BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
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- レトゲー少年の愛され物語集(コンパス、アタリ受け)
- 日時: 2019/05/23 23:28
- 名前: まふぃん@白旗 (ID: TdwH/e73)
- プロフ: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=12412
※これは#コンパスの二次創作作品です
アタリ受け・愛されが少なくて発狂した腐れ人間が作ったアタリ受け・愛され短編集です。
パロや年齢操作もあります注意
あと普通に女の子攻めとかあるよ注意(だって受けだもの)
我が家の日常も時々書いていきます。
アタリ君が可愛い
自身が所属してる保育園ギルドの小説も書いています。その場合はっきりと明記しているか(保育)と付けて区別しております。
レトロ総師白旗
ログインは出来ません
追記3
2000hit行きましたので、リクエスト受付開始!
追記4
…保育園ハッシュタグ…!
追記5
3000hitありがとう!
追記6
4000hit!いつもありがとうございます!
追記7
じわじわと5000hit。感謝感涙です!
追記8
6000hit!本当にありがとう!
追記9
7000hitやったねたえちゃん!
追記10
チョコチョコと8000hitありがとうございます!小説って見てもらえる事が貴重な事だから凄く嬉しいです…!
追記11
いつの間にか9000hit…はわぁ…
追記12
……10000hit?!!?本当にありがとうございます!
追記13
20000hit(参照)ありがとー!
- 保育ギルドの皆様へ、クリスマスプレゼント小噺 ( No.110 )
- 日時: 2018/12/20 23:44
- 名前: レトロサンタ白旗 (ID: vWq4PSF8)
#コンパス保育ギルドクリスマスプレゼント書き下ろし小説
「みんなで、はじめてのおつかい」
*後編です
*三次創作
*色々崩壊
氷結チェーンソウチーム
保育園から出て、まずアダム達は八百屋に向かった…メモに書かれた買うものの一つ『いちごよんぱっく』を手に入れる為に。
随分と可愛らしいお客さんに八百屋の主人(?)は顔色一つ変えずに接客をする。
「イラッシャイマセ」
「…!ロボット?ねぇキらせてキってみたいアナタをキったらナニがでてくるのねぇキらせておねがい」
「いちごよんぱっくください!あの、はやく!」
早くもチェーンソウを取りだした乃保を止めながらに、アダムは注文を急いだ。
「1200円ニナリマス」
「どうぞ!」
「アリガトウゴザイマス」
お金を差し出し、苺の入った袋を引ったくるように取ってアダムは乃保の手を取り八百屋から離れた。
「……キりたかった…」
「つ、つかれました…あと、なにをかえばいいのでしょう…?」
不満を表すように口を尖らせる乃保ともう息切れをしているアダム。
そんな二人の様子を見て監視役ことスコーピオンは目を伏せたのだった。
それから、二人はスーパーに向かいメモに書かれた『しゃんめりーにほん』『かみこっぷにじゅっこいり』『すきなおかし』をカゴに入れてレジへ向かった。
………まぁ、ギャリギャリしたい欲望を抑えられない乃保を止めるのに大分時間は掛かってしまってはいたのだが。
まぁ、兎に角これで一安心だとスコーピオンは保育園に居る13に連絡を入れた。
しかし、実は此処からが問題だったのだ。
「………ねェ」
「だいじょうぶですよ、これぐらい…ぐっ…!」
まだ幼い彼にはあまりにも荷物が重すぎて、持ち上げる事が出来ないのだ。いくら力んだとしても浮かぶ気配も何も無い。しかし女性に持たせるという考えはアダムには無い。
その様子を見ていたスコーピオンはどうしたものかと悩んだ。
助ける事は出来る。だが今回のおつかいは「自立性」と「使命感」を鍛えるのが目的。もし此処でいつものように先生が助けてしまえば、自立を妨げてしまう恐れがある。
しかし、このまま何もせずに、彼らが荷物を引きずれば、シャンメリーが割れてしまう恐れだってある。
一度、13に報告すべきか…?と電話を取り出した時、二人の前に誰かが現れたのに気付いた。それは_______
「やぁ、こんにちは!僕はマ…じゃなかった、トナカイのルドルフだよ」
突如目の前に現れたトナカイにアダムは目が点になった。
「……あれ、何その顔?もしかして僕の事信じてない?」
「い、いえ…ただ、きゅうにあらわれたものですから」
「ほんとうにほんもの?しょうこみせて」
慌てて取り繕ったアダムに対し、乃保は完璧に敵意を剥き出しにしてトナカイを睨んでいる。
そんな視線に負けじと、トナカイは微笑み、アダムに指を指した。
「君の名前は、アダム・ユーリエフ君…弟が居て、その子の事すっごく大事に思ってる。違う?」
アダムは目を見開いた。何故その事を知っているのかと。それにトナカイは微笑みで返し、次は乃保に指を指す。
「君は双挽乃保ちゃん、その愛用してるチェーンソウはわざわざ注文したもので、毎日先生達をギャリギャリしてる」
「……ほんとうに、ほんものなの」
「うん、君たちがプレゼントを貰えるいい子かどうか、ずっと見てたからね…本物だよ」
二人はこのトナカイが本物だと、確信していた。だって、証拠がある。
「どうして、わたしたちのまえにあらわれたのですか?」
「んーと、アタ…じゃなかったサンタさんに二人が困ってるから手助けをしてやれってお願いされたんだ」
疑問にそう答えるとトナカイはシャンメリーを二本持つ。
「あまりにも、君たちにこれは重すぎるから手助けしてあげる。でも、途中までだよ?そこから先は協力して歩いてね」
そう言ってトナカイはウインクをして歩き出した。二人は慌てて着いていく。
……スコーピオンはそのトナカイは何者なのか、薄々気が付いていた。
「おい、スコーピオン?二人に何かあったか?」
「シュコー(いや、何も無い)」
「ここから先には、僕は行けない」
トナカイはそう言って、二人の袋にシャンメリーを戻した。
「あの、ルドルフさんも…」
「言ったでしょ?僕は手助けだって…大丈夫、二人でなら持てるよ。もう少しだから、頑張れ」
そう言って二人の頭を撫でるとルドルフは立ち去っていった。
「……いこう」
「はい」
二人は荷物を片方ずつ持ち、一歩一歩進んでいった。…保育園はもう少し。
荷物は重いけれど、やり遂げなくてはならない。
二人は少しずつ、でも着実に進み…
「…おかえり」
ずっと待っていてくれた13の懐に飛び込んだ。
- もうすぐですね ( No.111 )
- 日時: 2018/12/21 18:40
- 名前: レトロトナカイ白旗 (ID: vWq4PSF8)
#コンパス保育園ギルドクリスマスプレゼント書き下ろし小説
「みんなで、はじめてのおつかい」
*後編その2
*こんなに長くなるとは思わなかった
*文章おかしい
*三次創作
サッカー娘と白き花チーム
氷結チェーンソウチームが保育園に着く一時間前…
「いこ、ちさとちゃん!」
「うん!」
二人は手を繋いでスーパーの方角へと向かった。二人のメモに書かれているのは全て、スーパーで手に入るもの。
仲良く、ちゃんと歩道を歩いて進んで行く二人の様子を電柱の影から見て、アバカンは微笑んでいた。
「ねぇジャスティスあれス…」
「見たらダメだテスラ」
「スカート?」
「ストーカーだ、メグ」
…その教え子を見守る姿があらぬ誤解を生んでいるとは、気付いていない。
それはさておき、目的の場所に辿り着いたちさととコクリコはメモを見ながら商品をカゴに入れていく。
「えーと、すぽんじろくごー」
「いれたよ!」
「こーら」
「はい!」
「おかし!」
「ちゃんとちさとちゃんとこくりこのぶん、はいってるよ!」
「なまくりーむ!」
「「……………」」
……二人は、クリーム状の生クリームしか見たことが無かった。故に売られているコーナーを通り過ぎてしまったのだ。
「どうしよう…?」
コクリコは不安な表情を見せる。もしこのまま買えなければ、先生達をがっかりさせてしまう。それだけはどうしても避けたかった。
その表情を見てちさとは焦り出す。そして、おつかいに行く前13先生が言っていた事を思いだし_____
「あの、すいません!なまくりーむってどこですか?!」
そう言って元気よく質問したのは、スーパーの店員。……分からないときには、人に聞け。それが13先生のお話の内ちさとが覚えていた事だった。
「あら、可愛いお客様ね…生クリームの場所が分からないの?着いてらっしゃい」
そう言って店員は二人の手を引いて、牛乳コーナーまで連れてきた。
「これが、生クリームよ」
「え、しろくてふわふわしてるのじゃないの?!」
「ぎゅうにゅうみたい!」
「ええ」
店員は二人のカゴに入ったスポンジの大きさを確認し、適当な数をカゴに入れてくれた。ちさとは笑顔でお礼を言う。
「ありがとうございました!おばさん!」
______アバカンと店員は、凍り付いた。
そして店員が笑顔ながらに、怒っていると感じたコクリコはちさとの口に手を当て、
「ありがとうございました!すてきでかっこよくてきれいなおねえさん!」
そしてそのままレジへと直行した。途中振り向いたが店員は怒っておらず、機嫌が良くなっていた。アバカンは親指を立てた。
………後は、保育園に帰るだけ。
二人は仲良く、手を繋いで信号も右左見て手を上げて…
「シュコー(おかえり、ちさととこくりこ)」
「「スコーピオンせんせい!」」
門の前で待っていた先生に笑顔でハイタッチを交わした。
「シュコー(そういや不審者の通報があったらしいぞ…)」
「…後三人の先生にも警告しとくよ」
「シュコー(ああ)」
- Re:保育園ギルド書き下ろし ( No.112 )
- 日時: 2018/12/21 23:52
- 名前: レトロロトレ白旗 (ID: vWq4PSF8)
#コンパス保育園ギルドクリスマスプレゼント書き下ろし小説
「みんなで、はじめてのおつかい」
*後編その3
*クリスマスに間に合うか不安
*三次創作
*一番訳が分からなかった
桜貝チーム
「いくぞ!」
13先生が送り出した瞬間、忠臣は風の様に走り出した。
「ま、まってください!」
急いでカイもその後を追う。
「えっ!?ちょっと、待って〜!」
後ろからリリカも追う。
しかしながら子供の体力というのは恐ろしいもの…あっという間にリリカは二人においてかれてしまった。
「13先生ごめんなさい…見失っちゃった…」
息も絶え絶えに、13に連絡をする。13はまぁこんなことにはなるだろうと思ってはいたらしく、既に算段は立ててあると言った。どういうことなのかリリカには分からなかったが…
「…ま、スーパーに行きゃ分かるさ。アイツの事だから多分…」
それから、リリカは二人に追い付く事が出来た。何故なら…
「ただおみさん、まだですか?」
「…………」
…お菓子コーナーで、忠臣が長時間悩んでいたからだった。
______リリカが二人に追い付く数十分前…忠臣は先にお菓子コーナーに向かった。しかしあまりにも悩む時間が長かったがために、買わなきゃいけないものを先にカイがカゴに入れ戻ってきたのだ。しかしそれでもまだ悩んでいて
「なにがきまらないのですか?」
「……ちょこれいとにするか、くっきぃにするか…」
両方買えば良いのではないか、とカイは思ったが忠臣の近くに置かれているジュースを見て納得した。
そして、自分では届かない位置に置かれたとあるお菓子が目に入り、これなら彼も納得するだろう、とそれを指差す。
「あれは、どうですか?」
「……!ちょこれいとくっきぃ…だと?!」
忠臣は目を輝かせて、その2つを元の棚に戻し、目的の品に手を伸ばす。
…が、圧倒的に届かない。
「………ぐ…ぐぬぬ…!」
「た、たなにのぼったらあぶないですよ!ただおみさん!」
リリカは棚の影から二人の様子を見ていた。しかし棚に登り出した忠臣を見て流石に止めなければと思い脚を踏み出したが…
「あ」
一音、口から漏らしたが最後。棚から足を滑らせ忠臣は宙に浮いた。
この距離では下敷きになることも無理だ…リリカは口を手で抑え、カイも思わず目を瞑った。
…………………が、一向に落ちた音は聞こえない。
恐る恐る目を開ければ、黒いスーツを着たヒーローが、忠臣を抱えていた。
「おい、大丈夫か?やんちゃ度が過ぎてんなお前…」
リリカとカイはしばらく呆然としていたが、その一言で我を戻し、忠臣に駆け寄った。
「だから、たなにのぼるなっていったじゃないですか!!」
「す、すまん」
「忠臣君ケガしてない!?直ぐに助けられなくて、ごめんねぇ……!」
「リ、リリカせんせい?リリカせんせいは、わるくないぞ…?だから…なかないでくれ」
_______それから、三人が落ち着きを取り戻し、あのヒーローにお礼を言おうと振り返ったが、そこにはもう、誰も居なかった。
……そしていつの間にか、チョコレートクッキーの箱がカゴの中に入っていた。
「リリカせんせいも、あのすーぱーにきていたのだな!」
帰り道、カイと忠臣の二人はリリカと共に歩いていた。
「う、うん!いや〜まさか二人に会えるなんて思ってなかったよ〜!」
まさか本当は二人を監視していたんだけど、とは言えずに嘘を着いてしまった。
「それで、リリカせんせいはなにをかったのですか?」
「……えっ!?あ、買うの忘れちゃった〜!」
「はは、リリカせんせいもトシ?だな!」
「ただおみさんたぶんドジ、ですよ」
「…………」
そんな事を話しながら歩いていくと、夕日色に染まった保育園が見えた。
よく見ると門の前に誰かが立っている。あれは…
「あ、アバカンせんせいです!」
「ただいまかえったぞ!」
「……おっ、おかえり!」
アバカンの声を聞いて三人は仲良く、門を潜り抜けた。
- Re: レトロ少年の愛され物語集(コンパス、アタリ受け) ( No.114 )
- 日時: 2018/12/24 00:30
- 名前: 二度目書き直したけどまた消えた白旗 (ID: vWq4PSF8)
#コンパス保育園ギルドクリスマスプレゼント書き下ろし小説
「みんなで、はじめてのおつかい」
*三次創作
*実はこれ三度目
*スタバの新作とパヴェでも持ち直せなかった。泣いた。パピコ贅沢食べした。
*アイエエエエ!?ナンデテンシグミコンナキエルノオオオオオ!?って叫びましたからね。本当に。
天使組
「ふぇえぇ…おにいさまぁあ…」
ソーンは手を引かれながら、道を歩いていた。その顔は涙に濡れている。
「なかないで、そーんくん」
レイチェルは、時々立ち止まっては持っていたハンカチで涙を拭ってやり、そしてまたソーンの手を引いて歩みだす。
…何故こんな事になったのか。それは数十分前に遡る。
……ソーンにとって、おつかいは簡単なものだった。
記憶力だってそれなりにはあり、数の計算だってちょっとは出来る。しかしこれ等は全て兄が誉めてくれて隣にいてくれたからだ。
だから、
兄と別々になるだなんて、そんなこと思ってもいなかったのだ。
自分じゃない誰かが、隣にいる____それは彼には当然や常識の崩壊と、ほぼ同義で。
(おにいさまが、となりにいないと)
……ぼくは、けいさんもできなかったのに。
別れ道で小さくなっていく兄の背中を、ただ見ていることしか出来なかった。そして、とうとう全部見えなくなり悲しさや寂しさがどっと波のように押し寄せ…ソーンはせきを切ったように泣き出した。
「どうしたの?」
「おにいさまぁああぁ!」
「…」
レイチェルは事情を何となく察し、何も言わずにソーンの手を引いて菓子屋へと向かった。
…………そして、今に至る。
後ろからそんな二人を見ていたルチアーノは、軽くおつかいについてのことを思い直していた。
(………今回のはソーンにとってはじめての兄離れ、ということでもあるのだな)
寝る時も食べる時も隣にするほどの仲だ。それは、さぞ辛いだろう。
視線を変え、プラチナブロンドの髪をした蒼い瞳の女児…レイチェルを写す。
(…そして、そんなソーンと一緒にしたのには、何かしら意味があるのだろうな)
アイツは意味の無いことは(あまり)しない奴だから、とその姿を思い浮かべながらルチアーノは、人混みに溶け混んだ。
そうしてしばらく歩いていくと、洋館風の、随分と落ち着いた小さな菓子屋にたどり着いた。
「ついたよ、そーんくん」
そうレイチェルが声をかけても、ソーンは顔をずっとうつ向かせたままだ。
……ドアを開くとカランと涼やかなベルが鳴り、店員が顔を上げる。
「…そのコート、十文字さんの所の…」
「………?」
「ああ、いえ何でもありません。ようこそいらっしゃいました、小さなお客様達」
何かを言いかけ、途中で止めた店員は笑顔を浮かべ恭しく礼をした。
「何をお求めですか?」
「あ、えっと…『あらざんさんふくろ』と『こなざとう』『きゃんどる』、『にんぎょう』と……『よやく』?をください」
レイチェルはメモをカバンから取りだし、一言一句間違えないように、丁寧に読み上げる。
「かしこまりました…どうぞ、お好きな席にお座り下さい」
そう言うと店員は店の奥に引き込んでしまった。仕方なく適当な席に座る。
それから、本当に直ぐの事。
「……あの、れいちぇるさん」
ずっと途中からだんまりを決めこんでいたソーンが、口を開けたのだ。
その事にレイチェルは驚きながらも、優しい表情で、声で問く。
「…なぁに?そーんくん」
「その、ごめんなさい…ずっと、ないてばっかで…」
「きにしないで……あだむくんとはなれたのが、さみしかったんだよね」
そうレイチェルが言うと、ソーンは静かに頷いた。そして、弱々しい声で話始める。
「…おにいさまのとなりが、とられたようなきがして…おにいさまもいつかぼくのことなんかわすれて、とおくにいってしまうのかなって…」
それは、ソーンの不安だった___それを聞いたレイチェルはかぶりを振ってただ一言、発する。
「だいじょうぶだよ」
「………え……?」
「だいじょうぶ。あだむくんは、そーんくんのことわすれたりしない」
「どう、して?」
「だって、ちかくでみてたから…わかるの。きづいてる?そーんくんをみるあだむくんのおめめ、すごくやさしいんだよ…だから、だいじょうぶ」
そう言ってレイチェルはソーンの頭を優しく、撫でた。ソーンの視界がまた、ぼやけて…原因は頬に伝う。
でも今度はさっきとは違う…温かい涙。
「……そ…うなん…ですか…?」
「うん…まだ、ふあんならあだむくんにきいてみなよ。きっと___」
レイチェルの言の葉は途中で遮られた。店員が奥から帰ってきたからである。
「おまたせいたしました、こちらが注文の物と…予約されたケーキです」
そう言って店員は二人の前に小さな、でもとても可愛らしいケーキを置いた。驚く二人に店員は苦笑する。
「…お二人には、好きなお菓子よりこちらの方が良いだろう、とのことです…何か、ご不満はありますか?」
その言葉に二人は首を横に振るった。店員は笑顔を浮かべ、温かい紅茶を入れて「それでは、ごゆっくり」とその場を去った。
「そういえば、メモにおかしってかいてなかった…」
「そうなんですか?……それにしてもこれ、もったいなくてたべられませんね…」
ソーンはもう一度、自分の前に置かれたケーキを見る…ふかふかのスポンジを飾る白いクリームとミルクチョコレートで作られた雪の結晶。クリームは全てを白く覆い、雪が積もったように薄くスライスされたホワイトチョコレートと銀のアラザンがふられていて…本当に、食べてしまうのが勿体無い位の出来映えだった。
「そうだね……でも、すごくおいしそう」
レイチェルはケーキに目を輝かせながら、優しく呟いた。
「ですね…じゃあ、いただきます!」
「いただきます」
二人は、手を合わせてフォークを握った。
「……おいしかったね、けーき」
「そうですね…あとはただおみさんにきられなければ、いいのですが」
帰り道、手を繋ぎながら二人は帰り道を歩んでいく。茜色の夕日が、二人を染めて二つの黒い影を生んでいた。
「…れいちぇるさん」
「…?なぁに、そーんくん」
二つの影が、ほんの少しだけ重なる……ソーンがレイチェルの額にキスを贈ったのだ。
「…おでこにきすをするのは、ありがとうのいみがあるのだとおにいさまにおしえてもらいました!……れいちぇるさん、ありがとう」
「えっ、あっ…うん、どういたしまして」
そして、また保育園へ向かって歩み始める。
(………成程、そういえば三人は御茶会をしたことのある仲だったと教えてもらった事があったな)
二人を見詰めて、監視ことルチアーノは何故か色恋沙汰に詳しかった初代園長補佐を思い浮かべる。
(ずっと見ている者だからこそ、言える事もあるのか……まだ、此処で学ぶ事は多そうだ)
ふっ、と笑みを溢す。それは誰にも見られる事は無い。
(……それにしても、最近の子供は随分と積極的だな…少しは見習って欲しいものだ)
誰が、とまでは言わないが。
二人をこっそりと追いかけながらルチアーノはそんな事を思っていた。
「おかえりなさい!ソーン君にレイチェルちゃん!」
「ただいまかえりました、リリカせんせい」
「ただいま…!リリカせんせい!」
「ルチアーノ先生も、おかえりなさい」
「ああ、ただいま…寒かっただろう、交代しよう」
「あ、ありがとうございます!多分そろそろ二人も帰って来ると思うんですけど…」
「二人、ではないだろう?」
「…あっ!三人、でしたね」
「そうだ」
『リリカせんせー!はやくー!』
『ノホが止められなっ…あああああああ!!!』
「はーい!今行く!…それじゃあ、頑張って下さい!」
「ああ」
遅れて大変申し訳ございませんでした…!
何か間違い等があればご指摘をお願い致します…
- Re: レトロ少年の愛され物語集(コンパス、アタリ受け) ( No.115 )
- 日時: 2018/12/24 02:07
- 名前: 黒くなりそうな白旗 (ID: vWq4PSF8)
#コンパス保育園ギルドクリスマスプレゼント書き下ろし小説
「みんなで、はじめてのおつかい」
*後編その5
*まだちょっと続くよ
*勇者君の喋りが分からなかったのでこちらで考えて打たせて頂きました。
*三次創作ゥ!
*きららちゃんの口調がミリ知らです
イマドキレトロチーム
「ほら、いくよー!」
元気一杯で才女な忍、きららは走り出した。急いでかけだし勇者は追いかける。
「!〜よてっま」
「え?」
「!いなぶあ!てけよっあ」
「うぎゃあっ!」
その声にきららは一度止まる、だが急に止まったことにより勇者はジャンプしてしまい、きららを下敷きにしてしまった。
「…やっぱ、歩こっか」
「んう……」
そんな二人の様子を見てヴィオレッタは心配そうな顔をしていた。
(だ、大丈夫なの…?)
そんな心配を他所に、二人は八百屋に着いた。
「イラッシャイマセ」
「わぁっ!ロボットがせっきゃくしてる!ちょーうけるしー!いっしょにしゃしんとろ?!ほらゆうしゃも!」
「カピッ?……キレイニ、トッテクダサイネ?」
「?のいくかしのそ?にな」
「あーしにまかせといて!さいっこうにかわいいのとるから!これのせつめいはあふたーあふたー!」
そう言うときららはスマホをセルフィースティックに取り付けて三人を写す。
「…はいっ、チーズ!」
パシャパシャパシャパシャ…と連撮音がスマホから流れる。
「あはっ!めっちゃかわいくとれたしー!ロボちゃん、でーたおくってあげるね!」
「ピクチャデーターヲウケトリマシタ。アリガトウゴザイマス?」
「でくっぱんよ。いさだくごちい、あ?…」
「1200円デス」
勇者はカバンから財布を取りだし、丁度の額を出した。
「アリガトウゴザイマシタ」
イチゴを受け取り八百屋を出て、きららはスーパーを指差す。
「さ、つぎいくわよー!…ぜんははりーっていうけど、わたしたちはあるいてね!」
それがつい走ると跳ねてしまう自分への気遣いだと気付いた勇者は、素直にお礼を述べた。
「うとがりあ……んゃちららき、ねだうそ」
「ん、きにしないで!…あ、そうそうさっきこれについてしりたがってたでしょ?おしえてあげる!」
そう言って取り出したのはスマートフォン。確かに先程勇者は尋ねていた。
「ねるすいがねお、んう」
「このてんさいびしょうじょきららにまかせて!えっとね…」
二人の様子を見て、ヴィオレッタは驚いていた。
(あら?案外気が合うのかしら…?)
「で、これがLINA…ちゃんと聞いてる?」
「!よたきてえみがーぱーすんゃちららき、っあ…んう、う」
「あ、ほんとだ!いそ…いじゃだめね、ゆっくりいかなきゃ」
二人はゆっくりと、急がず焦らずスーパーに入店した。
「ゆうしゃ、かうものはなに?」
「『しかおなきす』『りいいまうゅじにらざかみ』『ゃちうこ』、とっええ」
勇者が読み上げるや否や、きららは走り出した。(※よいこはまねしないでください)
「あーしがそれもってくるから、ゆうしゃはおかしえらんでて!あーしの分も!」
「!んう」
まるで母親と子供のような掛け合いだが、ヴィオレッタは黙っておいた。
今だけ、走る事が出来ない勇者にこの方法は確かに合理的だ。
しばらくすると、きららが商品を抱えて戻ってきた。
「ただいまっ!えらんでおいてくれた?」
「?ねよたっかよでーキッポとスプッチトテポのンオニオーワサ、んろちも」
「うん、ばっちぐーってかんじ!」
「?」
「おっけーってこと!さぁ、れじにれっつごー♪」
二人が、買い物が終わって保育園へ帰る頃には空はうっすらと暗くなっていた。
「まさかあんなにならぶなんて、れありー?っておもっちゃった…あーあ、にもつおもーい」
「?てしか、よつもがくぼ」
そう言うと勇者はきららの持っていた袋を持ち変えた。
「あ、ありがと…」
「でいなしにき」
少し沈んだ夕日が、二人を照らしている。
そして、
「……おかえり、きららに勇者」
「あっルチおじ!ただいまー!」
「!よたきでいかつお!まいだた」
「外は寒かっただろう、早く中に入ると良い…こたつが付いている」
二人の頭を撫でると、ルチアーノは背中を押して、保育園に入るよう進めた。二人はそれに従う。
「…………おかえり、ヴィオレッタ先生」
「ただいま帰りましたわ、ルチアーノ副園長先生」
「その呼び方はやめてくれ…何か、こそばゆい」
「あら、そうですの?……では普通に、ただいま…ルチアーノ先生」
「ああ、おかえり」
『ふたりとも、なにしてるのー?』
『そとさむいから、はやくはいりなよー!』
『シュコー』
『体めっちゃ冷えてんだろ、二人とも早く来いよ!』
「………では、行くとするか」
「そうですね」
end…かと思ったか?
まだ続きます。いつになったら寝れるのでしょうか…?
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