複雑・ファジー小説

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QUIZ 警視庁刑事部捜査一課第二強行犯捜査第四係
日時: 2015/08/04 17:28
名前: ゆぅ (ID: cdCu00PP)

はじめましてー。
クリック誠に感謝致します。
ゆぅと申します@


@2012夏の小説大会で金賞(?)を獲らせて頂きしました!!
@そして遂に参照1000越えをしましたっ!!!(2012.8.2)
@参照2000越えをしましたっ!!!(2012.12.24)
@参照2500越えをしましたっ!!!(2013.3.25)
@参照3000越えをしましたっ!!!(2013.9.24)

↑詠んでくれている方、クリックして下さった方、本当にありがとうございます#
これからも応援宜しくお願い致します*。




【注意書き】
@ミステリーものですので、流血等の描写はあります。しかし、そんなエグい感じじゃないのでご安心を。
@卑猥な発言はときどきありますが、これもそんな騒ぐ程の量ではないのでご安心を。
@コレどっかで聞いて事あるぞとか言うのがあるかも知れませんがそこゎ私素人なので見逃して下さい。
@1話が結構長いです。読むのだるい疲れた面倒臭いと言う方は最後の方を読んで頂ければ犯人が書いてあります。
@誤字、脱字は絶対あると思います。その時はどうか指摘して頂けると嬉しいです。
@読んでも訳がわからない場合は個人的におっしゃって下さい。できる限りの説明はさせて頂きます。



そして警視庁刑事部捜査一課第二強行犯捜査第四係と言うのは架空の部署です。
この物語は完全フィクションであり、実際の警察階級や対応の仕方、捜査する事件内容などとは異なりますのであくまでも物語としてお楽しみ頂けると幸いです。



=========================================

主な登場人物↓


@木元 純 キモト ジュン  24歳

第四係の巡査部長。
科捜研から飛ばされてきた。この物語の主人公みたいな人。朝に弱い。
甘党でとにかく甘いもの好き。金には目がない。また非常識で時折上司にもタメ口を使ったりする。
いつも斜めがけのカバンを身につけており、その中からパソコンやお菓子類などが出てくる。貧乏。
理屈っぽい真山とコンビという形になり、言い争いを繰り返す。

@真山 計 マヤマ ケイ  36歳

警部補。木元の上司みたいな人。生活安全課から飛ばされてきた。
拳銃を手にすると震え、引き金が引けない欠点を持つ。
頭はいいが単純な事は考えられない堅物で理屈男で、冷徹な話し方をする。
筋トレが趣味。かなりビビりですぐ白目を向いたりする。
また、高級マンションに独り暮らしをしている結構な金持ち。
木元と性格が合わないせいか、何度も対立をする。

@陣内廉造 ジンナイ レンゾウ  42歳

四係、陣内班の主任。
真山と木元のまとめ役みたいな人。
だが真山には敬語を使う。交通課から飛ばされてきた。
そのくせ三人の中では一番バカで頭は悪いが妙な所で回転が早い。
バツイチ。見た目は柄シャツやサングラスなどチンピラのように見える。関西弁で話す。



@コメントを下さい!!!
@コメントを下さった方の作品をご紹介させて頂きます。
@↑また、作品の所にコメントを書きに行かせて頂きます。
@質問・リクエスト、、、などがあれば言って下さい。




経過↓
Mystery1【パーティをはじめる前でも落ち着いて】 1〜113 完結済
Mystery2【血祭りバカ騒ぎ】 114〜161 完結済
Mystery3【逆だったら】 162〜 進行中
Mystery4【たった1分】 未
Mystery5【病院って微妙に臭い所とそうじゃない所があるけど臭い所ってのは大体外観が汚かったりする】 未
Mystery6【見合いで使うレストランって値段が高いよね】 未
Mystery7【謎の裏の裏の裏は謎】 未
Mystery8【隣にいる人が部屋の中で帽子をかぶっていたらハゲるよって教えてあげよう】 未
Mystery9【月が満ちる時】 未
Mystery10【傍観者】 未


@プロフィール紹介①→>>154
@登場人物整理→>>169



詠んで下さった方の作品↓
・空竜爾 様 【青空に雨が降る】
・龍ノ 様   【—とある学者が作ったモノ。—】
・ナル姫 様 【奥州の森】
・日曜日 様  【僕の隣にいるのは美男子くんと美少女ちゃんです】
・桜坂 様   【うそつきマリオネット】
・向日葵 様 【薔薇色の夜とキミ】
・楓夏@ 様 【幽体離脱】
・湧希 様  【魔獣ハンター】
・SEVENエイト 様 【TREASURE HUNTER】
・狒牙 様    【Invincible ability】 
・藤田光規 様 【人間纏鎖〜俺と嘘と鎖と霊と〜】
・しゅーくりぃむ 様 【ライトロードオブダークロード】
・ミルクチョコレート 様 【感情なんてイラナイ】
・風春 様     【わたしの姉が名探偵らしいのだが】
・黒 様       【本の中に入れる本】
・シェランティラルバート 様 【あの時交わした約束】
・陽炎 様     【—日輪草--ニチリンソウ—  】
・池野 刃 様  【輪廻の果てに】
・茜崎あんず 様 【聖使徒サイモンの巡礼】
・六花 様   【かみさま世界】
・クロ羽 様  【変人さんと私】
・藍永智子 様 【桔梗ちゃんの不思議な日常。】
・白銀 巫子 様 【紅色の物語】
・クリスタル 様 【鏡の国の君を捜して……】
・冷凍みかん 様 【【捕まったら】恐怖の鬼ごっこ【__だからな】】
・蒼 様    【僕らの旅〜FROM SPECIAL SCHOOL〜】
・春嵐◇arashi  様 【世界を救う1人の少女の物語】
・汽水 様 【.。○天魔の鎖●.. 】
・霧雨〜BARNA〜  様  【雨の唄】
・柊 様   【鬼孤—キコ—】
・電式 様 【マジで俺を巻き込むな!!】
・34・・・5 様 【雨のち雨】
・しーちゃん 様 【罠】
・rooding roorder rine 様 【真夜中探偵の報告書】
・ベルクシュアテン 様 【スティール・バード】
・ハク 様  【殺人ゲーム〜暗黒の学園〜 】
・螺慈 様  【バイトくん以上、恋人未満。】
・結城紗枝 様
・参謀 様 【Scarlet Infection】
・ゆりかん 様 【あなたの事件、解決しますよ?】
・阿厳 様 【俺の妹はサイコキラー】
・ミム 様 【腐れ時代】
・グランシャリオ 様 【【第一章】GREAT HEVEN】

以上43名の方々です@

Re: ラバソウ 警視庁刑事部捜査一課第二強行犯捜査第四係 ( No.140 )
日時: 2013/02/10 20:22
名前: ゆぅ (ID: hAtlip/J)

「口論するな。今の音が何のか考えろ」



真山が言った。




「どーやって?」




木元の一言で、真山は黙った。





「おいっ。どーすんですか、おいて」





木元はそう言いながら真山の肩をペチペチと叩く。


真山は、






「だったらお前が屋根裏にでも———」






真山がそう言った時、再びガタガタッと大きな音がした。






三人は「うわあ!」と声をあげて驚きながら上を向く。







「・・・放っときますか」






木元がそう言い、陣内が「そーやな・・・」と言ったがもう一度大きな音がした。






三人は結局驚いて声をあげた。






「見に行こう」




そう言って真山は立ち上がった。





後ろから木元や陣内がついて来るかと思いきや、真山が後ろを向くと二人は座ったままだ。





「おい」





真山がそう言うと、木元が言った。





「あたしたちの中で一番ビビりで、アホで、筋肉バカで、堅物で、ビビりな真山さんにしては勇気がありますね」






木元が平然と言うので、真山はすかさず言い返す。





「アホはお前だ」




次に陣内の声がきこえた。





「真山さん、頑張って下さいねぇ。ワシらはここで猫見張ってますンで」





陣内はそう言って窓の外に見える塀の上に寝ている先程の白猫を指さした。





「いいから立ってください陣内さん」





真山がそう言うと、木元が言った。





「真冬ですよ、今。寒くて出たくないです」





木元はそう言って窓の外を見た。





雪が降り始めていた。




白猫は颯爽と立ちあがり、塀を降りるとそのまま三人の視界から消えた。





三階なため、地面こそ見えないので積っているかどうかわからないが、とりあえず木に雪が積もっているところを見ると積っているようだ。






「和みますね、この雰囲気」




木元はそう言ってミカンを口に入れた。





皮を剥き、あの白いヤツをキレイに取り除いた状態の球体をそのまま口へと頬り込んだ木元は窓の外を見た。






「ミカンどっから持ってきた」と真山。






「せやなァ。もう冬やなー・・・・」





陣内もそう言いミカンを食べた。





「だからどっから持ってきたんですか、それ」と真山。



木元は真山を見ると微笑み、





「行ってらっしゃい」と呟いた。







「・・・あぁ、わかった。俺一人でも行ってやる」





言いながら、真山は部屋の襖を開け、廊下へ出た。





廊下へ出ると部屋の中にいる二人を見ながら人差指で指をさすと





「いいか。あとから怖くなって俺の所に来ても知らないからな。俺は一人でも行く」





と言って襖を閉めた。






















「ここか。屋根裏に続く階段は。薄暗いな」





真山はそう言って脇にいる木元と陣内を見た。





木元は呆れたように言った。







「一人でも行くんじゃなかったんですか」





「基本この物語は三人で一つと言う設定だ。設定上、ブレさせる訳にはいかない」






真山は得意気に言った。






「ここ寒いですわ。もう屋根裏とかええんで、放っときませんか。ネズミや言う事にしときまひょー」






陣内はそう言って肩を抑え、震え上がった。





「一人でもオッケー牧場ならあたしたち部屋行きますけど」





木元はそう言って真山を見た。





真山は二人を見て、少し考えたあとに言った。






「・・・すまん、一緒に行ってくれないか」





少々の沈黙のあと、木元が何もなかったかのように言った。






「・・・しゃーない。んじゃ、誰が行きますか。上に」





木元はそう言うと階段を見つめた。






二人も見つめる。




何度見ても薄暗くて気味の悪い階段だ。





何年も使ってないのか、階段が錆びれたかのように茶色く変色している。






「・・・待て。誰が行きますかてお前、三人で行くんちゃうんか」





陣内はそう言って木元を見た。





真山も木元に視線を移す。






「ちゃいますちゃいますー」




木元は顔の前で左手を振った。




二人とも不思議そうな表情を浮かべる。





「見張り役が必要でしょう?行くのは一人、他は待つ!」





「二人行った方がええんちゃうの?」




と陣内。






「ええんくありませんよォ。あたしたちが気付いたっつー事は、二人も登ったら足音でバレるでしょ?」





「あぁ、それもそーやなァ。じゃ誰が行くんや?」





「俺は断る」




と真山。






「真山さんが行くとか言い出しんじゃないですか」





「関係ない。もう過去は振り返らないと決めたんだ」





「何をバカな事をー・・・。んじゃ!こーゆー時は———」





木元が言葉を切り、真山と陣内は唾を飲む。





「ここは公平に、ジャンケンで決めましょう」





二人の表情が曇った。




「結局それかいなァ」





陣内がそう呟くと、早速木元の声がきこえた。





木元は拳を握っている。





「はい、ジャンケンポン!」





木元の言葉に焦り、真山と陣内もとっさに手を出した。





真山がチョキ、陣内がパー。そして木元は——。






「お前出せや!」





二人が木元の方を見ると、木元の手は普通にダランと力が抜けていた。




木元はジャンケンに参加すらしていなかった。





「出さなかった人負けだなんてルールはガキの中だけです。甘いんですよ、二人とも。・・・はい、つー事で一人寂しくこの不気味な階段を上がっていくのは陣内さんに決定です」






木元はそう言って陣内の右手を掴み、上に掲げた。





「お願いします陣内さん」





真山はそう言って陣内に頭を下げた。





陣内は「え?」と言って真山を見る。





「ちょ、ちょお待ってください真山さんまでェ。こいつはインチキでっせ?ペテン師でっせ?」





陣内はそう言って木元を指さした。





「もう決まった事は決まった事です。そもそも、こういうのは最年長が行くものです」






木元はそう言って陣内の背中を押し、無理矢理階段を一段登らせた。





「ちょちょちょちょちょお!やめろやアホ!」





陣内は木元の手を振りほどく。





もんのすごーい陣内の危機感に襲われた力に、木元は耐えられず手を離す。






だって、女の子だもん。つって。





「早く行って下さい。そんな度胸がない男だから奥さん、いえ元奥さんは嫌気を感じて離婚をなさったんじゃないですか」




と木元。






「うっさいわ!どんだけ離婚ネタ引っ張んねん!まだそんなあれや・・・。詳細の回やってへんのやからネタ出すなやアホォォ」





「そんな回来るんですか」

Re: ラバソウ 警視庁刑事部捜査一課第二強行犯捜査第四係 ( No.141 )
日時: 2013/02/10 20:27
名前: ゆぅ (ID: hAtlip/J)

「来んのかいな。来んくせにバツイチ設定しつこいのかいな・・・・。ちょっ、待て!」






陣内は背中を押してくる木元の手を抑えながら必死に言う。



「しかもワシが離婚したんは———。いかん、こっからはちゃんとしたそーゆー回で言わな・・・」



陣内がブツブツ呟いている間に、木元は一気に背中を蹴った。


陣内は痛い痛いと叫んでいたが「しゃーない、行ったろやないかい!」などと言って階段をドカドカと上がって行った。




「ありゃ大丈夫ですかねー」





木元は階段を見上げながら呟いた。




「お前が行かせたんだろ」と真山。




木元はムスッとして「じゃあ真山さんも行ったらどーです」と言って壁によりかかった。




真山はすかさず木元から目を離す。




陣内の階段を上がるキーキーと言う音がきこえるンで、とにかく命に別状はないっぽい。












 その頃、陣内はまだ階段を上っていた。







「何やねんこの暗さはァー・・・・。気味悪いったらありゃしない言うねん・・・。そんな事よりどこまで続くんやこの階段—・・・・」



陣内がそう呟いた時、再びゴトン、と音がした。






陣内は「何やねん気持ち悪い・・・」と呟きあがって行ったが、先程より数十倍も大きな音がした。

















———ゴトン!

















「何やっ!」






陣内はそう呟くと恐れながらも少し速足になり、屋根裏についた。


屋根裏部屋の前の踊り場のような所に立ち、薄暗い中を見渡した。




真っ暗で何も見えない。





「・・・何だったんや・・・?」





陣内がそう呟き、中へ足を踏み入れた。




その時、階段を駆け上がってくるような音がきこえた。






「陣内さん!」





木元の声がきこえた。







入り口に立っていたのは木元と真山だった。







「お・・・・、おぉおぉおぉおぉおぉ!」



陣内はそう言って二人にひっついた。



二人は困惑する。




「何かもんのすごーい音したんで、陣内さんがくたばったのかと思って来たんですけど・・・・・」





木元は壁についていたスイッチをパチン、と押した。





瞬間、電気がついた。






「・・・くたばったのは、陣内さんじゃなかったみたいですね」





「?」真山も陣内も木元の見ている方向を向いた。



三人の視線の先には、他でもない。


そこには、



















————由子が息絶えた姿で転がっていた。















 「ゆ、由子さん!?」





陣内が驚きに満ちた表情で呟いた。





「・・・死んでるのか」と真山。



木元は横たわっている由子の隣にしゃがみこみ、彼女の目を開けさせてみたり、そして最後に手首をさわり、千尋は二人の方を向いて首を横に振った。


由子は腹から血をだし、口から少々の血液を出していた。



そして腹にナイフが刺さっている。





「またまたあ、随分な殺し方しますなあ・・・・・」




木元はそう言いながら由子を見た。



陣内は怯えながら言った。




「おいおい、やめとけェ。呪われるで。やめといた方が———」



























 チーン。
なんて効果音がきこえると共に、由子の遺体が入ったタルが庭に置かれた。




「由子おばさまが亡くなるだなんて・・・・・」





大広間に全員が集まり、その中で里子が呟いた。




「どうなってるんだよ!お前ら屋根裏にいたんじゃねーのか!」




ずうーっと話さなかった由子の夫である康大がそう怒鳴るとテーブルを思いっきり叩いた。



そして三人を睨んだ。






「・・・それがー、犯人は見てないんですわー・・・・」





陣内が控えめに言った。



美江子が怒りをあらわにした感じで言った。





「人ん家の屋根裏に勝手に忍び込んだうえに犯人を見てないだなんて・・・・。役に立たないし、失礼な発言が多いし、何なのよあななたち!」





美江子がそう言うと、真山がフォローをしようと口を開くがそれを遮るように木元が大きな声を出した。




「つーか」





木元に視線が集まる。




木元は全員を見渡しながら続ける。




「そんなんだったらチャッチャと葬儀終わらせて皆さん帰りゃいー話じゃありませんか。遺産だとか、誰が総二郎さんを殺しただとか、んな面倒っちー事してるからこんなことになるんじゃないですか。どーせ由子さんを殺したのも、遺産目当てでしょうなあ。そんなに遺産が欲しいなら、卑っ怯ォな事しないでふっつーに話し合ったらいーでしょうが」




木元がそう言うと、真山と陣内はやっちまったなあーみたいな表情を、親族一同がイラッとした表情を浮かべ、それを代表するかのように直人が言った。





「なんだとっォ!?俺たちが殺したとでも言いてえのか!?じいさんの事もだけど、どんだけ疑えば気が済むんだお前らは!」





「んー・・・・。あと五百万回と三日分くらいですかねー。そんぐらい疑わないと気が済まないかも知れないですねー」




木元が平然と答え、涼子が言った。






「どういう意味よ!」





「そういう意味ですよォ。まず貴方達金井家にあるダメ〜な問題は人の死に関心がない事です。そしてその事に気づいていない事です。遺産遺産って、あたしだって真山さんみたいな高級マンションに住めるぐらいの金欲しいっつーの」





真山の家はもんのすごい高級マンションだ。



木元はそれを妬んでいる。





「・・・はっ?知らないわよ、そんな事」




と美江子。





「とにかく!焦らないで下さい。あなたたちがすべき事は犯人探しじゃない。それは私たちがやります。とりあえず葬儀を精いっぱいやってください。総二郎さんのためにも、由子さんのためにも」





木元の一言で、とにあえずの混乱状態はおさまった。




「んま、っつー事でみなさん、由子の死亡推定時刻、十七時二十二分頃何してたか一人ずーつおっしゃって下さい」




木元はそう言って部屋を見渡した。




「結局それなのか、お前たちは」




康大がそう言ってなぜだか真山を見た。




「・・・っ自分ですか」




真山はそう言いながら自分を指さす。





「お前たち三人に言ってるんだよ私は」




康大は呆れたかのように言った。





「結局これです、あたしたちは。アリバイを話したくないのなら——」




言いながら、木元はカバンから取り出したミルクケーキを康大に投げた。




「おやつでもしゃぶってな」




康大は飛んできたミルクケーキをキャッチすると違和感を感じ手の中を見た。





「・・・いやコレしゃぶれないんだけど、ゴミなんだけど」





康大の手の中にはお菓子を包む透明な袋がある。




「今月お金なかったンで買えなかったンですよ。もうそろそろ年が明けますなあ」

Re: ラバソウ 警視庁刑事部捜査一課第二強行犯捜査第四係 ( No.142 )
日時: 2012/09/27 20:44
名前: ゆりかん ◆Qd6XA/vkyQ (ID: au7rBPzb)

こんにちは、ゆりかんです♪
この前はコメありがとうございましたっ
まだ、読み終わってませんがとってもおもしろいです!!
っていうかよく思いつきますね〜って思います!
しかも夏の大会受賞!!すごすぎます!
遅いかもしれませんが、おめでとうございます^^
また来ますね!

Re: ラバソウ 警視庁刑事部捜査一課第二強行犯捜査第四係 ( No.143 )
日時: 2013/02/10 20:30
名前: ゆぅ (ID: hAtlip/J)

真山が木元の頭を叩いた。


木元は態勢を直すと咳払いをしてから言った。


「・・・それじゃ、まずは里子さんから」



木元がそう言うと、里子は「え、あぁ・・・・」と呟いてから答えた。




「私はその時間、たぶん美江子おばさんと夕飯の支度をしていました。そういえばダイニングテーブルの所に直人兄さんがいたような気がします」




里子がそう言うと、美江子は「事実です」と答え、直人の方を見ると直人は頷いた。


「なるほどン・・・。じゃあ美江子さん、あなた由子さんに嫉妬していたなんて事はありませんでしたか?」




木元は適当な当てずッぽで聞いてみる。





「は、はあ?何を言い出すんです?」




美江子は当然怒る。



木元は続ける。




「いつまで経っても結婚できないアナタは、あんなに図々しくてドケチそうで古風な考えばかりを持った由子さんが結婚できた事に対してイツシカ、嫉妬を覚えた。そしてアナタは思いついた。【そうだ、コイツを殺してしまおう】と」





「そうだ、京都へ行こうじゃないんだぞ」と真山。



木元は構わず続ける。




「まず屋根裏に由子さんを呼び出した美江子さんは自分で作った魔法のコンパクト的なアレに向かって『テクマクマヤコンテクマコマヤコン』的な事を言い、キレイになった気分になってから準備していたナイフで由子さんを刺した」




「意味あるのか」と真山。




「倒れて行く由子さん。キレイになった気分を味わう美江子さん。そしてそこに里子さんが来た。由子さんを死体を見た里子さんは美江子さんに自首を勧めた。けれどアナタは自首は絶対に嫌だと拒む。その代わり魔法のコンパクトを見せてあげると言葉巧みに里子さんを誘惑したアナタは里子さんと共に一曲踊りに踊り、味わった事のない楽しさを体験した」




「死体の脇で何やってんだ」と真山。




「だが一曲終わったあと、なんやかんや直人さんを証人にし、出て行こうとしたその時!運悪く陣内さんがアホ面で来てしまった」





「誰がアホや」と陣内。




木元は続ける。





「そしてアナタが選んだ道はそう、隠れ身の術。日頃男を仕留めるために隠れ身の術をひっそりと練習していたアナタは里子さんも一緒に隠れ身の術をした。そこに陣内さんが来る。陣内さんは気付かない」





「何で気付かないんだ」と真山。





「そうだったんや・・・」と陣内。




「違うだろ」と真山。





「そしてあたしたちが由子さんの死体を発見したと言う感じです」




木元がそう言うと、里子が先に言った。




「ちょっと待って下さい!そんなめちゃくちゃな事言わないで下さい。大体、由子おばさまが結婚したのは他でもない、美江子おばさまがお見合いを勧めてからです」




里子がそう言うと、木元は「何!?」と言わんばかりの表情を浮かべる。





「そうよ。確かに私は昔堅気な由子さんはそんなに好きではなかったわ。けれど、親戚と言っても家族です。そんなんで殺す訳ないじゃない」と美江子。




木元は「そ、そうですか・・・・」と呟きながら何事もなかったのように言った。



「じゃ次は隣の涼子さん」と木元。



真山、陣内はガクッとなる。



涼子は壁によりかかったままの姿勢で答える。






「あたしは庭で家で飼ってる犬を撫でてましたけど」




「という事は証人はいない訳ですね」と真山。





涼子は「ええ、まあ・・・・」と答えた。





「じゃあ次、和夫さん」





木元の声に反応し、和夫が話しはじめる。






「俺はコンビニに行ってた。証人はいねーよ」





「じゃあ智広さん」




「俺はー、確かその時間は部屋で寝てた。和夫や涼子と同じように証人はいない」



と智広。





「じゃあ明伸さんどーぞ」と木元。





「僕は裏の林にいました。証人はいません」と明伸。




「じゃあ春子さん」





「私は部屋にいました。証人は残念ながらいません」



と春子。




「じゃあ最後に康大さん」




木元は康大を見た。



康大は先程のゴミを床に投げると木元の方を見て答えた。




「俺も部屋にいたよ。証人はいない」




全員のアリバイを訊き終えると、三人は顔を合わせた。


Re: ラバソウ 警視庁刑事部捜査一課第二強行犯捜査第四係 ( No.144 )
日時: 2013/02/10 20:36
名前: ゆぅ (ID: hAtlip/J)

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「んー・・・・。犯人は由子さんをドカーァンて殺したあとどこに消えたんでしょーねー」




由子が倒れていた屋根裏で、木元が床を叩いたりしながら呟いた。



真山や陣内も壁を叩く。





「しかし、由子さんがナイフで刺された時悲鳴を上げなかったと言う事からして顔見知りだと言う事は明確だな」




真山が呟いた。




木元は「んー・・・・」と呟き、床に頬をあてているので「・・・冷たい」と言ってから顔を上げてから答えた。




「つーかそれ以外なくね」




「・・・・親族以外だったら俺たちが疑われる事になる訳だしな」




真山は壁をコンコンと叩いた。




「んな事よりあの由子言うおばさんが殺されるなんて意外やなあ、こりゃ。逆にあのおばさんが殺しやりそーやのにィィィ・・・・・おわっ!」




陣内もそう言って床をコンコンと叩く。




「あ?まあでも、そうですよ・・・・・・・・ねェェェェェェェェ!?」




木元はそう言って「あれっ」と呟いた。


そう、みなさまご想像の通りな訳はないと思うけど陣内が消えた。



真山も「ん!?」と言いながら先程まで陣内がいた場所を見た。




「今度こそくたばっちまたァァァ、陣内さん」




言葉の響きこそ焦ってそうだが、木元は冷静な顔をしていた。




「お前ちょっとは焦れェェェェ!ポーカーフェイスか君は!」




真山はそう言って木元の隣に来た。




木元は真山のはねた髪の毛をさわって言った。




「これ寝ぐせですか、それともキメてるんですか」




真山は木元の手をはじいて言った。




「陣内さんはどこに消えたんだ」




真山がそう言うと、木元はそんな焦る真山を見て涼しい顔をして言う。




「どこに消えたって、答えは一つしかないじゃないですか」




「?」真山は不思議そうな表情を浮かべた。



木元は「フーン」と微笑むとしゃがみこみ、陣内のいた場所でジャンプした。




すると床が回転し、グルンと下の部屋らしき場所が見えた。




「おー、感動するー」




木元は口を『ホ』の字にしたようにあんぐりと開け下にある部屋をのぞいた。



「木元—!真山さーん!」




陣内の声がきこえた。



木元は陣内の声を無視するとただただ驚いている真山の方を向いて言った。




「っつー仕組みみたいですよォー」




木元はそう言うとスルリと下へ降りて行った。



真山も困惑しながらも飛び降りた。




「よっこいしょーいち」




木元は床に足を着くと部屋を見渡した。



特に家具はない。




「つまんねー部屋ァ・・・・。でもまあ、階段があんなに長かったのも、これで納得ですねェ」と木元。




陣内は手を叩いて、




「あ、それや。階段長かったンはそーゆー事やったんやなあ」と呟いた。





「何てカラクリハウスですかー、こりゃ。博士か、でんじろう先生の趣味部屋かここは。・・・でも、ここに犯人が逃げ出したっつー事はわかりますわなあ」




木元はそう言って部屋にある窓を開けた。



「寒っ」と呟きながらも外を見る。




窓を開けると、屋根に登れるようになっている。




「窓から逃げたのか」と真山。




「たぶん。つーかそれしかないっすね。まあ犯人の逃げ道がわかったトコで犯人がわかる訳じゃあないんすけどねー」




木元はそう言って窓を閉めた。




「まあな」と真山。




「せやけど、窓から逃げて屋根に上ったとしても出ていけへんのとちゃうの」




陣内が疑問を口にした。




「どーしてですか?」と木元。




「この下は台所やろ?となると犯人が降りて行った場合里子、美江子、直人に見られてるはずや。でも三人が何も言わんかった言う事は、嘘ついてない限り犯人はどーやって逃げたんや?」




「あ、そっかー・・・・」



木元はそう呟きながら窓の下を覗いた。




確かに下には台所スペースが見える。




さらにダイニングテーブルも見えた。



だが本当にわずかにしか見えない。



丸見えの場所と言えば涼子がいたと言う犬がいる庭だけだ。




「なーるほどーォン。・・・・じゃ犯人はあたしたちの前を堂々と出て行ったんじゃないですか?」




木元が振り向いて二人に言った。



「堂々と?俺たち寝ぼけてたとでも言いたいのか」




真山が不思議そうに言った。



「違いますよ。思い出してください。そういえば陣内さん、あたしたちが来るまで電気をつけずに中を見てましたよね?もちろん真っ暗で何も見えなかったはずです」




木元がそう言うと、陣内は「たしかに、そーやったな」と言う。




「そんでここには踊り場がある訳です。犯人は陣内さんが中に入ったと同時に、その踊り場に行き、あたしたちを見過ごした。その後あたしたちが会話をしている中、どさくさに紛れて階段を駆け降りた。・・・・って考えられませんか」




「それや!絶対それや!」




陣内は木元を指さした。




「でもそうなってくると、どーして階段をおりる音がきこえなかったんだ」




真山が言った。




「言われてみればそーや。階段はいちいちキーキーキーキー音したなァ。音せえへんのはおかしわ」





陣内がそう言うと、木元は「んー・・・・」と考え込む。




「知らね」




木元はそう言って壁によりかかった。




「おい!」と陣内。


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