二次創作小説(映像)※倉庫ログ

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逃走中LR00 L氏苦悩の手帳【設定集&短編】
日時: 2014/08/30 23:51
名前: ランスロット ◆/.5aaSlLPY (ID: esFsElNI)

この手帳を開く覚悟があるのならば開くべし…。
ここには、逃走中LRそして他の作者様の逃走中に関するデータが詰まっている。つまり、開いてしまえばランスロット氏の恥ずかしい逃走記録がつづられて………ランス「ねーよ」



どもです、ランスロットです。

この度逃走中の設定集を作ることになりました。なぜ作ることになったかというと…。
私の逃走中をもっと盛り上げたいという思いと、他の逃走中作者様にこちらサイドのキャラクターを知ってもらおうというものです。

ただでさえ扱うジャンルが結構違うのにわかる奴いんのかと言われればおしまいですが、出来るだけ魅力を伝えられればいいと思っています。
いろんなキャラのポジションが結構意外なことになっています。



ランス「随時更新をかけていく予定なので、もしよければ見ていってくださいね。コメントや差し入れ、『このキャラを追加してもらいたい!』『このキャラと交流した設定を入れてくれ!』とのご希望がありましたらどうぞ。
    出来るだけ反映していきますね。
    なお、ここで謝っておきます。ユーリファンの全国の方、申し訳ありません。うちのユーリはいつものユーリではありませんことをここに言っておきます。」



というわけで、ご了承よろしくお願い申し上げますね。



GM設定   >>1 >>60 >>62 
副GM    >>2
内部監修組 >>3-8 >>11 >>51 >>27 >>69-71
裸族    >>12-18 >>36
お仕置き組 >>19-25 >>57
解説組   >>29-35
カオス大好き組 >>37-38 >>43-44



短編集
逃走中にオリキャラが仲間入りするよ! >>45
スマブラfor参戦キャラクター大予想会 >>56 >>58-59 >>63
四方神の秘密(※本編と密接に関わる内容です) >>61


キャラクター過去編
ver.ヴィルヘルム >>73-75
ver.ジルクファイド >>77-78


逃走中結果発表

第1回目 >>28
第2回目 >>64


スマブラ三大嫁による「キャラクター講座」

第1回「ポケモンは喋れるの?」 >>39
第2回「ランスロットの他キャラの呼び方について」 >>50


※短編集というか、本編では明かされることのない運営キャラの秘密を明かしていきたいと思います。
 オリキャラもこちらにて紹介していきますのでご了承ください。

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プロフィール44 ( No.71 )
日時: 2014/07/16 16:57
名前: ランスロット ◆/.5aaSlLPY (ID: sCyn8lHK)

【ルフト】

性別:男
年齢:不明
属性:闇/風
一人称:僕
二人称:呼び捨て/君
容姿:スマブラforの男ルフレの姿(僕口調1)
特技:何でもそつなくこなすこと
趣味:料理(ただし味は…)
好きなもの:セルジュ、今のこの世界
嫌いなもの:過去の自分
武器:サンダーソード&魔導書『ゲーティア』
タイプ:アタック&マージ
ポジション:内部監修組


関係:ランスロット(どこか自分に似ているという)
   ルフコ(双子の妹。兄弟仲は非常に良い)
   マルス(彼の持つ闇に興味津々らしい)
   クロム(異界で戦った元のクロムとはだいぶ性格が違うらしく、違和感を面白がっている)
   セルジュ(嫁。現在彼女は元の世界にいる)
   マーコ(娘。どこか腐川に似ているらしい)
   ジェローム(息子。現在は元の世界にいる)





イーリス聖王国軍の軍師であり、『絶望の未来』時間軸のルフレ。異界含めて『ルフレ』を数えるととんでもない数になるため、区別出来るように『ルフト』と呼ばれている。
元々は元の世界でギムレーとして動いていたが、本編クロムとルフコに説得され『ギムレー』としての心が滅び、『ルフレ』として生きることが出来るようになった。その後、ランスロットの勧めもありこの世界で住み込みながら働いている。
しかし、たまーにギムレー時代の自分を思い出し『自分はここにいていいのだろうか』と試行錯誤している姿を見かける。…まぁ、改心したし大丈夫だとは思うが。
気さくで人当たりのいい性格。誰とでも平行に話すため、運営の人間からは信頼されている。自分の過去のことについては仲間になる際に全員に話しており、仲間達もそれを受け入れている。







【使用技&術】※変更あり

『青銅の剣』(出典:FE覚醒)
青銅の剣を装備し、敵に攻撃をする。威力は低めのため、『捕獲ミッション』などに役立つ。

『鉄の剣』(出典:FE覚醒)
鉄の剣を装備し、敵に攻撃する。青銅の剣より攻撃力が高い。

『鋼の剣』(出典:FE覚醒)
鋼の剣を装備し、敵に攻撃する。鉄の剣より攻撃力が高い。

『銀の剣』(出典:FE覚醒)
銀の剣を装備し、敵に攻撃する。鋼の剣より攻撃力が高い。

『勇者の剣』(出典:FE覚醒)
勇者の剣を装備し、敵に攻撃する。連続攻撃が出来る優れもの。

『サンダーソード』(出典:FE覚醒)
サンダーソードを装備し、敵に攻撃する。この攻撃のみ『魔力』に依存する。

『邪龍の鱗』(出典:FE覚醒)
敵から受けるダメージを半分以下にし、特殊能力持ちの技(例:一撃必殺、追加効果ありの技)を無効化する

『邪龍のブレス』(出典:FE覚醒)
両手から闇のブレスを放出し、攻撃する。闇属性





『ウィンド』(出典:FE覚醒)
ウィンドの魔導書を装備し、敵に攻撃する。威力は低い。風属性

『エルウィンド』(出典:FE覚醒)
エルウィンドの魔導書を装備し、敵に攻撃する。ウィンドより威力が高い。風属性

『ギガウィンド』(出典:FE覚醒)
ギガウィンドの魔導書を装備し、敵に攻撃する。エルウィンドより威力が高い。風属性

『レクスカリバー』(出典:FE覚醒)
レクスカリバーの魔導書を装備し、敵に攻撃する。ギガウィンドより威力が高い。風属性

『ミィル』(出典:FE覚醒)
ミィルの魔導書を装備し、敵に攻撃する。三すくみより威力は高い。闇属性

『リザイア』(出典:FE覚醒)
リザイアの魔導書を装備し、敵に攻撃する。敵から奪った体力の半分を回復することができる。闇属性

『ルイン』(出典:FE覚醒)
ルインの魔導書を装備し、敵に攻撃する。稀に一撃必殺魔法と化す。闇属性

『イル』(出典:FE覚醒)
イルの魔導書を装備し、敵に攻撃する。連続攻撃ができる便利な魔法。闇属性

『ゲーティア』(出典:FE覚醒)
ゲーティアの魔導書を装備し、敵に攻撃する。威力が物凄く高い。闇属性

『スライム』(出典:FE覚醒)
スライムの魔導書を装備し、敵に攻撃する。遠距離攻撃専用で、他人が届かない遠方からでも攻撃が届く優れもの。

『暗闇の加護』(出典:FE覚醒)
フィールド全体を暗闇で覆い、味方の姿を眩ませる術。味方はルフトの魔術により全体の姿が見える。

プロフィール45 金獅子海賊 ( No.72 )
日時: 2014/07/21 19:04
名前: ランスロット ◆/.5aaSlLPY (ID: F35/ckfZ)

【クラウス・クライン】

性別:男
年齢:不明(推定90以上/外見18)
属性:土/水
一人称:オレ
二人称:呼び捨て/アンタ
容姿:髪/MZDの髪型に近い。もみ上げが非常に長く、左は三つ編みになっている。金髪。海賊帽をつけている。
   顔/目の色は紫。色白
   服/白い胸が大きく開いたシャツ&ダークゴールドのロングパンツ&ライトブラウンのブーツ
     その上にダークゴールドの大きなジャケットを着ている。
特技:地理(地理系の歴史は完璧らしい)
趣味:世界旅行
好きなもの:大海原、自由
嫌いなもの:貴族(現在は割と寛容している)
武器:短剣『ソードブレイカー』&短銃『トパージニア』
タイプ:アタック&ジャマー
ポジション:みんなのまとめ役


関係:ランスロット(命の恩人であり、非常に仲良し。いろんな意味で)
   アクラル(からかいがいのある奴)
   MZD(命の恩人その2。彼のいうことには流石に逆らえない)
   石丸(彼が大先輩。かわいい後輩だと思っている)
   田中(彼が大先輩。なぜ貴様は時代の波に呑まれぬのだ…?!)
   罪木(彼が大先輩。かわいいと思われしどろもどろ)
   セレス(彼が大先輩。実は吸血鬼ではないのですか?)







世界をまたにかける海賊で、『金獅子を継ぐもの』。本来の姿は巨大な獅子の姿。
彼の趣味もあり、世界旅行を続けていたところ彼の正体を知っているMirageが襲撃、命からがら逃げ出し逃走中LRの会場へとやって来た。
元々は希望ヶ峰学園『第1期生』である『超高校級の貴族』と呼ばれた人物。1期生は伝説ともなっており、一部の生徒は彼らを『神』としてあがめているらしい。しかし実態はそうではなく、卒業間際に当時の校長の罠にはめられ瀕死の重症を負ったという事実があった。
その後、彼はランスロットとMZDに出会い、金獅子に自分の命と『希望ヶ峰学園に入る前の自分』を代償として渡し、金獅子となった。
あっけらかんとしており、常に人とは間合いを取る。本当に信じた人物にはズケズケ物事をいうが、棘はないので大丈夫らしい。
実はランスロットに密かな恋心を持っている、という噂もちらほら見受けられるが、真実は闇の中である。





【使用技&術】※変更あり

『memories』(出典:IIDX8)
短銃を脳天に一発ぶちかまし攻撃する。『忘却(一定時間すべてのスキルが使用不可になる)』の追加効果。

『冥』(出典:IIDX12)
銃弾を何発か打ち込み、時間差で相手に攻撃する。

『THE SAFARI』(出典:IIDX3)
銃弾と共に巨大な獅子のオーラで敵を攻撃する。たまに敵をひるませる追加効果あり。

『One More Lovely』(出典:IIDX10)
短剣で一撃浴びせた後、銃弾を何発も喰らわせる技。

『Broken』(出典:Rb)
銃弾を部位の繋ぎ目を狙い打ち込む攻撃。うまくいけば部位を撃ち落とすことができる。

『.59』(出典:IIDX2)
額、心臓、両足をそれぞれ狙って銃弾を打ち込む攻撃。たまに即死させる。

『G59』(出典:IIDX17)
銃弾を両足に撃って身動きを取れなくした後、短剣で心臓を一突きする攻撃。

『嘆きの樹』(出典:IIDX13)
地面から無数の樹木を召喚し、敵を締め付けて攻撃する技。

『金獅子変化』(出典:オリジナル)
金獅子の姿に戻り、水属性と土属性を併せ持った爪で攻撃する。
なお、この技は本人もできれば使いたくない『とっておき』だということを覚えておいてもらえるとうれしいです。

ヴィルヘルムの過去話 ① ( No.73 )
日時: 2014/08/24 22:19
名前: ランスロット ◆/.5aaSlLPY (ID: 8bddVsaT)

過去にこちらの別のスレッドで書かせていただいたものの再録版です。




−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−




———ひとつ、過去話をしようか。

それは、あいつ…MZDがまだ『松田翡翠』として前の世界で過ごしていた頃の話に戻るのだが…。そう、私もまたあいつと同じように『こちらの存在』ではないのだ。
…ふふ、何故お前がこのことを話しているのかって?———話したくなったからだよ、私の気まぐれさ。


……さぁ、過去の扉を開けようじゃないか。誰も知らぬ『隠された過去』へ…向かおうではないか。




−−−−−−−−−−−−−−−−−



〜HELL城〜



「それじゃお菓子の振り分けはじめまーす!!どれたーべる!!」
「ぽてち!!」
「チョコレート!!」
「プリンですわ!!」
「全部ねーよ!!」


ある昼下がりの出来事だった。
逃走中で起こった謎の襲撃事件…。MZDが被害にあってしまったが、まだあいつのいう『力の暴走』とやらは起こっていないから考えないことにしていたのだが…。
なにやら、不穏な空気がぬぐえない毎日を過ごしていた。
ランスがこっちの世界に住み着くようになってから、いつもの日常は更に賑やかさを増した。
異世界からの客人を引き寄せ、異文化コミュニケーションを通じ、日々は少しずつ、少しずつ変わろうとしていた。


今はプリン、カービィ、ハテナが烈のおやつを取ろうとしているところ…なのだが。
結局ないものねだりをされて困っているのだが。
私は…その光景をみながら、ゆったりとした時間を過ごしていた。


「ヴィル、何やってんの?」
「別に…」
「ふぅん。ま、別にいいけど」
「…………」
「そういや、さ。ヴィルも…今名乗ってる名前、本名じゃねーんだろ」
「…誰から聞いた?ランスが?」
「うん。根掘り葉掘り聞いたら答えてくれた」
「あいつめ…」


黙ってようとしてたのに…。余計なことをするものだ。
そう思いながら、私は黙ってMZDの話を聞いていた。
———あいつ、私の過去についてまで話をしたのか……。


「…ねぇ、過去について教えてくれない?」
「なぜ貴様に話す必要がある」
「いいじゃん、親友なんだからさぁ」
「……仕方ないな…。ここで話すのもなんだ、別の場所に移動しよう」


そう言い残し、私はMZDを連れて部屋を後にした。
場所を変えるなんて言ったのが不都合だったのか、あいつは何度も「場所変えんのかよ」と言ってきた。
———だが、真実を話すことはあの場ではできない。


「……この世界の人間には、酷すぎる事実だからな」

ヴィルヘルムの過去話 ② ( No.74 )
日時: 2014/08/24 22:22
名前: ランスロット ◆/.5aaSlLPY (ID: 8bddVsaT)

〜テラス〜


私達がやってきたのは、広いテラスのような場所だ。
ここならば外が一望できるし、よほどのことがない限りは誰にも見つからないであろう。
私はため息交じりにテラスに置いてあった椅子に腰かける。


「さて、何から話したらいい」
「オレの音無町時代の話から」
「…と、いうことは…。ドイツ時代から、かな?」
「え?ヴィルドイツ生まれなの?」
「言葉遣いと四天王時代の技で察してくれ」
「うぃっす」


こいつ、もしかして私が妖術で操られていたことを忘れているのか…?!
と、冗談は置いておいて。私は深呼吸した後に、ゆっくりと過去について話し始めたのだった。


「私は…確かに、お前と同じくこの世界の出身ではない。お前が日本の音無町に住んでいたように…私もドイツで産まれ、幼少の頃を過ごしていたのだ」
「えっと…確かあいつに聞いた話だと、ヴィルの魂がこっちに来たのは…7歳の誕生日迎えた時…だったんだっけ」
「あぁ。ドイツの上流貴族出身で、家族ぐるみで暗殺業をしていたんだ。私は物心ついた時から暗殺の技術を叩き込まれ、既に何人もの依頼を受けていた…。そんな感じか。一応、身分を隠し学校にも通っていたのだ」
「生前から暗殺業してたのかよ…」
「悪いか」
「いや、話続けて?」
「それで…私には『ユウリ』と『ジェーン』という友人がいた。彼らは学校に入ってから初めてできた友達で、よく家に招いて遊んでいたこともあったな」
「『ユウリ』は今のユーリ、『ジェーン』は今のジャックってことでいいんだよな?あいつらには記憶がないそうなんだけど…」
「そうだ。それで、私を含め3人はお互いをいたわりあいながら生活を続けていたのだ。しかし…とある日。ユウリの両親とジェーンの両親が些細なことから喧嘩を始めてしまった。そして…私の親に頼んできたのだ。『相手の息子を殺してほしい』と…」
「なんだよそれ!狂ってる…。親同士が喧嘩してるなら、子供は関係ないだろ!!」
「そうでもしないと気分が収まらないほど興奮していたのだろう…。そして、その依頼は不幸にも私に回ってくることとなった。私は感情を押し殺し、放課後の学校に2人を呼び出した」
「…それで、殺したのか?」
「いや。私にそれが出来るほどの心の強さはなかった」
「じゃあ…どうしたんだよ」


不安がるMZDは、恐る恐るそう聞いてきた。
私は改めてため息をつき、なるべく表情を悟られないようにこう彼に突き付けた。


『殺した。自分自身を』
「それって…自殺…って、こと?」
「あぁ。耐えられなかった。自分を労わってくれた仲間など…殺せるわけがなかろう…。それで…自分自身の命を絶ったのだ。呪われた人生から自分を断ち切るために」
「それで…その魂はこっちの世界に来て、魔界に降り、当時のプルートさんに魔族にしてもらったんだよな」
「外見的な変化が起こったのもその頃だな。おかげで今の今までずっと少年と青年の狭間をさまよい続けている」
「…まぁ、いいんじゃねーの?外見が定まってるってことは…。どんなに歳喰ったって見た目が醜くならねぇ、ってことなんだからさ」


私の話はこれで終わりだ。彼にそう告げると、あいつは妙に納得したように声を上げた。
……あぁ、喋ってしまった。だが…それでいいのかもな。むしろ今まで喋らなかったのがおかしかったのではないだろうか。
ただ———『あの戦争の話』までは持ち込んでほしくないのだが…。
その思惑は、不幸にもジルクファイドの登場によって打ち破られることとなった。

ヴィルヘルムの過去話 ③ ( No.75 )
日時: 2014/08/24 22:31
名前: ランスロット ◆/.5aaSlLPY (ID: 8bddVsaT)

「…ごめん、ちょっといいかな。大変なことになった」
「どうした?ジルク」


テラスで話し込んでいると、急にジルクが現れた。
話によると、ユーリから討伐依頼が出たらしい。…場所が場所で気になるがな…。


「『死霊地』から…大量のゾンビが噴出してるってユーリから連絡があった。討伐手伝ってほしいんだって」
「『死霊地』…?どうしてそんなところから…?」
「それで…現地で戦ってるみんなの情報集めてきたんだけど…。ゾンビは『過去の戦いの死霊』で、中には腕に『金色の腕輪』をつけてたやつもいたんだって」
「金色の腕輪…!!それって!!」
「そう。エムゼがつけてるのと、全く同じ奴だよ」


ならば、死霊地でのゾンビの暴走はエコロ達が関係しているということか…?
とにかく現場へ向かわなければ。私はそのウマを伝え、準備を整えて死霊地へと向かった。
———あの、かつて行われた『醜き戦争』の場へ———。





〜死霊地〜




「やっと来たか!遅いぞ三大嫁!」
「お前が使うなよ嫁でもないくせに。まぁいいや。とにかく、このゾンビを全部片付ければいいんでしょ?」
「だが…気をつけろよ。腕輪をしているゾンビは他のゾンビより力が強く感じる」
「ってことは…金色の腕輪は『魔力の増幅装置』って考えたほうがいいのかもね」
「でも…オレ今つけてるけど力が強くなった感じはしないよ?」
「何か条件を満たさないと魔力は増幅しないのか…」


ユーリからの情報を聞いた後、私は自前の杖を取り出す。…確かに、腕輪をしていない者より腕輪をしている者の方が凶悪なオーラを発している。
さらに…ゾンビには自我はないと思うが…。腕輪をしている方は『敵味方関係なしに攻撃している』ように感じる。———どういうことだ?
疑問は募るが、これ以上ゾンビが増えるのもままならないので、とりあえず数を減らすことに専念することにした。
……そして、数分後。あらかたのゾンビは討伐し終わっただろう。数は圧倒的に減っていた。


「ふぅー。なんとか上手くいったって感じ?」
「協力、感謝する」
「でも、どうして俺達に頼みに来たの?裸族仲間もいるじゃない」
「連絡はしたのだが…全員戦える状態じゃなかったからな…」
「そ、そう」


裸族はどうでもいい…。しかし、どうしてゾンビが大量発生したのだろうか。
とりあえず、私は倒れているゾンビの1体に記憶操作魔術をかけてみる。
———すると、目の前に過去の記憶…………が…………。
これは——————





「こいつらは……私……が……殲滅した……」





目の前には、黒い鎧を着た初老の男と、彼に掘り起こされたのだろう大量の死体が写っている。
……死体に見覚えがあった。いや、忘れられるはずがなかった。『魔族をすべて滅ぼそう』と動いた、あの軍事国家の兵士達の死体だった。
私は———あの戦い…『魔族と軍事国家の戦い』で、自らの魔力を抑えられなくなり暴走したことがある。そのおかげで魔族軍は勝利し、私は『紅き英雄』と呼ばれるようになったのだ。
———しかし、私は英雄ではない。戦いが終わった後、兜の取れた兵士の顔を偶然見てしまったのだ。
……兵士は……子供だった。私よりも幼い、小さな子供だった。私は……彼らを、無理やり戦いに駆り出された何の罪もない子供を、殺したのだ。
不意にその出来事を思い出し、挙動不審になる。私は英雄ではない。言うなれば『死神』だ。世間から『紅き死神』として騒がれるようになった時、心のどこかでそう感じていた。


「ヴィル…」
「このゾンビ、魔族を滅ぼそうとしていた軍事国家の死体…だったみたいだ。人間の軍は強大な魔力を持った一人の魔族に滅ぼされたって本に記述されてあったけど…。
 まさか、その魔族が…ヴィルなのかなぁ」
「真実を知るのはあいつだけ、だろうな」
「…あいつ、こんなに苦しい思いしながら過ごしてたんだな…。暗殺者のくせに人の命を奪うのに抵抗があるって言ってたの、わかる気がするな…」


だったら…今、謝ったほうがいいのだろうか。
私は…罪もない子供達を殺した償いをしたほうがいいのだろうか。もう動かなくなったゾンビの悲しそうな顔を見ながら…私はそう思った。
奪ってしまった命はもう元には戻らない。ならば———それ相応の弔いはしてやらないとな。
遅れてしまったが———せめて、これくらいはやらせてくれないか。


「MZD、ジルク。先に帰っててくれないか」
「え?」
「…今から、このゾンビ達を全て焼き払う」
「ちょっと?!そんなことしていいの…?!」
「この子達に罪はない。だから…せめて天国に送ってあげたいのだ。せめてもの…弔いだ。誰にも見てほしくないのだ…だから」
「分かった。ジルク、ユーリ、行こうぜ」
「う、うん」


———状況を察してくれたのか、MZDはまだ理解していない2人を連れて城まで戻って行った。……感謝するぞ、MZD。
そして、彼らが言ったのを確認し…。私は両手を前に掲げる。炎魔術の詠唱を始める。
彼らが少しでも救われるように。私も魔族ではあるが『この世に生を受けた』者。せめて、これくらはやらせてくれ。天国で幸せに暮らしてくれ。
そう、祈りながら。






『Ubertreffen』






———私は、炎の海で燃え盛るそれを、祈りながら、ただ、見ていた。


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