複雑・ファジー小説
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- アザラシと動物ランド、F!! 『名言、オリアニ大募集!!』
- 日時: 2012/07/29 09:20
- 名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode=view&no=12756
作者の今叫びたい一言 『皆様の名言、オリジナルアニマル(通称、オリアニ)を大募集中です!!!!!』 (By 作者)
名言大募集中!!! ・・・・>>21
オリアニ大募集!! ・・・・>>41
クリックどうもありがとうございます。
おはようございます、こんにちは、そしてこんばんわ。
どうも初めまして。以前、(コメディ・ライト小説)で投稿したモノのリメイクであり、小説人生では『三度目』の投稿となります。
なお、普段は複雑・ファジーにある『もしも俺が・・・。』、『いのちが伝えるもの・・・。』を執筆させてもらっています。
ご覧になっていただけると、作者は歓喜しますww
申し遅れました。私の名前はヒトデナシと申します。以後、お見知りおきを・・・。
自己紹介が終わったところで、この小説の注意点です。
1、荒らしの方々は回れ右して去ってください。
2、読んでいただけるとすごくありがたいです。
3、コメントをもらうと、作者は歓喜に満ち溢れます。
では次に、この小説はどんなものなのかを紹介いたします。
1、この小説は、ある日突然異世界に飛ばされたあげく、動物になってしまった主人公と、動物たちが繰り広げるにぎやかなで壮大な物語です。
2、この小説は、主人公が元の世界に戻るために、動物と協力して、異世界を旅する様子を描いたものです。
3、ここが、皆様の癒しになれるような場所になればいいなと思っております。
4、作者自身の進化の場所。以前よりも、少し小説らしく書いてみようかなと思っております。
5、基本、自由である。
-----------と言った感じでございます。
では早速書いていきたいと思います。
楽しんでいただけると幸いです。
コメントを下さった優しい読者様
・水月様
・檜原武甲様
・葉月涼花様
・火矢 八重様
・月葵様
・rooding roorder rine様
・バーバー父様
---------目次----------
プロローグ・・・>>7
登場動物・・・・>>19
第一の冒険、『僕はアザラシになった。』 >>10 >>11 >>12 >>15 >>18
第二の冒険、『僕はギルドのリーダーになった。』 >>20 >>28 >>34 >>38 >>40
------------ 小ネタ --------------
・とある作者とキャラ達の『名言』理論!!!
『パート1』 ・・・・>>21
『パート2』 ・・・・>>29
『パート3』 ・・・・>>35
『パート4』 ・・・・>>39
------------名誉、歴史--------------
・07月08日、『アザラシと動物ランド、F!!』を投稿。
・07月16日、100参照突破!! (皆様の応援を胸に、精いっぱい頑張ります!!)
・07月21日、200参照突破!! (小説大会も熱を帯びてきましたね。私もテンションMAXで頑張ります!!)
・07月29日、300参照突破!! (もうすぐ八月!! 皆様、夏休みを快適に過ごしましょう!!)
- Re: アザラシと動物ランド、F!! 『プロローグ!!』 ( No.9 )
- 日時: 2012/07/09 17:37
- 名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode
火矢 八重様へ
どうもでございます!! ええ、やっと始まりましたww
そうですね、黒川君ですね!!ww(あっさりww)
いや〜まぁ彼はどの作品にも出たがる方ですからww
コメントありがとうございます!! 執筆の方頑張ります!!
- Re: アザラシと動物ランド、F!! 『プロローグ!!』 ( No.10 )
- 日時: 2012/07/10 11:29
- 名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode
------------この何も問題がなく、むしろ『平和』という、アバウトな言葉一言で、
また『日常』という、いかにも普遍的な言葉で片付けられるこの町は、
本当に、私たちが身近に感じるほど『普通』であった。
『この世界』が変化するとするなら、『相当の事』が起きなければ訪れない。
この場合の『相当の事』というのは、
ある日、いきなり隕石が落ちてきた・・・とか、
ある日、宇宙人に絡まれた・・・とか、
そんな『現実味がない』事ではない。
むしろこの場合の『相当の事』というのは、
ある日、違う国からの襲撃を受けた・・・とか、
ある日、地震によって多くの人が亡くなった・・・とか、
そういった『起きないとは断定できない事』である。
無論、見て分かるように、両方とも十分な変化だ。
前者と後者の違いを言えば、
それが世界に影響をもたらさないか、もたらすか・・・その程度だろう。
------------だが・・・今から話すことは、前者と後者、この混合体と言えるだろう。
もちろん、矛盾してる事を言っていることは分かっている。だがこれが事実なのだ。
今から起こる事は、『現実味がなく』、だけど『世界に影響を及ぼす』事なのだから・・・。
--------始まりは突然であった。
これまでの間、ある一人の少年は、
いつも通りに朝目覚めて、
いつも通りに学校に行って、
いつも通りに勉強して、
いつも通りに帰宅して、
いつも通りに一日を終えた・・・・。
『平和』。まさしくこの言葉を表しているような日常だった。
正確に言うなら、それが当たり前の人生。普遍的な人生なのだ。
が、少年の日常・・・その普遍的な人生は、
----------ある事がきっかけで、180度変わってしまったのだった・・・!!!
--------------------- 第一の冒険、『僕はアザラシになった。』 ---------------------
「パート1。」
少年の住む町は、いたって普通の町だった。
周りを見ればビルが沢山建っており、自動車の騒音が鳴り響く町だった。
道行く人もまた、普通であった。何か特別な能力を持っているわけではない。
否、無論見方の問題でもあるが。我々人類から見れば普通というだけで、
宇宙人から見れば我々は普通ではないのだから・・・。
また、普通というよりはむしろ平和すぎると言った方が正しいかもしれない。
---------少年の名は、『星野 拓也 (ほしの たくや)』。
言わなくても大体分かるだろうが、この物語の主人公である。
優しくて、真面目で、おっとりとした少年。。見た目もなんとなくだが、優しい顔つきに見える。
身長は160cm。体重は46㎏。年は14歳。
そんな中学二年生の彼には、この世界に特にこれといった不満はなかった。
つけ加えるなら、不満がなかったわけではない。
だけど、変化して変わるぐらいだったら、このままでいい、もう慣れたから、といった感じだ。
この通り、彼はこの『平和』に満足していた。
普通に納得し、変化など必要としていなかった。
だが不運にも、『変化』が来てしまったのだ・・・。
いや、不運と見るべきか幸運と見るべきかは人次第だが。
それでも変化を必要としない彼にとっては、迷惑極まりない事であった・・・。
その日も、彼は学校が終わると、いつも通り自宅に戻り、
母が手入れしてくれたフカフカのベットに寝転がった。
もはやこれが日課なのである。あまりにも同じ行動をしすぎて、下手をすればたとえ目が光を失っても、何の問題もなく日常を生活できるのではないかと思えるほど。
自分の身体がロボットのように動く。それぐらい同じ行動を繰り返しているのだ。
一日の学校生活を頭の中で振り返り、それが終わると、椅子に座って勉強を始めた。
なお、振り返ると言っても、対したことはしていない。
むしろ最近では、ただぼおっとしていると言った方がいいかもしれない。
なぜなら、振り返るほどの『変化』がないのだから。当たり前と言えば当たり前だ。
一時間ほど経ち、少し疲れた彼は、もう一度ベットに寝転がった。
机の上には数式をズラズラと書いたノートが見える。どうやら数学をしていたようだ。
星野は決して頭が悪い方ではない。むしろ頭が切れる方だと言っても過言ではない。
どちらかというと、勉学よりも推理みたいな、何かの問題を答えに導く能力に長けているのだ。
だから・・・というわけではないが、星野はかなり数学は得意な方だ。
理系が強い、という事は間違いないだろう。
しばらく天井を眺め、十分に休憩を取った後、もう一度勉強しようかな、と身体を起こした時・・・・・・・、
星野は思わぬものを見つけた。それこそ、今日一日で一番驚いた変化であった。
一つ、ポツンと置いてある、アザラシの人形を発見した・・・・・。
その人形は、その少年の二分の一ぐらいのサイズだった。
顔つきは、実物・・・というよりも、むしろアニメやテレビゲームに出てくるような、綺麗で可愛らしいものであった。
身体は新品のように綺麗な真っ白なもので、傷や汚れは一つもない。
少年は首をかしげる。おかしいな、こんなものは家になかったはずだが、と不思議に思った。
だが、もしかしたら、誰か買ってきたのかもしれない。
そう思って、少年はスッと、そのアザラシの人形に手を伸ばした。
さわり心地はよかった。少年は気にいり、何度も全身を撫でるように触る。
余談として言っておくが、実は彼はアザラシが大好きなのである。
なぜ・・・と聞かれると返答に困るみたいだが、好きなのは確かだ。
何度も何度も撫でてやり、まるで生きている動物のように、可愛がるように触っていると・・・・
---------瞬間、アザラシのぬいぐるみからのまばゆい光が彼の目に入った・・・!!!
「わッ・・・!!」
驚いた少年は、とっさに目を閉じる。
アザラシのぬいぐるみが放つ光は、どんどんまぶしくなっていく。
目も開けられないほどまぶしくて、星野はしばらく目をつむっていた。
だが、少年、星野は気付いていない・・・・・
少年が目を閉じたと同時に、
少年、『星野 拓也 (ほしの たくや)』は、すでにこの世界から消えているということに・・・・!!!
- Re: アザラシと動物ランド、F!! 『第一の冒険!!』 ( No.11 )
- 日時: 2012/07/12 09:07
- 名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode
「パート2。」
---------少年はいつの間にか、気を失っていた。
気を失っていたという言い方が正しいのか、眠っていたという言い方の方が正しいのかは分からないが。
だが、周りのにぎやかな声や音に、星野はふと目を覚ました。
少年、星野はゆっくりと目を開ける。まばゆい光を浴びた後のせいか、視界がぼやける。
久しぶりに目を開けたような感覚がする。そこまで長い間眠ったわけではないと思うのだが。
しばらく見つめた後・・・・・・星野は気が付いた。
いや、気が付いたというよりは、まずは驚きで声が出なかったという方が正しい。
やっとの思いで出た言葉はたった一言。シンプルでもっともな事であった・・・。
「-------ここはどこ?」
そう、そこは星野の知らない幻想的な『別世界』。
ここで大切なのは、星野はここがすでに『別世界』だと『分かった』いうことだ。
星野は無論、この世界を知らない。それは確かだ。ではなぜ分かったのか?
無論周りを見て、雰囲気で判断して、ここが『元の世界ではない』とすぐに判断したのだ。
それほどまでに・・・『元の世界』とは違いすぎる世界だった。天と地がひっくり返ったような世界。
--------------まず星野の目に飛び込んできたのは、自分の世界では『一部の場所』でしか見ないであろう、動物の大群だった。
あちこちに自由に動き回る動物たち。その数は数え切れないほど、いろんな種類の動物がいた。
歌を歌っているカエル達。踊りを踊っているサル達・・・などなど。
そして真に驚くべき点、それは人間が一人もいないことである・・・!!
人間も動物の一種・・・それは確かだ。だが、いない動物がいるとすれば、強いて言うなら『人間』なのだ。
星野の世界には嫌と言うほど存在する人間。それが一人たりとも存在しないのだ。
また、見渡すと辺りは草原のような感じなのだが、周りを囲むように数十本の大きな木がある。約20・30本程度だろうか。
まるでここを守っているのかと思うほど、大きな木がこの『村』、もしくはを『国』を囲んでいる。
なぜ私が、ここの事を『村』や『国』と言ったのか。その答えは簡単だ。
どうやらここは・・・人間以外の動物達だけが生息する、一種の『国家』なのだ。
『国家』という言葉を使って正しいのかどうかは分からないが、とりあえずここに『国家』が成り立っているのは確かだ。
ちなみに余談だが、ここにいる動物達の話す言語・・・紛れもない『日本語』である。
星野に馴染みのある、否、日本人に馴染みのある日本語が、なぜこの動物の国に使われているのかは未だ不明だが。
また、中央にも大きな木が立っているのだが、この大きさは他の木とは比べ物にならないぐらい大きい。
現代にある超高層ビルよりも何倍もはるかに大きいだろう。いや、超高層ビル程度では周りの木にすら叶わない。赤子当然に見えてしまうほどだ。
超高層ビルで赤子当然に見られる大きさなのだ。星野なんて、木から見れば微生物程度の大きさでしかない。
「------------------------・・・どうしよう。これ。」
星野はいまいち、まだ状況を理解できていなかった。それはそうだろう。
まばゆい光に包まれたかと思いきや、気が付くとこんな変なところに飛ばされたのだから。
自分以外は人間なんておらず・・・
超高層ビルをあざ笑うかのごとくそびえ立つ木々・・・
まるで悪い夢でも見ているかのようだ。まぁ夢にしては出来すぎのような気はするが・・・。
しかしぶつぶつと考えても、いくら悩んでも無駄だと、星野は考えて、
(・・・とりあえず話を聞いてみようかな。誰か話が分かる人がいるかもしれない。)
無論、確証なんてないわけだが、ここでずっと呆然としていても仕方がない。
わずかな希望を信じ、とりあえず情報を集めることにする。
幸運なことに、たくさんの動物がいる。もしかしたら人間にも会えるかもしれないとそう思った。
まぁ人間に会える確率というのはほとんど無いに等しいだろうが・・・。それでも決まったわけではない。
ということで、わずかな望みを胸に、話を聞きに行こうとしたのだが・・・・・・、
「-----------あれ?」
・・・星野はなぜか動けなかった。否、『動かなかった』のだ。
思わず、「あれ?」、という情けない声が出るほど突然の出来事だった。
その時、冷静になった星野は気が付いた・・・・・。
(足が・・・・ない? 手も・・・短い? そして何より・・・・・自分が縮んでる!?)
-----------星野はやっと、自分の変化にも気が付いたのだった。
そう、今の星野は『いつも』の星野ではない。まるで何かのぬいぐるみの中に入っているような感覚。
また、星野は自分の身体をよく見ると、もう一つあることに気付いた。
(これ・・・・さっきの人形!? 僕もしかして・・・この人形になっちゃったの!?)
そう、星野の今の姿は、先ほど触っていたアザラシのぬいぐるみそのものだった。
先ほど言った『ぬいぐるみの中に入っているような感覚』・・・まさにその通りであった。
現にいま、自分はアザラシ。人間とは程遠く、二足歩行も出来ないのだから。
足の代わり・・・にはもちろんならないが、星野にとっては馴染みのないしっぽが生えていた。
ここまで言えば、勘の良い人は分かるかもしれない。
先ほど星野は身体が動かないといったが、その理由はいたって簡単なのである。
星野は元人間。人間は足を使って移動する生き物。だが、今の星野には二足歩行という概念は存在しない。
ましてや、アザラシの移動の仕方など、知るわけがなかった。出来るわけがないのだ。
------------正確に言い直すのであれば、『動かない』のではなく、『動かせない』というのが正しいだろう。
ただ、一つ救いがあるとするなら・・・星野は『喋ることが出来る』。
かつ、ここでは日本語が他の動物達に通じる。つまり・・・やることは一つだ。
「・・・・ううぅーー。動けない・・・。助けてよぉぉーー!!!」
--------------そう、星野はただ、可愛らしく手をパタパタと振り、誰かに助けを求めるしか方法がなかったのであった・・・・。
- Re: アザラシと動物ランド、F!! 『迷い込んだ別世界・・・!!』 ( No.12 )
- 日時: 2012/07/13 20:41
- 名前: ヒトデナシ ◆QonowfcQtQ (ID: j553wc0m)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode
「パート3。」
-------------助けを呼ぶ嘆きの声は、すぐに周囲の動物達に響き渡った。
とは言ったものの、ほとんどの動物達が頭に「?」マークを浮かべた。
それはそうだ。星野は今は人間ではない、『アザラシ』なのだ。
それはつまり、周囲の動物達にとっては、『何かあったのか!?』とは思うけれど、
特別な理由がない限り、率先して星野を助ける理由にはならないのである。
私達人間にとって分かりやすい例をあげるのであれば、
道路の真ん中で「助けてくれぇー!!」と大声で叫んでいる人がいる。
・・・だけど悲しいことに我々の一部を除く人々が、これを無視するだろう。
それは、『人間である自分と何ら変わりもない「種族」が、可笑しなことを言っている「だけ」にすぎないから』である。
別に『宇宙人』が叫んでいるわけでもない。
血だらけの人が叫んでいるわけでもない。
こういう『特別なケース』であるなら、助ける理由になるが、
今の星野の状況を上と似たような言い方で言えば、
それは、『動物である自分と何ら変わりもない「種族」が、可笑しなことを言っている「だけ」にすぎないから』である。
-------------と、こうなるのだ。さっきの文章と照らし合わせれば分かると思うが、変わったのは『人間』か『動物』かの違いである。
まぁ・・・これは極端に言った話なのだが。それはとりあえず置いておくことにしておく。
-----------そんな星野がしばらく助けを求め、叫んでいると・・・・・、
星野の助けを求める声を聴いて、三匹の動物達が自分の目の前にやってきた・・・。
「---------お困りのように見えますが・・・? どうしました?」
と言って、先陣を切って話しかけてきたのは、自分よりもはるかに大きい『馬』だった。
自分よりもはるかに大きいのも確かだが、その三匹の中でダントツに大きかったのも確かだ。
綺麗な鹿毛の毛色をした馬で、足をよく見ると競走馬のような良い筋肉をしていた。
これは星野の見た感じの感想だが、見た目も言葉も『紳士』という言葉が似合うような馬であった。
-------------馬で紳士っていうのはどういうことなんだと、ついついツッコミを入れてしまいそうになるが、私はあえてツッコまない事にする。
ちなみに紹介しておこう。彼の名前は・・・・『マッハ』。長距離を走ることに長けた馬である。
先ほど見た足の筋肉も確かにうなずける。名前からしても、なんとなくだが凄く走りそうな名前である。
「ねぇマッハ、この子ってもしかして・・・迷子なの? じゃあ・・・あたし食べていいかな?」
マッハのせっかくの紳士的な態様を、根本からぶち壊すような事を言ったのは、
パタパタと自分の羽を羽ばたかせながら、よだれを垂らす『鳩』。
名前は『ポッポ』。どこか別の世界でその名を聞いたことある・・・という質問は、無論、無しの方向でお願いする。
口調を見ると、性別的には女なのだろう、と星野は考えた。
そして、よく観察してみると自信はないが、多分『アオバト』と呼ばれる鳩の一種であろう。
身体は頭から胸にかけてが黄色、腹はクリーム色、肩から羽が暗赤色だ。
言動を聞く限りでは、かなりの食いしん坊であるようだ。
鳩なのに、アザラシさえも食べようとするとは・・・もはや肉食動物だ。
「ダメだよぉ、ポッポ・・・・。ちゃんと・・・・王様に・・・伝えなきゃ・・・・。」
一瞬、あまりにも弱々しい声だったため、どこにいるのかさえ分からなかった。
よく見ると、その正体はマッハの背中にポツンといた。
どこかおどおどしているようにも見える。なぜかは不明だが・・・。
その動物は、『ウリュ』と呼ばれる『リス』だ。
彼女は『シマリス』と呼ばれるリスの一種で、身体は全体に明るい茶色をしており、背中には白っぽいふちのついた5本のこげ茶のたてのラインがついている。
様子を見る感じは、かなり臆病で恥ずかしがり屋な性格で、後に聞いたところによると、ドジな部分もしばしば。
ちなみに性別は女。これも後に判明したことだ。
---------この三匹が、アザラシになった星野の前に現れたのだ。
紳士的な馬のマッハ、食いしん坊のポッポ、臆病のウリュ。
こう見るとなんともまぁ、変な組み合わせである。
「・・・・えっと・・・その・・・ここはどこなの?」
三頭の会話を聞いて、なんと会話を続けてよいか分からなかった星野だったが、自分が一番気になっていた質問をとりあえずぶつけてみた。
結局誰かに話を聞かなければならないのだから。ここがどこなのか、そもそもここはなんなのかという根本的な事を。
無論、全員が全員この質問に答えられるわけでもないのも分かっている。
いや、まずは驚くだろう。何を聞いているのだこいつは、と。私達の世界でこんなことを言えば、真っ先に病院に直行だろう。
だが、予想外にもマッハ、ポッポ・ウリュの三匹は顔を見合わせた後、もう一度星野の方を見て、
「とりあえず、あなたを王様にあわせますので。話はそちらで・・・。」
と、いかにも事情を知っているかのごとく言った。本当に知っているのかは知らないが。
知らない人(この場合は動物になるが・・・)にはついていくな、そう小さい頃は教えられたものだが・・・
ここまでの状況に追いこまれれば、ついていくしか方法がないというのが現実であろう。自分ではどうしようもないのだから。
というわけで、星野はその『王様』に会おうと決心したのはいいが・・・
悲しいことに動けないのだ。それをマッハに目で訴える星野。
「・・・ああ、失礼。ではポッポ、頼むよ-------------」
と、マッハが言うと、鳩のポッポは自分の足で星野をわしづかみにし、軽々と持ち上げ、マッハの背中に乗せたのだ。
・・・ん? と、星野は何か可笑しい感覚に襲われた。何か凄い事をスルーしている気がする・・・と。
---------その答えはすぐに出た。そう、明らかにアザラシである星野よりも小さいハトが、軽々とアザラシを持ち上げるのは、いささか可笑しい光景である。
あまりにも当たり前のように持ち上げられたため、ツッコミが遅れてしまったが。
無論、ポッポは何とも思っていないわけだが・・・。力持ちにも程がある。
「---------では参りますよ。目指すは、中央の大きな木のてっぺんです。振り落とされないように・・・。」
そう言うと、マッハは星野を乗せて走り出した・・・・。
さすが馬といったところか。かなり速いものであった。
星野はとりあえず振り落とされないように、慣れない手で必死にしがみついた。
ちなみに先ほど、自分と同じくマッハに乗っていたウリュはどうしているのかというと、今はポッポの背中に乗っている。
星野が乗っているため、乗るスペースがないためだ。言うまでもないが、もちろんポッポは飛んで移動している。
中央の大きな木のてっぺんに一直線に伸びている階段を、軽快な走りでどんどん昇っていく・・・。(ポッポは登っていないが。)
まるで山登りでもしているかのようだ。階段の数はいったいどれほどあるのだろうか。
そんな素朴な疑問を持つことはあっても、深く考える余裕はなかった。しがみつくので必死なのだから。
さて、王とはどんな人物なのか、内心心配をしているアザラシの星野君。
多分動物であることは間違いないと思うのだが。確証はないが。
(僕・・・生きてかえれるのかな・・・?)
------------自分が元の世界に戻れることを願いつつ、一段一段階段を駆け上っていく・・・。
- Re: アザラシと動物ランド、F!! 『3匹の動物たち!!』 ( No.13 )
- 日時: 2012/07/13 21:03
- 名前: 葉月涼花 (ID: BCjjC.jk)
しさしぶりです。
アザラシの星野君、がんばれ!!!
葉月涼花