複雑・ファジー小説

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

嘘吐きシンデレラ
日時: 2012/03/29 09:23
名前: 桜庭遅咲 ◆ilG1GceQB. (ID: khvYzXY.)

さて、ハジメマシテの皆さんも、ご無沙汰してますな皆さんもこんにちは。
桜庭遅咲(さくらばちさき)現、緑川祐という拙い文字書きもどきです。

さて、始めましょうか。
嘘吐きの物語を。

【嘘吐きなシンデレラの末路は?】

★Information【お知らせ】
題名を変えさせていただきました。

皆様のおかげで参照が400を突破しました。
感謝感激です!
返信もやっとこ50です。頑張るぞー。

Re: 嘘吐きごっこ ( No.5 )
日時: 2011/04/23 09:03
名前: 桜庭遅咲 ◆ilG1GceQB. (ID: khvYzXY.)

>>4 るりぃさま…もとい華京さま

お久しぶりです。
嘘吐き、で反応していただけるとは…
嬉しいです、感無量です(違う気が
感謝です、今回こそ完結させるぞー。

設定。 ( No.6 )
日時: 2011/05/08 20:50
名前: 桜庭遅咲 ◆ilG1GceQB. (ID: khvYzXY.)
参照: http://koebu.com/koe/ff764e5855d4316866f2916dd56acaa17dbff8a3

結構変わった光くんの設定。

名前:変城 光
読み:カワラギ コウ
性別:男 年齢:17歳 
フェイク中の名前:灰被り タトゥー:道化師(腕) 
ネメシス:『嘘』
容姿:灰髪に猫目気味な碧眼。小柄。紫っぽいノースリーブに黒っぽい上着。迷彩柄のカーゴパンツ。
その他:シンデレラの下克上に憧れる変わった青年。ファザコンと思われる。義父嫌い、死ねばいいと思ってる。
ヘラヘラ、ニコニコ、常に笑顔。

【イメージソング】未定。こんなのどう?とかあったら教えてください。

【イメージボイス】参照。こえ部の「天空流」さんの声です。

本編 1−1 ( No.7 )
日時: 2011/05/02 21:12
名前: 桜庭遅咲 ◆ilG1GceQB. (ID: khvYzXY.)

「1」

ずっと夢見てた、誰かに愛されること。
ずっと望んでた、シンデレラみたいな下克上。
…俺は、這い上がる。
皆が俺を羨むように。

★☆

「〈貴方は消滅する。このゲームから堕ちる〉」

暗闇に俺の声が響く。
その刹那、赤い飛沫が飛ぶ。
うぇ、今風呂入れないのに。
ところどころ既に赤黒くなり、今の飛沫で鮮明な赤に染まった上着に顔を顰める。

今、俺は一つのゲームに参加している。
簡単に言ってしまえば殺し合いのゲームだ。
自分の欲望を果たすために、誰もが平気で武器を振るい、嘘を吐く。
常人であれば眉を顰めたくなるようなゲームだなぁ、と頭の隅っこで思う。
俺?
あぁ、二つ返事でオッケーしたよ。
バカだなぁ、と我ながら思う。
でも、どんなに下衆と雑ざっても、生き残れば俺が頂点になれるらしいから。
何もせずにダラダラ不満を吐いて生きるくらいなら俺にも出来る方法で這い上がろうと思ったんだよね。
こういうときに良かったなぁって思うのは、誰一人として俺の安否を心配する奴がいないこと。

「さぁてと」

頬にまで飛んでいた赤い飛沫を拭い、ふわりと欠伸をもらす。
あーぁ…自分で言うのもなんだけど、折角キレイな顔なのになぁ、俺。

さて、疲れたし、一休みついでに俺がこのクソみたいなゲームに参加した理由でも再確認しようかなぁ。
だって、最初の目的を見失ったら大変でしょ?
俺が俺である為に、『変城光』の目的を思い出そうか…
確か、参加を決めたのは2・3日前。

本編 1−2 ( No.8 )
日時: 2011/05/02 21:14
名前: 桜庭遅咲 ◆ilG1GceQB. (ID: khvYzXY.)

俺には父親、とかいう存在がいない。
厳密に言うと俺の父、変城明(かわらぎあきら)は俺が小さい頃に事故で死んだ。

その日から一年も経たないある日。
母が新しい父親を連れてきた。
2人ほど血のつながらない兄貴というオマケも一緒に。
そこまでなら、外面のいい俺は、義父とも義兄とも仲良く出来た。

俺が許せなかったのは義父の俺への暴力でも、義兄の女子学生顔負けのいびりでもない。
唯一許せなかったのは義父が、父の兄…つまり俺の叔父だったことだ。

いつもいつも父を悪く言い、アル中で、金使いが荒くて、父に金を借りに来て、煙草臭くて乱暴。
穏やかで真面目で、賢かった父とは似ても似つかない。

許せなかった。
父の場所が汚染されていくような気分だった。

いきなり話は変わるが、俺は年甲斐もなくシンデレラに憧れていた。
ただしくは、シンデレラの下克上に。
だから、俺はあいつらの前でも大人しく従順でいた。

そんな、ある日。
一人でまったり洗濯をしているとふいに声がした。

「ねぇ、君さ“フェイク”に参加してみない?」

「ふぇいく?」

聞き返してみる。
ドロボーか何かかと思ったけど、その声がやけに楽しそうだったから。

本編 1−3 ( No.9 )
日時: 2011/05/02 21:15
名前: 桜庭遅咲 ◆ilG1GceQB. (ID: khvYzXY.)

「んー?神サマが始めた簡単なゲームだよ。」

くすくす、笑い声が響く。
もちろん、俺のものではない。

「ゲーム?」

「うん、ゲーム」

声の主が頷いた(気がする)
不思議と、声だけで仕草がわかる(気がする)

「…どんなゲーム?」

俺の質問にうーん、と考えるような声が聞こえる。

「神サマから贈られる能力、“ネメシス”を使って他の参加者や邪魔者…“ディーバ”と呼ばれるものを倒したり、逃げたり。
とにかく、生き残ればいいよ。一人だけしか、生き残れないけどね。
ただ、生き残れば、どんな大それた願いだって一つだけ、叶うよ。」

声の主が笑んだ(気がする)

「なら…」

「但し」

なら、参加しますといいかけた言葉を遮られる。

「それなりの代償が要るよ。」

ゆったりと、焦らすような口調。
怪談とかやらせたら上手そう。

「代償?」

「そう。

現世(うつしよ)での存在」

「どういう意味です?」

「ゲームに負ければ君は存在していなかったことになる。ただ、それだけのことだよ。」

簡単に言うなぁ。
普通のヒトならここで引いちゃうんじゃない?とか思う。

けど、俺に悩む必要はない。
こんな旨い話、裏が無い方がおかしいと思う。
けど、チャンスだから。

「参加する。」

多分、即答。

「うん」

謎の声の返事も早かった。
まるで、俺が参加するのを知っていたみたいに。

チリ、と右腕…の二の腕の辺が痛んだ。

「…?」

目を向けると

「え、なにこれ」

そこには、覚えの無い道化師のタトゥー。
ピアスとか、タトゥーとかしない主義だったんだけどなぁ。なんて苦笑がもれる。

「あぁ、ごめんね驚かせた?
そのタトゥーはね、フェイクの参加者だっていう証明なんだ。これで、君の存在は現世から消える。
次に君がここに来るのは、君がフェイクに勝ったときだよ。」

謎の声、若干苦笑交じり。知らんけど。
てか、おぉ、俺もう参加者なんだ…ってあれ?

「今俺透明人間?」

「んー、まぁ、そんなとこ。
参加者同士は見えるけどねぇ」

うっわ、めんど。
新しい服買えないじゃんね。

「さて、変城光くん」

謎の声は若干声のトーンを上げた。
って、おい。何で俺の名前知ってるの?

「あ…いや、今からはこう呼ぶべきかな?

『灰被り』くん」

あぁ、コードネーム的なのがあるのね。
いいね、灰被り。シンデレラじゃん。

「最後に一個だけ。君のネメシスはね。『嘘』だよ」

わかるかな?そういい残して気配が消える。
『嘘』ねぇ…

「…わかんねぇよ、バーカッ!!」

今は誰もいないだろう空間に叫ぶ。
全力で叫ぶ。
多分、素の俺の最後の言葉。

「さぁて、と。」

ふぅ、と一息。
へらり、と口元に笑みを作る。
そう、腕で笑んでいる道化師と同じ笑みを。


Page:1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。