複雑・ファジー小説
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- 【祝】Re Becca【一周年】
- 日時： 2014/05/23 13:02
- 名前： しゃもじ ◆QJtCXBfUuQ （ID: Ii00GWKD）
- 参照： http://www.kakiko.info/upload_bbs/index.php?mode=article&id=608
申し訳ないのですが現在掛け持っている小説につきましてはお休みさせていただきます。根暗な性格なのでどうもほのぼのとしたお話が書けないんです。。
今回のお話は殺し屋の女の子のお話です。香ばしい設定ですね（
グロと少々のエロ（暗に思わせる程度）が大丈夫な方はどうぞお読みくださいまし。
主要人物
レベッカ・L(ローラ）・シャンクリー Rebecca Laura Shankly 女 16歳くらい
フリーの殺し屋。根暗、陰気、毒舌、金の亡者、人間不信と人格的に大いに問題あり。幼少期に両親に喉を潰された為、人工発声器なしには声を出すことが出来ない。
表向きは両親が遺した遺産と家でひっそり暮らしていることになっている。典型的な中上流階級のアクセントや家の規模からして、現在の職業の割にはそこそこ金持ちの生まれだったことが伺える。
パンクロックやメタルが好みで、ファッションにも現れている。
フレデリカ（デリィ）・ジョイナー Frederika Joyner 女 14歳くらい
レベッカの同居人。明るく生活力の無いレベッカの身の回りの世話をしているものの陰気で自己中な彼女に振り回されている。
レベッカの職業を知っているが、拾われた恩義と良心の板ばさみにあって悶々としている。
家事の中では料理が一番得意。
依頼人がネタ切れ仕掛けなので何人か募集しようかと主思います。なお登場はかなりあとになる予定ですが、それでも良いという人はどうぞ。
名前：
綴り：
年齢：
性別：
容姿：
性格：
職業：
武器：出る可能性ほとんどなし
依頼内容：。
備考：
サンボイ
レベッカの暗殺ルールみたいなもの
・依頼人と標的の思想信条を問わない
・依頼金は原則前払い。1人につき500~1000万フリントが相場
・連絡法は依頼人が一般紙に広告を出してコンタクトを試みる。
・依頼内容に偽りや裏切りが発覚した場合依頼を中止して報復を行う
・単独犯。同業者と組むことは無い
・依頼人になる資格が無い上侮辱をした場合殺害する
・依頼遂行後のいかなる結果に対して責任を負わない
※レベッカのイメージをあげました。
>>67
強さ度みたいな
>>77
身長、体重、カップ
>>130~142
頂いたイラスト
- Re: 【キャラ募集中】Re Becca ( No.41 )
- 日時： 2013/06/13 22:41
- 名前： しゃもじ ◆QJtCXBfUuQ （ID: FvJ38Rf9）
- 参照： http://www.kakiko.info/upload_bbs/index.php?mode
ミアンセは一種の感心を抱いて射撃室で銃を撃つ少女を見ていた（客はあまり来ないので暇つぶしに射撃室に訪れた）。
色白のティーンエイジャーが低反動で扱いやすい銃とはいえ慣れた手つきで扱い、両手、右手、左手と持ち手を変えながら機械のように正確に的を穴だらけにしていくのだから見事としか言い様がない。その腕前もそうなのだが、店主の青い眼に映ったのは……
（こんなに神経質な客も珍しいわね）
レベッカの銃弾の扱いは神経質すぎるほど慎重だった。彼女は決まって銃弾のケースに目をやらずランダムで銃弾を手探で選んで装填し、撃つ。1ケース50発のうち35,6発ほど撃つと残りの銃弾を「合格」と看做し別のケースに手を伸ばす。もしもケースの中で試し撃ちしたうち1発でも不良品があれば未使用の銃弾全てを処分する。
試し撃ちは銃弾の好悪を知るためによく行われるのだが、1発でも不良品があると全て処分するのは珍しい。この厳格なプロセスについてミアンセが一度訪ねたところ仕事中に不良品だらけの銃弾ケースに当たってしまい死にかけたことがあるらしい。そうであるにしても購入した銃弾の大半を撃ってまでテストする同業者を、ミアンセは見たことがなかった。
「相変わらズ良い品質ネ」
射撃を終えたレベッカの額には汗が滲んでいた。彼女が人を褒めることは珍しい。それほどまでにこの店の品質を信頼している証ではあるのだが。
「ありがと。でもそれなら全部使ったらどう？」
「嫌よ。何か恨みデモあルノ？」
じろりと睨むレベッカに対しまさか、と眉と手をくいっとあげてミアンセはおどけてみせた。
「お金を払ってくれている間は大事なお客さんですもの」
「理想的ネ」
本音だったがその言葉に一切の感情は含まれていなかった。
数日後
「レベッカ、髪伸びたんじゃない？」
確かにそうだ、とレベッカは考えた。元々首にかかる程度の長さを目安にしていたが、伸びてところどころ跳ねて少々暑苦しくなっていた。ギターを弾くのを止め目に覆いかぶさりそうな前髪をいじりながら「ソウね」と応えた。
「とりあえず縛ったら？」
と言うとデリィは予備としていつも持ち歩いている緑色の髪留めを差し出した。レベッカも彼女の好意を受け取るとおもむろに前髪をかき上げ、ややラフに縛った。普段ジト目で、額を滅多に見せない彼女が前髪をちょこんと結いあげたヘアスタイルになると薦めた本人は思わず吹き出してしまった。全く似合っていないのだが……
「あはははっ！ かわいいじゃん、おでこ出しちゃったりして！」
腹を抱え、足をばたつかせて悶絶するフレデリカを見てレベッカは何とも言えない顔をした。耳は赤くなり、視線を落としている。照れているのか怒っているのか。
「冗談だって、あとで切ってあげるからさ」
レベッカは髪を切りに美容室に行ったりはしない。無防備な姿で後ろに刃物を持って立たれるのが嫌いで、基本的に自分かヘルガ、デリィといったある程度信を置いている人間にしか切らせたがらなかった。
この傾向をヘルガは幼少期に受けた影響か、殺し屋としての本能と考えている。一度無理やり知り合いの美容室に連れて行かせたのだが暴れに暴れて機材を破壊し、出禁になって以来散髪は二人が行っている。
「レベッカー！ 定期健診よー！」
窓から聞きなれた女性の声が二人の耳に入った。ギターを大音量で弾いていたせいかベルに気づかなかったらしい。二階の窓からデリィがひょこっと顔を出すと黒髪の女性が青筋を立てて彼女たちがいる、爆音を出していた部屋を眺めていた。
「ご、ごめんなさい、今開けますから！」
そう言うとデリィは駆け足で部屋を出、階段を下りていった。レベッカは、まだ耳を赤くしていた。
- Re: 【キャラ募集中】Re Becca ( No.42 )
- 日時： 2013/06/15 21:40
- 名前： しゃもじ ◆QJtCXBfUuQ （ID: FvJ38Rf9）
- 参照： http://www.kakiko.info/upload_bbs/index.php?mode
「趣味に打ち込むのはいいけど、少しは周りに気を配りなさいよ」
ケーキが入った口に紅茶を流し込んでも主治医の愚痴は尽きない。定期健診をすっぽかされた挙句患者は趣味に没頭し、彼女を家の前で棒立ちさせていたのだから無理はない。しかし、患者は謝るどころか何も反応を見せなかった。
「すみません、本当に」
「なんであんたが謝るのよ」
眉を下げて謝罪したのは患者の同居人だった。当の本人はもぐもぐとケーキを味わっている。自分に非があろうと大抵の場合レベッカは謝罪の言葉を口にしようとしない。
ヘルガはなおも続ける。
「デリィ、あんたはレベッカの同居人でしょ？ 私がここにいない間はあんたがレベッカに対して責任があるのよ？」
「はい……」
「いくら借りがあるってレベッカのわがままに付き合いっぱなしは駄目。ちゃんとした娘になって生きてもらいたいと思ったら言うべきことはちゃんと言うべきよ！ じゃないとあんたもレベッカも一生不幸になるのよ？」
『借り』という言葉を耳にすると、フレデリカの顔がヘルガ、次いでケーキ、自分の膝へと下がった。
（少し言い過ぎたかしら）
だが間違っていないはずだ、とヘルガは自分に言い聞かせた。彼女が決めた生き方にどうこう言うつもりはない。しかし自分も一応レベッカの後見人で、交流のある唯一の親族なのだ。彼女がどんな道を進んでも真人間であった欲しいと願うのは当然なのだから。
「あんたもわかった？」
と、話題の主役に語気を強めて視線を向けると……彼女、レベッカは相変わらずケーキを味わっていた。二人の話などまるで聴いていないかのように視線を落とし、むぐむぐと味わうことに夢中になっている。
ヘルガの側頭部のあたりで何かが切れ、怒号が家中に木霊した。
午後3時くらいになると頭にたんこぶを作ったレベッカは珍しくどこかへ出かけてゆく準備をしていた。軽装であることから仕事ではなさそうではあった。
「9時にハ戻るワ」
「うん、行ってらっしゃい」
そう言うとレベッカは少々急ぎ足で家をあとにした。半年に何回かこういうことがあった。それをレベッカはデリィに対して説明をしない。
「デリィ、代金だけど……あれ？」
レベッカを見送ったデリィの後ろで、年上の女性の間の抜けた声がした。やはりレベッカが仕事関係でもない（定期健診はすっぽかすが、その日は滅多に家を空けないのがレベッカの習慣だった）のに遠出をするというのは珍しいのだろう。
「あの娘、どこ行くの？」
肩をすくめてフレデリカが答える。
「さあ……半年に数回はこういうことがあるんです。どこに行くのかさっぱり……」
「……そう」
女医が意味ありげにつぶやいた、その視線は歩を進め小さくなってゆく黒髪の少女に向けられていた。
「何か心当たりがあるんですか？」
「さあ。……ところで話が変わるけれど……」
広い、しかし人が殆ど居ないロビーで事務作業を行っていたロベルタは見覚えのある客の顔に驚き、慌てた。
「シャンクリーさん……？」
「『彼女』ハ？」
受付は機械的な声を紡ぐ客に対し露骨に不快な顔をした。彼女の声ではない。『彼女』という単語に反応したのだ。
「困ります。あなたが面会に来られると『彼女』は決まって暴れ出すんですよ？」
客、レベッカは引き下がらない。
「『彼女』ニ対すル面会謝絶に法的拘束ハ無いワ。ソレは所長モ『彼女』の家族モ承知のハズ」
彼女の言うとおり、『彼女』に会えない法的な理由は無い。ロベルタがため息を漏らす（後で注意を受けるのは彼女なのだ）と、「椅子に座ってお待ちください」と言い電話で職員たちに指示を送り始めた。
- Re: 【キャラ募集中】Re Becca ( No.43 )
- 日時： 2013/06/16 10:06
- 名前： ポンタ （ID: WiTA9hxw）
こんにちは、いつもドキドキしながら読ませてもらっています。
オリキャラのヘルガを出してもらって、うれしいです。
ヘルガが出てくると、ちょっとニマニマしています。
もちろん他のオリキャラさんが出てくると、次はどんな展開になるのか！？と楽しみになります。
設定も応募したものに近くて、内容も読みやすい！
しゃもじさん、忙しいとは思いますがこれからも出来る限り続けて下さい。
更新を楽しみにしています。
- Re: 【キャラ募集中】Re Becca ( No.44 )
- 日時： 2013/06/16 21:15
- 名前： しゃもじ ◆QJtCXBfUuQ （ID: FvJ38Rf9）
- 参照： http://www.kakiko.info/upload_bbs/index.php?mode
ポンタ様
ヘルガ姉さんはとっても扱いやすい&いいキャラしているので本当に助かってます。レベッカがあまり心情を語らないので彼女のようなキャラは本当に重要です。
さてさて、ここいらで第二回選考結果を発表いたします。今回採用が決まったのは以上のお方！ お美事にござりまする！
近衛 銀凪（塞様）
落選した方も形を変えてどうにか登場させたいと思っておりますのでご容赦くださいまし。キャラはまだ募集してますので奮ってご参加をば。
- Re: 【キャラ募集中】Re Becca ( No.45 )
- 日時： 2013/06/17 22:38
- 名前： しゃもじ ◆QJtCXBfUuQ （ID: FvJ38Rf9）
- 参照： http://www.kakiko.info/upload_bbs/index.php?mode
面会の準備が出来たのだろう。数分経つと背の高い中年の職員がレベッカの下に寄り、『彼女』の居る部屋へと案内することを告げた。職員の腰には大型の電気警棒がぶら下がっていた。
「『彼女』とはガラス越しでの面会のみです。面会時間は10分まで。話しかけることはもちろんアイコンタクトも厳禁。若しも」
「破っタ際は即刻退去しテモらウ、でしョウ？」
ここに来る度に何度も何度も聴かされてきた言葉。「ええ」とそっけなく返したこの職員とも顔なじみだが、いつも同じことを言う（そうやって訴訟になることを避けているのだが）。
『彼女』の部屋へと続く廊下は薄暗く、非常口への誘導灯がちかちかと輝き、二人の男女の足音が鳴り響く。各部屋からうめき声や奇声、壁を叩く音が聞こえて2人の鼓膜を揺らす。職員によると一日中こんな調子であるらしく、大して運動もしていないのにどうやって彼らは一日中騒いでいられるのか不思議なのだという。
「もちろん動かない人も居るんですがね」
と彼は言う。『彼女』はどちらかといえばそのどちらでもない。普段は大人しいのだが……
突き当りを左に曲がったところに『彼女』がいる部屋が見えた。そこと彼女を見るころができるガラスが張られている通路だけやけに明るく、レベッカの目に若干の痛覚を与える。目に幾分慣れた彼女のガラス越しに居たのは、『彼女』だった。
レベッカが『彼女』と視線を合わすと、生気の無い『彼女』の目がかっと見開かれ、いつもの発作を起こし始め、人間の姿とはかけ離れた醜悪な奇声を上げながら拘束衣で固められている体が跳ね飛んだ。
それをレベッカはただ黙って見ていた。緑色の瞳に憎悪と嫌悪感を宿らせながら。
『彼女』との面会を終えたレベッカは職員と再び来た道を歩んでいた。面会時間は結局7分。想像以上に興奮状態が激しかったため途中で取りやめとなったのだった。以前は20分そこにいることができたのだが。
「良くナイのネ？」
「ええ、4,5年前から悪化の一途をたどっています。最近はあなたが来ない限りは一日中壁に向かって突っ立っていたり、宙を見上げているだけです」
この職員は『彼女』の担当者でもあった。『彼女』がここに入れられてからずっと『彼女』の世話と治療に携わってきており、彼の眼を通してレベッカは『彼女』の健康状態を知ることが出来た。
「……体はドウなノ？」
「脳の深い位置に腫瘍が見つかっています。取り除かなければ数ヶ月は持たないと診断されており、その他にも……」
「治療費ハ十分に私と『彼女』の家族で払エるワ。あの人達ニモ伝えテオイて」
職員は「そうですか」と返答した。同時に怪訝に思った。なぜ目の前に居る少女、レベッカは『彼女』に対してここまでするのだろう、と。
ヘルガを見送った後、夜7時を回っているだろうか、フレデリカは暗くなった街に出かけていた。その右手にはオリーブオイルの瓶が入った買い物袋がぶら下がっている。レベッカも彼女もオイルは基本的にオリーブオイルだけを使うので楽なのだが。日が沈み、レベッカが帰らないうちに帰宅しようとしているのだろう、足取りはいつになくせわしない。
（今日は何にしようかな）
最近レベッカは家でゆっくりとしている。仕事に行かない分やる事が多くて大変ではあるのだがギターを持っていれば大人しくしているし、何よりデリィは彼女が仕事に行かない時間を長めに作っていることが嬉しかった。たまにはごちそうでも作ってあげたい、そう考えていた。自然と笑が溢れるのは無理がなかった。
ふと視線を上げると、右手前方の路地裏に人の気配がした。こんな時間に子供がふざけているのだろうか、それとも物乞いか（しかしこの街で物乞いなど彼女は見たことがなかった）。興味半分で首を覗かせる形で気配がした路地裏を見た。
「あ……」
彼女の勘通りに人はいた。それもうめき声を上げて倒れて苦しんでいる、自分と同年代の少年が。
「だ、大丈夫？」
「う……」
どこか痛むのだろうか、少年は一歩も動けないようだった。お越してあげようと買い物袋を置き、彼の体を抱き起こした。
その少年の顔を見た途端、デリィの大きな瞳が更に見開かれた。青みがかった銀髪、碧眼、口元……これらは遠い昔の記憶だはあったが、しっかりと覚えていた。
「……リヒト？」
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