複雑・ファジー小説
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- 昌しき進路
- 日時: 2019/08/30 16:57
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
渾身のこれまで創作された物語をこのスレにまとめました。
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渾身の物語集
毎日更新→ >>01-
【毘曇 】 7世紀新羅の逆謀・毘曇の波乱万丈な人生を描く大型歴史スペクタル
プロローグ>>01
第1話>>02
第2話>>03
第3話>>04
第4話>>05
【鳳凰の戦い〈闇の鳥〉】唐までを滅ぼした高麗の建国者ワン・ゴンが王位に就き、闇から放たれる日まで描く
>>06-15
【伝説の国】実在したとされる泰清の他国との政治関係性を短くまとめた物語
>>16-31
【鳳凰の戦い】毘曇にも登場するキム・ユシンの息子ユンボムが三韓統一を成し遂げるまで描く歴史スペクタル
>>32-38 最終回→>>48
【我らの訓音】ハングルを造った世宗イ・ドの治世を波乱万丈に描く。ヒューマン歴史スペクタル
>>39-42 >>45>>51
【晦き運命に響いた囁き】朝鮮で実在した義賊イム・コッチョンの生涯を描く!__(集中更新中)
>>44 >>46 >>47 >>49>>50
- Re: 渾身 集 ( No.5 )
- 日時: 2019/08/04 16:54
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
第4話 「昇進の出兵」
【高句麗王殿】
栄留王「早く出て行け!顔も見たくない!」
ピダム「新羅の国王は大王殿下は''先に出兵をしたのは高句麗だ。何故それを止めて高句麗は怒るのだ?我らには新羅の民と国を守る義務がある故、怒られる筋合いなどない''と仰られました。」
ヨン・ゲアムン(この者は…大王を恐れていない。これは大王を廃位するのに適する男だ。)
ピダム「大王陛下!どうしますか!我ら三韓が和平を組むか、それとも百済と新羅を敵に回しますか!」
栄留王「誠に百済からは三韓の和平の許可を得られたというか?」
ピダム「はい。百済の義慈太子からは承諾を受けました。三韓の和平は可能です。」
栄留王「よし。では国書の通りチュンチュ暗殺の命は取り下げよう。」
その栄留王の裏にはヨムジョンがいた。
ヨムジョン「ピダム公…何という事だ。。。」
【王殿前】
ピダムの前にヨムジョンがやってくる。
ヨムジョンは跪き、「私を…下にお置きください。」と。
ピダム「そなた、何の真似だ!」
ヨムジョン「あなたこそが私の主君です。あなたからものすごい気が感じられるのです。」
ピダム「そこまで言うなら仕方ないな。」
【新羅朝廷】
善徳女王「ピダム、よくやったな。」
キム・チュンチュ「私は良い部下を持ったと思えます。」
ピダム「ありがたき幸せです。」
善徳女王「そなたに参拝に任命する。」
ピダム「聖恩の限りでございます。」
【朝廷・前】
ヨムジョン「主君。さすがです。私が見込んだ通りでしたな。」
ピダム「ハッハッハ。ヨムジョン。そなたもいつかは宮廷に出仕させてやろう。」
ヨムジョン「主君。私はそのような事は望んでおりません。ただ、主君に仕えられれば十分です。しかし、主君。チュンチュ公とは手をお切りください。」
ピダム「何故チュンチュ様と手を切らねばならぬのだ?」
ヨムジョン「彼は危険な人物ですぞ。」
そこにキム・ユシンがやって来る。
キム・ユシン「ピダム公。よくやったな。」
ピダム「''よくやったな''ですと?私は官位六品の参拝ですぞ。これよりユシン公は私に敬語をお使いください。」
キム・ユシン「そうですな。''参拝様。''」
そこに、後ろからチュンチュがやって来る。
キム・チュンチュ「ピダム公!ユシン公に無礼ではないか!」
チュンチュはピダムを睨みつける。
キム・チュンチュ「ピダム公。参拝の座を手に入れ、一気に態度を変えるとは!けしからん奴だ。そなたとは手を切ることにする。」
ピダム「いいでしょう。チュンチュ公とはもう関わりたくもありません。私は宮廷のしきたりに従うだけです。」
ピダムとヨムジョンは去っていく。
キム・チュンチュ「ピダムがあのような者だったとは…あやつは絶対に許さぬぞ。」
キム・ユシン「ついにあやつが本性を現した様だな。」
【善徳女王の寝室】
ピダム「陛下。私にイチャンの座をお与えに。」
善徳女王「イチャンだと?」
ピダム「私がナンビ城(高句麗・平壌地方の城)を奪還して参ります。」
善徳女王「それが可能なのか?」
ピダム「私の今 手元にいる2万の兵士と辺境にいる8万のうちの2万の兵士をお与えください。」
善徳女王「4万の兵士だけでナンビ城を堕とす事が可能なのか?」
ピダム「はい。私にお任せに。」
それを、外から盗み聞きするキム・ユシン。
キム・ユシン(ピダム…次はイチャンの座に上り、チュンチュ公まで追い越す気か。)
【宮殿・前】
ピダム「私、参拝ピダムは!高句麗のナンビ城を堕として参ります!」
そこに甲冑を着たヨムジョンがやって来る。
ヨムジョン「ピダム公。私も付いていきます。」
ピダム「私は心強いぞ。ヨムジョンよ。」
ヨムジョンは馬に乗る。
【善徳女王の寝室】
キム・チュンチュ「何故ピダムにナンビ城へ出兵を許可したのですか。」
善徳女王「そなたにとってはどちらも嫌な事だろう。 ナンビ城でピダムが敗北すれば高句麗の怒りを買い、新羅に犠牲者が出るだろう。そしてピダムがナンビ城の奪還に成功し、戦功を立てればピダムが昇進するだろう。」
キム・チュンチュ「それなのに…何故…」
善徳女王「私はそなたに高句麗に行ってもらう。」
キム・チュンチュ「どういうことですか?」
善徳女王「そなたが高句麗の栄留王にピダムがナンビ城に出兵している事を伝えにいくのだ。そして、栄留王にピダムを始末してもらい、新羅の犠牲が出ぬように説得するのだ。」
キム・チュンチュ「つまり、高句麗と手を組み、ピダムを始末すると?」
善徳女王「この前、高句麗と問題を起こしたばかりである。慎重に言葉を選ぶのだぞ。」
終
- Re: 渾身 集 ( No.6 )
- 日時: 2019/08/04 16:56
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
【用語解説】
鳳凰…中国で聖徳を備えた天使の兆しとして現れるとされた、孔雀に似た想像上の瑞鳥。
高麗(高麗、コリョ)…918年~1392年に朝鮮半島に実在した国。ワン・ゴンが創始した国。
後高句麗…クンイェが建国した既に滅びた高句麗を復興した国。
後百済…キョン・フォンが建国した既に滅びた百済を復興した国
新羅…唐と共に百済、高句麗を滅ぼし、三韓一統を果たした大国。
二韓一中同盟…百済と高句麗、唐が同盟を組んだ時の名称。
使臣…君主 又は国家の代理で外国に派遣される使者。
同盟…思想などの一致した者らが(敵を同じくした者たち)共に個人や勢力同士で協力を約束する事。
復位…元の位に戻る事。
反正…正しい状態にする事。(暴君を王を廃位して国の規律を正すなど)
武烈王…新羅29代王、三韓一統を果たし新羅大盛期を起こした国王
国書…外交文書、外交交渉に用いられる一切の公文書。
醍醐天皇…平安時代の倭国(日本)の第60代天皇
- Re: 渾身 集 ( No.7 )
- 日時: 2019/08/04 16:57
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
【登場人物】
ワン・ゴン…後の高麗創始者(919年)
ワン・ラン…ゴンの弟、後新羅愛国者
ホン・ユ…ゴンの親友。後の開国功臣
ぺ・ヒョンギョン…ワン・ゴンの親友
シン・スンギョム…ワン・ゴンの親友
ポク・チギョム…ワン・ゴンの親友
景明王…新羅の54代国王
景哀王…新羅55代国王
敬順王…新羅56代王
キョン・フォン…後百済の国王
クンイェ…後高句麗の国王
神恵夫妻…ワン・ゴンの妻
雷安君…クンイェの弟、ワン・ゴンの親友
朱全忠…後の後梁皇帝
哀帝…唐23代皇帝。唐で操られる皇帝
大湮饌…渤海第15代王
大幃階…渤海14代王
李裕…唐の廃帝 昭宗を廃位し、廃位された皇帝
昭宗…唐の皇帝
チェ・ヤンス…後のチェ・ジモンの父
李茂貞…朱全忠に流刑に処された男。ワン・ゴンに協力。
李克用…ワン・ゴンの協力者
- Re: 渾身 集 ( No.8 )
- 日時: 2019/08/04 16:58
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
鳳凰の戦い:プロローグ
9世紀末…唐の力で高句麗・百済を滅亡させた新羅は6世紀~8世紀まで栄えていたが、百済・高句麗は再興され、新羅の国力は衰えた。
それにより、百済や高句麗を倒そうとする貴族勢力の反乱が絶えなかった。
900年 後高句麗がクンイェによって建国され、後百済がキョン・フォンによって建国される。その頃、唐では李裕は皇太子になり、クーデターで昭宗を廃位し、皇帝へ即位した。そして、李裕の暴政はとてつもないものであり、朝鮮半島にも影響を及ぼした。
- Re: 渾身 集 ( No.9 )
- 日時: 2019/08/04 17:02
- 名前: 渾身 (ID: Xr//JkA7)
第1章「戦いの始まり」第1話 「クンイェの怒り」
【占いの館】
占い師「そなたは闇の中にずっと居続ける運命だ。__そなたがその運命から逃れる方法は王位に昇ることだ。そなたは王位に登らなければならぬ。」
ワン・ゴン「何ですと?」
占い師「戦い続けるのが嫌ならば王位に就け。」
ワン・ゴン「ですが、方法など…」
占い師「本気で王位に就くつもりなら今の国王のクンイェの元へ行き、まずはクンイェに諛うのだ。」
ワン・ゴン「諛うのですか…」
占い師「ああ。諂え。」
西暦900年 【高句麗朝廷】
クンイェ「私たちを滅ぼした唐の使臣がこの国に何の御用でしょう。」
唐の使臣「唐へ高句麗の特産物を献上せよとの詔が下された故に…」
クンイェは机を叩く。
クンイェ「黙れ!唐の皇帝に埃でも献上せよ!埃でも食っとけ!と。」
唐の使臣「クンイェ殿!唐に無礼を働く気か!」
クンイェ「唐は我らの敵国だ!我らを滅ぼしたのはそちたちであるのを忘れでもしない限り特産物を献上しようとなんて言わないだろう。そなたを殺さないだけマシだと思え。早く帰れ!」
唐の使臣「クンイェ殿。覚えておきなされ。あなたにはどのような罰が待っているでしょう。楽しみですな。」
【唐朝廷】
李裕「何だと?高句麗が特産物を渡さない?」
唐の使臣「はい。陛下。クンイェに処刑を命じては…」
李裕「それは不可能であろう。高句麗は新羅に保護されており、勝手にはそのような手を下せる事ができぬ。」
唐の使臣「では…どうするのです。」
李裕「暗殺すればいい。」
唐の使臣「つまり真っ向から攻撃するのではなく、回り込んで攻撃するのですね。」
李裕「ああ。その通りだ。」
【高句麗宮殿・外】
宮殿に入ろうとした時…
「何者だ?唐人か?殺せ。」
すると唐の兵士たちにズバッと一瞬にして斬られる。
【クンイェの寝室】
唐の兵士たちはクンイェの首に刀を向ける。
すると、寝室にワン・ゴンと兵士たちが入ってくる。ワン・ゴンは兵士に刀を向ける。すると、兵士はクンイェの首に刀を当てて人質にする。
その後ろからぺ・ヒョンギョンが刀を手にして入って来る。そして、ぺ・ヒョンギョンが兵士を背後から斬る。ワン・ゴンが兵士の顔を見る。
ワン・ゴン「唐人です。やはり王様の予想通りでしたね。」
クンイェ「ああ。やはり唐の皇帝は暴君のようだ。廃位しよう。」
ワン・ゴン「はい?」
クンイェ「宦官を買収し、宦官勢力のクーデターを装い、廃位された昭宗殿下を復位させればいい。」
終