複雑・ファジー小説
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- 嘘吐きシンデレラ
- 日時: 2012/03/29 09:23
- 名前: 桜庭遅咲 ◆ilG1GceQB. (ID: khvYzXY.)
さて、ハジメマシテの皆さんも、ご無沙汰してますな皆さんもこんにちは。
桜庭遅咲(さくらばちさき)現、緑川祐という拙い文字書きもどきです。
さて、始めましょうか。
嘘吐きの物語を。
【嘘吐きなシンデレラの末路は?】
★Information【お知らせ】
題名を変えさせていただきました。
皆様のおかげで参照が400を突破しました。
感謝感激です!
返信もやっとこ50です。頑張るぞー。
- 本編 4−4 ( No.30 )
- 日時: 2011/05/05 11:38
- 名前: 桜庭遅咲 ◆ilG1GceQB. (ID: khvYzXY.)
「…」
互いの間に流れる、沈黙。
雨音すらない、ただただ広がる沈黙。
「…あ、雨止んでる。」
ぽつり、と蜃気楼さんが呟いた。
「…本当だ。」
青空と、憎らしいほど鮮やかな虹が見えた。
…あの金髪のおにーさんが諦めてくれてたら嬉しいんだけど。
「じゃぁ、すいません。俺、いきますね。」
ありがとうございました、なんてタオルを返しながら言う。
あぁ、俺ってばはくじょー、なんて思いつつ背を向けようとする。
「あ、待って待って」
呼びとめられたから、振り返る。
「俺ね、獅子塚怜明(シシツカレイメイ)っていうの。
折角だからさ、次に会えたとしたら、名前で呼んでよ。」
ふわっ、と柔らかい笑み。
「いいんですか、名前」
「だって、別にここじゃ名前なんて意味を持たないでしょ?」
けろっと言い捨てるこの人は意外と冷めてるんじゃないかなぁ。
なんて少し思った。言ってることは間違ってないし。
「…変城光です。」
名乗ってやれば、怜明は一瞬きょとん、と首を傾げた。
それから、すっごいいい笑顔になった。ごめん、少しウザイかも。
「こーくん、だね。また会えるといいね!」
引き止めてごめんね!なんて言いながら手を振る怜明。
行く当てもなくふらりと歩き続けるような、
人に会えば戦いになるような、
明日が約束されていないこんなゲームなのに。
何故かまた、会える気がして。
少しだけ、柄にもなく、嬉しくて口元が緩んだ。
外に出る為に履きなおした靴のぐっしょりとした感触に、すぐにそれもなくなったけど。
- 本編 5−1 ( No.31 )
- 日時: 2011/05/10 20:52
- 名前: 桜庭遅咲 ◆ilG1GceQB. (ID: khvYzXY.)
- 参照: 短いのはご愛嬌。
「5」
しつこい雨が止んだから
しつこい敵も消えたかなぁ
なんて考え、甘かったのね。
あー…もう、面倒だ。
★☆
鼻歌混じり、スキップしながら。
雨上がりって凄く好き。
気持ちよくて開放的。
ただ、濡れた服や靴の感触とか、水溜りはうざったい。
びしゃり、間の前の水溜りから水が飛んでくる。
視界に入り込む安物っぽい革靴。
まさかねー、なんて顔を上げれば。
「…うわ」
思わず嫌な声をもらす。
だって、きらきらの胡散臭い笑み…水面さんが立ってんだもん。
「ふふ、やっと見つけた」
…悔しいけどイケメンだわ、この人。
「…面倒なの、イヤなんですけど」
おどおどキャラ、正直メンドイからやめた。
「大丈夫、抵抗しなければいいよ」
にこっ、という胡散臭い笑みにイラッ。
あれ?デジャブ?
- 本編 5−2 ( No.32 )
- 日時: 2011/05/10 20:52
- 名前: 桜庭遅咲 ◆ilG1GceQB. (ID: khvYzXY.)
- 参照: やべぇ、ストック切れたとか嘘だろ。
「はぁ…」
そういう問題じゃないし。
というか、それ何の解決にもならないし、って少しため息。
それからじっと、カラコン入れてるっぽい安っぽい赤い瞳を覗き込む。
「…〈貴方は動けない〉」
水面さんは俺が近付いてきたのが予想外だったのか一歩後退しようとした。
けど、それよりも早く俺が言葉を紡いだ。
くすくすってバカにしたように笑う。
まぁ、実際馬鹿にしてるんだけど。
「さてと、楽に消されたい?それとも苦しんでみる?」
くすくす、くすくす。
やばい、楽しいかも。
そんな俺とは真逆に『水面』さんの瞳には不安とか、恐怖とかが浮かんでる。
情けないねぇ。
「…なーんてね。面倒なことは嫌いなんです。だから、〈消えてくださいね〉」
嘘を紡ぐと同時に心臓にナイフを押し付ける。
あぁ、別にこれは必要ないんだけど、濡れてるのが気持ち悪いから八つ当たり。
ぐに、と嫌な感触。
「うへ。」
口の中に入った。鉄の味がする。
口濯ぎたいなぁ、なんて思いながら行く当てもなく歩き出す。
- 本編 5-3 ( No.33 )
- 日時: 2011/05/07 14:20
- 名前: 桜庭遅咲 ◆ilG1GceQB. (ID: khvYzXY.)
- 参照: やべぇ、ストック切れたとか嘘だろ。
歩き出した、時だった。
「♪〜♪♪」
…歌声?
ぐるり、と辺りを見回せば…
いた。
歌声の主は、電線の上にいた。
電線の上に座ってるとか、明らかに変人。
しかも黒ずくめ…って、黒ずくめ?
ディーバ、…歌姫?
あ、あれ、噂の“ディーバ”か。
やば、逃げないと。あいつ、絶対人間じゃない。
一歩後退する。
…と、ディーバがこっちを見る。
目が合う…否、合ってしまった。
無意識に、体が震える。
「あちゃぁ、…まずい、な」
霊とか、そういうの苦手なのにな。
多分こいつ、そういう類だ。
気持ち悪いし、ぞくぞくする。
けど、大丈夫。
逃げれないほどのものじゃない。
- 人物2「獅子塚怜明」 ( No.34 )
- 日時: 2011/05/07 23:10
- 名前: 桜庭遅咲 ◆ilG1GceQB. (ID: khvYzXY.)
名前:獅子塚 怜明
読み:シシツカ レイメイ
性別:男 年齢:24歳
フェイク中の名前:蜃気楼(ミラージュ) タトゥー:矢の刺さった真っ赤なハート(頬)
ネメシス:『(まだ未公開です、すいません)』
容姿:茶髪に大き目の鳶色の瞳。黒い薄手の長袖Tシャツにジーンズ。
その他:ふわふわ天然さん。妹を生き返らせる為に参加している。
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