複雑・ファジー小説
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- QUIZ 警視庁刑事部捜査一課第二強行犯捜査第四係
- 日時： 2015/08/04 17:28
- 名前： ゆぅ （ID: cdCu00PP）
はじめましてー。
クリック誠に感謝致します。
ゆぅと申します＠
＠2012夏の小説大会で金賞(?)を獲らせて頂きしました!!
＠そして遂に参照1000越えをしましたっ!!!（2012.8.2）
＠参照2000越えをしましたっ!!!（2012.12.24）
＠参照2500越えをしましたっ!!!（2013.3.25）
＠参照3000越えをしましたっ!!!（2013.9.24）
↑詠んでくれている方、クリックして下さった方、本当にありがとうございます＃
これからも応援宜しくお願い致します*。
【注意書き】
＠ミステリーものですので、流血等の描写はあります。しかし、そんなエグい感じじゃないのでご安心を。
＠卑猥な発言はときどきありますが、これもそんな騒ぐ程の量ではないのでご安心を。
＠コレどっかで聞いて事あるぞとか言うのがあるかも知れませんがそこゎ私素人なので見逃して下さい。
＠1話が結構長いです。読むのだるい疲れた面倒臭いと言う方は最後の方を読んで頂ければ犯人が書いてあります。
＠誤字、脱字は絶対あると思います。その時はどうか指摘して頂けると嬉しいです。
＠読んでも訳がわからない場合は個人的におっしゃって下さい。できる限りの説明はさせて頂きます。
そして警視庁刑事部捜査一課第二強行犯捜査第四係と言うのは架空の部署です。
この物語は完全フィクションであり、実際の警察階級や対応の仕方、捜査する事件内容などとは異なりますのであくまでも物語としてお楽しみ頂けると幸いです。
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主な登場人物↓
＠木元 純 キモト ジュン 24歳
第四係の巡査部長。
科捜研から飛ばされてきた。この物語の主人公みたいな人。朝に弱い。
甘党でとにかく甘いもの好き。金には目がない。また非常識で時折上司にもタメ口を使ったりする。
いつも斜めがけのカバンを身につけており、その中からパソコンやお菓子類などが出てくる。貧乏。
理屈っぽい真山とコンビという形になり、言い争いを繰り返す。
＠真山 計 マヤマ ケイ 36歳
警部補。木元の上司みたいな人。生活安全課から飛ばされてきた。
拳銃を手にすると震え、引き金が引けない欠点を持つ。
頭はいいが単純な事は考えられない堅物で理屈男で、冷徹な話し方をする。
筋トレが趣味。かなりビビりですぐ白目を向いたりする。
また、高級マンションに独り暮らしをしている結構な金持ち。
木元と性格が合わないせいか、何度も対立をする。
＠陣内廉造 ジンナイ レンゾウ 42歳
四係、陣内班の主任。
真山と木元のまとめ役みたいな人。
だが真山には敬語を使う。交通課から飛ばされてきた。
そのくせ三人の中では一番バカで頭は悪いが妙な所で回転が早い。
バツイチ。見た目は柄シャツやサングラスなどチンピラのように見える。関西弁で話す。
＠コメントを下さい!!!
＠コメントを下さった方の作品をご紹介させて頂きます。
＠↑また、作品の所にコメントを書きに行かせて頂きます。
＠質問・リクエスト、、、などがあれば言って下さい。
経過↓
Mystery1【パーティをはじめる前でも落ち着いて】 1〜113 完結済
Mystery2【血祭りバカ騒ぎ】 114〜161 完結済
Mystery3【逆だったら】 162〜 進行中
Mystery4【たった1分】 未
Mystery5【病院って微妙に臭い所とそうじゃない所があるけど臭い所ってのは大体外観が汚かったりする】 未
Mystery6【見合いで使うレストランって値段が高いよね】 未
Mystery7【謎の裏の裏の裏は謎】 未
Mystery8【隣にいる人が部屋の中で帽子をかぶっていたらハゲるよって教えてあげよう】 未
Mystery9【月が満ちる時】 未
Mystery10【傍観者】 未
＠プロフィール紹介①→>>154
＠登場人物整理→>>169
詠んで下さった方の作品↓
・空竜爾 様 【青空に雨が降る】
・龍ノ 様 【—とある学者が作ったモノ。—】
・ナル姫 様 【奥州の森】
・日曜日 様 【僕の隣にいるのは美男子くんと美少女ちゃんです】
・桜坂 様 【うそつきマリオネット】
・向日葵 様 【薔薇色の夜とキミ】
・楓夏＠ 様 【幽体離脱】
・湧希 様 【魔獣ハンター】
・SEVENエイト 様 【TREASURE HUNTER】
・狒牙 様 【Invincible ability】
・藤田光規 様 【人間纏鎖〜俺と嘘と鎖と霊と〜】
・しゅーくりぃむ 様 【ライトロードオブダークロード】
・ミルクチョコレート 様 【感情なんてイラナイ】
・風春 様 【わたしの姉が名探偵らしいのだが】
・黒 様 【本の中に入れる本】
・シェランティラルバート 様 【あの時交わした約束】
・陽炎 様 【—日輪草--ニチリンソウ— 】
・池野 刃 様 【輪廻の果てに】
・茜崎あんず 様 【聖使徒サイモンの巡礼】
・六花 様 【かみさま世界】
・クロ羽 様 【変人さんと私】
・藍永智子 様 【桔梗ちゃんの不思議な日常。】
・白銀 巫子 様 【紅色の物語】
・クリスタル 様 【鏡の国の君を捜して……】
・冷凍みかん 様 【【捕まったら】恐怖の鬼ごっこ【＿＿だからな】】
・蒼 様 【僕らの旅〜FROM SPECIAL SCHOOL〜】
・春嵐◇arashi 様 【世界を救う1人の少女の物語】
・汽水 様 【.。○天魔の鎖●．. 】
・霧雨〜ＢＡＲＮＡ〜 様 【雨の唄】
・柊 様 【鬼孤—キコ—】
・電式 様 【マジで俺を巻き込むな！！】
・３４・・・５ 様 【雨のち雨】
・しーちゃん 様 【罠】
・rooding roorder rine 様 【真夜中探偵の報告書】
・ベルクシュアテン 様 【スティール・バード】
・ハク 様 【殺人ゲーム〜暗黒の学園〜 】
・螺慈 様 【バイトくん以上、恋人未満。】
・結城紗枝 様
・参謀 様 【Scarlet Infection】
・ゆりかん 様 【あなたの事件、解決しますよ？】
・阿厳 様 【俺の妹はサイコキラー】
・ミム 様 【腐れ時代】
・グランシャリオ 様 【【第一章】GREAT HEVEN】
以上43名の方々です＠
- Re: QUIZ 警視庁刑事部捜査一課第二強行犯捜査第四係 ( No.175 )
- 日時： 2013/02/15 18:09
- 名前： ゆぅ （ID: hAtlip/J）
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植原奈津子は一人暮らしで父親は十年前に離婚、母親は二年前に他界しており兄弟もいなく直接血の繋がりのある人物はいなかった。
真山は植原奈津子の住んでいたアパートを訪ねた。
「あの、すみません」
階段の前に、玄関ホールのようなところがあり、管理人は管理人室にいた。
真山がそう言うと、管理人のオジサンはこちらを向き、窓口を開けた。
「はい？」
「えっと、警視庁の者ですが、ちょっとお話よろしいでしょうか」
真山はそう言って手帳を提示する。管理人は呆れたように言う。
「警察にはもう話す事なんてありませんよ〜、わしゃ。さっきたくさん話しましたばっかりでしょう？」
「さっき、ですか？」
「えぇ。わしゃさっき確かに刑事さんにお話しましたけど・・・・？」
さっき、というのは最近を指す表現ではなく今さっきを指す表現だ。
「すみません、ありがとうございました」
真山はそう言うとホールを出て行った。
おじさんは首を傾げると椅子に座り、再びテレビを見始めた。
アパートを出て、左右をキョロキョロしたところで、真山はある人物の後ろ姿を発見し、右へ走った。
「伊達さん」
真山はそう言いながら先を歩いていた伊達の隣を歩いた。
伊達は一度振り向いてから真山と共に歩き出す。
「何か用か」
冷たいなこの人は。
同じ事件を捜査している以上仲良くして欲しいもんだ。
まあ、このヤマをとりたいのはわかるが。
「さっき管理人と話したんですよね？聞かせてもらってもいいですか」
真山は隣を歩く伊達に言う。
伊達は真山の方を見ようともせず、手帳を見ながら言う。
「そんなの自分で管理人に聞きに行け。俺は忙しいんだ」
伊達はそう言って早歩きになった。
真山は少し小走りで伊達に追いつき、再びともに歩きながら言う。
「いえ、もう一度同じ事をきくのはー・・・失礼かなって思いまして」
「俺にもう一度同じ事をきくのは失礼じゃないのか」
「・・・お願いしますよ。俺、犯人どうしても捕まえたいんです」
「俺だって捕まえたい」
「あぁいや、このヤマをとりたいとかそういう事じゃなくて・・・」
「じゃあ何だ、私情か」
「え？・・・伊達さんだってヤマをとりたいのは確かにわかります。けど、それは俺たちも一緒ですし。情報与えないのは何か違いませんか」
「与えてるだろ、充分。新藤に聞きに行かなかったのか」
「行きました。でもあんな情報、伊達さんがあの場で口で言ってくれればよかったのに。まあ確かに、俺たちに負けるのは嫌でしょうけど」
陣内班は、落ちこぼれの寄せ集め班だ。
しかも主任はあのアホ陣内。
落ちこぼれに負けたくないと言うのは誰でも思うだろうに。
伊達は相変わらず目も合わさず言う。
「元々、お前ら三人は警護にあたらせてるだろ。そっちの仕事はちゃんとしてるのか」
「してます。昨日だって、西田が・・・西田さんが襲われそうになって」
真山は自信満々に答える。
あんな大仕事をしたのは久々だったからだ。
一話目も二話目も、屋敷から出られなくなるとか毒を飲まされるのかそんなんばっかりで、刑事らしい事をした覚えがない。
前回まではまだ序盤と言う事ではっちゃけていただけに過ぎない。
それに比べて今回は結構頑張った方だ。
「それで？西田のストーカーは捕まえたのか。今回のヤマの犯人かも知れないんだろ」
伊達は立ち止まり、はじめて真山の目を見てきいてきた。
「・・・あぁいや。・・・色々あって逃げられました」
真山がそう言ったところで、伊達は目を離すとサーと歩いて行く。
真山は後を追う。
「けど、未だ犯人の見当すらついていないんでしょう？僕らを警護にだけあたらせるなんて、勿体ないと思いませんか。木元が言ってた事だって、謎のままでしょう？」
「木元が言ってた事？・・・あぁ、髪の毛がどうとかいう話か」
「そうです。木元が言う事も一理あると思いませんか。髪の毛なんてなぜ切ったのか、なぜ持ち去ったのか」
「興味深い内容ではあるがそれは所轄にやらせとけって木元に伝えろ」
「伝えるのは構いません。けど、とりあえず管理人の話を教えて下さいよ」
真山はそう言うと伊達の前に立ちはだかった。
伊達は思わず足を止める。
そして呆れたように言った。
「・・・管理人は遠藤正明、五十四歳」
やっと、話す気になったようだ。
- Re: QUIZ 警視庁刑事部捜査一課第二強行犯捜査第四係 ( No.176 )
- 日時： 2013/02/20 18:54
- 名前： ゆぅ （ID: hAtlip/J）
伊達の話じゃ、こんな事があったらしい。
まずさっきも言ったように管理人は遠藤正明、五十四歳。
普段からあの窓口にいるらしい。
十五分前———。
伊達は植原奈津子のアパートの管理人を訪ねていた。
（あの、警視庁の伊達と言いますが。お話よろしいでしょうか）
伊達がそう言うと、テレビを見ていた遠藤がこちらを振り向き、窓口を開けた。
（はいはい？刑事さんが何か）
遠藤がそう言うと、伊達は植原が写った写真を遠藤に見せながら言った。
（この写真の女性、知ってますね？）
遠藤は写真をまじめじと見てから言った。
（あぁ、えーと確か・・・植原さんって言ったかなあ）
（そうです。植原奈津子さんは確かにここに住んでいたんですね？）
（あぁはい・・・。でも植原さんが何か？やらかしたんですかい？）
遠藤がそう言い、伊達は写真をしまいながら言った。
（今朝、遺体で発見されまして）
（い、遺体って・・・。死んだって事ですか!?）
遠藤は驚いた顔をする。そりゃあ、そうか。
（はい。何者かに、殺害されたようで）
（殺人事件ってやつかえ・・・。で、わしに何か）
（あぁいえ。管理人さん・・・・）
伊達が言葉に困っていると、遠藤が言ってきた。
（遠藤じゃ。遠藤、正明）
（あっ、遠藤さん。遠藤さん何か、植原さんが誰かに恨まれてたなどという事は？）
（いやぁ〜・・・。すまんが、わしゃ彼女とはあまり会話しないもんでのぅ。何も知らんわ）
（そうですか。じゃあ何か、わかった事があればまた）
伊達がそう言って去っていこうとした時、遠藤が言った。
（あ、でも刑事さん！）
そう言われ、伊達は振り返る。
（はい）
（何かの足しになるかはわからんが・・・・）
（何ですか？）
伊達がそうきくと、遠藤は言いにくそうな仕草をした。
「もめ事？西田とですか？」
そこまで話をきいた真山が言った。
伊達は「あぁ」と答える。
（何日か前からずっと、何て言ったかのー・・・・・。あ、そうじゃ！この人が家に来て植原さんともめとったわ）
遠藤がそう言って見せてきたのは、ゴミ箱に入っていた雑誌だった。
そこには西田あさみが写っていたのだと言う。
「だから今から西田あさみの元を訪ねようと思ってたんだ。とんだ邪魔が入って遅れたが」
伊達がそう言い、真山は「それで急いでたんですか」と呟いた。
「でも、もめ事ってなんだったんでしょうね？」
歩き出す伊達についていきながら、真山が言った。
「だーから今からききに行くんだ！」
伊達は小さく怒鳴る。
真山も小さくではあるがビクッと目をつぶる。
「・・・と言う事で真山、お前は一人で捜査に————」
伊達がそう言ったところで、真山は別の方向を見て言った。
「・・・あれ、誰ですかね」
「あ？」
真山の見る方向は、植原の遺体が発見された現場だ。
そこには、黒いフードを被ったいかにも怪しい人物が現場を見ていた。
「ただの野次馬じゃないのか？」
伊達はそう言って一人でその人物のところへ小走りで行ってしまった。
真山も追おうとしたその時———。
「あっ！」
真山は思いだす。と言うか記憶と現在の映像を合致させる。
あの黒いフードはまさしく、西田を襲いしかも真山の腹部に強烈なキックを決めて逃げてった変態ストーカー野郎だ。
「伊達さん！」
真山がそう叫びながら伊達のところへ走っていくが、もう遅かった。
「あの、警察の者ですが。何かありましたでしょうか」
伊達はフード男に話しかける。
フード男はマスクをしていてまったく顔は見えない状態ではあるが伊達の方を振り向く。
二人の間に沈黙の時間が流れる———。
「伊達さん！そいつ捕まえて！」
真山がそう叫びながら走ってきた。
伊達は「え？」と言いながら真山を見ると男を見た。
だが男は真山を見た瞬間、思いだしたのか伊達を押しのけて走り出した。
伊達は肩をおされ片足が一歩後ろに行く。
真山は伊達の前で一度急ぎながらも立ち止まる。
「真山、誰なんだあいつは」
「たぶんストーカー野郎ですよ！犯人です！」
「なにっ!?」
真山と伊達は男の後を追った。
- Re：CROSS OVER！！ ( No.177 )
- 日時： 2013/02/20 19:20
- 名前： 阿厳 （ID: oWbfUqQX）
はいどーも、阿厳デス
サイコキラー完結しましたんで、二つ目の作品に手を出し始めました。
題名は書いてある通りです。暇があったら目を通して見て下さい
- Re: QUIZ 警視庁刑事部捜査一課第二強行犯捜査第四係 ( No.178 )
- 日時： 2013/02/21 18:49
- 名前： ゆぅ （ID: hAtlip/J）
その頃、木元は渡部亜美と植原奈津子の事務所に来ていた。
「あのー、警視庁の木元と言います。渡部さんと植原さんの件で」
受付らしきところでそう言うと、受付嬢の女は「かしこまりました」と言い近くにいた男に話しかけた。
「クサノさん」
クサノと言われた男は振り向き、女性を見る。
「警察の方がお見えになってます。・・・渡部さんと植原さんの事とかで」
女性がそう言うと、クサノは木元を見て会釈した。木元も会釈する。
事務所の二階が、渡部と植原のいたところだと言う。
「渡部亜美のマネージャーだった、草野剛と言います・・・。今回は、色々とお騒がせしたみたいで・・・・」
草野はそう言って名刺を差し出してきた。
テーブルには二人分のお茶がある。
「あの、植原さんのマネージャーさんは？」
木元は名刺をしまいながら言った。
「あぁ、奈津子ちゃんのマネージャーも実は僕がやらせて頂いてまして」
「えっ」
知らなかった。当たり前だが。
「亜美ちゃんも奈津子ちゃんもあまり売れてなかったんで、僕が一人でやっていたんですけど・・・。二人とも同時期に売れ始めて大変だったんです。・・・あっ、すみません。お話と言うのは？」
草野はそう言ってお茶を飲んだ。木元が言う。
「えっと、草野さんは事件当日・・・と言いますのは、十二月四日の二十二時から二十三時の間、渡部さんが殺害された時間と、八日の二十時から二十一時の間、植原さんが殺害された時間、草野さんはどこで何をやっていましたか」
「・・・えっと、それは・・・。僕を・・・」
疑っているんですか、だろう。
「決まり文句です。皆さんにきいているので是非」と木元。
草野は頷いてから答える。
「確か・・・四日のその時間は・・・社長たちと飲みに行ってたと思います。八日は確か、西田さんに仕事の相談をされて。朝まで一緒でしたよ」
「そうですかー・・・。では、最近二人が誰かとトラブルなどにあったと言う事は？」
木元はメモしながら言った。
「んー・・・。二人とも、僕にはあまり相談してくれないので、詳しい事何も。ただ——」
「ただ？」
「その、やはり売れて来て、ライバル関係になった子たちとの言い争い結構あったみたいですね。服のセンスをけなし合ってたり、後輩が先輩より売れてたみたいで、先輩が後輩と髪の色がかぶってて染め直させたとか、仕事の本数が少ないとか多いとか・・・そういう事しか。あっ、でも詳しい事は知りません。すみません」
草野はそう言って小さく頭を下げた。
「あぁいえ。ありがとうございました」
木元はそう言って立ちあがった。
- Re: QUIZ 警視庁刑事部捜査一課第二強行犯捜査第四係 ( No.179 )
- 日時： 2013/03/19 00:44
- 名前： ゆぅ （ID: hAtlip/J）
「いえ、お役に立てなかったみたいで・・・・。あっ、そういえば亜美ちゃんの方は、三宅君とちょっともめてた事があったみたいです」
草野は立ちあがってから思いだしたように言った。
「三宅さんと？どーしてですか？」
問題があったようには思えないが。
「さあ。そこも詳しい事はわからないですけど、亜美ちゃん、結婚迷ってたみたいで」
「なぜですか」
「モデルとか、芸能界は思った以上に厳しくて・・・。急に売れなくなる事だってあるから。三宅君に一生面倒見てもらうのはどうも、気が引けたみたいです」
みたいで、がこの人の口癖なのか。まあ、いいか。
「そうですか。三宅さんに確認とってみます。ありがとうございました」
お互いに会釈を済ませ、木元は事務所を出た。
「木元さん？」
事務所を後にしようと角を曲がろうとした時、誰かに話しかけられた。
木元が振り向くと、そこには西田が立っていた。
木元が会釈すると、西田が近づいてきて言った。
「どうしたんですか？」
西田はそう言って微笑んだ。
「あぁ、草野さんに話をきいてたんです」
「草野さん？あっ、アリバイって奴ですか？」
「えぇ、まあ」
「ならあたしが保証しますよ。草野さんは亜美ちゃんが殺された日も、奈津子ちゃんが殺された日も・・・あたしと一緒にいましたから」
八日の件はきいたが、四日もだったのか。
「社長たちと飲み会ですか」
「え？あぁ、四日はそうですね。あっ、証拠だってありますよ」
西田はそう言ってカバンをあさる。
「ほらこれ——」
西田がそう言って写真を出したのと同時にカバンからピンク色の瓶が落ちた。
「あっ！」
西田がそう言った時には遅かった。
瓶は地面に落ち、粉々になる。
しかも木元のスーツに思いっきり中身がビシャーッとかかった。
「あ・・・すみません・・・・・」
西田は濡れている木元を見てつい失言してしまう。
木元はビチャビチャになった全身を見てから西田を見る。
「・・・一応ききますけど・・・・何ですかコレ」
ありえないがガソリンとかだったら困る。
まあ、匂いで大体の予想はついているが。
「・・・香水、です」
西田はそう言って苦笑いした。
木元も苦笑いする。
いや、これは愛想笑いなのか。
何だろう、何か特殊な香りがする。
ピーチのような、オレンジのような。
とりあえず色々混ざっているよくわからん匂いなのだろう。
「あ、でも・・・・。フレッシュベリーの香りなので・・・いい匂いですよ。こ、これ・・・。私の行き付けの店オリジナルの香水で・・・と、特注で、みんなが羨ましがる事間違いなしですよ・・・・！」
西田はフォローしているつもりなのか、そう言って木元を見る。
「とと、とりあえず・・・ごめんなさい！」
なーにがフレッシュベリーじゃ！と言いたくなったがまあこれは事故なのでしゃーない。
問題は西田に故意があったかなかったかじゃない。
香水がかかったかかかっていないかの問題だ。
もちろん答えはかかったの方だ。
香水というものは少しつけるから良いのであって全部かぶったらただの臭い人になる。
「い、いえ・・・・。大丈夫です・・・。それより、証拠って・・・？」
木元は話題を変える。
髪の毛にかかった香水をしぼりながら。
「あ、あぁ・・・。これです」
西田はそう言って写真を見せてきた。
「四日に取った社長たちとの飲み会の写真です。端に日付が書いてあるでしょ？」
写真を見ると、西田が言うように本当に四日の日付が書いてある。
これは偽そうのしようがないだろう。
「わかりました。あ、じゃああたしはこれで」
木元がそう言って香水を払いながら去って行こうとすると、西田の声がきこえた。
「この間真山さん」
そう言われ、木元は「はい？」と振り向く。
「真山さん・・・あたしの事かばってくれたんですけど、大丈夫でしたか」
西田は心配そうな顔をした。
「あぁ、大丈夫みたいですよ」
結構傷だらけだったが。
しかも、プライドまでズタボロにされたらしい。
「そうですか。良かったあ。あたしあの後どうなったかずっと気になってて。今日は木元さんですよね。よろしくお願いします」
西田はそう言いながら頭を下げてきた。
「あぁ、いえ。何か色々あって犯人捕まえるまで真山さんが警護してくれるそうですよ。たぶん今日あとで来ます」
「あっ、そうなんですか。わかりました。・・・あっ、あの木元さん」
「はい？」
「・・・・その、怖いので、携帯番号、教えて頂いてもいいですか？」
「あぁ、構いませんけど」
番号を交換すると、「ありがとうございました。あと香水、すみませんでした」と言って西田は事務所に入って行った。
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