複雑・ファジー小説

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ガルちゃん修羅ハウス
日時: 2020/08/26 18:38
名前: 梶原明生 (ID: PvE9VyUX)

お騒がせご意見番女優、遠藤奈美子と、ヘタレアイドルリーダー佐士原理央が女性専用書き込み掲示板「ガルちゃん」のファンだと公表したためテレビディレクターの星野が閃いた。「番組企画でガルちゃん書き込みユーザーを集めてシェアハウスに住まわせて日常を放送すると言うのは。」かくして、旧知の女優、遠藤を中心に続々都内某所のハウスにガルちゃん民が集まるのだが・・・事態は予想だにしなかった展開に・・・様々癖のあるワケアリ女性が一度に集い、笑いあり、涙あり、バトルあり、珍事ありのドタバタ活劇を繰り広げる。

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Re: ガルちゃん修羅ハウス ( No.10 )
日時: 2020/11/11 15:29
名前: 梶原明生 (ID: vtamjoJM)

・・・引きつるイケメン。「え、お、悍ましい・・・何何・・・」一斉にマンションのベランダの戸が開き、食い入るようにドタバタ視線をぶつけられたらそりゃ驚くのも無理はない。「久々のイケメン。」渡がそう叫んだ矢先、ぶりっ子めいた若い女が手を振って走ってくる。「ゴメン、呼び出したりして。」「いいんだよ。行こう。」この光景に敵愾心を燃やすガルちゃん民。「テメーコラーっっ」橋場もつい鬼のような形相になる。言わずもがな、早速トピが立つ。「ぶりっ子女シネ」と。そんなガルちゃん民のパワーに圧倒された葉山は覗いていたカーテンの隙間を閉めて再びアニメに戻った。まさに「そっ閉じ」である。アニメには無限の可能性があるからこそ、辛辣な現実を忘れさせてくれる。実際は何の解決にもならないのに。・・・そんな時、珍しく猫カフェの仕事を差し置いてテレビ局にいた。かつてはテレビ出演していたこともあり、ましてや新番組の出演ともなればまたもや注目される。まさに小原にとって一石二鳥の話ではある。インタビューを受ける彼女。「それでは次の質問にいきます。小原さんはまさに実業家ですよね。噂では一生独身のつもりではとありますが。」「とーんでもない。私、こう見えても結婚願望ありありなんですよ。誰かいい人いないかなって今まで10人くらいの方とお付き合いしたこともあるんですよ。でもうまく行かなかっただけなんです。」実際は一桁誤魔化してはいるが、そこは公共の電波。枕営業まで言えるはずもなく・・・「どこかに運命の人、いないかな~なんて。もうこの年ですし、誰でもいいかななんて。」「は、はあ・・・」浮名を知ってるだけにインタビューの女子アナは少々呆れてしまった。そんな生放送のテレビを見ながら橋場達はまた新たなトピを立てた。「結婚願望」橋場「何か知らねーけど。極端な二人が結婚願望ありなんだと。どっちともありえねー。」佐士原「そんなこと言っちゃダメですよ。決まってるわけでもなしに。」遠藤「サゲ~。だって現実見なさいよあんたらしくもない。遠藤より。」橋場「おっと女優遠藤様のお出ましだ。本人が初めて降臨。」遠藤「ふざけないでよ。とにかく、片や女社長の高望み屋。片やアニメオタクの非現実主義。どっちにしたって結婚なんて無理じゃない。」・・・続く。

Re: ガルちゃん修羅ハウス ( No.11 )
日時: 2020/11/18 16:46
名前: 梶原明生 (ID: vtamjoJM)

・・・渡「私は・・・小原さんに一票かな。」遠藤「何でよ。」渡「だって、何か私たちの希望の星・・・みたいに思えるじゃないですか。」遠藤「あのね、自分に置き換えて希望しないでよ。あんな高飛車女誰が嫁にもらうっての。」渡「そういう遠藤さんだって・・・」遠藤「わ、私ははじめから男なんて眼中にないから。」橋場「嘘ばっか。」遠藤「あ、あなたね、調子に乗ってんじゃないわよ。」佐士原「ちょっと、窓の外見てくださいよ。さっきから男がうろちょろしてるんですよ。」橋場「イケメンか」皆一斉に出て後悔した。皆「おっさんかよ。」さっきとえらい違いや、と関西弁で突っ込みたくなる瞬間だが、そのおっさんにとっては一大事。そそくさと退散していった。「おっと待ちな。」いつの間にか橋場がガルちゃんを抜けて、おっさんに追いついていた。さすがジム通いして筋トレしてる賜物かな。「あ、あなた誰ですか。」「すみませんね不躾に呼び止めて。察するところ40代半ばとお見受けします。何で小原の部屋を見つめてたんです。」「そ、それは・・・どうしてわかったんですか。」「だって、視線が。それにまだ入居少ない新築の低層マンションですよ。そこから計算して向てた先の視線にある部屋と言えば小原さんとこしかないですもん。」「そ、そこまで・・・」「それに彼女にはジンクスがある。ブログ覗いたんですよ。ここぞって時にグラビアアイドル時代のお気に入り水着を外に干すといいことがあるって。つまり察するにそれを知らなければ彼女の部屋は見つけ出せない。しかもカムフラージュにあれだけ他のTシャツとかに紛れ込ませて干してる中で見つけるとなると、相当なファンでないとわからないはず。・・・つまりあなたは小原さおりのファン・・・でしょ。」「すみません、どうか警察沙汰には・・・」「勿論するつもりはありませんよ。ただ、事情は話してもらわないと。」テレビ予告で橋場を知っていたおっさんは観念して近くのファミレスで彼女に語りだした。「私は、彼女がグラビアアイドルをやっていた時から好きでした。」「ははーん、所謂おっぱい星人てやつですか。」「違います・・・そりゃ、嫌いじゃないですが・・・でも、彼女に一目ぼれしたのは何ていうか、頬っぺたなんです。」「頬っぺたっ・・・」橋場はコーヒーを吹き出しそうになった。・・・続く。

Re: ガルちゃん修羅ハウス ( No.12 )
日時: 2020/11/21 16:26
名前: 梶原明生 (ID: PvE9VyUX)

・・・「癒されたんです。」「ああ、なるほど。」「そりゃ、彼女のことブスだの性悪だの叩く人はいました。でも私にとっては恋する天使のような存在だったんです。」「こ、恋する、あの顔が・・・」素知らぬ顔でコーヒーを啜る橋場。「仕事がうまく行かないときなんか、彼女の顔で何度いやされたことか。握手会やイベントに行くたび彼女への強い思いは強くなるばかり。」「つまり心底惚れてるってことなんですね。」「はい。でも、見た目こんなだし、お金持ちでもないし、独身おっさんだし、一度だって彼女振り向いてくれなかったんです。」「ま、まあ、そうでしょうよ。・・・あ、いいこと思いついた。お宅の名前まだ聞いてなかった。お名前は。」「増岡武雄です。」「増岡さんね。あなたの恋心。一旦私に預けてもらえませんか。」「え・・・」一瞬ポカンとする増岡。何かしら悪知恵が働いたようだ。その夜、相変わらずガルちゃん民はガルちゃんに勤しんでる。橋場「ねぇ、小原さん。結婚願望あるって言ってたよね。あれ本当。」小原「ええ、そうだけど何。」橋場「本当に。結婚してくれるなら誰でもいいなんて言ってたけど、あれ、嘘でしょ。」小原「いや、嘘だなんて心外だな~。本当に焦ってるんだってば。」橋場「ならファンの誰かと結婚しちゃえば。」小原「そ、そりゃ、あくまでさっきのはリップサービスみたいなもので、いくらなんでもどんな人ともってことじゃないから。」橋場「ふーん。なんかブレまくりだね。私芸能界の事情なんて知らないけど、リップサービスにも節度ってもんがあるんじゃない。」小原「そうは言っても・・・」橋場「案外人間って出会いが目の前に転がっても色眼鏡で差別すんのよね。しかも確実浮気もせず大事にしてくれる人がいるにも関わらず。」急にだんまりを決め込む小原。橋場「あれ、沈黙ですか。」渡が間に入る。「もう優ちゃん、いい加減にしなって。あんたに芸能人の事情はわからないんだから口出ししたらだめだよ。」橋場「でもね。」そう書き込んでる間に小原に電話が入る。「もしもし。もう掛けないでって言ったでしょ。」「まぁそう言うなよ。予告にお前が出てた見てさ、また寄り戻したいと思ってさ。」「何よ、女作ってさっさと乗り換えたあんたが今さら。」「ああん、お前今の店出資してやったの誰なんだ。この俺様だろうが。」・・・続く。

Re: ガルちゃん修羅ハウス ( No.13 )
日時: 2020/11/22 17:31
名前: 梶原明生 (ID: PvE9VyUX)

・・・「それならとっくに借金は返済したはずよね。」「それだけじゃねー。ストーカーを処理してやったのもこの俺だ。・・・今すぐ来い猫カフェのオフィスに。可愛い猫ちゃんがアレルギーショックで全部死んだら悲しいだろ。」小原は青ざめた。あの男ならやりかねないと。その電話の主はかつて芸能界に身を置いていた時に近寄ってきた佐山会若手幹部だった男、小手川。しかし勢力図が変わり、今は落ちぶれていた。そこへ起業家として成功している小原に目をつけていた。勿論経営権と財産目的で。「待ってて。今すぐ向かうから。」彼女は一目散で猫カフェに向かった。それを聞き逃さない橋場。いつの間に仕掛けていたのか、盗聴器で一部始終を聞いていたのだ。電話する橋場。「増岡さん、大変、小原さんがピンチだよ。今すぐ来て。」「え、でも、俺なんか行ったって・・・」「あんた男だろ。惚れた女の危機に何悠長なこと言ってんの。私も同行するから心配ないから。」「は、はい。」増岡はアパートを出た。しばらくすると数人で女社員を軟禁している小手川がニヤついていた。「おうおう我が愛しのハニーのご登場だぜ。」ボルボの愛車を止めて小原は駆け上がった。「これはどういうこと。こんな事して・・・」「ただで済むよ。俺はただ客として、共同マネジメントの相談に来ただけだ。親切に猫ちゃんの餌までプレゼントしにな。」社員がか細い声で言う。「社長・・・」「うん、わかってる。心配しないで。」「さあ、どうする。お前の出方しだいで、うちの若い衆がバカしなくて済む。」苦渋の表情になる小原。その時、ドアの強化ガラスをタクティカルライトで叩き割る橋場の姿があった。「は、橋場さん・・・」「あ、何だテメーは、」凄む若い衆はつい彼女を殴ってしまう。いや、殴らせたのだ。「何だ、女のくせに頑丈な・・・」橋場には蚊に刺されたものか。「女性に暴力を振るった。この場合正当防衛が成立する。あんた達の通話は録音させてもらった。」レコーダーを翳す橋場。「ザケンナーッ。」若い衆が3人飛び掛かるが彼女の鋭い体術が炸裂する。「あなたスカーレットヨハンソン。」黒っぽい衣服と半長靴と優れた格闘術が尚更、小原に連想させたのだ。「悪いけど、マーベルはあんまし好きじゃないんだよね。」肘で若い衆の一人を叩きのめしながら言う橋場。・・・続く。

Re: ガルちゃん修羅ハウス ( No.14 )
日時: 2020/11/23 15:43
名前: 梶原明生 (ID: PvE9VyUX)

・・・「な、何なんだお前は。別の組のもんか。こいつらも半分は雇った半グレだが、テメーもその一人かっ。」小手川が頭抱えながら必死に今のありえない状況を理解しようとしてる。「どれも外れ。半グレじゃなくグリーンベレーに近いかな。」「はぁ、グリーン・・・何だそりゃ。」「増岡さん。あんたの出番。」ガラスドアに驚愕して立っている彼に叫んだ。「露払いはした。後はあんたが何とかしなきゃ。」「は、はい。」ようやく正気に戻った彼は小手川に立ちはだかった。「彼女のことは諦めて立ち去れ。」勇気を振り絞って抵抗する増岡。「ま、増岡さん・・・」「は、知ってんの小原さん。」「え、ええ。すごく印象深いファンの方だったから。」恐怖の中、増岡はそれだけ聞いても満足げになった。「うるせー。うぜーんだよ小汚えオッサンがよ。笑えるぜ。」橋場が叫んだ。「増岡さん、あんたは剛柔流の指導員だろ。そんな奴に負けるわけない。」そう、すでにそこまで調べていたから連れてきたのだ。「はい。」「うぜーっ。」殴り掛かってくるのをかわしたがフックを食らう。「こっちはケンカでのし上がってきたんだ。ど素人が。」殴りの応酬になった時、負けそうになった増岡の後ろから小手川の目にタクティカルライトの光を当てた。その時だった。増岡の渾身の正拳突きが肋骨にヒット。「ウォリャーっ。」崩れ落ちる小手川。その直後にパトカーのサイレンが。小原はよろける増岡を支えた。「増岡さん、あなた・・・」「ごめんなさい。差し出がましいとは思ったけど、ほっとけなくて。橋場さんが連絡してくれたんだ。」「橋場さんが。」その時小原は彼に何かを感じ取っていた。橋場が割り込む「お取込み中すみませんがね。ドアと多少の器物損壊。それに盗聴罪問いたいって言うんならどうぞ。でもね、言った通りでしょ。幸せは気付かない身近なところにあるんだってこと。」ぐうの音も出ない小原。「いいわ。今回のことはなかったことにしたげる。でも教えて。あなた本当は一体何者なの。」髪を解いて振り返る。「ただのガルちゃん民よ。」・・・続く


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