複雑・ファジー小説
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- 嘘吐きシンデレラ
- 日時: 2012/03/29 09:23
- 名前: 桜庭遅咲 ◆ilG1GceQB. (ID: khvYzXY.)
さて、ハジメマシテの皆さんも、ご無沙汰してますな皆さんもこんにちは。
桜庭遅咲(さくらばちさき)現、緑川祐という拙い文字書きもどきです。
さて、始めましょうか。
嘘吐きの物語を。
【嘘吐きなシンデレラの末路は?】
★Information【お知らせ】
題名を変えさせていただきました。
皆様のおかげで参照が400を突破しました。
感謝感激です!
返信もやっとこ50です。頑張るぞー。
- 本編 3-4 ( No.25 )
- 日時: 2011/05/02 22:42
- 名前: 桜庭遅咲 ◆ilG1GceQB. (ID: khvYzXY.)
「…追われてるの?」
おにーさん…蜃気楼さんがこくん、と首を傾げる。
「え…まぁ、はい」
一方的に追われてマス。
なんて言えるわけなくて、ちょっと苦笑い。
「こっちおいで。」
手を、引かれた。
柔らかいその力は振り払えたはず。
なのに、俺。
大人しく引っ張られてるんだってさ、おかしいね。
あ、言っとくけどね、世の中の腐なおねーさまがた。
別に恋じゃないので。びーえるには発展しないので。
なんて頭の中で実は必死な俺のことなんて知りもしない蜃気楼さんと泣いてる空。
頭の中を支配してく思考回路。
引かれる手の温もりが、やけに新鮮で。
挿すように降り注ぐ雨の冷たさが、やけに身に染みた。
- 本編 4-1 ( No.26 )
- 日時: 2011/05/03 14:30
- 名前: 桜庭遅咲 ◆ilG1GceQB. (ID: khvYzXY.)
「4」
人の手の温もりなんて忘れかけてて
人の心の温もりなんて忘れてて。
容赦のない雨が当たり前になってて
今更、優しさなんて知りたくもなかった。
★☆
手を引かれて走る。
打ち付けてくる雨と繋がれた手がやけにミスマッチ。
傘を差して歩いてく人は皆猫背で。
あぁ、俺もあの中の一人だったのかなぁ、とか思う。
周りの景色は現世のもので。
こっちからは見えて聞こえるのに、あっちにはこっちの姿も声も届かない。
それって、一部の人には凄く辛いんじゃないかなぁ。
自分がいない。
不安になるんだろうなぁ、なんて思うと思わず口元が緩む。
みんな、アホだなぁ。
自ら望んだのに。
他人に理解を求める行為自体が不毛なものなのに。
いっそのこと、俺みたいに自分の幸せだけを追えばいいのに。
誰かの幸せを想うなんて偽善なのに。
心の中で他人を嘲っていると、ぴたり、と蜃気楼さんが立ち止まった。
危ない、ぶつかるとこだった。
- 設定。 ( No.27 )
- 日時: 2011/05/03 22:14
- 名前: 桜庭遅咲 ◆ilG1GceQB. (ID: khvYzXY.)
忘れてたので追加。
・ディーバ
参加者たちの邪魔をする黒い覆面集団。
その正体と目的は不明。
神々と敵対している様子。
意味は『歌姫』
今後の展開に関わるかは謎。
- 本編 4-2 ( No.28 )
- 日時: 2011/05/04 14:45
- 名前: 桜庭遅咲 ◆ilG1GceQB. (ID: khvYzXY.)
「?」
顔を上げれば、一軒の家。
「ここ、僕の家なんだ。入って?」
促されてお邪魔すれば、無機質な玄関。
「…一人暮らしですか?」
「あー…うん。」
蜃気楼さんの顔が一瞬泣きそうに歪んだ、
あぁ、嘘吐いてるなこの人。
自慢じゃないけど、俺は嘘がうまい。
嘘吐いてる人の表情の変化とか結構見てるからね。
俺は自然な表情作るけどね。
この人、蜃気楼さんは典型的な顔に出るタイプだ。
けど、まぁ、一旦は気付かないフリをして家の中にお邪魔する。
「はい」
蜃気楼さんがタオルを渡してくれる。
え、何、現世の物って触れるの?
なんて思いつつも受け取ったタオルで顔を拭く。
洗剤の匂いがする。落ち着く。
ついでに、失礼なのは承知で部屋の中を見回す。
目に入るのは、無機質な雰囲気の室内にはひどく浮いて見える花やぬいぐるみの数々。
…カマかけてみようかなー。
- 本編 4-3 ( No.29 )
- 日時: 2011/05/04 22:33
- 名前: 桜庭遅咲 ◆ilG1GceQB. (ID: khvYzXY.)
本当はこの人のことなんてどーでもいいんだけど。
嘘を吐かれるのって嫌いなんだよね。
「兄弟か誰かがいるんですか?」
あくまでもさりげなく聞いてみると蜃気楼さんはひどく驚いた顔をする。
まるで
「なんでわかったの?エスパー?」
あ、台詞取られた。ひどい。
「あー、ぬいぐるみとかあったんで。妹さんでもいるのかなーって。」
「あはは、恐ろしいほどの観察眼だねぇ。」
一瞬嫌味かと思ったけど、違うっぽい。
口調が柔らかいし、毒がない。
あー、この人、天然なんだろうなぁ。
「うん、妹が、“いた”」
うん?過去形って事は…
「あー…スイマセン」
やっちゃったなぁ。この雰囲気。
お空の上にいらっしゃるってことか、あぁ、聞くんじゃなかった。
「んー、別にいいよ?俺、妹生き返らせる為に参加してるし。」
えへへ、と笑む蜃気楼さん。
あぁ、この人のタトゥー、顔にあるんだー。
とか今更思ったりする。
「あ、そうなんですか」
当たり障りのない返事を適当に返しておく。
他人の参加理由とか別に興味ない。
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