複雑・ファジー小説
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- Special Key ring 『オリキャラ募集中!』
- 日時: 2012/10/14 21:25
- 名前: 氷空 ◆UQtQExcjWY (ID: l/xDenkt)
- 参照: https://twitter.com/sora_novel
——物語の世界へ、ようこそ。
紡がれていく物語は、少年の語る記憶。
世界に広まった『力』に、果たして人は何を願う。
今、物語の時が動き出す——。
参照300突破、ありがとうございます!!
さて初めまして、クリックありがとうございます。
私、氷空と申します。
気ままに、でもできる限り、更新していきたいと思います。
どうぞごゆっくり、お楽しみいただければと思います。
上記Twitterにて、小説に関するつぶやきも行っています。
裏話などもありますので、ぜひ合わせてご覧ください。
『 the Special Key ring 』 ←こっちが正式タイトルw
- prologue - >>1
1章 How much is your Ability?
...1 >>2
...2 >>3
...3 >>8
2章 My key is the Magical key
...4 >>11
...5 >>12
...6 >>13
...7 >>20
...8 >>23
3章 What kind of person are you?
...9 >>25
...10 >>26
...11 >>28
...12 >>29
4章 my Adventures Prologue
...13 >>30
...14 >>33
...15 >>37
...16 >>39
5章 Battle for Someone
...17 >>45
- setting & character - >>24
『ここ、教えちゃいます裏バナラジオ』
第1回 >>27
第2回 >>40
『オリキャラ&チャーム募集』
現在、オリジナルキャラクターとチャームを募集しています。
詳しくはこちら >>9
『読者様方の御紹介』
>> saku さん
『神喰い』という小説を書かれていらっしゃる方です。読者様第一号でもあります。
>> りんこ さん
『Battle of Midnight』の作者様です。カキコに訪れて、一番最初に憧れた作者様が読者様に…。感無量です。
>> ベルクシュアテン さん
『スティール・バード』を書かれていらっしゃる方です。普段は読まないジャンルだそうですが、読んでいただきありがとうございます。
>> 奏 さん
「オリキャラ募集」の文字に目がない読者様だそうです。謙虚な方で、また、丁寧な方でもあります。
>> ルゥ さん
奏さんと同じ類の方です。紹介が雑? いやいや、同類だから問題は(ry ルゥさんごめんなさい。
>> 神無月飛鳥 さん
オリキャラ投稿にすぐに惹かれる方です。作るキャラクターそれぞれには、おそらく深い意味があるのでしょう…。勝手な想像ですけどねw
- Re: the Special Key ring ( No.8 )
- 日時: 2012/10/09 14:20
- 名前: 氷空 ◆UQtQExcjWY (ID: l/xDenkt)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode
(結局『チャーム』使うのが一番簡単だよな、そりゃあ。まあ、これで話もできるかな)
腰にぶら下がったチェーンが、小さく揺れていた。
中央には、まるで切れたかのような先端部分だけのキーホルダー。その途中に付けられた石が、白く光っている。
『チャーム』——元々はお守りや魔除けの意味を持つ、小さな飾りだ。ペンダントトップや、キーホルダーなどとして使われてきた。
ある時、そんなチャームに眠る力が発見された。力を引き出すことにより、チャームがその大きさや形状を変えたのだ。
靴のチャームなら、靴に。時計のチャームなら、時計に。動物のチャームなら、その動物が姿を現す。
そして、多くのチャームは何かしらの『力』を持っていた。それぞれの、特有の力を。
実用的なものも多いが、面白い力を持つものも多くあった。それこそ、誰かの興味を引きそうなものもたくさん——
実物だと何かを傷つけるようなものは、できないようにもなっていた。刃は切れずに、銃を撃っても弾で傷つけることもない。
それらの理由からか、今やチャームは全世界に広まっている。家事や仕事のサポートとしても、趣味や遊びの道具としても——
ロッドと剣は、交差したまま動かない。互いに互いを抑え込もうとしている。
不意にロッドの力が弱まった。剣を振り払うと、少女はロッドを解放——チャームの形に戻した。右手首のブレスレットに、チャームが光る。
「あなた……さっきの彼らとは違うみたいね」
「え……あ、うん——」
絡まれてる人がいるって聞いて、助けに来たんだ——
それは言葉にならなかった。いや、痺れている腕に気づき、言葉にできなかった。
その腕は、振り回されるロッドを止めただけ。つまり、それが少女の実力なのだ。圧倒的な力を、彼女は持っている。
「……ね」
え——
小さく震えた少女の唇。それは確かに、ごめんね。とつぶやいていた。
だが、それに答える間もなく、彼女はどこかへと走り去っていった。
宮下の所に戻り、俺は見たままを報告した。宮下は少女に感心したようで、笑顔で帰っていった。
部屋に戻り、本が読みかけだったのを思い出す。ページを開くが、内容は頭に入ってこなかった。
(——彼女、一体何だったんだろう……それに、なんで……)
交戦した時の少女の顔が、脳裏に浮かぶ。あの時、彼女の表情は暗く、目には悲しみが宿っていた。
ディフェクターに絡まれたでもなく、俺に攻撃されたでもなく——なぜ……
頭の中がに『なぜ』の言葉がこだましていく。
今日は8月31日。明日からは、1ヶ月ぶりの学校が始まる——
- Re: the Special Key ring ( No.9 )
- 日時: 2012/09/04 22:41
- 名前: 氷空 ◆UQtQExcjWY (ID: l/xDenkt)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode
>>0に記載しているとおり、オリジナルキャラクターとチャームの募集をしたいと思います!!
下が募集用テンプレートとなります。
…が、現状では分からないところもあると思うので、>>10にて解説しております。
ぜひ、御参考の上、お書きください。
なお、人物だけ、チャームだけでも全然大丈夫です。
ぜひ、どしどし御応募ください。
-----------人物用テンプレート-----------
名前【】
読み【】
年齢【】
性別【】
職業【】
容姿【】
性格【】
一人称【】
二人称【】
三人称【】
口調【】
適合【】
※ その人物に一番合っている属性を一つ、入れてください
属性:雷・水・炎・風・無
備考【】
※ 隠し設定や過去など、あれば記入してください
---------ありがとうございました---------
---------チャーム用テンプレート---------
形状【】
※ チャームの形を書いてください
大きくても3cmに収まる程度にお願いします
種類【】
※ 生物・道具・魔法から一つ、お願いします
属性【】
※ 雷・水・炎・風・無から一つ、お願いします
レベル【】
※ Ⅰ〜Ⅴの間でお願いします
Ⅴだとなかなか登場しないかもしれないです…
※ 場合によってはレベルを変更させていただくこともあります
召喚後【】
※ 召喚した際の見た目の詳細を記入してください
こちらは大きさ無制限です
能力【】【】
※ 能力は最大二つまでとします
例:水の刃を作って攻撃する、発光して相手の視界を遮る など
備考【】
※ 隠し設定や製作者など、あれば記入してください
---------ありがとうございました---------
- Re: the Special Key ring 『オリキャラ募集』 ( No.10 )
- 日時: 2012/08/30 22:35
- 名前: 氷空 ◆UQtQExcjWY (ID: l/xDenkt)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode
オリジナルキャラクター&チャームを募集ということで、少し用語の説明をさせていただきます。
テンプレート記入時に、ぜひ御参考ください。
この物語ではチャームの力をメインに扱いますが、チャームの力を引き出すことを『召喚』、召喚する人物を『召喚者』と言います。
物語の世界では、ほとんどの人物がチャームを召喚できますが、全てのチャームを召喚できるわけではありません。
召喚者とチャームとの相性に左右され、下記の『種類』『属性』『レベル』の三つの項目によって召喚できるチャームが変わってきます。
『種類』は召喚時のチャームの形態を大まかに分類したもので、『生物』『道具』『魔法』の三種類が存在します。
『生物』は召喚した際の姿形が動植物の形態をしており、体の一部、もしくは周辺に『属性』に沿った特徴があります。
主に単体で行動しますが、能力によっては召喚者や『道具』に憑くこともできます。
『道具』は召喚した際に、『生物』以外の形状のあるものを指します。
召喚者が直接使用するものがほとんどであり、武器として使用されるもののほとんどは『無』の属性とされます。
『魔法』は召喚した際に特定の形が存在せず、何かを使役したり、召喚者や他のチャームの力を高めたりします。
同じ形状のチャームでも効果はそれぞれの為、一番種類の多いチャームと言えるでしょう。
『属性』はチャームの能力の形であり、属性に則った能力を発揮します。
『雷』『水』『炎』『風』『無』の五種類が存在し、『無』以外の四つには、以下の強弱関係があります。
『雷』>『水』、『水』>『炎』、『炎』>『風』、『風』>『雷』
但し、これは必ずではありません。
後述の『レベル』によって、また、先述の『種類』の一つである『魔法』によっても変動することがあります。
あくまで通常時、同条件の際の強弱関係と思ってください。
また、属性には『適合』があり、召喚者に適合した属性のチャームを召喚した際、最も能力を発揮できます。
『無』の属性のチャームは、属性の無いチャームと称されることもあり、能力の発揮に『適合』は関係しないとされます。
もちろん、適合しないチャームを召喚することも可能ですが、その際の能力は適合する人物が召喚した時より劣り、高レベルのチャームを召喚することもできません。
中には適合が無い召喚者もおり、その人物は通常より若干能力が劣る程度で、全属性のチャームを召喚できます。
『レベル』は表記の通り、チャームのレベルであり、ⅠからⅤが存在すると言われています。
レベルが高い程チャームの力も強くなりますが、比例して扱いも難しくなります。
Ⅲが一般的であり、Ⅳを召喚できれば相当な実力者です。
Ⅴを召喚するには特定の条件が必要であるとも、チャームが人を選ぶとも言われています。
どの程度まで召喚できるかは、素質と経験が大きく関わってきます。
十歳前後でⅢまで召喚できる経験を積むことができますが、Ⅳの召喚にはそこからより多くの経験が必要とされます。
但し、いくら経験を積んでもⅣの召喚まで至れない人物が多い為、Ⅳの召喚には素質が試されると言われています。
以上がテンプレートの記入時に必要な用語の解説となります。
長々と失礼しました。
- Re: the Special Key ring 『オリキャラ募集』 ( No.11 )
- 日時: 2012/10/09 14:21
- 名前: 氷空 ◆UQtQExcjWY (ID: l/xDenkt)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode
「おっはよー! 宿題全部終わったー?」
「おはよー。開口一番宿題って、まだ終わってないんだ」
「そー。だから悪いけど写させてー」
賑やかな朝。あちらこちらで楽しそうな声が響く。
それもその筈。今日は9月1日、夏休み明けの始業日だ。1ヶ月も会ってなければ、会話も弾む。
「そーいえばさー、休み明けって言ったら転入生じゃん? 5年にもいるかな?」
「どうだろうね。2年生には1人いるって、職員室の前歩いてたら聞こえたよ」
転入生。その言葉が、俺の耳に入ってくる。
昨日会った少女は、同じ年頃だった。もしかしたら、転入生として学校でばったり遭遇——
「なあ、生徒会長さんいる?」
思考はそこで遮られた。教室の開いたドアから、男子が顔を覗かせている。知らない顔ということは、恐らく他学年。
生徒会長——つまりは俺をお呼びということらしい。そう呼ばれるのは、あまり好きではないが。
「秋野くん? もう来てるよ。あき——」
「うん、俺の耳にも届いてるから。呼ばなくても分かるって」
女子のテンションって、謎だ。男子が会話に入ると怒るくせに、誰かが呼びに来たら真っ先に反応する。それが社交辞令なのかもしれないけど。
「で、誰がどこに来いって?」
朝っぱら、それも始業式の前に呼ばれる理由など、大方見当がつく。始業式でスピーチをさせられるか、生徒代表として転入生の前に引きずり出されるか。
——どちらもあまり好ましくない。誰かの前に立つのが苦手な訳ではないけど、やらないで済むんだったら、そのほうがいい。
「お、流石。呼んでたのは長沼先生。……応接室って言ってたっけな」
「調子に乗るな」と、思わずそう言いたくなる。
相手は俺のことを知っているかもしれない。だが、俺から見たら同じ学校の生徒というだけだ。妙に馴れ馴れしい口調に、イライラしてしまう。
「長沼先生ね」
それだけ言い残し、教室を後にする。時計を見れば、8時10分を示していた。
「——失礼します」
頭を下げ、応接室に入る。狭い室内には一人掛けのソファ二つと、二人掛けのソファが向い合せにある。色は共に黒、表面の生地は本革だろうか。
その間には、よくある木製のテーブルが置いてある。脚に彫刻の施されたそれは、高級品であることを窺わせてくれる。
そしてその奥、朝日の入る窓辺に長沼先生は立っていた。ドアを閉めるのと同時に、こちらに向き直る。
「お早う、秋野くん。実は生徒会長である君に、折り入って話したい事があってね——」
まあ、取りあえず腰を掛けてくれるかな。そう言って、長沼先生はソファに座った。俺もそれに倣い、向かいの二人掛けソファに座る。
先生の口から、小さく息が漏れる。折り入って話したい事——何か話しにくい事なのだろうか。
「秋野くん」
しばしの沈黙の後、まるで覚悟を決めたように長沼先生が口を開く。その目は、しっかりと俺に向けられていた。
「はい」と答えた俺の口は、なぜだか若干震えていた。
「例年、この夏休み明けの始業日には、他校からの転入生がやってきます。当然、今年もそうなのですが——」
——その転入生から一人、生徒会に所属してもらいたいと思う子がいるわけですよ。
(……え?)
思わぬ言葉に、頭が真っ白になる。
転入生が生徒会に? なんでそんないきなり……訂正しよう、頭がパニックに陥った。
思考のまとまらない俺に、長沼先生は言葉を続ける。
「20分頃までに来てもらえればいい。と、言っていますから、もうそろそろ来る頃でしょう」
コンッ、コンッ、コンッ——
示し合わせたかのように、綺麗な3拍子が鳴った。続いて、ドアがゆっくりと開く。
あっ——と、思わず声が漏れそうになった。
開いたドアから覗いた人影。それは、見覚えのある姿だった。
真新しい制服に身を包み、下ろした長いダークブラウンの髪が小さく揺れている。昨日の少女が、そこに立っていた。
- Re: the Special Key ring 『オリキャラ募集』 ( No.12 )
- 日時: 2012/10/09 13:37
- 名前: 氷空 ◆UQtQExcjWY (ID: l/xDenkt)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode
「江夏陽菜です。よろしくお願いします」
クラスメイトの前で頭を下げる少女。あまりに丁寧なので、髪が床に着きそうになる。
彼女は拍手に迎え入れられ、担任が彼女——江夏さんにクラスの事を説明する。転入生にクラスがざわめく中、所々でささやき声が交わされる。
「うわー、栗毛じゃん。学校の許可取ってんのかな?」
「さすがに地毛でしょ。そうじゃないと門前払いだって」
冷やかしか、はたまた嫉妬か。どちらにせよ、聞いていて気分のいいものじゃない。
この学校、比較的新しい私立校なのだが、服装頭髪に関する校則は厳しい。だから、黒髪以外は皆珍しく見えるのだろう。
「——じゃあ、席はあそこの空いてる席で。分からない事があったら、隣に聞いてくれ」
担任の言葉に、江夏さんは指された席に座った。窓側の列の一番後ろ、つまり、俺の隣に。
彼女が俺に向かって、小さく会釈をする。それに対し、よろしく。と同じく頭を下げる。まるで、初めましてと言うように——
「悪いですけど、お断りさせてもらってもよろしいですか?」
応接室で、江夏さんははっきりとそう言った。不承の様子の俺に、長沼先生が熱心に語るのを遮っての一言だった。
その言葉に、先生の動きが止まる。畳みかけるように、彼女は言葉を続けた。
「私を評価してくださるのは嬉しいんですけど、私では生徒会——それも副会長というのは役不足だと思います」
私立、四方字学園。附属幼稚園に、初等部から高等部の一貫校、そして大学という、非常に大きな学校である。
生徒の自主性を生かす学校として、また、設立十数年で全国屈指の頭脳校として、その人気は非常に高い。四方字学園生、それが1つのステータスとなる。
そんな背景を持つこの学校では、初等部から生徒会制を導入している。中等部、高等部では生徒自らの立候補制であり、初等部は教師推薦制。
小学生の時期といえば肉体的にはもちろん、精神的にもまだ発達途中。何があるか分からない為、教師が太鼓判を押せる生徒でないと任せられないらしい。
つまり、生徒会に入るという事は教師がその生徒を認めるという事である。それを転入早々に——通常、有り得ない話である。
「ふむ……そうですか。——あなたが以前通っていた学校からの書類では、充分その素質があると思いましたが……」
長沼先生の目が宙を泳ぐ。そこまでして、彼女を生徒会に、それも副会長に就けたいのだろうか。
そこでふと、ある事に気がついた。先生は彼女を、生徒会副会長にしようと画策している。それもおそらく、本気で。
だが、今の生徒会はどうなるのだろうか。いずれの職も、就いている人がいる。当然、副会長も——
「先生、もしかして、現職の副会長——杉野に何かあったんですか?」
その言葉に、長沼先生の肩が小さく震えた。眉間にしわが寄る。
ビンゴ——直感がそう告げた。
「秋野くん? なぜそう思うのですか? 私はただ、彼女は生徒会に入るべきだと思っただけで——」
そこでチャイムの音が鳴り、結局うやむやの中、話は終わった。何か隠している事があるようだったが、それ以上は分からなかった。
転入生もいるという事で、担任が応接室に迎えに来た。教室に向かう途中、チラと覗き見た彼女の顔は、何か考えているように見えた。