複雑・ファジー小説

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Flight doctor stories 2
日時: 2017/10/21 12:53
名前: Rain (ID: MHTXF2/b)

帰ってきた!フライトドクターストーリーズ!
タイトルもカッコつけて英語に。
ここから始まる新たな物語。

<主人公>

仙崎海翔(せんざきかいと)

北海救命救急センターにやって来た新人ドクター。フライトドクター候補生。
黒渕メガネをかけている。
肩につくほどの長さの黒髪を、後ろで一つにまとめている。
身長175㎝。
めったに怒らない、優しい性格。
弟的キャラクターのためか、先輩ドクターの弄りのまと。本人はさして気にしていない様子。

Re: Flight doctor stories 2 ( No.31 )
日時: 2018/02/16 17:49
名前: Rain (ID: OZxqQ4OG)

「ちなみに、コードレッドやコードホワイト、コードゴールドなんてのもあるらしいですよ。」
そんなにあるんだ!
「あれ?コードホワイトって前一回流れなかった?」
えっ!?まず、コードホワイトってなんだ?
「コードホワイトって言うのは、大声で暴れるとか、所謂めんどくさい人が現れたときのやつです。」
不審者来たから気を付けて!みたいな感じか。
「えっと・・・センターの待合室だったっけ?」
「そうですね。確か日没後で、私が帰ろうとしたところでした。」
はあ。よく覚えてるなー。
「そのときの倉橋さんかっこよかったよー!」
え!?なにがあったんですか!?
「普通はね、ガードマンとか、そんな感じの屈強な人がくるんだけど。」
まあ、不審者を取り押さえるためだし・・・。
「ガードマンたちが来る前に、倉橋さんが取り押さえちゃったの!」
・・・えーと、どういうことですか?
「だから!不審者を見た倉橋さんが、サクッと取り押さえちゃったの!」
倉橋さん一人で、不審者を。
「始めは、脅されてたんだよね。『殺すぞ』って。刃物も持ってたし。」
ひえっ!!マジでヤバい人ですよ!
「でも、全く怖がる様子もなくて。倉橋さん、逆に不審者の方をビビらせたんだ。なんて言ったと思う?」
全く思い付きません。
「『殺してみろよ』っていったの!かっこよすぎでしょ!」
イケメンだー!女性だけど!
「その後は・・・早業すぎてわかんなかった。倉橋さん、なにしたの?」
「ちょっと首を絞めただけですよ。ヘッドロックを首にやった感じですかね。そうすれば、人って簡単に崩れるので。」
倉橋さん・・・恐ろしい。
「で!その後はガードマンたちにおまかせ!」
この人は、なにか他に向いてる職業あったんじゃないかと思います。
とんでもないCSがいるけど、これならまた不審者が来ても安心です! 
出来れば、来てほしくないけど。

Re: Flight doctor stories 2 ( No.32 )
日時: 2018/03/04 09:51
名前: Rain (ID: OZxqQ4OG)

「海翔君、まだ倉橋さんの武勇伝聞きたい?」
もちろんです!というか、まだ武勇伝あるんだ。
「あるんだよ〜。あれも、日没後だっけ?」
「そうですね。やっぱり帰ろうとしたところでした。」
帰ろうとしたときのパターン多いなあ。
まあ、勤務中は運航管理室に閉じこもってるからね。
「ちょうどそのとき、私が面倒な人達を相手してたんだよ。」
面倒な人達?
「そうそう。テレビの情報とかを鵜呑みにしちゃう人達でね。テレビでこう言ってたからこのくすりは要らないだの、テレビでああ言ってたからこの症状はきっとこれだとか。んな訳ないんだよ。」
でも、それなら御家族の方が止めるのでは・・・。
「面倒な人達って言ったよね。家族全員面倒だったんだよ。」
面倒すぎる・・・。
「入院してたのは、40代ぐらいの家族もちの女性なの。で、両親と夫と子供が来たんだけど・・・。」
ずいぶん大人数で来たな。
「ただでさえ面会時間すぎてるのに、こっちは拒否したんだよ。また明日お願いしますって。でも、会わせろって騒ぎ立てるもんで。」
すでに面倒くさい感はんぱないです。
「仕方なく通したら、まあうるさいのなんの。で、この薬がどうだの、この症状はきっとこれだのうるさいんだよ。」
迷惑でしかない・・・。
「基本的に文句いうのは入院してる人で、その親が物凄く面倒なわけよ。」
親・・・。もしかして・・・。
「一言でいうとあれね、モンスターペアレンツ。」
やっぱり。
「うちの子の言うことが間違ってるわけない、とか、うちの子の言うことが聞けんのか、とか。」
うちの子といっても、もう40代。
「夫は黙ってるだけ。子供は騒ぐだけ。」
THE めんどくさい。
「そこに通りがかった倉橋さん。あのコードホワイトのときのこと思い出して、呼んでみたわけ。」
「ええ。手招きして呼ばれたので。」
「んで、その家族がさ、倉橋さん見るなり騒ぐのよ。お前は医者か、とっととこのチンチクリンをどこかへやれとか。」
工藤先生がチンチクリン呼ばわりされてる件。
「でね!またも倉橋さんがかっこよく解決したわけよ!」
今度はなんだ!?さすがにさっきみたいな解決法はしてないと思うけど。
「『残念ながら私は医者ではありません。それと、テレビの情報を鵜呑みにして先生達を困らせないでください。あんなの、間違ってることも多いんですよ?』」
すでにかっこいい。
「それでも騒ぐ患者にとどめ!『そんなに元気なら退院出来るんじゃないですか?』って。」
強い(確信)。
「去り際の一言もかっこよかったよー。『あ、そうそう。この方はチンチクリンじゃないので。工藤先生、れっきとした医者です。』」
どんどん倉橋さんがかっこよく見えてくる。
「まあ、あんな状況見て見過ごせないですから。」
イケメンだ〜!
「ふぅ。暇だね〜。患者も来ないし。」
暇ですねえ。
『ザザッ、トントン・・・』
「放送ですか?珍しい。」
しかし、その放送はこのまったりした空気をぶち破るものだった。
『中央棟1階、待合室でコードブルー!待合室でコードブルー!」
コ・・・、コードブルー!?
「行くよ、海翔君!」
勢いよく立ち上がる工藤先生。
「はいっ!」
そのまま全速力で走り出す工藤先生についていく。
「頑張ってくださいね!」
後ろから、倉橋さんの声が聞こえた。

Re: Flight doctor stories 2 ( No.33 )
日時: 2018/03/09 20:35
名前: Rain (ID: OZxqQ4OG)

運航管理室から飛び出した僕と工藤先生。
「ほらほら、急いで!」
工藤先生・・・、足速くないですか?
「なにいってんの!普通よ、普通!」
いや、速いですよ。
全速力で走ってるのに、差が開き続ける始末。
「あと少し!」
前に見えてきたのは、すりガラスの自動ドア。
意味はないけど、手を前に伸ばして開ける。
なんか、超能力みたいでかっこいいでしょ?

ドアを抜けると、待合室がすぐそこにある。
すぐ目に入ったのは、黒山の人だかり。
黒いスクラブの人だったり、白衣の人だったり。
中には、ピンクのスクラブの人もいる。
黒山の人だかりの中に倒れていたのは、小柄なお婆ちゃんだった。
「すいません、症状わかります?」
「倒れる前に頭痛とめまい、手足のしびれを訴えていたそうです。」
頭痛、めまい。手足のしびれ。
あれかな。
「工藤先生、これ、脳出血じゃないですか?」
「だよね、私もそう思う。若松先生いる?」
グッと背伸びして、まわりを見渡す。
若松先生は・・・いないみたい。
別のところにいたのかな?
「そっか、いないか。じゃあ、呼んで。」
はい。
連絡をとってみるけど、繋がらない。
・・・もしや。
手術室に連絡をとる。
「すいません、救命の仙崎です。若松先生いらっしゃいますか?」
『若松先生ですか?今、第三手術室にいらっしゃいます。』
やっぱり。
手術室では、機械に影響を及ぼす可能性があるから、PHSを含む携帯電話は使えない。
「若松先生、呼んで頂けますか?」
『了解しました。少々お待ちください。』
少しして、若松先生の声が聞こえた。
『どうしたの?何かあった?』
「待合室で脳出血と思われる患者が倒れていて、工藤先生が若松先生を呼べ、と。」
『わかった、今いく。ちょっと待ってて。』
通話を切り、工藤先生のところに行く。
「若松先生、呼べました。」
「サンキュッ。一応、応急処置はしてるけど。」
ただ、どうして若松先生を呼んだのだろう。
赤川先生でもなく、浅野先生でもなく、若松先生。
「おおっ!?」
「なんだなんだ!?」
人々のどよめきが聞こえた。
その方向をみると、誰かがものすごい形相で走ってきていた。
「来たっ!若松先生!」
えっ!?若松先生!?
よくよく見ると、若松先生だ。
すごい、人が変わってる。
「患者、接触します。意識レベルいくつですか?」
「えっと、200です。」
「倒れる前はなにか症状ありました?」
「頭痛とめまい、それから手足のしびれを訴えていたそうです。」
若松先生は、少し考えると判断を下した。
「脳出血です。頭開けるので、オペ室空けられますか?」
やっぱり、脳出血だった。
「第四手術室空いてます!」
「ありがとうございます!運びましょう。」
すごい・・・。あっという間だ・・・。
「さて、と。私たちの出番はここまでかな。帰るよ、海翔君。」
あ、はい。
なんか、僕、なにもしてなかったような。
「こういうのはね、新人君は傍観者になっちゃうんだよ。」
あ、そうなんですか。
「でも、あの判断はよかったよ〜。」
あの判断?
「若松先生のPHSに繋がらなかったとき、すぐオペ中疑ったでしょ。あの判断はいいよ。」
はぁ。
「なかなかいないよ、その判断出来る人。普通の人は、テンパって慌てるの。だから、ナイス!」
あっ、ありがとうございます!
「ふふっ、嬉しそうだね。」
そういう工藤先生もものすごいニコニコしてますけどね。
「そ、そうかな?・・・あっ!ドラマの続き見なきゃ!倉橋さんのとこ、行こう!」
そういって、また走り出した工藤先生。
どんだけ、ドラマ見たいんですか。



Re: Flight doctor stories 2 ( No.34 )
日時: 2018/03/17 09:06
名前: Rain (ID: OZxqQ4OG)

(祝)閲覧数400回突破!

Rain が あらわれた !
Rain は メッセージビデオ を さしだした

「Flight doctor stories 2をご覧のみなさん、こんにちは!コミュニケーション・スペシャリストの倉橋です。この駄作も閲覧数400までいったんですねえ。まあ、これも見てくださる皆様のおかげです。これからも、よろしくお願いしますね。それでは、北海救命救急センターの運航管理室より、倉橋でしたー!」


Rain は かえっていった 。

Re: Flight doctor stories 2 ( No.35 )
日時: 2018/04/01 19:35
名前: Rain (ID: OZxqQ4OG)

Episode 4 いざ、現場へ

朝のカンファレンスルーム。
いつも通りにカンファレンスは進んでいた。
「じゃあ、今日のヘリ当番は浅野と穂高。それから、OJTで仙崎。」
えっ!?
「どうした、仙崎。今日からOJTだぞ。聞いてなかったのか?」
「いえ、全く・・・。」
聞いてたらこんな反応しませんから。
「そうか・・・。だーれかさんが伝え忘れたかー。なー、杉野ー?」
杉野先生が白々しく口笛を吹き始める。
「杉野ー、ちゃんと伝えとけって言ったよなー?」
「べべ別に伝え忘れた訳じゃなくて、すっかり忘れてた訳で・・・。」
「それを伝え忘れたと言うんだ。全く、次から気を付けろよ。それじゃ、カンファ終わり。」
OJT。On the Job Training の略で、現場に行って学ぶ方法。
つまり、今日からドクターヘリに乗ることになる。
「海翔君、こっちこっち。」
浅野先生と一緒に、ロッカールームまで行く。
一番奥にあるロッカーを開けると、フライトスーツが入っていた。
「海翔君背高いからな〜。ちょっと、これ着てみて。」
手渡されたフライトスーツは、黒地に白いラインが入っていた。
背中には、「DOCTOR」の文字が入ったワッペン。
早速着てみると、丁度いいサイズだった。
「おー、よく似合ってるよ。それじゃ、運航管理室行こっか。」
フライトスーツを着てみると、気分だけは一人前のフライトドクターになったような気がする。
運航管理室のドアを開けると、倉橋さんが嬉しそうな顔で待っていた。
「仙崎先生、今日からOJTですか。よく似合ってますよ。」
そんなに言われると照れます・・・。
「では、これを。レシーバーです。もし、オペ室とかCT室とかの電波が届かない場所に行かれるときは、連絡してください。そのときは、先生のPHSに直接連絡します。」
黒いレシーバーを、スーツの胸ポケットにいれる。
時刻は8時27分。
ドクターヘリが出動出来るのは8時半からだから、まだ出動要請はかからないはず。
「仙崎先生、甘いですよ。」
甘い?
「このあたりの救急隊は慣れてますからね。この時間なら、離陸する頃には8時半を過ぎます。だから・・・」
プルルルルルッ!
「ほーら、来ましたよ!」
誰かがホットラインをとったらしく、呼び出し音が止まる。
スピーカーから、聞こえる患者情報。
『患者、12才、女児。登校中に車にはねられ・・・』
天気、良好!ドクターヘリ出動!
全速力でヘリポートに走り出す。
初出動だ、頑張らなきゃ!


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