複雑・ファジー小説

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QUIZ 警視庁刑事部捜査一課第二強行犯捜査第四係
日時: 2015/08/04 17:28
名前: ゆぅ (ID: cdCu00PP)

はじめましてー。
クリック誠に感謝致します。
ゆぅと申します@


@2012夏の小説大会で金賞(?)を獲らせて頂きしました!!
@そして遂に参照1000越えをしましたっ!!!(2012.8.2)
@参照2000越えをしましたっ!!!(2012.12.24)
@参照2500越えをしましたっ!!!(2013.3.25)
@参照3000越えをしましたっ!!!(2013.9.24)

↑詠んでくれている方、クリックして下さった方、本当にありがとうございます#
これからも応援宜しくお願い致します*。




【注意書き】
@ミステリーものですので、流血等の描写はあります。しかし、そんなエグい感じじゃないのでご安心を。
@卑猥な発言はときどきありますが、これもそんな騒ぐ程の量ではないのでご安心を。
@コレどっかで聞いて事あるぞとか言うのがあるかも知れませんがそこゎ私素人なので見逃して下さい。
@1話が結構長いです。読むのだるい疲れた面倒臭いと言う方は最後の方を読んで頂ければ犯人が書いてあります。
@誤字、脱字は絶対あると思います。その時はどうか指摘して頂けると嬉しいです。
@読んでも訳がわからない場合は個人的におっしゃって下さい。できる限りの説明はさせて頂きます。



そして警視庁刑事部捜査一課第二強行犯捜査第四係と言うのは架空の部署です。
この物語は完全フィクションであり、実際の警察階級や対応の仕方、捜査する事件内容などとは異なりますのであくまでも物語としてお楽しみ頂けると幸いです。



=========================================

主な登場人物↓


@木元 純 キモト ジュン  24歳

第四係の巡査部長。
科捜研から飛ばされてきた。この物語の主人公みたいな人。朝に弱い。
甘党でとにかく甘いもの好き。金には目がない。また非常識で時折上司にもタメ口を使ったりする。
いつも斜めがけのカバンを身につけており、その中からパソコンやお菓子類などが出てくる。貧乏。
理屈っぽい真山とコンビという形になり、言い争いを繰り返す。

@真山 計 マヤマ ケイ  36歳

警部補。木元の上司みたいな人。生活安全課から飛ばされてきた。
拳銃を手にすると震え、引き金が引けない欠点を持つ。
頭はいいが単純な事は考えられない堅物で理屈男で、冷徹な話し方をする。
筋トレが趣味。かなりビビりですぐ白目を向いたりする。
また、高級マンションに独り暮らしをしている結構な金持ち。
木元と性格が合わないせいか、何度も対立をする。

@陣内廉造 ジンナイ レンゾウ  42歳

四係、陣内班の主任。
真山と木元のまとめ役みたいな人。
だが真山には敬語を使う。交通課から飛ばされてきた。
そのくせ三人の中では一番バカで頭は悪いが妙な所で回転が早い。
バツイチ。見た目は柄シャツやサングラスなどチンピラのように見える。関西弁で話す。



@コメントを下さい!!!
@コメントを下さった方の作品をご紹介させて頂きます。
@↑また、作品の所にコメントを書きに行かせて頂きます。
@質問・リクエスト、、、などがあれば言って下さい。




経過↓
Mystery1【パーティをはじめる前でも落ち着いて】 1〜113 完結済
Mystery2【血祭りバカ騒ぎ】 114〜161 完結済
Mystery3【逆だったら】 162〜 進行中
Mystery4【たった1分】 未
Mystery5【病院って微妙に臭い所とそうじゃない所があるけど臭い所ってのは大体外観が汚かったりする】 未
Mystery6【見合いで使うレストランって値段が高いよね】 未
Mystery7【謎の裏の裏の裏は謎】 未
Mystery8【隣にいる人が部屋の中で帽子をかぶっていたらハゲるよって教えてあげよう】 未
Mystery9【月が満ちる時】 未
Mystery10【傍観者】 未


@プロフィール紹介①→>>154
@登場人物整理→>>169



詠んで下さった方の作品↓
・空竜爾 様 【青空に雨が降る】
・龍ノ 様   【—とある学者が作ったモノ。—】
・ナル姫 様 【奥州の森】
・日曜日 様  【僕の隣にいるのは美男子くんと美少女ちゃんです】
・桜坂 様   【うそつきマリオネット】
・向日葵 様 【薔薇色の夜とキミ】
・楓夏@ 様 【幽体離脱】
・湧希 様  【魔獣ハンター】
・SEVENエイト 様 【TREASURE HUNTER】
・狒牙 様    【Invincible ability】 
・藤田光規 様 【人間纏鎖〜俺と嘘と鎖と霊と〜】
・しゅーくりぃむ 様 【ライトロードオブダークロード】
・ミルクチョコレート 様 【感情なんてイラナイ】
・風春 様     【わたしの姉が名探偵らしいのだが】
・黒 様       【本の中に入れる本】
・シェランティラルバート 様 【あの時交わした約束】
・陽炎 様     【—日輪草--ニチリンソウ—  】
・池野 刃 様  【輪廻の果てに】
・茜崎あんず 様 【聖使徒サイモンの巡礼】
・六花 様   【かみさま世界】
・クロ羽 様  【変人さんと私】
・藍永智子 様 【桔梗ちゃんの不思議な日常。】
・白銀 巫子 様 【紅色の物語】
・クリスタル 様 【鏡の国の君を捜して……】
・冷凍みかん 様 【【捕まったら】恐怖の鬼ごっこ【__だからな】】
・蒼 様    【僕らの旅〜FROM SPECIAL SCHOOL〜】
・春嵐◇arashi  様 【世界を救う1人の少女の物語】
・汽水 様 【.。○天魔の鎖●.. 】
・霧雨〜BARNA〜  様  【雨の唄】
・柊 様   【鬼孤—キコ—】
・電式 様 【マジで俺を巻き込むな!!】
・34・・・5 様 【雨のち雨】
・しーちゃん 様 【罠】
・rooding roorder rine 様 【真夜中探偵の報告書】
・ベルクシュアテン 様 【スティール・バード】
・ハク 様  【殺人ゲーム〜暗黒の学園〜 】
・螺慈 様  【バイトくん以上、恋人未満。】
・結城紗枝 様
・参謀 様 【Scarlet Infection】
・ゆりかん 様 【あなたの事件、解決しますよ?】
・阿厳 様 【俺の妹はサイコキラー】
・ミム 様 【腐れ時代】
・グランシャリオ 様 【【第一章】GREAT HEVEN】

以上43名の方々です@

Re: ラバソウ 警視庁刑事部捜査一課第二強行犯捜査第四係 ( No.1 )
日時: 2013/02/03 12:35
名前: ゆぅ (ID: hAtlip/J)

欲しいのは、最高の結末なんかじゃない。


ありのままの、真実だ。








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Mystery1【パーティをはじめる前でも落ち着いて】


広大な湖があり、緑が生い茂っている。

その日は、晴れていたためにその美しさが余計映える。


「なあこれ見てくれよ!完成したんだ」


ある一室で、一人の男が言った。

男が話しかけたのは近くにいた女だった。

女は笑顔で彼の元に歩いてきて、彼の持っているものに目を向けると笑顔を絶やさぬまま言った。


「うわあ!すごい。これ、ずーっと前から作ってたやつでしょ?やっと完成したんだ」


「うん。一番最初に、お前に見て欲しくて」


「ありがとう。じゃあ見てもいい?」


そう言って女は男の持っているものを受け取り、それに視線を注いだ。

男はそんな女を見ると、息を吸い込んでから言った。


「なあ。これがもし成功したらその時は、俺と————」




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バスの中で、しくしくと涙の声がきこえた。


その泣いている声の持ち主・木元は鼻をすすってから小さく呟いた。




「・・・・な、泣けるやないかい・・・・っ!引き裂かれるなんて悲しすぎるっ!」




木元の手元には『ドラえもん』のコミック本が握られている。




「のび太とドラえもんにこんな絆があったとは・・・!感動もの・・・・!」



木元はそう言って再び鼻をすすった。



「あ、あの」



そう言ってきたのは目の前で教科書を読んでいた多分ガリ勉少年か少女だ。


いやたぶん少年だ。


木元が彼の方を向くと、彼は手を制服にこすってから差し出してきた。



木元は力強く頷いて握手をした。



少年も頷きながら手を握り返す。




====================================================================


「おはようございまーす」




そんな気の抜けた挨拶をしながら警視庁の科学捜査研究所に入ってきたのは木元純、24歳である。



木元はそう言うとそそくさと自分の席に行き、うつぶせに寝た。




「木元、ちょっと」




そう言って木元を揺さぶるのは彼女の上司、岩崎玲子である。



白衣を着て試験管を持ったまま木元の背中を揺さぶる。



木元はダルそうに岩崎の方を見た。




「なんですか」




「なんですか、じゃないわよ。昨日私言ったわよね。木元、あんたは今日から科捜研の人間じゃないの」



岩崎がそう言うと、木元は眠そうに「あぁ」と呟き、カバンの中からグッシャグシャになったゴミのような紙を出した。




「これの事ですか」




「・・・たぶんそうね」



岩崎は困惑する。




「これ昨日コーヒーこぼしちゃって文字読めなくなっちゃったんですよ。何て書いてあったんですか」




木元は顔をテーブルに置いたまま、紙を見て呟いた。




確かに茶色くて所々破けていて文字は到底読めるものではない。



岩崎は溜息をついた。




「あんたねぇ、やる気あるの?」



「ありません」



岩崎はもう一度溜息をついてから言った。



「木元」




「はい」




「あんたは今日から科捜研から刑事課に移動になったの」




岩崎がそう言うと、木元は何度か目をパチクリさせると顔を上げて言った。




「刑事課!?ちょっと待ってください嫌ですよあたし!」




木元はそう言って立ち上がる。



「嫌って言っても仕方ないじゃない・・・・。参事官からの命令よ」



岩崎は少し言いにくそうに呟く。



「嫌ですよ、刑事課なんて命が何個あっても足りないじゃないですか。あたし命落とすために警察になったんじゃありません」



「そんな事言っても・・・・。警察の方針に従えなのならやめなさい?足を引っ張るわ」



「嫌です」



「嫌でも行くの。詳しくは、警視庁刑事部捜査一課第二強行犯捜査第四係。一課に入れるなんて名誉な事じゃない」



「だったら岩崎さんが行けばいーじゃないですか」



木元はそっぽを向く。



「あんたに来た命令なの。あと、あんた今年の出勤日の三分の二は遅刻してるの。だから飛ばされるのよ」




「だーって朝起きられないんですもん・・・・」




木元は再びうつ伏せ状態になった。




岩崎は溜息をつく。




「行かないならクビ、飛ぶわよ」



そう言われ、木元は口を尖らせながらも舌打ちをすると立ち上がり、科捜研を出て行った。


Re: ラバソウ 警視庁刑事部捜査一課第二今強行犯捜査第四係 ( No.2 )
日時: 2013/02/03 12:46
名前: ゆぅ (ID: hAtlip/J)

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「・・・刑事部、捜査一課、第二強行犯捜査、第四係・・・・・。ここか・・・・?」




ダンボールを持った木元が刑事部捜査一課のフロアの廊下をダルそうに歩き、辿りついたのは地下エレベーターへの入り口だった。




エレベーターのボタンの上に白い紙が貼ってあり、そこには手書きで【第二強行犯捜査第四係↓】と書いてあった。



【↓】と言う事は地下なのだろうか。



ちなみにここは一階なのでもちろん下の階など地下以外あり得ないのだ。



木元は不思議そうな表情を浮かべながらもエレベーターのボタンを押し、下へ。



そして着いたのは蛍光灯がチカチカしている薄暗い廊下だった。



木元はカバンから黒縁眼鏡を出し、それをかけてからその廊下を歩いた。



そして一分くらい歩いたところで、一つの部屋があった。



そこにも手書きで【第二強行犯捜査第四係】と書いてあった。



木元はそのボロっちい黒いドアを一度見つめ、錆びた金色のドアノブに左手をかけ、ドアを開けた。



ガチャリ、と言う音がきこえた。



木元は恐る恐る中へと足を踏み入れる。



中も、コンクリートの壁と床で、蛍光灯がチカチカ言っている部屋だった。



中心らへんにデスクが八つ程ある。



奥にはソファとテーブルがあり、観葉植物が一つ置いてある。



ドアの脇にある棚には天才バカボンが入ってる本棚があり、逆側の壁の方にある銀色の棚には金魚が入った水槽があり、ブクブクと小さな音がきこえた。



木元は辺りを見渡していてドアの前に突っ立っていた。 



その時———。




いきなりドアが開き、木元は背中を押され脇の壁に叩きつけられた。




「痛っ!」




木元はそう呟くとゆっくりと立ち上がる。




「失礼します!自分は今日からこの四係でご指導して頂く、生活安全課から来ました。マヤマケイです」




男はそう言いながら入ってきた。



木元同様、ダンボールを持っている。



そしてなぜだか警察手帳を提示している。



【真山計】とある。



と、視線を感じたのか真山は木元の方を見下ろした。




「・・・失礼ですが、陣内主任でしょうか」



真山はそう言って木元を見た。



木元は「ちがいます」と答えて立ち上がった。




「・・・誰だ」




急にため口だ。



なんだこいつ。



木元は警察手帳を出した。




「科捜研から来ました、木元です」



木元の警察手帳を見て、真山は一歩引いた。



「・・・・僕の部下か」




「知りません」



木元はそう言うとカバンからクッション枕を出し、適当なデスクに置くと枕に頭を置いてうつ伏せになった。




「陣内主任は、どこにいる」




真山はそう言って木元の向かい側の席に荷物を置いた。




「・・・知りません、誰ですか。それ」



「この班の主任だ。・・・・お前、知らないで来たのか」




「来たくて来た訳じゃありません。・・・真山さん?って言いましたっけ。よそよそしいの嫌いなんでどっか他のデスク行ってくれませんか」




木元は他のだだっ広いデスクを見渡した。



「なら君がどこかへ行けばいいだろ」




真山はそう言って木元の向かい側の椅子を引き、そこに座ってダンボールからパソコンやら何やらを取りだした。





「・・・ここであたしが動いたらあなたの言う事きいたみたいになるじゃないですか。嫌ですよ」




どんな意見だ。



「僕だって君の言う事をきくのが嫌だからここにしたまでだ」




と真山。



何やら格好良い低音ボイスだが言っている事が木元同様小学生レベルだ。




「知りませんよ。あなたのくっだらないプライドとあたしのプライド一緒にしないで下さい」




「誰が君みたいなつまんなそうな女と一緒にするか」




「お前が言うな。あんたの方がよっぽどつまんなそうな男ですけど」




木元はそう言うと立ち上がり、水槽の近くにあった冷蔵庫を開けた。



中にはなぜかチーズやハム、からし、生クリームが入っていた。



木元は舌打ちをしてから言う。




「湿気てるなあー・・・」




木元はそう言うと生クリームを出し、再びデスクに戻った。



それの蓋を開け、チューブ型なのでそのまま口に入れ、生クリーム単体を食べ始めた。



真山はそれを見て驚いた表情を浮かべる。



その時、ドアが開いた。




「どォーもォ!ワシがこの四係の引っ張る役どころ、主任、あぁ〜主任の陣内廉造です〜。よろしゅう」



関西弁でそう言いながら入ってきたのが主任、陣内廉造である。




「彼が主任だそうですけど」



木元はパチリと目を開けながらボソッと呟いた。




「・・・・あの」



真山は小さく言った。



陣内はスーツの下に青の柄シャツ、アロハシャツの様なものを着ており、ネクタイはしていない。



そしてその柄シャツをズボンに入れずに着崩している。



さらには、黒いサングラスをかけているではないか。




とても主任、いや常人には見えない。



裏でヤバい仕事をやっているオッサンにしか見えない。




「何や・・・。てーあんた!真山さんやないですかい!」




陣内はそう言ってサングラスを外すと真山の顔をまじまじと見た。



真山は困惑の表情を浮かべる。




「きいてまっせー?大学を出てすぐ警部補になるよーなエリートや言う事ォ。それなのに生活安全課についたっちゅう変わりもんなんでっしゃろ?」




陣内はそう言いながら主任の席に着く。




そしてデスクにうつ伏せになって寝ている木元を見ると、ポケットからシワシワになった紙を出した。



二人の履歴書のようなものだ。




「【木元純】・・・。お前か!遅刻する言うアホは」




陣内はそう言って木元を見た。



木元は枕から顔を上げる事なく、お前程アホではねーよ、と思いながら呟いた。




「書いてあるならそーなんじゃないですかね」




「何やお前その態度ォ、腹立つやっちゃあ。科捜研でもそんな態度やったんか」




「まあ、そーじゃないんですかね。つーか科捜研はあんまり人と話す所じゃないんでこんなしつこく絡まれたの人生初です」




「何やー、ムカつくのぅ、お前ェ。誰もしつこくしてへんわ!」




「あなたがそー思ってるならそうなんじゃないですかね」




木元はそう言うとプツンと目を閉じた。



無論、二人に背を向けている状態なので目をつぶっているかどうかわからないであろう。




「何や、主任やぞわしゃ」




「・・・・きいたところによれば、アナタただ単にそーゆー訳のわからん服装をしてチンピラに見えるからっつー理由だけでここに飛ばされたそーじゃないですか」



木元はそう言いながらカバンから小型のパソコンを出した。




「誰からきいたんやそんなんー」



「陣内さんの前いた部署である交通課の人たちの話をきけばわかります」




木元はそう言ってパソコンから黒い小さな何かの機械を見せてきた。




「何やそれ」



陣内は不思議そうに見る。




「盗聴器か」と真山。



木元は一度真山の方を見た。




「はい」




「無断で盗聴器を仕掛けるのは罪になるぞ」




「そんなんでいちいち取り合うような組織じゃないでしょう、ココ」




「どういう意味だ」



「おかしいと思わないんですか。刑事部の捜査一課に来れるのは名誉な事。外から見ればそうですけど、新しく結成された四係に三人しかいない。しかも拳銃が撃てない役立たずな警部補、服装乱す中学生みたいな主任、遅刻する巡査部長。どう考えたって各部署から厄介払いされただけでしょ」




「どこで拳銃撃てない事知った」と真山。



木元は表情を変えずに答える。




「盗聴器仕掛けられるんですから、んな事知ってるに決まってるでしょ。・・・あたしたちの部署は刑事部だけど結局は謹慎処分と同じよーな存在。面倒な仕事は押し付けられて、重要な仕事はさせてもらえない、きっとそんな楽な生活になるでしょうね。・・・・そーなんでしょー?」




木元はそう言ってドアを方を見た。



陣内と真山も不思議そうにドアを方を見た。



するとガチャ、と音がしてドアが開いた。




「配属先を命令したのは村上参事官補佐。と言うより命令しろって、命令されたんでしょうけど」




木元がそう言うと、村上と言う男が入ってきた。




「いやー、新たな刑事部の結成って体だったんだけど」




村上はそう言いながら歩いて来る。




「隠すならもっとマシな嘘ついた方がいーと思いますけど」




木元はそう言ってパソコンと盗聴器をしまった。




「んま、楽な仕事で金がもらえるなら構いませんけどね」




言いながら枕に頭を置いた。



村上はソファに座って話し出す。




「確かに君たちを集めたのは他でもない。良く言えば新刑事部の結成、悪く言えば厄介払いだ。だが勘違いしないで欲しいのは警察に楽な仕事なんてないって事だ。犯罪に小さいも大きいもない」




「キレイ事は結構でーす」



木元は目をつぶったまま呟く。



村上は咳払いをしてから続けた。




「・・・まあ、そんな事はどうでもいい。折角集まったんだ。事件の一つや二つ、解決してみなさい」




村上はそう言ってクリアファイルをテーブルに置いた。



向かい側のソファに真山と陣内が座る。



「ある小説家の家に『殺人予告』が届いたんだ。・・・・我々としても、これを放ってはおけない」




「どーせ金積まれたんでしょ」



木元が釘を刺す。




「・・・・まあ、ちょっとばかしなァ。そこで、陣内君には色々と話があるから、ここは真山君と木元君に行ってもらいたい」




村上がそう言うと、真山は立ち上がった。




「わかりました」




真山はそう言うとカバンを持って課を出て行った。



「木元君も」




村上にそう言われ、木元は溜息をつくとカバンに枕をしまい、ダルそうに出て行った。

Re: ラバソウ 警視庁刑事部捜査一課第二今強行犯捜査第四係 ( No.3 )
日時: 2013/02/03 12:50
名前: ゆぅ (ID: hAtlip/J)

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土曜日——。


二人はバスに揺すられ、服装はスーツで、来ていた。

人気小説家・河山英寄の自宅は二人の想像を遥かに超えるほどの大豪邸だった。



大きな吊り橋を渡ると、まず表札が飾ってある立派な門があった。

その門の目の前には大きな噴水が。

その奥には広くキレイな庭が。

その庭の間に通っている大きな道を抜けると、大きな扉が。

二人はその豪邸に足を踏み入れた。




中も外観と同じように豪華で、入った途端レッドカーペットだ。

そして正面に大きな階段。


右側から人の声がきこえるので会場は恐らくそこだ。

真山は大きく息を吸ってから大きな両開き扉を開けた。

中を見ると、思った通りだった。


中はパーティ会場のようで、派手な料理と派手な服装の人たちがたくさん見える。


「すっごーい・・・」


木元は小さくそう呟いてから会場に足を入れた。


見ると、やはり皆スーツかドレス、あるいはハカマや着物の人間しかいない。


「お荷物をお預かり致します」


女の声がきこえ、木元は斜めがけバックを預けようとしたが結構大事なものが入っていそうな気がしたので預けず会釈をし、真山も特にないので左手を女の前に差し出した。女はうなずいて二人に会釈した。


「・・・何すればいいんすかー、今。何待ちですかコレ」


木元はそう言いながらカバンからミルク味のお菓子【ミルクケーキ】を一つだし、それを口にくわえた。




※ミルクケーキは実際に売られているミルク味の堅いプレート形のお菓子です。

「僕にきくな」


真山はこちらを向こうともせず言う。


「・・・はーい」


木元はそう言いながら口にくわえたミルクケーキをブラブラと動かした。


「・・・とにかく情報収集でもするか」


真山はそう言うと木元から目を離し、歩きはじめた。


「情報収集?」


木元はそう呟きながら真山のあとに続いた。






「真山さーん、誰に何をきくんですか?」


木元は歩きながら真山に訊いた。

真山は木元の方を見ることなく歩きながら答える。


「さっき言ってたろ。『殺人予告』があったって。その事を訊くんだ。君も捜査はあまりした事がないだろう。だから勉強になるいい機会だ」


「ああー。真山さん、じゃあその間あたしはどっかカフェでも行ってるんで、終わったら言って下さい」


と木元。


真山は立ち止まった。そんな真山に、木元は目を向る。


「いいから行くぞ」


真山はそう言って木元の襟を掴み、ひきずり歩いた。


「その『殺人予告』と言うのは具体的に誰がいつどこでどのようにして見たものかわかるか」


「・・・さあ。って言うかあたしに訊かんでもらってもいーですかー。知りませんよ、そんな事ー」


木元はやる気のないような、あるような顔で言う。


「君に言った僕がバカだった」


「バカなのは百億年と三日くらい前から知ってまーす」


木元はそう言いながらくわえていたミルクケーキをパリッとかじり、手でそれを持った。


「・・・・いつ、誰が、どこで、どのようにしてその『殺人予告』とやらを見たのかがわからないとそれを出した人物が特定しにくい。お前はどっか違うとこで情報収集して来い」


「じゃあカフェにでも——」


木元はそう言って引き返そうとするが止められ、一緒の方向へと足を進める。


「あの、真山さーん」


木元が言った。

真山は「何だ」と言ってふり変える。


「あたし、一つ考えついた事がありまして。あの、『殺人予告』の話をきいたあと、一応パソコンで調べてみたんです。そしたら、この屋敷に住んでるのは家主である河山英寄先生とその秘書のホウショウミフユさんと言う方だけなんだそうです」


木元がそう言うと、真山はこちらを向いて言った。


「いつ調べたんだ」


そう言って彼女を見ると、彼女のカバンにはノートパソコンが入っているらしい。


パステルピンク色で、かなり軽い高画質ないい奴だ。


「河山先生は現在車椅子生活。その生活を支えているのは秘書のホウショウさんです。ポストがあるのは四階あるうちの一階玄関。ポストは、中から蓋を開けて取り出せるタイプになっていますが、先程私が見た限りですと、蓋は下と上に二つあり、下のポストは壊れていて、恐らく開かない状態になっていました。一方、上の蓋は私の胸あたりにありました。となりますと、立たなければ届かない場所である事が想定されます。この位置ですと、車椅子で生活している先生がその蓋が開ける事はほぼ不可能に等しいと考えられます。つまり、その蓋に手が届くのは秘書のホウショウさんただ一人かと」


木元がそう言うと、真山はうんうんと頷き、


「それを先に言え」


真山はそう言うと先程から階段の下にいる女の所に歩いて行った。


真山がバカだと言う事が改めてわかる。などと木元は見下しながら呟いた。


「あたし頭良ー」


木元は驚くほどアホみたいな事を呟き、バカみたいに自画自賛をしてから真山の元へ行った。

Re: ラバソウ 警視庁刑事部捜査一課第二強行犯捜査第四係 ( No.4 )
日時: 2013/02/03 12:52
名前: ゆぅ (ID: hAtlip/J)

真山は広い会場を歩く。

木元は真山に歩きながら言った。


「あの、秘書がどの方だかどうしてわかるんですか?」


木元がそう言うと、真山はまた目を合わせる事なく言った。


「大きな階段の下、一人スーツで立っている。パーティでああも動かない人間は主催者かあるいはその関係者と推測される。しかも彼女は首にスタッフのカードをさげているから秘書だと断定できる。観察力が足りないぞ、ハハッ」


「ほーォ」


「それにな」


「なんですか」


「秘書は大体美人だって決まってんだよハハッ。観察力が足りないぞ」


真山はそう言うと早歩きになった。

何で二回言ったんだ、そう思いながら木元は彼女の元に到着した真山を見た。


「わかってったちゅーの」


木元はそんな負け惜しみのような事を呟いてから、ちょっと小走りでついて行った。





「すいません。秘書のホウショウミフユさんですね?ちょっとお話いいですか」


真山がそう言うと、ホウショウと呼ばれる女は不思議そうな顔でこちらを向き、二人が胸につけている警察バッチを見ると二人の顔を見て言った。


「・・・警察に相談した覚えもありませんが」


「失礼。勝手に出席させて頂きました。警視庁の真山です」


真山はそう言ってポケットから警察手帳をを出し、彼女に見せた。


木元は少々焦りながら手帳を出し、

「同じく木元です」

と言いながら手帳を見せた。


ホウショウは二人の手帳を見てから言った。


「秘書のホウショウと申します」


ホウショウはそう言って胸にかけているスタッフカードを二人に見せた。


【宝生美冬】とある。



「ここでは難ですから、どうぞ」


美冬はそう言って歩き出した。

真山は戸惑う事なく彼女に続いた。


木元はのろのろとついてくる。







隣の小部屋に行った二人に、美冬が言った。



「・・・それで、何の御用でしょうか。私、何かやましい事でもしましたでしょうか」


美冬がそう言うと、真山は


「いえ、そういう訳では・・・・」


と言うが木元は平然と言い返した。


「何か警察にバレたらマズい事でもあるんですか」


木元がそう言い、美冬も表情を変える事なく答える。


「そう見えますか」


「見えないでもないですけどねぇ、その態度ですと」


「・・・私に喧嘩を売っていらっしゃるんでしょうか」


「そう見えますか」


「見えないでもないですけど」


そう言って二人は見つめあう。


真山の目には、俗に言う火花が見える。


「木元、黙れ」


真山が割って入った。木元は真山を見て舌打ち。


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