複雑・ファジー小説

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Flight doctor stories 2
日時: 2017/10/21 12:53
名前: Rain (ID: MHTXF2/b)

帰ってきた!フライトドクターストーリーズ!
タイトルもカッコつけて英語に。
ここから始まる新たな物語。

<主人公>

仙崎海翔(せんざきかいと)

北海救命救急センターにやって来た新人ドクター。フライトドクター候補生。
黒渕メガネをかけている。
肩につくほどの長さの黒髪を、後ろで一つにまとめている。
身長175㎝。
めったに怒らない、優しい性格。
弟的キャラクターのためか、先輩ドクターの弄りのまと。本人はさして気にしていない様子。

Re: Flight doctor stories 2 ( No.21 )
日時: 2017/12/16 20:21
名前: Rain (ID: Kot0lCt/)

しばらくして。
「海翔君、運航管理室に行って、ヘリの状況聞いてきてくれる?」
浅野先生にそう言われ、運航管理室へと走った。
「倉橋さん、ヘリどうなってますか?」
「そろそろ連絡がくると思います。」
倉橋さんがそう言ったとたん。
ティリリリリン。
機長からの連絡だ。
「はい、はい。了解。」
カチャリと電話を切ると、倉橋さんが振り返って言った。
「ここに戻ってくるそうです。到着予定、10分後となります。」
「ありがとうございます!」
その言葉を聞くなり、僕は運航管理室を飛び出した。
初療室のドアが開くのももどかしく、半分体当たりするようにして中にはいる。
「ヘリ、戻ってきます!10分後です!」
「ありがとう、海翔君!」
『北海ドクターヘリから、風切北海!』
連絡の声が、飛び込んできた。でも。
「・・・工藤先生じゃない。」
スピーカーから聞こえる声は、男性のものだった。
『北海ドクターヘリから、風切北海!応答願います!』
「すまない、大野くん!こちら風切北海、どうぞ。」
あの男性は、大野さんというらしい。
『患者情報、送ります。患者、20代、女性。飲酒運転の車にはねられ受傷。』
「飲酒運転・・・?なるほどな、工藤先生じゃない理由がわかった。」
え?飲酒運転だけで?
『FAST、ポジティブ!工藤先生は現場に残っています。』
「オッケー、わかった。ありがとうな。」
えっと、なんで、工藤先生がいないんですか?
「後で説明する。とりあえず今は受け入れ準備だ。」
はい!わかりました!




Re: Flight doctor stories 2 ( No.22 )
日時: 2017/12/19 17:30
名前: Rain (ID: OZxqQ4OG)

遠くからエンジン音がかすかに聞こえてきた。
来る。
「浅野!仙崎!迎えに言ってこい!」
「了解!」
赤川先生の声と同時に、ヘリポートへと走る。
1分、1秒でも早く。
外へと繋がる自動ドアが開くのも遅く感じる。
半分ぐらい開いたところで、体をすべりこませた。
「仙崎君!こっち!」
急にスピードを上げた浅野先生が、僕を追い抜く。
青く塗られたヘリポートまでの道。
「EMERGENCY ROAD」の白い文字が存在感を放っている。
青い道を全速力で走り抜けた。
これでも、小中高と陸上部だった。体力には自信がある!
道を全速力で駆け抜け、たどり着いたヘリポート。
白いドクターヘリが、今降り立とうとしていた。
MD902。ドラマでも用いられた機体だ。
メジャーな三機種中で、最も小さい。
それでも、僕から見上げてみればとても大きく見える。
『エンジン停止。作業開始を許可する。』
「行くよ。」
浅野先生と一緒に走る。
患者を乗せたストレッチャーは、整備士の手によってヘリから下ろされていた。
「気管挿管、現場でしています。工藤先生は、自分で戻ってくるそうです。」
「ありがとう。運ぶよ。」
ストレッチャーを押して、初療室まで向かう。
血まみれの女性を見て、焦った。
早く治療しなきゃ、死んじゃう・・・。
「海翔君、落ち着いて。今焦っても意味がないよ。」
浅野先生・・・。
「そうっすよ、海翔先生。落ち着いてください。」
大野さん・・・。
————そうだ、焦っちゃだめだ。
落ち着いて。初療室では先生たちが待ってる。

初療室のドアが開く。
「患者、来ました!」
戦いの火蓋が切って落とされた。

Re: Flight doctor stories 2 ( No.23 )
日時: 2018/01/08 11:50
名前: Rain (ID: OZxqQ4OG)

「はい、ベッド移します!」
1、2、3という掛け声と共に、患者がベッドに移される。
「誰か、オペ場連絡して!」
どうすればいいのか分からず、うろたえる僕に、浅野先生がささやいた。
「オペ室連絡して、入室可能かどうか。入室可能なら、何分後になるか、聞いて。番号さっき教えたよね。」
わかりました。
首にぶら下がるPHSをとり、連絡をする。
ワンコールで、オペ室ナースのよくとおる声がした。
『はい、こちら手術室です。』
「救命の仙崎です。先ほど、緊急手術が必要な患者が搬送されました。手術室、利用可能ですか?」
お願い、空いていてください!
『現在、全室うまっています。』
空いてない・・・!
『ですが、あと30分程で一部屋空きます。』
30分。そんなにもつだろうか。
でも、空いてないものは仕方ない。
「ありがとうございます。そこ、空けといてもらえますか?」
『了解しました。』
通話を切る。
「オペ室、利用可能まであと30分です!」
「30分か・・・。」
患者から目を反らさず、赤川先生が呟いた。
その間にも、患者の容態は悪化する一方。
血圧がどんどん下がっていく。
このまま待っていたら、死んでしまう。
「開ける。」
え?
「ここで腹開ける!準備!」

Re: Flight doctor stories 2 ( No.24 )
日時: 2018/01/09 15:59
名前: Rain (ID: OZxqQ4OG)

◆祝!閲覧数200回達成!◆

どうも!Rainです。
閲覧数が200回に達したので、また風切救命のとある先生からメッセージを預かって来ました!
今回のメッセンジャーは、浅野先生です。
前作では今一活躍せず、影の薄さNo.1でしたが、果たして今作はどうなのか!
それでは、どうぞ!



「皆さん、こんにちは。浅野秀です。いつも
Flight doctor stories 2を見てくれてありがとうございます!・・・もう閲覧数200回超えたんですね。これも、皆さんの応援のおかげです。前作ではほとんど活躍出来なかったので、今作では頑張らせて頂きます!
それでは、これからも僕達のこと、よろしくお願いします!」



ということでした。
次回の登場は、300回記念になります。
これからも、よろしくお願いいたします!

Re: Flight doctor stories 2 ( No.25 )
日時: 2018/01/14 18:07
名前: Rain (ID: OZxqQ4OG)

「ここで腹開ける!準備!」
一瞬、頭が真っ白になった。
赤川先生は何を言っているのだろうか、と。
でも、すぐに理解した。
ここで開腹手術をするということ。
そうこうしている間にも、オペの準備は整ってきている。
ベッドのまわりには、黄色のガウンを着たドクター達が集まっていた。
「海翔君!こっち来て!」
えっ、僕が行ってもなんの役にも・・・。
「いいから!早く!」
さっきまでとは変わりきった様子の浅野先生。
僕は、浅野先生の隣に駆け寄った。
患者の腹部を見て、言葉を失った。
膨らんでいる。水をギリギリまで入れた水風船みたいだ。
血が溜まっているんだろう。
茶色の消毒液が患部にかけられる。
「開けるぞ、ガーゼ用意しておけ。」
患部にメスが入れられた。
それと共に、血液があふれだす。
ガーゼに血液を吸わせるけれど、あまりの出血量にすぐ使い物にならなくなってしまう。
「バスタオル出して、バスタオル!」
その声を待っていたかのように、バスタオルがつき出される。
どこだ、どこから出ている?
「先生、クランプしていますか?」
「クランプした!」
赤川先生が怒鳴った。
クランプ(大動脈遮断)をすることで、出血を止めることはできる。
でも、あまり長く止められない。
全身に血液が行かない状態で長時間経つと、逆に危険になる。
「あっ、あった!」
見つかった。止血!
でも、これで終わった訳じゃない。
ふと、血圧を見た。
・・・あれ。おかしい。
血圧が下がっている?
止血したのだから、血圧は上がるはず。
なのに、血圧の数値はどんどん下がっていく。
「先生、血圧下がってます・・・。」
赤川先生も、その異変に気づいた。
「・・・これ、止まってないぞ。」


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