複雑・ファジー小説

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Flight doctor stories 2
日時: 2017/10/21 12:53
名前: Rain (ID: MHTXF2/b)

帰ってきた!フライトドクターストーリーズ!
タイトルもカッコつけて英語に。
ここから始まる新たな物語。

<主人公>

仙崎海翔(せんざきかいと)

北海救命救急センターにやって来た新人ドクター。フライトドクター候補生。
黒渕メガネをかけている。
肩につくほどの長さの黒髪を、後ろで一つにまとめている。
身長175㎝。
めったに怒らない、優しい性格。
弟的キャラクターのためか、先輩ドクターの弄りのまと。本人はさして気にしていない様子。

Re: Flight doctor stories 2 ( No.16 )
日時: 2017/12/01 19:05
名前: Rain (ID: OZxqQ4OG)

用語解説コーナー

この小説には、たくさんの専門用語がでてきます。
ということで、専門用語を解説していきます。
まだ出てきていない用語が混ざっていても
お気になさらず。
これからの予習だと思ってください。


◆FAST
腹部の出血を検査する機械。
簡易的なエコーの役割を果たす。

◆ポジティブ
FAST検査において、腹腔内出血が見られた場合の言葉。腹腔内出血がない場合はネガティブと呼ぶ。

◆レベル1(レベルワン)
緊急用の輸血装置。

◆気管挿管
患者ののどにチューブをいれ、呼吸を助ける。
基本的には医師のみが行える処置だが、
一定の条件下のもとで、救命救急士も行える。

◆ICU
集中治療室。
24時間を通して管理が必要な患者が入る。
Intensive Care Unit。

◆HCU
高度治療室。
ICUよりワンランク下の治療室。
High Care Unit 。

◆PICU
小児集中治療室。
こども病院などに設置されている場合が多い。
Pediatric Intensive Care Unit 。

◆コードブルー
病院内での、患者の急変を知らせる隠語。
「スタットコール」「ハリードクター」などとも。
決して某月9ドラマの話ではないので、
注意が必要。

長くなりそうなので、後編に続く。

Re: Flight doctor stories 2 ( No.17 )
日時: 2017/12/01 19:16
名前: Rain (ID: OZxqQ4OG)

用語解説コーナー2

前回の続きでござんす。

 
◆意識レベル
意識の度合いを表す数値。
0〜300で表す。

一桁 レベル1→だいたい清明だが、
        今一つはっきりしない。
   レベル2→時、人、場所がわからない。
   レベル3→名前、生年月日が言えない。

二桁 レベル10→普通の呼びかけで、
         容易に目を開く。
   レベル20→大声又は体を揺さぶることで
         目を開く。
   レベル30→痛み刺激を加えつつ、
         繰り返し名前を呼ぶことで
         かろうじて目を開く。

三桁 レベル100→痛み刺激に対し、
          払いのけようとする。
   レベル200→痛み刺激に対し、
          少し手足を動かしたり
          顔をしかめる。
   レベル300→痛み刺激に対しても
          反応がない。
          叩いても殴っても無反応。


◆ダメ・コン
ダメージ・コントロールの略称。
患者の体力を考慮し、緊急手術で最低限の処置のみ行い、後日容態が安定したところできちんとした手術を行う。


よしっ、とりあえずおわり。
また、なんかあったら説明します。

Re: Flight doctor stories 2 ( No.18 )
日時: 2018/01/31 22:42
名前: Rain (ID: OZxqQ4OG)

Episode2 初めての対応

昨日は、とにかくいじりたおされた。
あの後、滅茶苦茶なヘアースタイルにされた上に、すごい笑われた。
大丈夫かな。今日から。


「おはようございます!」
医局には、たくさんのドクターとナースたち。
何人も、見たことない人がいる。
「おはよう、仙崎。」
わわっ!
後ろから、低い声が聞こえてきた。
「おっ、おはようございますっ!」
振り返ると、そこにいたのは赤川先生。
「早速カンファいくぞ。こっちだ。」

赤川先生の後についていくと、カンファレンスルームについた。
「お前はここで待ってろ。呼んだら入ってこいよ。」
「・・・はい。」
何をする気なんだろう。
中から、赤川先生の声が聞こえてくる。
『今日から、新しいドクターがくる。今、外にいるから呼んでくるな。』
ガチャッ。
ドアが少しだけ開いて、赤川先生の顔が現れた。
「入れ。」
部屋に入ると、僕を見つめる目がたくさん。
その中には、昨日会った先生もいる。
「仙崎海翔です。よろしくお願いします。」
頭を下げると、拍手がわいた。
「で、仙崎の教育係は浅野にお願いする。後で顔会わせといてな。」
浅野先生・・・。昨日会ってない先生だ。
「はい、カンファレンス終了。」
赤川先生が声をかけると同時に、みんながみんなバラバラに部屋を出ていった。
その中で、僕に声をかけた人が一人。
「海翔君、ちょっとこっち来てくれる?CSルーム行こう。」
四角い縁の眼鏡をかけた男の人。浅野先生かな?
その人について、僕は運航管理室へと向かった。

Re: Flight doctor stories 2 ( No.19 )
日時: 2017/12/08 18:05
名前: Rain (ID: OZxqQ4OG)

運航管理室のソファーに座ると、浅野先生(?)が話し始めた。
「君の教育係になった、浅野秀です。よろしくね。」
「よろしくお願いします!」
とっても優しそう。そんな感じがした。
「なんでここに来たの?やっぱり、ヘリ?」
「はい、ドクターヘリに乗りたくて。」
フライトドクターになるために、医者を目指したと言っても過言ではない。
「そっかそっか。でも、しばらくは病院での勤務になるからね。」
まあ、いきなり乗れるほど甘くはないよね。予想はしてたけど。
「ところでさ、救命救急の世界って、どう思ってる?」
一瞬、戸惑った。
「一分一秒がとても大切な世界だと思います・・・。」
全く自信がない。怒られたらどうしよう。
でも、浅野先生はニッコリ笑って答えた。
「うんうん、そうだよ。一分一秒の差で、人の命が変わる。」
そこでいったん言葉をきって、また話し始めた。
「もちろん、救えなかった命もたくさんあった。救命救急の世界ってそういうものなんだよ。何度も辞めようって思った。でも、僕は辞めないでいられた。何でだと思う?」
・・・・・・。全くわからない。
「仲間がいたからだよ。どれだけ落ち込んでも、笑える仲間がいる。それって素敵なことだよね。」
仲間・・・。
「さっ、初療室行こうか。救命患者は時間を選ばないからね。」

Re: Flight doctor stories 2 ( No.20 )
日時: 2017/12/09 10:44
名前: Rain (ID: OZxqQ4OG)

浅野先生と一緒に初療室に向かうと、人はほとんどいなかった。
ベッドなどの調整をしているナースが数人いるだけ。
「あの、なんでこんなに人がいないんですか?」
浅野先生は少しだけ考えて、答えを口にした。
「うーん、みんな医局とかロッカールームにいるんじゃないかな。」
ロッカールームといえば、確かベッドが押し込んであったはずだ。
「あっ、保管庫にいるのかな。」
保管庫・・・?器材の補充にでもいったのかな。
「保管庫にさ、ストレッチャーが置いてあるんだ。そこで寝ちゃう先生も結構いるよ。ロッカールームにはベッド一つしかないからね。たまーに、初療室のベッドで寝てる先生もいるけど。あ、ほら。」
浅野先生が指差したベッドには、工藤先生が眠っていた。
「工藤先生、いっつもこうなんだよ。前に一回、患者が来てるのに眠り続けてたこともあったかな。」
患者が来てるのに寝てたのか・・・。
「もちろん、その後赤川先生にこっぴどく叱られてたけどね。」
叱られたにも関わらず同じ場所で寝るなんて・・・。鋼のハートを持っているのかな。
「でも、赤川先生に叱られて以来、患者が来てるのに寝てることはなくなったよ。赤川先生、怒ると怖いんだよね。」
怒らせないようにしなきゃ。
「前に一回、ナースステーションの机ひっくり返したらしいからね。」
ナ、ナースステーションの机!?
「えっ、あの机めちゃめちゃ重いじゃないですか!」
「うん、重い。でも、まあ、噂だから。」
本当だったら怖いです。

プルルルルルッ!

ホットライン!ドクターヘリ要請だ!
浅野先生がなれた手つきでホットラインを取った。
「こちら風切北海救命救急センター。」
『小蔵救急からドクターヘリ要請です。患者、20歳、女性。』
近くにいたナースが、スピーカーのスイッチを入れる。
『横断歩道を渡っていたところ、飲酒運転の車にはねられ受傷。意識レベル300。』
「ドクターヘリ、出します。」
そのとたん、ベッドで寝ていた工藤先生のレシーバーから倉橋さんの声がした。
『ドクターヘリ、エンジンスタート、ドクターヘリ、エンジンスタート。』
それと同時に工藤先生がムクッと起き上がり、ヘリポートへ走っていった。
「工藤先生、ヘリ当番なのに寝てたのか・・・。」
ホットラインを切った浅野先生が呆れた顔をする。
「どこに運ぶかな。小蔵なら、小蔵中央病院の方が近いな・・・。」
現場の工藤先生がどう判断するか。
それによって、対応も変わってくる。
僕らに出来るのは、連絡を待つことだけだ。


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