前: 有夏 (ID: A8w5Zasw)
『銀竜草-ギンリョウソウ-』
Prologue:生き物係り-Side:緋菜-
小学3年生の頃だった。
私は生き物係りで教室で飼っている金魚の世話をしてから下校するのが日課だった。
他の皆は、先生が居る時以外何もしないから。
可愛かった。餌を求めてパクパクずっと口を動かしてて。
「ふふふ、今あげるね」
3週間に1回水も交換して。
パラパラ餌をあげて、食べる姿を少し眺める。
やっぱり、パクパク食べてる。
「夏原さん、まだ居たの?」
一人でクスクス笑いながら金魚達を眺めていたら突然声をかけられた。
「えっ……あ、うん」
振り返るとそこにはクラスメイトの女の子が立っていた。
驚いて頷いたけど、彼女はどうでも良さそうに「ふぅん」と応えただけ。
どうして私なんかに話し掛けたのかな。
私はまた水槽に向き直って金魚達を眺める。
「生き物、好きなのね」
「ひえっ————?!」
いつの間にか隣に並んでいたその子にそう言われ、また驚く。
ビクリと跳ね上がって変な声まで出てしまった。
「……そんなに驚く事ないでしょう」
不機嫌にそう言われたけど、突然耳元で言われたら驚くよ。
「だって……」
私は、ちゃんと話し掛けられた事なんて無かったから。
「まあいいけど」
結構冷めた子なのかどうでも良さそうに振り返ってドアの方へ歩いて行った。
一体、何をしに来たのかな。
「ねえ、一緒に帰らない?」
ドアの所で彼女は立ち止まり、私に向けてはっきりそう訊いた。
初めて、そんな事を言われた。
嘘みたい。嬉しい!
「う、うんっ!」
あの子が、私に出来た最初の友達。
最初で、最後の私の友達。
- Re: 百合(GL) 短編(?)集 気紛れ更新 ( No.54 )
- 日時: 2017/04/12 10:18
- 名前: 有夏 (ID: XH4MkDBC)
『銀竜巣-ギンリョウソウ-』
キャラクター紹介
(設定を細かく決めてるのに本編に一切出てこない事柄が多い事に気付きました。でも書く)
夏原 緋菜(なつはら ひいな)
年齢:14歳 誕生日:9月27日
容姿とか:ストレートの黒髪を肩ほどまで伸ばしてる。色白でいつも体調悪そうな感じ。身長150cm。
小学校から生き物係りをずっとやっている。好きな動物は金魚とウサギ。ちょっと臆病なところがある。基本的にクラスでは一人で居る事が多い。昔からクラスに馴染めてない。一人っ子で兄弟も居らず、両親は仕事で居ないため家でも一人の場合が多い。
弓場 彩羽(ゆみば いろは)
年齢:14歳 誕生日:7月9日
容姿とか:黒髪を腰まで伸ばしてる毛先5cmほどに緩くウェーブが掛かってる。色白ではあるものの、不健康そうな感じはしない。身長155cm。昔からよく親戚に人形みたいだと容姿を褒められていた(本人は嬉しくない)。小学校に上がる時に両親が離婚して母と二人暮らし。クラスメイトとの会話はあるが若干浮いてる(でも気にしてない)。感情を表情に出さない。
弓場 彩子(ゆみば さやこ)
年齢:36歳 誕生日:6月14日
容姿とか:ストレートの黒髪を胸の辺りまでの長さに伸ばしてる。雰囲気が彩羽ととても似ていて愛想は良いが何を考えているのか読みにくい。身長164cm。彩羽の父親と離婚した理由は"教育方針"が違ったため。
- Re: 百合(GL) 短編(?)集 気紛れ更新 ( No.55 )
- 日時: 2017/04/13 20:21
- 名前: 有夏 (ID: 3el8KrnW)
『銀竜草-ギンリョウソウ-』
Episode.1:進級-Side:緋菜-
今日から中学2年になる。クラス替えもあったけど、今年も彩羽と同じクラスだったから良かった。
小学校3年生からクラスが一緒になって、途切れることなく8年目。
毎年進級したりする時は緊張してた。もし違うクラスだったら不安だなぁって。
でも、そんな事にはならずに済んでる。物凄く嬉しい。
「彩羽、今年もよろしくね」
昼休みに彩羽に声を掛けると視線だけで応えられた。
彩羽は、結構こんな感じ。冷たい訳じゃないんだけど淡々としてる。
無駄な事は言わない、見たいな感じ。最初は怒ってるのかと思ってたけど、徐々にそうじゃないっていうのが判っていった。
私は彩羽の性格をある程度解ってるから言葉で返さなかったけど、何も知らない人に対しては短いけれど言葉で返す。
「あ、弓場さん、今年も一緒だね。よろしく」
他のクラスメイトが彩羽に声を掛けると彩羽は顔を上げて、
「……よろしく」
と答えた。
そしてその子は何とも言えない表情で自分の席に戻っていった。
私は休み時間の間、彩羽の席に近い壁に寄り掛かってただ言葉を交わさずにいた。
彩羽は私を邪険に扱わない。無視もしない。気にかけてくれている。
そんな彩羽の隣にいると安心する。
「あ、もうそろそろ戻らなきゃ。またね」
一言声を掛けると「うん」と小さく返事が返ってきた。
やっぱり、彩羽の声は落ち着く。
- Re: 百合(GL) 短編(?)集 気紛れ更新 ( No.56 )
- 日時: 2017/04/14 21:28
- 名前: 有夏 (ID: 3vsaYrdE)
『銀竜草-ギンリョウソウ-』
Episode.1:進級-Side:緋菜-(続き)
休み時間の度に彩羽の隣に行って、たまに言葉を交わして癒されて安心して自分の席へ戻っていた。
そして、もう今は放課後。
私達は言葉を交わさず、当然のように並んで歩く。
ある時から一緒に帰るのが当然になって、放課前に声を掛ける時は都合がつかなくて一緒に帰れない時になっていた。
「緋菜」
不意に名前を呼ばれて何かな?って視線で先を促す。
「…………もう中学2年だし、一緒に帰るの止めようか」
「————え、っ?」
一瞬、何を言われてるか解らなくて思わず立ち止まる。
いや理解は出来てるけど、何でそんな事を言い出したかが解らない。
「なん、で?」
私、嫌われるような事したのかな。
心臓が煩くて、とても不安で。
「嫌いになった訳じゃないよ」
彩羽も足を止めて数歩後ろにいる私の方を振り向いて答える。
表情が乏しい彩羽が何を考えてるのかが判らない。
「なら、何で……?」
この距離が、私達の心の距離みたいに錯覚してしまう。
どうしてかな。私達はいつも並んでいたんじゃないの?
「…………その内、教えてあげる。今は教えてあげられないから」
————ごめんね。
嫌だ。一緒がいいのに。
謝らないで。謝るなら一緒に帰りたいよ。
- Re: 百合(GL) 短編(?)集 気紛れ更新 ( No.57 )
- 日時: 2017/04/16 07:01
- 名前: 有夏 (ID: 3vsaYrdE)
『銀竜草-ギンリョウソウ-』
Episode.2:ひとり-Side:緋菜-※一部ちょっと流血有
あれから3日。
あの日から彩羽は本当に一緒に帰ってくれなくなった。
桜の花びらが窓から滑り込んでくる放課後の教室に、彩羽の姿はもうない。
「独りは、嫌だよ……」
もう、あの頃みたいになりたくない。彩羽だけなのに。
彩羽だけが私に話し掛けてくれて、彩羽だけが私の話を聞いてくれて、彩羽だけが。
なのに、何で?
「じゃあ、私も自分のクラスから忘れ物取ってくるねー」
「うんー」
「あー、今日疲れたー」
「私体育委員会とかめんどいー」
「自分で選んだんじゃん」
「あはは、まーねー」
女子生徒4人が忘れ物をしたのか談笑しながら教室に戻ってきた。
その内の1人は教室が違うらしく、教室の前を通り過ぎて行った。
私は鞄を背負って彩羽のいない教室を後にしようとドアに近付く。
「ってかさー、昔から思ってたんだけど弓場さんって変わってるよね」
不意に彩羽の話が出て、思わず立ち止まる。
背を向けたまま意識だけを3人に傾け、何でそう思うのか聞けたら良いなと思った。
「あー、何かいつも一人で話してるよね」
私と話してるんだもん。彩羽は一人じゃないもん。
「あの子、昔っからそうだよね。笑わないし」
そんなんじゃない。彩羽は確かに表情には出さないけどちゃんと笑ってるもん。
「ついでに冷たいし」
冷たくなんかない。彩羽は優しい。そんな事言えるのは彩羽をよく知らないから。
「あの子に変な噂あるのよ」
「噂なんて全部嘘だよ!!」
噂にろくな物がないのは、私がよく知ってる。
私は廊下の方を向いたまま、叫んだ。
————ガッシャアアアアンッ!!!
不意に廊下の窓ガラスが割れた音が鳴り響いた。
「キャアアッ————!!」
そして、廊下からの悲鳴も。
「穂乃花?!」
教室に居た3人が悲鳴を発した女子生徒の名前を呼びながら私の隣を通り過ぎる。
私は、目の前の光景に呆然と立ち尽くしていた。
だって、目の前には————、
「穂乃花ッ!!!!」
教室から出てきた女子生徒は悲鳴を上げて、その場に手から血を流しながら座り込む穂乃花と呼ばれた女子生徒に駆け寄った。
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